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Chapter① 出会い 〜シュンside〜
福岡空港発・東京羽田行の最終便(3)
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機体は順調に滑走路に到着し、足早に離陸した。
しばらくしてシートベルトサインが消灯し、俺はドリンクサービスの準備に移った。機体後方は乗客が少なかったので、もう片方のドアを担当しているキャビンアテンダントは前方のサポートに回り、後方は俺一人で担当することになった。
カートに一通りのソフトドリンクを並べ終え、いざサービス開始。そして最初に声を掛けるのはタカシの席だった。ギャレーを出てタカシの様子をうかがうと、PCを起動して仕事をしている様子だった。最終便で仕事をする人は正直少ない。タカシの真面目な性格が見てとれた。そのため、俺はアドリブで声掛けをした。
「お仕事お疲れ様です」
「なんだ。そんなアドリブもCAさんって言うんだ?」
俺のせっかくのアドリブに対してまるで嫌味のように返されたので、俺自身もイラっとして嫌味で返す。
「熱心にお仕事をされておりましたのでそのようにお声掛けしましたが、ご不満でしたか?」
「いや、そんなことはないです」
急に敬語かよ・・・!俺は自分の心の中でツッコミを入れる。それがなんだか面白くて、くすっと笑ってしまった。
ただ、他の乗客へのサービスもしなけれなならないので、俺はCAとしての仕事モードに戻り、タカシへドリンクメニュー表を見せる。タカシは「ホットコーヒーをブラックで」とオーダーし、俺は空席の隣席のテーブルを下ろしてそこにコーヒーの入ったカップを置いた。
「お熱いのでお気をつけください」
「はい、どうもー」
そのやりとりの後、俺は他の乗客へのサービスを行うためカートを押した。
なんだ、アプローチしてこなかったな。やっぱり一旦俺に断られて、プライドが傷ついたか。そう考えながら、作り笑顔で他の乗客へのサービスを次々に進めた。
しかし、俺の予想を裏切るのがタカシだった。
タカシはドリンクサービスが終わったときに俺にアプローチを仕掛けてきた。
しばらくしてシートベルトサインが消灯し、俺はドリンクサービスの準備に移った。機体後方は乗客が少なかったので、もう片方のドアを担当しているキャビンアテンダントは前方のサポートに回り、後方は俺一人で担当することになった。
カートに一通りのソフトドリンクを並べ終え、いざサービス開始。そして最初に声を掛けるのはタカシの席だった。ギャレーを出てタカシの様子をうかがうと、PCを起動して仕事をしている様子だった。最終便で仕事をする人は正直少ない。タカシの真面目な性格が見てとれた。そのため、俺はアドリブで声掛けをした。
「お仕事お疲れ様です」
「なんだ。そんなアドリブもCAさんって言うんだ?」
俺のせっかくのアドリブに対してまるで嫌味のように返されたので、俺自身もイラっとして嫌味で返す。
「熱心にお仕事をされておりましたのでそのようにお声掛けしましたが、ご不満でしたか?」
「いや、そんなことはないです」
急に敬語かよ・・・!俺は自分の心の中でツッコミを入れる。それがなんだか面白くて、くすっと笑ってしまった。
ただ、他の乗客へのサービスもしなけれなならないので、俺はCAとしての仕事モードに戻り、タカシへドリンクメニュー表を見せる。タカシは「ホットコーヒーをブラックで」とオーダーし、俺は空席の隣席のテーブルを下ろしてそこにコーヒーの入ったカップを置いた。
「お熱いのでお気をつけください」
「はい、どうもー」
そのやりとりの後、俺は他の乗客へのサービスを行うためカートを押した。
なんだ、アプローチしてこなかったな。やっぱり一旦俺に断られて、プライドが傷ついたか。そう考えながら、作り笑顔で他の乗客へのサービスを次々に進めた。
しかし、俺の予想を裏切るのがタカシだった。
タカシはドリンクサービスが終わったときに俺にアプローチを仕掛けてきた。
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