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【煌めきLEVEL/04】
*突然の外出
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ヒロ君が来てくれる日は初めて出会った日よりも抑えめだがメイクをバッチリしているし、洋服もなるべく可愛い物を選んで着ている。
いつでも外出は出来るが、問題は心の準備。
外出するとは思わなかった。
………ドキドキ。
そう言えば、ヒロ君と会ったあの日以外は買い物らしい買い物もしていない。大抵の物はネットから注文出来ていたし、不足品は近くのコンビニで買い足したり、対馬さんや福島さんが買ってきてくれたり。
短時間でも少しずつ慣らせば、以前の様に一人で買い物に出かけたり、美容室に出かけたり出来るだろうか?
「い、行きたい……です!」
「カナミちゃんはこの後は用事ある? 買い物に行ったら食事の用意が遅くなってしまうから外食しませんか?」
「な、ないです。何っにもないです!」
ヒロ君と外食だ! 緊張するけど、こんなチャンスは逃したくはない。
「ヒロ君の洋服が乾くまで待ちましょう。流石にジャージは恥ずかしいですよね」
「……そうしてくれると嬉しいです」
ヒロ君は、はにかんで笑った。その顔がとても可愛らしくて、私も笑顔になる。
一緒にいると世界が広がる。今まで怖がっていた世界に飛び出せる、そんな気がしている。対人恐怖症だけれど、ヒロ君は怖くない。
そう言えば、ヒロ君は誰かに似ている。
雰囲気とか、顔とか。誰だろう?
思い出そうとしたが、思い出せない。
封印している過去の中に隠されているのだろうか……?
ヒロ君の洋服が乾いたので、着替えてから買い物へと向かった。
バスの時間が合わなかったので、駅前まで歩く。駅前にスーパーがあるからそこで食材は買うとして、外食は駅近くでしようか? と話しながら歩いている。
辺りは暗くなり、電灯がついている。
最後に夜に出かけたのはいつだったのだろう? 何もないのは分かっているが、夜は暗い分、予測が出来なくて何となく怖いのだ。
「カナミちゃん、大丈夫? 急に出かけようって言ったから不安になってたりしない?」
ヒロ君は私を気遣い、自分は道路に面した方を歩き、私を端に歩かせる。人や自転車とすれ違う時は常に気をつけてくれている。
以前、私が過呼吸を起こしてしまったから、過剰に気にさせているのかもしれない。
「だ、……大丈夫です。ひ、とりじゃない、から……」
緊張から手をぎゅっと拳に握っているから、汗はかいているが自然と怖くない。住宅街の明かりもポツポツとついているから、真っ暗でもない。ヒロ君と一緒だから平気なのかな?
人がすれ違い、私と至近距離になりそうな時は肩をそっと抱き寄せてくれた。
「危なかった! 今の人、ぶつかりそうだったね。ごめんね、ビックリしたよね?」
肩に触れていた右手をパッと離された。ヒロ君が咄嗟に私の肩に触れたけれど、嫌じゃないし、怖くなかった。
ドキドキが止まらない。ヒロ君はモテそうだから、今みたいな事は手馴れてるのかな?
私の胸は高まるばかりで心臓に悪い……
しかし、ヒロ君が異様に私を気遣う。嬉しいのだが、半ば神経質の様に過敏になっている気がする。
最初に出会った時に私が過呼吸で倒れそうになったから、必要以上に責任を感じさせている?
こんな私のために気を遣わせてしまい、申しわけがない。
「ご飯を食べてからに買い物しようか? スーパー以外に寄りたい場所はある?」
「えっと……本屋さんに寄りたいです」
街に出た時は必ず本屋さんにだけは立ち寄っている。少年漫画のコミックコーナーで自分の漫画がどのように配置されているか、見るためだ。ヒロ君と一緒だから、少年漫画のコミックコーナーに行くのは難しいかもしれないが、行くだけは行きたい。
「俺も参考書を見たいから、本屋に寄ってからご飯をどこで食べるか決めよう」
「……はい」
完全にデートみたいだな。
高校時代から男の子と一緒に出かけたのは、数える程しかない。
見た目もぽっちゃりしていて彼氏もいなかったし、目も腫れぼったい一重だから可愛くもなかった。茜ちゃんみたいに持って生まれた可愛い容姿の微塵もなかった。
現在は漫画の印税でメイク用品を購入して、プチ整形もした。漫画を描いているうちに自然と間食もしなくなり、最低限な︎カロリーしか摂取しないうちにいつの間にか痩せていた。
多分……きっと、現在の容姿は馬鹿にされないと思う。それに以前の私だとは誰も気付かないはずだ。
見た目が変わっても人目が怖いのは、自分に自信が持てないからだ。そんなだから、引きこもって漫画を描いているのが丁度良かった。
通信制の高校に通う事になってレポートは出しても、設定された登校日に行くことができなかった。もしくはオンラインでの参加も可能らしいが、“学校”の雰囲気を味わうことすら嫌で身体が拒否してしまっている。
「……こんなことを聞くのもなんだけど、カナミちゃんは人混みが苦手?」
私は人とすれ違う度にビクッと反応してしまっていた。ヒロ君がそれに気付いていた。
「……はい。苦手なんです。苦手で、たまに過呼吸起こすから紙袋を持っていたんです」
「そっか、何となくそんな気はしてた。過去に何があったかは分からないけど、俺で良かったら、協力するから焦らないで……ゆっくり克服して行こう」
ヒロ君は何故そんなに私に優しくしてくれるのだろう? 私のことは本名も伝えてないし、過去も知らないのに……
私は優しさが嬉しくて、涙がボロボロと溢れ出した。
後僅かの距離で本屋さんに辿り着くのに、私は立ち止まって泣いてしまった。行き交う人々が驚いて、私を避けて離れて歩いている。
最近は本当に人のありがたみが分かるようになり、感慨深くなっている。
優しさに触れれば触れる程に感情が溢れ出す。
ヒロ君は「おいで……」と言って、手を引っ張った。
初めて会った時みたいに怖くなかった。あの時みたいに手首ではなく、手の平と手の平を合わせて手を繋いだ。
「落ち着いた?」
本屋さんの横にあるカフェに入った。私の顔はぐじゃぐじゃで化粧も取れていると思う。ウォータープルーフのマスカラだから、さほどパンダ目にはなっていないとは思う。
バッグからハンカチを取り出し、涙を拭く。
「やっぱり怖かった?」
「……ち、違うの。怖かったんじゃなくて……えっと……」
少しずつ、ゆっくりでも良いから気持ちを伝えたい。
「わ、たし……人に優しくされるのに…慣れてないから、嬉しくて……つい泣いてしまいました。ごめんなさい……」
「カナミちゃんは感情が豊かなんだね。俺、カナミちゃんが思ってる程、そんなに優しい人じゃないけど……」
あ、やっぱり思った事を口に出したのが不味かったかな? 何でも伝えれば良いってものでもないんだな……
ヒロ君の表情が困っているような気がした。
「カナミちゃんが人は怖くないんだと思えるように、できる限りの事はするよ」
ヒロ君は優しく微笑んだ。注文していたアイスカフェオレと紅茶が届いた。ヒロ君はアイスカフェオレにガムシロップを一つ入れて、ストローでクルクルと掻き混ぜた。私も暖かい紅茶を一口、口に含んだ。ダージリンの良い香りが漂っている。
「カナミちゃんは本当に紅茶が好きだね。流石、お嬢様って感じだなぁ」
お嬢様だなんて、本当は嘘なんだよ。
私はいつまで騙し続ければ良いのだろう?
ヒロ君と会う回数が増える程、罪悪感に悩まされる。いっその事、本当の事を言えたら楽なのに……
「全然、お嬢様じゃないんです。頭も良くないから、必死で勉強してやっと高校に入って……」
ヒロ君ならば、ありのままを受け入れてくれるかもしれない。そう思いながら自分のことを話してみようかな?と言葉を選びながらも話し出すとヒロ君は私の言葉を遮った。
「俺も頭が良くなかったから必死で勉強して、高校に入れたんだ。それまでは勉強とは縁が遠くて適当に過ごしてた。中三の後半なんて、柄にもなく塾も必死に行ってた。でも頑張って良かったと思ってる」
ヒロ君は努力して高校に入ったんだな。明らかな勝ち組のヒロ君は私とは全然違う。
「人間、きっかけは誰にでもあるもんで、きっかけがあれば変われるって知った。……だから、今の俺がいる。今は国立大目指してる」
「こ、く、りつ……」
言葉を飲みこんだ。私が目標としていた場所をヒロ君は目指している。
きっかけは良くも悪くも、人生を左右するものだ。そして、人との繋がりもまた人生を左右してしまう。自分の力だけでは太刀打ちできずに、運命の歯車は回ってしまうものだ。
いつでも外出は出来るが、問題は心の準備。
外出するとは思わなかった。
………ドキドキ。
そう言えば、ヒロ君と会ったあの日以外は買い物らしい買い物もしていない。大抵の物はネットから注文出来ていたし、不足品は近くのコンビニで買い足したり、対馬さんや福島さんが買ってきてくれたり。
短時間でも少しずつ慣らせば、以前の様に一人で買い物に出かけたり、美容室に出かけたり出来るだろうか?
「い、行きたい……です!」
「カナミちゃんはこの後は用事ある? 買い物に行ったら食事の用意が遅くなってしまうから外食しませんか?」
「な、ないです。何っにもないです!」
ヒロ君と外食だ! 緊張するけど、こんなチャンスは逃したくはない。
「ヒロ君の洋服が乾くまで待ちましょう。流石にジャージは恥ずかしいですよね」
「……そうしてくれると嬉しいです」
ヒロ君は、はにかんで笑った。その顔がとても可愛らしくて、私も笑顔になる。
一緒にいると世界が広がる。今まで怖がっていた世界に飛び出せる、そんな気がしている。対人恐怖症だけれど、ヒロ君は怖くない。
そう言えば、ヒロ君は誰かに似ている。
雰囲気とか、顔とか。誰だろう?
思い出そうとしたが、思い出せない。
封印している過去の中に隠されているのだろうか……?
ヒロ君の洋服が乾いたので、着替えてから買い物へと向かった。
バスの時間が合わなかったので、駅前まで歩く。駅前にスーパーがあるからそこで食材は買うとして、外食は駅近くでしようか? と話しながら歩いている。
辺りは暗くなり、電灯がついている。
最後に夜に出かけたのはいつだったのだろう? 何もないのは分かっているが、夜は暗い分、予測が出来なくて何となく怖いのだ。
「カナミちゃん、大丈夫? 急に出かけようって言ったから不安になってたりしない?」
ヒロ君は私を気遣い、自分は道路に面した方を歩き、私を端に歩かせる。人や自転車とすれ違う時は常に気をつけてくれている。
以前、私が過呼吸を起こしてしまったから、過剰に気にさせているのかもしれない。
「だ、……大丈夫です。ひ、とりじゃない、から……」
緊張から手をぎゅっと拳に握っているから、汗はかいているが自然と怖くない。住宅街の明かりもポツポツとついているから、真っ暗でもない。ヒロ君と一緒だから平気なのかな?
人がすれ違い、私と至近距離になりそうな時は肩をそっと抱き寄せてくれた。
「危なかった! 今の人、ぶつかりそうだったね。ごめんね、ビックリしたよね?」
肩に触れていた右手をパッと離された。ヒロ君が咄嗟に私の肩に触れたけれど、嫌じゃないし、怖くなかった。
ドキドキが止まらない。ヒロ君はモテそうだから、今みたいな事は手馴れてるのかな?
私の胸は高まるばかりで心臓に悪い……
しかし、ヒロ君が異様に私を気遣う。嬉しいのだが、半ば神経質の様に過敏になっている気がする。
最初に出会った時に私が過呼吸で倒れそうになったから、必要以上に責任を感じさせている?
こんな私のために気を遣わせてしまい、申しわけがない。
「ご飯を食べてからに買い物しようか? スーパー以外に寄りたい場所はある?」
「えっと……本屋さんに寄りたいです」
街に出た時は必ず本屋さんにだけは立ち寄っている。少年漫画のコミックコーナーで自分の漫画がどのように配置されているか、見るためだ。ヒロ君と一緒だから、少年漫画のコミックコーナーに行くのは難しいかもしれないが、行くだけは行きたい。
「俺も参考書を見たいから、本屋に寄ってからご飯をどこで食べるか決めよう」
「……はい」
完全にデートみたいだな。
高校時代から男の子と一緒に出かけたのは、数える程しかない。
見た目もぽっちゃりしていて彼氏もいなかったし、目も腫れぼったい一重だから可愛くもなかった。茜ちゃんみたいに持って生まれた可愛い容姿の微塵もなかった。
現在は漫画の印税でメイク用品を購入して、プチ整形もした。漫画を描いているうちに自然と間食もしなくなり、最低限な︎カロリーしか摂取しないうちにいつの間にか痩せていた。
多分……きっと、現在の容姿は馬鹿にされないと思う。それに以前の私だとは誰も気付かないはずだ。
見た目が変わっても人目が怖いのは、自分に自信が持てないからだ。そんなだから、引きこもって漫画を描いているのが丁度良かった。
通信制の高校に通う事になってレポートは出しても、設定された登校日に行くことができなかった。もしくはオンラインでの参加も可能らしいが、“学校”の雰囲気を味わうことすら嫌で身体が拒否してしまっている。
「……こんなことを聞くのもなんだけど、カナミちゃんは人混みが苦手?」
私は人とすれ違う度にビクッと反応してしまっていた。ヒロ君がそれに気付いていた。
「……はい。苦手なんです。苦手で、たまに過呼吸起こすから紙袋を持っていたんです」
「そっか、何となくそんな気はしてた。過去に何があったかは分からないけど、俺で良かったら、協力するから焦らないで……ゆっくり克服して行こう」
ヒロ君は何故そんなに私に優しくしてくれるのだろう? 私のことは本名も伝えてないし、過去も知らないのに……
私は優しさが嬉しくて、涙がボロボロと溢れ出した。
後僅かの距離で本屋さんに辿り着くのに、私は立ち止まって泣いてしまった。行き交う人々が驚いて、私を避けて離れて歩いている。
最近は本当に人のありがたみが分かるようになり、感慨深くなっている。
優しさに触れれば触れる程に感情が溢れ出す。
ヒロ君は「おいで……」と言って、手を引っ張った。
初めて会った時みたいに怖くなかった。あの時みたいに手首ではなく、手の平と手の平を合わせて手を繋いだ。
「落ち着いた?」
本屋さんの横にあるカフェに入った。私の顔はぐじゃぐじゃで化粧も取れていると思う。ウォータープルーフのマスカラだから、さほどパンダ目にはなっていないとは思う。
バッグからハンカチを取り出し、涙を拭く。
「やっぱり怖かった?」
「……ち、違うの。怖かったんじゃなくて……えっと……」
少しずつ、ゆっくりでも良いから気持ちを伝えたい。
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「カナミちゃんは感情が豊かなんだね。俺、カナミちゃんが思ってる程、そんなに優しい人じゃないけど……」
あ、やっぱり思った事を口に出したのが不味かったかな? 何でも伝えれば良いってものでもないんだな……
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「カナミちゃんが人は怖くないんだと思えるように、できる限りの事はするよ」
ヒロ君は優しく微笑んだ。注文していたアイスカフェオレと紅茶が届いた。ヒロ君はアイスカフェオレにガムシロップを一つ入れて、ストローでクルクルと掻き混ぜた。私も暖かい紅茶を一口、口に含んだ。ダージリンの良い香りが漂っている。
「カナミちゃんは本当に紅茶が好きだね。流石、お嬢様って感じだなぁ」
お嬢様だなんて、本当は嘘なんだよ。
私はいつまで騙し続ければ良いのだろう?
ヒロ君と会う回数が増える程、罪悪感に悩まされる。いっその事、本当の事を言えたら楽なのに……
「全然、お嬢様じゃないんです。頭も良くないから、必死で勉強してやっと高校に入って……」
ヒロ君ならば、ありのままを受け入れてくれるかもしれない。そう思いながら自分のことを話してみようかな?と言葉を選びながらも話し出すとヒロ君は私の言葉を遮った。
「俺も頭が良くなかったから必死で勉強して、高校に入れたんだ。それまでは勉強とは縁が遠くて適当に過ごしてた。中三の後半なんて、柄にもなく塾も必死に行ってた。でも頑張って良かったと思ってる」
ヒロ君は努力して高校に入ったんだな。明らかな勝ち組のヒロ君は私とは全然違う。
「人間、きっかけは誰にでもあるもんで、きっかけがあれば変われるって知った。……だから、今の俺がいる。今は国立大目指してる」
「こ、く、りつ……」
言葉を飲みこんだ。私が目標としていた場所をヒロ君は目指している。
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