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【煌めきLEVEL/MAX】
*旅行二日目
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──翌日、私達は朝食を取り、九時前にはチェックアウトをしてホテルの外に出た。
「対馬さん、かなり気分が悪そうですね。大丈夫かなぁ?」
外に出た後にヒロ君が対馬さんを見て、私にコッソリと伝えてきた。対馬さんは胃がムカムカするらしく、朝食もコーヒーと水のみだった。胃薬をホテルでもらい、少しは落ち着いてきたようだが、まだ体調が悪そうで私達とは離れて歩いている。
「私、対馬さんの所に行って来ます!」
心配そうな福島さんだったが、話をかけずに対馬さんの後ろから静かに着いて来ている。福島さんもいつもの福島さんじゃなく、元気がなさそうだ。ホテルにいる時は元気だったんだけれど。
「対馬さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃない。頭が重くて、気持ちが悪い……」
私はまだ未成年だからお酒は飲んだことがないけれど、二日酔いって引き始めの風邪よりも酷そうだね。対馬さんはいつもみたいに笑わなくて、下を向いてばかり。
「この後、ヒロ君の行きたい場所に行くんだろ? 俺は先に帰ってても良いか? 福島、置いていくから……」
「体調悪いならそうしてほしいけど。でも昼間だし、付き添いは大丈夫です。対馬さんの方が心配だから。福島さんと一緒に先に帰っていて下さい! 私も帰ったら、すぐに連絡しますから。ね、良いですよね、福島さん?」
急に振られた福島さんは何のことだか分からずに、きょとんとして立ち尽くした。
「福島さん、対馬さんが体調悪いので付き添いお願い出来ますか? 先に帰っていてください」
私は余計なお節介かもしれないけれど、福島さんの気持ちを知っているからこそ、応援してあげたくて勝手に対馬さんを頼むことにした。
福島さんは照れくさそうに笑って、「ほら、対馬さん、帰りますよ! 先生、対馬さんはお任せ下さい!」と言って無理やりに連れて行く。
二日酔いの対馬さんは体調が悪いからか、素直に着いて行った。
対馬さんと福島さんとは駅で別れて、私達は三人になった。ここからは電車を乗り継ぎ、ヒロ君が行きたかった場所に向かうらしい。
電車の中は少し混み合っていて、私達は座席に座っていたが、私は少しずつ冷や汗が出始める。それに気付いたヒロ君は、そっと手を繋いでくれた。
「怖がらなくても大丈夫だよ」
耳元でヒロ君に囁かれ、耳から熱が伝わり、顔中が赤く火照る。それを見ていた裕貴君と目が合ってしまい、気まずい。どうしたら良いのか分からずに俯く。
電車を降りる時もずっと手を繋いでくれていて、ふらつきそうな私を守ってくれているヒロ君だった。ヒロ君が手を離す時は裕貴君が必ず私を見守ってくれていて、安心できた。
高校を辞めてから遠出したのは初めてだった。家族以外の誰かと出かけるのも、勿論初めてだった。皆の優しさが心底、嬉しい。
「カナミちゃん、絶対、海大のこと、好きでしょ?」
「……あ、えっと……そんなに分かりやすいですか……」
ヒロ君が乗り継ぎのバスを探している時に裕貴君に尋ねられた。
「分かりやすいなんてもんじゃないよね。好きのオーラ出しすぎ」
「そ、そうですか!」
恥ずかしい、恥ずかしい……!
自分では気づけないほどに好きのオーラを出していたなんて……!
私は両頬を両手で押さえて、赤みを帯びている顔を隠す。手の平が熱くなる程だから、余程、真っ赤なのだと思う。
「海大も満更じゃないと思う。脈アリ、なんじゃないかな?」
裕貴君が満面の笑みを浮かべる。私の顔は更に熱くなり、ゆでダコみたいになる。
「海大には内緒だよ。海大には高校に入学したら会いたい女の子がいたんだって。その子にカナミちゃんの雰囲気とかが似てるって言ってたんだ」
「そ、そうなんですか……」
確かに出会った時に、好きな女の子に雰囲気が似ていると言われた。あの時はショックでしかなかったけれど、今は側にいられるだけで嬉しいから、その件は心の中に封印していた。
「一時期、海大は荒れてた時期があって、自暴自棄になってたと言うか……カナミちゃんに会ってから、少しずつ以前の海大に戻ったんだ。会いたかった女の子に会えなかった事を悔やみ、家庭の事情もあって、海大は落ち込んで……いて、わぁ、み、みひろ……!」
「裕貴はまた余計な事をベラベラと!」
二人で話し込んでいたらヒロ君が裕貴君の後方から近寄り、ゲンコツをした。
「か、カナミちゃんだって……海大のことを知りたいだろうと思って……!」
慌てている裕貴君。
「だからって、お前から話すことじゃないだろ! 俺が今日、全てが終わった後に話そうと思ってたのに……」
「ごめんって……!」
「バス、もうすぐ出るから早くしろ!」
バツ悪そうにヒロ君は早足で歩き出す。私の手をそっと取り、私を置いてきぼりにしないようにして。昨日の冷や汗が出始めた時から、歩く時、電車やバスに乗る時、例え座っていたとしても、多少なりとも他人がいる場所では必ず手を繋いでくれている。私は安心して身を任せている。男の子だけれど、やっぱり、ヒロ君は落ち着くんだよね。
ヒロ君の行きたい場所に辿り着いた帰り道には、私も真実を伝えよう。漫画家だってことはバレたけれど、高校時代のことなど二人なら受け入れてくれると思うから。
──バスに乗り、着いた先は閑静な住宅街だった。ここに来た目的は何だろうか? もしかしたら、ヒロ君のお母さんがいるのかな? などと自分なりに考えたりしてみた。
「二人に会わせたい人がいる。あそこの喫茶店で待ち合わせしてるんだけど……来てくれたら良いな」
そこは映画で見たような、昔ながらの喫茶店だった。重い扉を開けるとカランコロン、とカウベルが鳴る。
「何名様ですか?」と店員が尋ねるとヒロ君が「五人の予定です」と言った。
"五人"と言う事は単純に考えて、二人で来ると言う事だ。もうすぐ十二時になるから、次第に喫茶店の中は混み出してきた。
お腹も空いたとのことで昼食を取り、食後のドリンクとデザートが運ばれてきたが一向に待ち人は来ない。
「もう諦めようか……でも、二人にどうしても会わせたいんだ。もう少しだけ待ってても良いかな?」
ヒロ君は元気が無さそうに囁いた。私達は何も言わずに、コクンと首を縦に振る。
ヒロ君の話では十二時に待ち合わせをしたと言っていたのだけれども、時は既に十三時半を過ぎていた。食後のドリンクとデザートで引き伸ばしていたが、ランチタイム終了の十時半を回ってしまい、会計を済ませて仕方なく外に出た。
ヒロ君はしょんぼりしていて、「随分と待たせたのに来なかった。二人共、ごめんな……」と寂しそうな背中を見せながら言った。
三人で、とぼとぼとバス停まで歩いている。ほとんど会話もない。それでもヒロ君は私の手を繋ぐことら忘れずにいてくれた。
バス停に着き、次の駅までのバスが二十分後だと知る。
「住宅地の中だから、バス停にイスはないよなぁ。カナミちゃん疲れない? 大丈夫?」
「大丈夫です。それよりも……」
ヒロ君は何度も何度も誰かに電話をしていた。けれども繋がらないのか、はたまた相手が電話に出ないのか、会話は聞こえてこなかった。そんなヒロ君を見ているが、待っているだけの私達は何もしてあげられなかった。
「うん、俺も会わせてあげたかったよ。それが誰なのかは俺も知らないんだけどね……」
ヒロ君が電話中に裕貴君が話しかけてくる。
「え? そうなんですか?」
「そうだよ、会うまでのお楽しみとか言われてるからね」
私達はバス停にいたが、少し離れた場所で電話をかけているヒロ君を待っている。寂しげな表情の中にも、段々と苛立ちを感じていそうに見える。しかし、何もしてあげられないから、もどかしい。
「……海大!」
遠くから聞こえてきた声に皆で反応する。どこかで聞いたような気がする声に、私は懐かしささえ感じた。
道路の先を見渡して小さく見える人影は、どうやら二人いるみたいだ。目を凝らして良く見てみると、どうやら、男性と女性が一人ずつ私達の方向に向かって来た。女性に合わせてゆっくりと歩いている。
「海大、待たせて悪かったな。何とか、間に合った!」
遠くから歩いて来た二人がバス停に到着すると、間近で見て驚いた。
まさかのまさか、会いたくても会えなかった人物が目の前にいた。私は言葉を発する前に感情が昂り、目から涙の粒が頬に流れてくる。
「ヒロ……君と……ミ、ヒロ……ちゃん……?」
目の前の女性が絞り出した声は、か細く消えてしまいそうだった。私は声を聞いた瞬間に一歩を前に出し女性の元に向かい、ぎゅっと抱きしめた。
会いたかったよ、ずっと──
「対馬さん、かなり気分が悪そうですね。大丈夫かなぁ?」
外に出た後にヒロ君が対馬さんを見て、私にコッソリと伝えてきた。対馬さんは胃がムカムカするらしく、朝食もコーヒーと水のみだった。胃薬をホテルでもらい、少しは落ち着いてきたようだが、まだ体調が悪そうで私達とは離れて歩いている。
「私、対馬さんの所に行って来ます!」
心配そうな福島さんだったが、話をかけずに対馬さんの後ろから静かに着いて来ている。福島さんもいつもの福島さんじゃなく、元気がなさそうだ。ホテルにいる時は元気だったんだけれど。
「対馬さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃない。頭が重くて、気持ちが悪い……」
私はまだ未成年だからお酒は飲んだことがないけれど、二日酔いって引き始めの風邪よりも酷そうだね。対馬さんはいつもみたいに笑わなくて、下を向いてばかり。
「この後、ヒロ君の行きたい場所に行くんだろ? 俺は先に帰ってても良いか? 福島、置いていくから……」
「体調悪いならそうしてほしいけど。でも昼間だし、付き添いは大丈夫です。対馬さんの方が心配だから。福島さんと一緒に先に帰っていて下さい! 私も帰ったら、すぐに連絡しますから。ね、良いですよね、福島さん?」
急に振られた福島さんは何のことだか分からずに、きょとんとして立ち尽くした。
「福島さん、対馬さんが体調悪いので付き添いお願い出来ますか? 先に帰っていてください」
私は余計なお節介かもしれないけれど、福島さんの気持ちを知っているからこそ、応援してあげたくて勝手に対馬さんを頼むことにした。
福島さんは照れくさそうに笑って、「ほら、対馬さん、帰りますよ! 先生、対馬さんはお任せ下さい!」と言って無理やりに連れて行く。
二日酔いの対馬さんは体調が悪いからか、素直に着いて行った。
対馬さんと福島さんとは駅で別れて、私達は三人になった。ここからは電車を乗り継ぎ、ヒロ君が行きたかった場所に向かうらしい。
電車の中は少し混み合っていて、私達は座席に座っていたが、私は少しずつ冷や汗が出始める。それに気付いたヒロ君は、そっと手を繋いでくれた。
「怖がらなくても大丈夫だよ」
耳元でヒロ君に囁かれ、耳から熱が伝わり、顔中が赤く火照る。それを見ていた裕貴君と目が合ってしまい、気まずい。どうしたら良いのか分からずに俯く。
電車を降りる時もずっと手を繋いでくれていて、ふらつきそうな私を守ってくれているヒロ君だった。ヒロ君が手を離す時は裕貴君が必ず私を見守ってくれていて、安心できた。
高校を辞めてから遠出したのは初めてだった。家族以外の誰かと出かけるのも、勿論初めてだった。皆の優しさが心底、嬉しい。
「カナミちゃん、絶対、海大のこと、好きでしょ?」
「……あ、えっと……そんなに分かりやすいですか……」
ヒロ君が乗り継ぎのバスを探している時に裕貴君に尋ねられた。
「分かりやすいなんてもんじゃないよね。好きのオーラ出しすぎ」
「そ、そうですか!」
恥ずかしい、恥ずかしい……!
自分では気づけないほどに好きのオーラを出していたなんて……!
私は両頬を両手で押さえて、赤みを帯びている顔を隠す。手の平が熱くなる程だから、余程、真っ赤なのだと思う。
「海大も満更じゃないと思う。脈アリ、なんじゃないかな?」
裕貴君が満面の笑みを浮かべる。私の顔は更に熱くなり、ゆでダコみたいになる。
「海大には内緒だよ。海大には高校に入学したら会いたい女の子がいたんだって。その子にカナミちゃんの雰囲気とかが似てるって言ってたんだ」
「そ、そうなんですか……」
確かに出会った時に、好きな女の子に雰囲気が似ていると言われた。あの時はショックでしかなかったけれど、今は側にいられるだけで嬉しいから、その件は心の中に封印していた。
「一時期、海大は荒れてた時期があって、自暴自棄になってたと言うか……カナミちゃんに会ってから、少しずつ以前の海大に戻ったんだ。会いたかった女の子に会えなかった事を悔やみ、家庭の事情もあって、海大は落ち込んで……いて、わぁ、み、みひろ……!」
「裕貴はまた余計な事をベラベラと!」
二人で話し込んでいたらヒロ君が裕貴君の後方から近寄り、ゲンコツをした。
「か、カナミちゃんだって……海大のことを知りたいだろうと思って……!」
慌てている裕貴君。
「だからって、お前から話すことじゃないだろ! 俺が今日、全てが終わった後に話そうと思ってたのに……」
「ごめんって……!」
「バス、もうすぐ出るから早くしろ!」
バツ悪そうにヒロ君は早足で歩き出す。私の手をそっと取り、私を置いてきぼりにしないようにして。昨日の冷や汗が出始めた時から、歩く時、電車やバスに乗る時、例え座っていたとしても、多少なりとも他人がいる場所では必ず手を繋いでくれている。私は安心して身を任せている。男の子だけれど、やっぱり、ヒロ君は落ち着くんだよね。
ヒロ君の行きたい場所に辿り着いた帰り道には、私も真実を伝えよう。漫画家だってことはバレたけれど、高校時代のことなど二人なら受け入れてくれると思うから。
──バスに乗り、着いた先は閑静な住宅街だった。ここに来た目的は何だろうか? もしかしたら、ヒロ君のお母さんがいるのかな? などと自分なりに考えたりしてみた。
「二人に会わせたい人がいる。あそこの喫茶店で待ち合わせしてるんだけど……来てくれたら良いな」
そこは映画で見たような、昔ながらの喫茶店だった。重い扉を開けるとカランコロン、とカウベルが鳴る。
「何名様ですか?」と店員が尋ねるとヒロ君が「五人の予定です」と言った。
"五人"と言う事は単純に考えて、二人で来ると言う事だ。もうすぐ十二時になるから、次第に喫茶店の中は混み出してきた。
お腹も空いたとのことで昼食を取り、食後のドリンクとデザートが運ばれてきたが一向に待ち人は来ない。
「もう諦めようか……でも、二人にどうしても会わせたいんだ。もう少しだけ待ってても良いかな?」
ヒロ君は元気が無さそうに囁いた。私達は何も言わずに、コクンと首を縦に振る。
ヒロ君の話では十二時に待ち合わせをしたと言っていたのだけれども、時は既に十三時半を過ぎていた。食後のドリンクとデザートで引き伸ばしていたが、ランチタイム終了の十時半を回ってしまい、会計を済ませて仕方なく外に出た。
ヒロ君はしょんぼりしていて、「随分と待たせたのに来なかった。二人共、ごめんな……」と寂しそうな背中を見せながら言った。
三人で、とぼとぼとバス停まで歩いている。ほとんど会話もない。それでもヒロ君は私の手を繋ぐことら忘れずにいてくれた。
バス停に着き、次の駅までのバスが二十分後だと知る。
「住宅地の中だから、バス停にイスはないよなぁ。カナミちゃん疲れない? 大丈夫?」
「大丈夫です。それよりも……」
ヒロ君は何度も何度も誰かに電話をしていた。けれども繋がらないのか、はたまた相手が電話に出ないのか、会話は聞こえてこなかった。そんなヒロ君を見ているが、待っているだけの私達は何もしてあげられなかった。
「うん、俺も会わせてあげたかったよ。それが誰なのかは俺も知らないんだけどね……」
ヒロ君が電話中に裕貴君が話しかけてくる。
「え? そうなんですか?」
「そうだよ、会うまでのお楽しみとか言われてるからね」
私達はバス停にいたが、少し離れた場所で電話をかけているヒロ君を待っている。寂しげな表情の中にも、段々と苛立ちを感じていそうに見える。しかし、何もしてあげられないから、もどかしい。
「……海大!」
遠くから聞こえてきた声に皆で反応する。どこかで聞いたような気がする声に、私は懐かしささえ感じた。
道路の先を見渡して小さく見える人影は、どうやら二人いるみたいだ。目を凝らして良く見てみると、どうやら、男性と女性が一人ずつ私達の方向に向かって来た。女性に合わせてゆっくりと歩いている。
「海大、待たせて悪かったな。何とか、間に合った!」
遠くから歩いて来た二人がバス停に到着すると、間近で見て驚いた。
まさかのまさか、会いたくても会えなかった人物が目の前にいた。私は言葉を発する前に感情が昂り、目から涙の粒が頬に流れてくる。
「ヒロ……君と……ミ、ヒロ……ちゃん……?」
目の前の女性が絞り出した声は、か細く消えてしまいそうだった。私は声を聞いた瞬間に一歩を前に出し女性の元に向かい、ぎゅっと抱きしめた。
会いたかったよ、ずっと──
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