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Chapter① 出会い 〜シュンside〜
福岡空港発・東京羽田行の最終便(4)
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「コーヒーごちそうさま」
突然、背後から聞き覚えのある声がして俺は振り返る。そこにいたのはタカシだった。俺はまさかの出来事に真顔になっていたと意識し、慌てて笑顔を作る。そして咄嗟に「コーヒーのおかわりはいかがですか?」と勧めた。
タカシは余裕の表情で「じゃあもう1杯頂こうかな」と言うので、俺はコーヒーメーカーから1杯のコーヒーを入れタカシに手渡す。
タカシは「ありがとう」と言い、俺は「いえいえ」と返す。
俺たちは視線を合わせたまま、なんだか微妙な時間が流れる。
タカシがコーヒーを一口啜ると、
「シュンさん、LINE交換してもいいですか?こうやって機内で再会できたことは何かの縁だと思うので」と俺にアプローチをしてきた。
このタイミングだったかー!俺はタカシにしてやられた感覚になった。離陸前に決めていた選択肢は”タカシから俺にアプローチしてきたらうちに呼ぶ”というものだ。だから俺は最後にタカシに選択肢を与えた。
「そうですね。ただ、今は乗務中なので羽田空港に着いたら待ち合わせできますか?待っててくれるならLINE交換してもいいですよ?」
さて、タカシはどうするか?腕時計を見つめているので、家に帰る時間を計算していることは容易に想像がついた。俺は悩ましそうにするタカシの顔を見たかったが、あっさりと「いいですよ。シュンさんの仕事が終わったら待ち合わせしましょう」と言ってきた。
「ありがとうございます。では羽田空港到着ロビーの南ウイング側で待っていてください。23時30分には合流できると思います。明日土曜日はお休みですか?」
「はい、一応休みです。会社には行かずに家で仕事をしようかと思っています」
「わかりました。じゃあ、タカシさん、終電は気にしなくていいですね」
「そうですね、いざとなればタクシーで帰るので待ち合わせ時間は気にしなくていいですよ、シュンさん」
そしてタカシは自分の座席へと戻っていった。
これでタカシとのLINE交換が確定した。但し、俺が考えているのは、今夜、タカシはうちに来るかどうかだ。LINE交換で満足し、もしうちに来なかったらLINEは無視しようと思っている。けれども、もしうちに来ることになれば、俺に対して本気かもしれない。
少しタカシに惹かれ始めている俺は、気づかないうちにタカシとの恋愛の駆け引きをスタートさせてしまっていた。
突然、背後から聞き覚えのある声がして俺は振り返る。そこにいたのはタカシだった。俺はまさかの出来事に真顔になっていたと意識し、慌てて笑顔を作る。そして咄嗟に「コーヒーのおかわりはいかがですか?」と勧めた。
タカシは余裕の表情で「じゃあもう1杯頂こうかな」と言うので、俺はコーヒーメーカーから1杯のコーヒーを入れタカシに手渡す。
タカシは「ありがとう」と言い、俺は「いえいえ」と返す。
俺たちは視線を合わせたまま、なんだか微妙な時間が流れる。
タカシがコーヒーを一口啜ると、
「シュンさん、LINE交換してもいいですか?こうやって機内で再会できたことは何かの縁だと思うので」と俺にアプローチをしてきた。
このタイミングだったかー!俺はタカシにしてやられた感覚になった。離陸前に決めていた選択肢は”タカシから俺にアプローチしてきたらうちに呼ぶ”というものだ。だから俺は最後にタカシに選択肢を与えた。
「そうですね。ただ、今は乗務中なので羽田空港に着いたら待ち合わせできますか?待っててくれるならLINE交換してもいいですよ?」
さて、タカシはどうするか?腕時計を見つめているので、家に帰る時間を計算していることは容易に想像がついた。俺は悩ましそうにするタカシの顔を見たかったが、あっさりと「いいですよ。シュンさんの仕事が終わったら待ち合わせしましょう」と言ってきた。
「ありがとうございます。では羽田空港到着ロビーの南ウイング側で待っていてください。23時30分には合流できると思います。明日土曜日はお休みですか?」
「はい、一応休みです。会社には行かずに家で仕事をしようかと思っています」
「わかりました。じゃあ、タカシさん、終電は気にしなくていいですね」
「そうですね、いざとなればタクシーで帰るので待ち合わせ時間は気にしなくていいですよ、シュンさん」
そしてタカシは自分の座席へと戻っていった。
これでタカシとのLINE交換が確定した。但し、俺が考えているのは、今夜、タカシはうちに来るかどうかだ。LINE交換で満足し、もしうちに来なかったらLINEは無視しようと思っている。けれども、もしうちに来ることになれば、俺に対して本気かもしれない。
少しタカシに惹かれ始めている俺は、気づかないうちにタカシとの恋愛の駆け引きをスタートさせてしまっていた。
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