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Chapter① 出会い 〜タカシside〜
発展場(3)
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お互いが激しい息遣いをしつつ、男が俺のことを抱きしめてくれる。そして、顔を見合わせて軽くキスをした。
キスをして離れてみると、やはり俺のタイプのイケメンだった。
ただ、発展場は性欲の発散が目的なので恋愛感情を持ち込んではいけない。そのため、俺とその男はシャワーブースへと移動する。
シャワーブースは少し明るくなっているので、男の容姿がよく見えた。
身長は確かに高いが、思った以上に体のラインが細かった。そして落ち着いているようにも見えて、さっきまで熱いアナルセックスをしていたとは思えない様子でシャワーブースが空くのを待っている。
お互いが並んで待っているが、特に会話をすることはない。
先に男が並んでいたブースが空いたので入ってゆく。続いて俺の目の前のシャワーブースも空いたので、全身を綺麗するのと同時にローションや精液が掛かったケツの周りを丁寧に洗う。
洗い終わりロッカーに行くと男が服を着ている最中だった。
確かに今日ヤった男はタイプだが、発展場での恋愛の誘いは御法度ということは理解しているし、今日気持ちよくなれれば良いという俺の考えがあったので、特に男と会話をすることなく、お互い着替えを進める。
その時、男のロッカーからキーホルダーが落ちた。
キーホルダーは俺の足元に落ちたので、反射的にそれを拾い上げる。飛行機の形をしたキーホルダーで、その先には家の鍵がついてた。
俺はそのキーホルダーを男に手渡すと、男は「ありがとうございます」と言った。声の様子から案外若いんだと感じた。
同い年かな。
可愛いキーホルダーつけてて、タチっぽく見えないなとギャップを感じた。
ただ、特に絡む要件もないので先に着替えを終えた俺は発展場を出る。
時計は0時を過ぎていた。丸の内線で御苑前から中野坂上まで帰ることもできたが、せっかく気持ちよくイったこともあり、タクシーで家まで帰ることにした。
発展場(4)
タクシーが中野坂上にある賃貸マンションの前に着き、俺は鞄から鍵を取り出してエントランスへと入ってゆく。この物件は同世代では広くて新しく、しかも家賃も高い。たまにゲイの友人同士でホームパーティーをすることもあるが、ここに呼んだセックスフレンドも何人もいる。
エレベーターに乗り自分の部屋のある最上階に着き、家の鍵を開ける。
恋人はいない。当然、家にも誰もいない。
俺はワイシャツを丁寧にハンガーにかけて、冷蔵庫に入れているミネラルウォーターをグラスに注ぐ。
今まで恋人は何人もいた。ただ、仕事が忙しくなってからここ半年はいない状態が続いている。出会い系アプリで知り合った男とこの部屋でヤったことも数知れずある。しかし、セックス目的で会うと恋愛感情が俺は持てない。そのため、発展場同様に相手からはアプローチされても付き合うことはない状態が続いている。
そんな今夜も気になった男とセックスができてそれだけで満足だった。
俺は部屋着に着替え、ソファーに座りながらぼーっと窓の外の景色を眺める。部屋からは西新宿の高層ビルが一望できる。
「さっきの男、ここ最近で一番タイプだったかもな」
俺はひとり部屋で呟いた。
まさか、意外な場所で再会するとは。当時の俺は想像していなかった。
キスをして離れてみると、やはり俺のタイプのイケメンだった。
ただ、発展場は性欲の発散が目的なので恋愛感情を持ち込んではいけない。そのため、俺とその男はシャワーブースへと移動する。
シャワーブースは少し明るくなっているので、男の容姿がよく見えた。
身長は確かに高いが、思った以上に体のラインが細かった。そして落ち着いているようにも見えて、さっきまで熱いアナルセックスをしていたとは思えない様子でシャワーブースが空くのを待っている。
お互いが並んで待っているが、特に会話をすることはない。
先に男が並んでいたブースが空いたので入ってゆく。続いて俺の目の前のシャワーブースも空いたので、全身を綺麗するのと同時にローションや精液が掛かったケツの周りを丁寧に洗う。
洗い終わりロッカーに行くと男が服を着ている最中だった。
確かに今日ヤった男はタイプだが、発展場での恋愛の誘いは御法度ということは理解しているし、今日気持ちよくなれれば良いという俺の考えがあったので、特に男と会話をすることなく、お互い着替えを進める。
その時、男のロッカーからキーホルダーが落ちた。
キーホルダーは俺の足元に落ちたので、反射的にそれを拾い上げる。飛行機の形をしたキーホルダーで、その先には家の鍵がついてた。
俺はそのキーホルダーを男に手渡すと、男は「ありがとうございます」と言った。声の様子から案外若いんだと感じた。
同い年かな。
可愛いキーホルダーつけてて、タチっぽく見えないなとギャップを感じた。
ただ、特に絡む要件もないので先に着替えを終えた俺は発展場を出る。
時計は0時を過ぎていた。丸の内線で御苑前から中野坂上まで帰ることもできたが、せっかく気持ちよくイったこともあり、タクシーで家まで帰ることにした。
発展場(4)
タクシーが中野坂上にある賃貸マンションの前に着き、俺は鞄から鍵を取り出してエントランスへと入ってゆく。この物件は同世代では広くて新しく、しかも家賃も高い。たまにゲイの友人同士でホームパーティーをすることもあるが、ここに呼んだセックスフレンドも何人もいる。
エレベーターに乗り自分の部屋のある最上階に着き、家の鍵を開ける。
恋人はいない。当然、家にも誰もいない。
俺はワイシャツを丁寧にハンガーにかけて、冷蔵庫に入れているミネラルウォーターをグラスに注ぐ。
今まで恋人は何人もいた。ただ、仕事が忙しくなってからここ半年はいない状態が続いている。出会い系アプリで知り合った男とこの部屋でヤったことも数知れずある。しかし、セックス目的で会うと恋愛感情が俺は持てない。そのため、発展場同様に相手からはアプローチされても付き合うことはない状態が続いている。
そんな今夜も気になった男とセックスができてそれだけで満足だった。
俺は部屋着に着替え、ソファーに座りながらぼーっと窓の外の景色を眺める。部屋からは西新宿の高層ビルが一望できる。
「さっきの男、ここ最近で一番タイプだったかもな」
俺はひとり部屋で呟いた。
まさか、意外な場所で再会するとは。当時の俺は想像していなかった。
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