上 下
46 / 48
過去話 ケンタside

挫折(5)

しおりを挟む
俺はアルバイトで生計を立てていた。
特に人と接しない配送業や工場勤務など、そういった職場を選んでいた。
もちろん、プールに入って水泳をすることは一切ない生活だった。



そんな時、俺を訪ねてきた人物がいた。
大学の頃の知人の一人だった。

今はとあるスポーツクラブに所属しており、競泳界では名の知れた選手になっていた。

そんな彼が俺に言った一言。
「俺と一発ヤってくれたら、仕事を紹介してやる」

俺はその一言に激昂した。

「ふざけるな!お前もゲイなんだな!俺はゲイという生き物が大嫌いなんだ!」
しかし、知人は一歩も引かなかった。
「そんなお前も立派なゲイだろう!ゲイだからこうやって人と会うことを避けている。いつまでも避けていたら、お前の人生はどうなっちゃうの?うちのスポーツクラブに来いよ?」
「いくら頼まれても身体を売るなんてできる訳ないだろ!」
「違うんだ・・・俺のことを掘ってもらいたいんだ・・・。俺はゲイじゃないと思ってる。だけど・・・ケツに興味があるんだ・・・」

俺は競泳チームのジャージを着た知人に土下座までされた。
日本の競泳界を背負うトップスイマーが、ケツを掘ってもらいたさに土下座をする。なんとも惨めな光景だった。

しかし、俺のSスイッチを入れるには十分だった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

23時のプール

貴船きよの
BL
輸入家具会社に勤める市守和哉は、叔父が留守にする間、高級マンションの部屋に住む話を持ちかけられていた。 初めは気が進まない和哉だったが、そのマンションにプールがついていることを知り、叔父の話を承諾する。 叔父の部屋に越してからというもの、毎週のようにプールで泳いでいた和哉は、そこで、蓮見涼介という年下の男と出会う。 彼の泳ぎに惹かれた和哉は、彼自身にも関心を抱く。 二人は、プールで毎週会うようになる。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

ダメですお義父さん! 妻が起きてしまいます……

周防
BL
居候は肩身が狭い

禁断の祈祷室

土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。 アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。 それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。 救済のために神は神官を抱くのか。 それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。 神×神官の許された神秘的な夜の話。 ※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。

趣味で乳首開発をしたらなぜか同僚(男)が近づいてきました

ねこみ
BL
タイトルそのまんまです。

処理中です...