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廊下に置かれたスパイク②

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初めて触れるスパイクは思ったよりも軽く、これを履いてシュンがサッカーをしている姿が頭に浮かぶ。
そして、俺の興奮はどんどんと高まっていく。


スパイクをよく見てみると相当使い込まれているのか、外側も内側もボロボロに思えた。新品をスポーツ用品店で見たことはあるが、毎日の練習で酷使しなければここまでボロボロにはならないと感じ、それがフェチ要素をくすぐる。

そして、俺は手にしたスパイクを顔に近づける。
この瞬間を誰かに見られたら、俺の人生は終わる。
それでも俺は手を止めることはできなかった。

シュンのスパイクが俺の鼻に近づいた時、「うっ・・・くさっ・・・」と思わず小声で発して、スパイクを反射的に顔から遠ざける。
声が出てしまったことに慌てて周囲を見渡し、シュンが起きていないか部屋のドアを確認するが、人の気配は感じない。
誰にも気づかれていないようだ。

ほっと胸をなでおろす。

現役サッカー部員のスパイクがここまで臭いとは想像以上だった。
そういえば、今日は天気が悪かった。ひょっとすると雨の中で練習していたのかと想像する。
そうなると、スパイクは蒸れて、蓄積されたシュンの臭いが・・・と想像を掻き立てられてしまい、俺は再びスパイクを顔に近づける。今度は少しずつ距離を縮めながら。

少しずつ鼻孔にスパイクの臭いが届き始め、”現役サッカー部員の臭い”という自分自身では到底真似できないものを手にしている満足感で、もっと嗅ぎたいという欲望が湧き上がってくる。

そして、俺はスパイクに顔を近づけて、口と鼻を覆ってしまった。
続いて、大きく息をした。
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