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勃発 *アイル視点
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しおりを挟む1週間前、地図から一つの国が消えた。
名は、ガスパル王国、、、
消えた理由は、我が国ガスパル王国はゴーヒ王国との戦いに負けたからだ。勝敗は、戦いを仕掛けられた時からわかっていた。世界一の軍を持つとされるゴーヒ王国と鉱山が無駄に多く、活用できていないガスパル王国。
どちらが勝つかなんて、子供でもわかる事だ。
ゴーヒ王国は、昔からガスパル王国の持っている多くの鉱山が欲しくてたまらなかった。
それを理由に、ひと月前にゴーヒ王国から戦いが仕掛けられたのだ。
そして今僕はゴーヒ王国の牢に閉じ込められている。他の兄弟や家族はみんな殺されてしまった。幼馴染のロイも今どこにいるのかわからない。
牢の中は、薄暗く、汚い、冷たい。
ヒタ、、ヒタ
一人の兵がやってきた。そして、荒く牢の鍵を開けた。
「おい、はやくたて!国王陛下がお前を呼んでいる!」
僕は、兵に引きずられながら牢をあとにした。
牢から出たのは1週間ぶりだ
兵に連れてこられたのは大きく豪華な部屋だ。中には大勢の使用人達が整列して待っていた。
「さぁ!始めるわよ!」
「おお~!」
これは、、、なんだ?
意味がわからず固まっている僕をほっといて、使用人達は僕をお風呂に入れて磨いたり、マッサージをしてくれたりした。最後には綺麗な洋服を着せられ、僕は王の間に連れていかれた。
王の間には、王と王妃、皇太子、宰相がいた。
「よくきたな。アイル王子。いや、、、今は王子ではなかったか。アイル、、ハハハ」
王の言葉に他の者達も笑った。
みんなに馬鹿にされ、とても悔しく、拳を強く握った。
「僕になんのようですか!ただ、貶したかっただけか!」
「発言を許したつもりはないが!無礼者!」
「まあ、いいだろう、、、お前には隣国のヘンゼル王国の皇太子に嫁いでもらうんだから。」
王の言葉に僕は驚いた。
そして、考えた。ヘンゼル王国といえば、どの戦いに一切参戦しない中立の国だ。我が国ガスパル王国も今回のゴーヒ王国との戦いの時、援助の要請をしたが断られてしまった。
援助さえあれば戦いに負けず、お父様、お母様、ロイは、、、!
なのに何故ヘンゼルなどの皇太子に嫁がなくてはいけないのか!
僕は僕は、あいつだけを愛しているというのに、、、
「いy「お前に拒否権はない。それに、、、あれを連れてこい!
」
ゴーヒ王の命令で連れてこられたのは、行方知らずの筈の幼馴染ロイだった。
「な、なんでロイがここに!」
僕は、ロイの姿を見て、驚いてそして胸が痛んだ。何故ならロイの身体は拷問をされたのか、片方の腕がなく、体は傷だらけだったからだ。
「なんでって人質にするために決まっているだろう。嫁いだ時に変な行動でもしたら、こいつがどうなるかわかるよなぁ。」
ゴーヒ王は狂気染みた顔でそう言った。
ッ!!!
「なんだって!アイルが嫁ぐのか!」
ロイは驚いて言った。
「黙れ!奴隷が、さっさとそいつを牢に連れて行け!」
王の命令でロイは、引きずられながら連れていかれた。
「アイルッ、アイルー!!」
ロイは叫びながら。
ロイっ!ロイっ!
絶対助けるからな!
「そうだ言い忘れておった。絶対番になれよ。それと、子供も授かれ。」
「お前は、淫らで頭の弱いオメガなんだからな。」
王はそう言った。
っ!!!!
僕は、唇を強く噛み締めた。
「さぁ、早く連れていけ!一週間ごとに報告するだぞ!嘘をついたら、、、わかっているよな。ニヤニヤ」
王の言葉を尻目に僕はまた兵に連れていかれた。
そして、僕アイルは馬車に乗せられ、ヘンゼル王国へと向かった。
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