46 / 150
Chapter① 出会い 〜シュンside〜
福岡空港発・東京羽田行の最終便(3)
しおりを挟む
機体は順調に滑走路に到着し、足早に離陸した。
しばらくしてシートベルトサインが消灯し、俺はドリンクサービスの準備に移った。機体後方は乗客が少なかったので、もう片方のドアを担当しているキャビンアテンダントは前方のサポートに回り、後方は俺一人で担当することになった。
カートに一通りのソフトドリンクを並べ終え、いざサービス開始。そして最初に声を掛けるのはタカシの席だった。ギャレーを出てタカシの様子をうかがうと、PCを起動して仕事をしている様子だった。最終便で仕事をする人は正直少ない。タカシの真面目な性格が見てとれた。そのため、俺はアドリブで声掛けをした。
「お仕事お疲れ様です」
「なんだ。そんなアドリブもCAさんって言うんだ?」
俺のせっかくのアドリブに対してまるで嫌味のように返されたので、俺自身もイラっとして嫌味で返す。
「熱心にお仕事をされておりましたのでそのようにお声掛けしましたが、ご不満でしたか?」
「いや、そんなことはないです」
急に敬語かよ・・・!俺は自分の心の中でツッコミを入れる。それがなんだか面白くて、くすっと笑ってしまった。
ただ、他の乗客へのサービスもしなけれなならないので、俺はCAとしての仕事モードに戻り、タカシへドリンクメニュー表を見せる。タカシは「ホットコーヒーをブラックで」とオーダーし、俺は空席の隣席のテーブルを下ろしてそこにコーヒーの入ったカップを置いた。
「お熱いのでお気をつけください」
「はい、どうもー」
そのやりとりの後、俺は他の乗客へのサービスを行うためカートを押した。
なんだ、アプローチしてこなかったな。やっぱり一旦俺に断られて、プライドが傷ついたか。そう考えながら、作り笑顔で他の乗客へのサービスを次々に進めた。
しかし、俺の予想を裏切るのがタカシだった。
タカシはドリンクサービスが終わったときに俺にアプローチを仕掛けてきた。
しばらくしてシートベルトサインが消灯し、俺はドリンクサービスの準備に移った。機体後方は乗客が少なかったので、もう片方のドアを担当しているキャビンアテンダントは前方のサポートに回り、後方は俺一人で担当することになった。
カートに一通りのソフトドリンクを並べ終え、いざサービス開始。そして最初に声を掛けるのはタカシの席だった。ギャレーを出てタカシの様子をうかがうと、PCを起動して仕事をしている様子だった。最終便で仕事をする人は正直少ない。タカシの真面目な性格が見てとれた。そのため、俺はアドリブで声掛けをした。
「お仕事お疲れ様です」
「なんだ。そんなアドリブもCAさんって言うんだ?」
俺のせっかくのアドリブに対してまるで嫌味のように返されたので、俺自身もイラっとして嫌味で返す。
「熱心にお仕事をされておりましたのでそのようにお声掛けしましたが、ご不満でしたか?」
「いや、そんなことはないです」
急に敬語かよ・・・!俺は自分の心の中でツッコミを入れる。それがなんだか面白くて、くすっと笑ってしまった。
ただ、他の乗客へのサービスもしなけれなならないので、俺はCAとしての仕事モードに戻り、タカシへドリンクメニュー表を見せる。タカシは「ホットコーヒーをブラックで」とオーダーし、俺は空席の隣席のテーブルを下ろしてそこにコーヒーの入ったカップを置いた。
「お熱いのでお気をつけください」
「はい、どうもー」
そのやりとりの後、俺は他の乗客へのサービスを行うためカートを押した。
なんだ、アプローチしてこなかったな。やっぱり一旦俺に断られて、プライドが傷ついたか。そう考えながら、作り笑顔で他の乗客へのサービスを次々に進めた。
しかし、俺の予想を裏切るのがタカシだった。
タカシはドリンクサービスが終わったときに俺にアプローチを仕掛けてきた。
0
お気に入りに追加
109
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。
彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。
……あ。
音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。
しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。
やばい、どうしよう。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
コーヒーの香りに引き寄せられて
藤咲レン
BL
大手電機メーカーに勤める【タカシ】は上司の期待に応えようと仕事一筋で頑張りすぎてしまい鬱病を患ってしまう。そんな時にたまたま立ち寄ったカフェの店長【ユウスケ】と出会う。コーヒーに全く関心のなかったタカシだったが、全てを失い傷心したタカシは一杯のコーヒーを通じて、自分の人生を見つめ直し始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる