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Chapter② セフレ以上恋人未満 ~タカシside~
セフレとしての関係(5)
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翌朝、俺はシュンに抱きしめられる感覚で目が覚めた。
俺よりも身長が高いし、Sっ気のあるシュンに抱きしめられる感覚は今までなかったけど、よっぽど寂しかったんだなと思い、俺はシュンの手をそっと握る。
しばらく目を瞑っていると、シュンの方からキスをされる。
「起こしちゃった?」
シュンが心配そうな顔をして俺を見つめる。
「ううん、そんなことないよ」
そう俺は答える。
「よく眠れた。ありがとう」
シュンは小声で俺に話す。
俺の方こそ、シュンと一緒だったからよく眠れた。
俺は今まで、シュンに恋人がいたので“好き“と言う感情を抑えつけていたが、今であればこの気持ちを正直に伝えてもいいだろうか。それとも、別れたことに付け込んでいると勘違いされてしまうのではないか。
朝目覚めたばかりだと言うのに、俺の頭の中ではぐるぐると思考がいろいろな想定を始める。どの選択肢が一番良いのか分からない。正直に言ってしまった方がいいかな。あー、どうすればいいんだ。
ふと今までの俺の恋愛経験を振り返ると、俺から告白した人は100%Yesの返事だった。きっと今回も。
「シュン、あのさ?」
「ん?」
シュンが目を開いて俺と目が合う。
「こんなタイミングで気持ちを伝えるのもアレなんだけど、実は俺、シュンのことが」
「待って、それ言うの」
「ええっ?」
俺はシュンに告白を遮られた。
「ごめん、タカシの気持ちには薄々気付いていた。だからこうなることも想像していた。俺もタカシに気がないわけじゃない。だけど、今はまだ気持ちの整理がつかないからもう少し待ってほしい。ダメ?」
今日のシュンはまるで子犬のような目をしている。1人では生きていけないような、まるで親に見捨てられて今後を不安に感じているような、そんなうるうるした目だ。
俺は言おうとした告白の言葉を一旦飲み込んだ。
「わかった。だけど、俺の気持ちは変わらないから。シュンには幸せになってほしい。もっと笑顔でいてほしいから」
そう言って、シュンの手を握る。
「わかってくれてありがとう」
シュンは俺の手を握り返す。
そして俺とシュンは再び眠りについた。
俺よりも身長が高いし、Sっ気のあるシュンに抱きしめられる感覚は今までなかったけど、よっぽど寂しかったんだなと思い、俺はシュンの手をそっと握る。
しばらく目を瞑っていると、シュンの方からキスをされる。
「起こしちゃった?」
シュンが心配そうな顔をして俺を見つめる。
「ううん、そんなことないよ」
そう俺は答える。
「よく眠れた。ありがとう」
シュンは小声で俺に話す。
俺の方こそ、シュンと一緒だったからよく眠れた。
俺は今まで、シュンに恋人がいたので“好き“と言う感情を抑えつけていたが、今であればこの気持ちを正直に伝えてもいいだろうか。それとも、別れたことに付け込んでいると勘違いされてしまうのではないか。
朝目覚めたばかりだと言うのに、俺の頭の中ではぐるぐると思考がいろいろな想定を始める。どの選択肢が一番良いのか分からない。正直に言ってしまった方がいいかな。あー、どうすればいいんだ。
ふと今までの俺の恋愛経験を振り返ると、俺から告白した人は100%Yesの返事だった。きっと今回も。
「シュン、あのさ?」
「ん?」
シュンが目を開いて俺と目が合う。
「こんなタイミングで気持ちを伝えるのもアレなんだけど、実は俺、シュンのことが」
「待って、それ言うの」
「ええっ?」
俺はシュンに告白を遮られた。
「ごめん、タカシの気持ちには薄々気付いていた。だからこうなることも想像していた。俺もタカシに気がないわけじゃない。だけど、今はまだ気持ちの整理がつかないからもう少し待ってほしい。ダメ?」
今日のシュンはまるで子犬のような目をしている。1人では生きていけないような、まるで親に見捨てられて今後を不安に感じているような、そんなうるうるした目だ。
俺は言おうとした告白の言葉を一旦飲み込んだ。
「わかった。だけど、俺の気持ちは変わらないから。シュンには幸せになってほしい。もっと笑顔でいてほしいから」
そう言って、シュンの手を握る。
「わかってくれてありがとう」
シュンは俺の手を握り返す。
そして俺とシュンは再び眠りについた。
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