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Chapter① 出会い 〜タカシside〜
男との再会(5)
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俺はシートポケットに入っている機内誌を見る。今月の出張は今日が初めてなので、機内誌も新しい内容に刷新されていた。ページを読み進めていると、ドリンクサービスがやってきた。しかもあの男だった。
「ご搭乗ありがとうございます。お飲み物はいかがでしょうか?」
男に笑顔はない。
というよりも、ここでは笑顔で接客しなくちゃいけないんじゃないのか!?
笑顔を求めているわけではないが、さすがにこの男、もう少し愛想良くしたほうが良いと思いつつ、酔い覚ましのためにホットコーヒーをオーダーした。
「お熱いのでご注意ください」
そう男は言いながら紙コップを俺に手渡しする。その時、手と手が触れた。温かい手だった。
その温かい手は昨日の発展場で俺を抱きしめてくれた感触と同じだった。
俺はコーヒーを落とさないように受け取り、座席のカップホルダーに置いた。
そして、コーヒーを飲み終えると後方のギャレーに向かった。ギャレーでは男が1人、ドリンクカートの収納を行なっていた。
俺が来たことに男は少し驚いた表情をしつつ、
「どうかなさいましたか?」と質問してきた。そして俺は思い切って聞いてみた。
「あの、人違いかもしれませんが、昨日、新宿でお会いしませんでしたか?」
「確かに、会いましたね」
男は初めてふふっと笑顔をこぼした。
そして、話を続ける。
「それで何か御用でしょうか?」
完全に男のペースに乗せられている。
男は手を止めて俺の目をじっと見つめる。
「その・・・・」
俺が言葉に詰まっている時、男がカーテンをシャーっと閉める。そして2人っきりの空間にして、俺の耳元で囁く。
「また掘ってもらいの?」
「はい・・・」
「ビシッとしたエリートリーマンのくせに、裏の顔はドMのウケだなんて、会社の女子には知られたくないよね?」
「バレたら俺のキャラ崩壊するので、やばいっすね・・・」
俺は小声で言った。すると、男はポケットから携帯電話の番号が書かれた紙を取り出した。
「夜9時くらいに電話して。伊丹空港の近くのホテルに泊まって今夜は無理だから」
「わかった」
そうして俺は男の連絡先を入手した。
その時、男は再びギャレーのカーテンを開けて客室乗務員の顔に戻った。
「お客様、間も無く着陸準備に入りますのでお席にお戻りください」
俺は着席を促されて自分の席へと戻る。
今夜はヤれないのか。俺は気付かぬうちに勃起していた自分のもっこりした股間を落ち着かせようとするが、掘られたい欲が高まってしまい落ち着かない。
この時点で、俺はエリートリーマンから変態リーマンに成り下がっていた。
「ご搭乗ありがとうございます。お飲み物はいかがでしょうか?」
男に笑顔はない。
というよりも、ここでは笑顔で接客しなくちゃいけないんじゃないのか!?
笑顔を求めているわけではないが、さすがにこの男、もう少し愛想良くしたほうが良いと思いつつ、酔い覚ましのためにホットコーヒーをオーダーした。
「お熱いのでご注意ください」
そう男は言いながら紙コップを俺に手渡しする。その時、手と手が触れた。温かい手だった。
その温かい手は昨日の発展場で俺を抱きしめてくれた感触と同じだった。
俺はコーヒーを落とさないように受け取り、座席のカップホルダーに置いた。
そして、コーヒーを飲み終えると後方のギャレーに向かった。ギャレーでは男が1人、ドリンクカートの収納を行なっていた。
俺が来たことに男は少し驚いた表情をしつつ、
「どうかなさいましたか?」と質問してきた。そして俺は思い切って聞いてみた。
「あの、人違いかもしれませんが、昨日、新宿でお会いしませんでしたか?」
「確かに、会いましたね」
男は初めてふふっと笑顔をこぼした。
そして、話を続ける。
「それで何か御用でしょうか?」
完全に男のペースに乗せられている。
男は手を止めて俺の目をじっと見つめる。
「その・・・・」
俺が言葉に詰まっている時、男がカーテンをシャーっと閉める。そして2人っきりの空間にして、俺の耳元で囁く。
「また掘ってもらいの?」
「はい・・・」
「ビシッとしたエリートリーマンのくせに、裏の顔はドMのウケだなんて、会社の女子には知られたくないよね?」
「バレたら俺のキャラ崩壊するので、やばいっすね・・・」
俺は小声で言った。すると、男はポケットから携帯電話の番号が書かれた紙を取り出した。
「夜9時くらいに電話して。伊丹空港の近くのホテルに泊まって今夜は無理だから」
「わかった」
そうして俺は男の連絡先を入手した。
その時、男は再びギャレーのカーテンを開けて客室乗務員の顔に戻った。
「お客様、間も無く着陸準備に入りますのでお席にお戻りください」
俺は着席を促されて自分の席へと戻る。
今夜はヤれないのか。俺は気付かぬうちに勃起していた自分のもっこりした股間を落ち着かせようとするが、掘られたい欲が高まってしまい落ち着かない。
この時点で、俺はエリートリーマンから変態リーマンに成り下がっていた。
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