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しおりを挟む主要登場人物
【リョウスケ】体育会サッカー部のキャプテン
【ユウマ】サッカーサークルのキャプテン
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とある大学の会議室。
カタカナのコの字型に並べられた会議机の両側にそれぞれのチームの代表が集まっていた。
片方のメンバーは全員が青のストライプが入ったジャージを着用し、黒髪短髪という容姿。
もう一方の服装は、穴の開いたダメージジーンズや派手なTシャツ姿で、金髪のロングヘアーや銀髪メッシュの者までいた。
見た目がまったく異なる彼らが打合せしているのは、今後のグラウンドの使用時間についてだ。
大学にある2つのグラウンドのうち、ひとつが改修工事により半年間使用できなくなるというのだ。普段はサッカー部が毎日練習で人工芝のグラウンドを占有していたが、しばらくの間、サッカーサークルと共有しなければならなくなるという状況。当然、両者は使用時間を確保したいが故に持論を展開する。
「我々、体育会サッカー部は春からの選手権大会に向けて練習を強化する必要がある。サークルというお遊び集団に貴重な練習時間を邪魔されたくない。ここは我々が使用すべきだ。」
そのように主張するのはサッカー部のキャプテンであるリョウスケだった。身長が185cmのガッチリとした体型。ポジションはゴールキーパー。鍛えられた肉体がジャージの上からでも分かるくらい盛り上がっていた。小学校からサッカーを続けており、高校選手権大会では準優勝となった強豪校出身で、今でも国体に選出されるほどのある凄腕だ。チームを律する立場から自他共に厳しい性格。同じサッカー部員からは恐れられている存在だ。そんな性格のリョウスケからすると、サッカーサークルの存在自体がサッカー部と比較し格下に見えるのであった。
「勝手なこと言ってんじゃねーよ。俺たちだって遊びでサッカーをやっている訳じゃなく、正式なサークル活動としてやってんだよ。体育会の方が偉いって言い方は鼻につくんだよ。特にキャプテンのお前が」
リョウスケの言い方に嚙みついたのはサッカーサークルのキャプテンを務めるユウマだった。ユウマも身長は185cmほどであるが、リョウスケとは対照に細身のスキニージーンズを履き、着ているパーカーの袖から見える手や首は、一見すると華奢にも見えるのであった。
「我々の状況を分かってもらえないとは・・・サークルの分際で生意気なんだよ!」
「その言い方はなんだよ・・・・」
会議室に沈黙が流れる。
口を開いたのはユウマだった。
「俺は頭に来たぜ・・・・ここまで侮辱されたのなら、サッカーの試合で勝負を決めるのはどうだ?45分ハーフの前後半戦」
リョウスケは自信満々の表情を浮かべ、
「良いだろう。まぁ勝敗は既に見えているがな。やっても無駄だと思うが」
それに対してサークルのメンバーたちからは、
「試合後にも同じことを言っていられるかな、体育会サッカー部のキャプテンさんよ。」
「試合前だが負け犬の遠吠えにしか聞こえないな。」
「そこまで自信があるなら、もう一つ条件を加えようぜ?」
ユウマからの提案だった。
「もう一つの条件というのは、試合後に王様ゲームをするってのはどうだ?勝者が王様になり、敗者は奴隷として王の命令を聞く。ここまでしないと、お互い本気にならないだろ?」
サッカー部側の出席者は驚いた表情を浮かべながらお互いの顔を見合ったが、負けるはずがないという自信からリョウスケが口を開く。
「いいだろう。この会議に参加している双方のチームメンバーが証人だ。後から取り下げてくれと言っても無駄だからな」
「それじゃあ決まり!お前らこそ楽しみにしておけよ」
サークルメンバーが一同、不敵な笑みを浮かべた。
この時点ではキャプテンのリョウス含め、体育会サッカー部員たちはこの意味を気にも留めなかった。
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