19 / 25
【煌めきLEVEL/04】
*高校のジャージ
しおりを挟む
私が倒れてから、久しぶりにヒロ君に会う。
こないだ通信制高校からの手紙を見られて以来、会ってない。どんな顔をして会ったら良いのか、万が一聞かれたらどんなリアクションを取れば良いのか、正直分からない。
嫌われる覚悟で事実を伝えた方が良いのかな?
昼間は気にしすぎて仕事に集中できなかった。
ヒロ君に対して社長令嬢だと嘘をついていること、本業は少年誌の漫画家だと言う事を包み隠さずに伝えたとして嫌われる確率は……きっと高いだろう。
それから漫画家だと知れたら、私の頭の中身を覗かれてるみたいで、とてつもなく恥ずかしい。
私の思考の全てをさらけ出し、本能の赴くままに描いている漫画。プロとして、自分のマンガに誇りを持ちたいのだが、私がこんな性格故に自信を持って、『この作品を描いているのは私です』とも言い出せない。
少年誌の漫画が恥ずかしいと言って否定しているわけでは決してなくて、私は女性なのに異世界の少年漫画を描いているのが恥ずかしくて言い出せないのだ。変なプライドが邪魔をしている。
私が漫画家だと言うことは、編集部の方々と両親しか知らない。高校が別々になった小中学の同級生とは疎遠になったために誰も知らない。
……もうすぐヒロ君が来てしまう!
漫画の作業場には入らないようにお願いしてあるので、片付けなくても良いのだが、問題はリビングだ。先日のように手紙等が置いてないかチェックをする。
気持ちが落ち着かずにリビング周りをウロウロしているとヒロ君からメッセージが届いた。
ヒロ君とは電話番号を交換したが、最近ではメッセージアプリのIDも交換した。それからの連絡はいつもメッセージアプリからだ。……と言っても、急な予定変更などにしかメッセージを送らないから、やり取りはたまにしかしないのだけれど。電話だと緊張しすぎて上手く話ができないので、簡単に短文で送信できるアプリで丁度良いのかもしれない。
ヒロ君は今日、遅れてくるらしい。
早く会いたい気持ちもあるが対処法を考えてはいないので、ホッとしたような気持ちもある。
対馬さんは履歴書を見たので素性を知っているが、私は履歴書を見せてもらえなかったので何も知らない。
ヒロ君が高校二年生ということしか知らない。
私から聞いてみても良いのかな?
雇い主が履歴書を見てないのが知れたら、おかしいと思うかな? 信用出来ないと思うかな?
私はとにかく、ヒロ君のことが気になって仕方がない。
完全に恋をしている。
***
ヒロ君は三十分程、遅れて来た。
ヒロ君が来る少し前から夕立のような雨が降り出し、傘を差しても身体が濡れていた。
「良かったら、シャワー使います? 濡れたままだと風邪をひいちゃうので……」
私はタオルを渡し、ヒロ君にシャワーを浴びるように言ったが、着替えがないからと断られた。それもそうだよなぁ……
洋服はレディースサイズしか持ってはいない。ヒロ君が着れる洋服は何かないかな?
乾燥機で服が乾くまでの間着れるものと言えば……ヒロ君が風邪を引かないようにと必死で考える。
あ、アレだ。恥ずかしいけれど、アレしかない。アレならば男女兼用だから大丈夫だよね?
「こ、高校のジャージで申しわけないんですけど……男女兼用だから乾くまでの間、着てて下さい!」
ヒロ君をリビングで待たせたまま、クローゼットから取り出したのは高校時代のジャージだった。ジャージとはゆえ、チャック付きのトレーニングウェアに近いので、原稿に集中している引きこもり中は着ていたりする。着てるけれど、キチンと洗ってあるから大丈夫……だとは思う。
高校時代は様々な出来事があったけれど、ジャージに罪はないので捨てられなかった。投稿漫画もジャージを着て描いたりしていたので、愛着もある。
高校のジャージなんかを取り出してきて恥ずかしいけれど、ヒロ君が風邪を引くよりはマシだ。
「あっ……」
ジャージを差し出した時に驚きでヒロ君の瞳が真ん丸になったけれど、それは私がジャージを用意したことに驚いたわけではなかった。
そういえば、何も考えずに貸してしまったジャージには本名の広沢という文字が左腕の部分にローマ字で刺繍がしてあるが、ヒロ君は見ていないようだった。もしも、見ていたとしてもお互いのプライベートには踏み込まないという約束があるため、何も言ってはこないだろう……
「ありがとう、カナミちゃん。ありがたく使わせていただきます!」
「すみません、こんなものしかなくて」
ヒロ君は笑顔でジャージを受け取ってくれた。
私は高校時代、ぽっちゃりしていたので男女兼用のLサイズを着ていた。ヒロ君は細身だけれど、身長があるからLサイズで丁度良いかもしれない。
「実は俺もこのジャージを着てる」
ヒロ君がこのジャージを着ている?
……と言う事は同じ高校出身みたいだ。偶然ってあるもんだ。私は、ヒロ君に続く言葉が見つけられずにいる。
同じ高校出身と言う事はとても嬉しくて喜ばしいことなのだが、途中で逃げ出した私は素直に喜べなかった。
休学中ということならば、高校の話題で盛り上がったかもしれない。私は卒業まで辿りつけなかったため、墓穴を掘ってしまう可能性があるので話題を拡げられなかった。
通信制の高校からの手紙でヒロ君は薄々は気付いているかもしれないが、素性がバレてしまうまで時間の問題だ。
高校のことには触れずに、ヒロ君に再びシャワーを浴びる事を勧める。シャワーを浴びたヒロ君の洋服をお急ぎモードで洗濯し、乾燥機にかけた。
対馬さんや福島さんも泊まり込みで手伝ってくれる時に浴室を使うため、自分なりに綺麗に掃除しておいたつもりだから貸すことには躊躇いはなかった。
「カナミちゃん、お言葉に甘えてシャワーを借りちゃってごめんね」
私のお気に入りのシャンプーとボディーソープに包まれたヒロ君からは、とても良い香りがしている。
高校のジャージを着ているヒロ君はとても新鮮。時計の針がヒロ君の高校時代に戻ったみたいで嬉しかった。同じ出身校とは言い切れないのが寂しいけれど、高校時代を一緒に過ごしている様な感覚に陥っている。
ジャージ姿のヒロ君もカッコイイ。ヒロ君はきっと、男女共にモテモテで誰からも好かれているのだと想像する。それに比べて私は……嫌われていたから素性は晒せない。
ヒロ君のジャージ姿を見て浮かれていても、余計なことは何も言えないのだ。先生の話とか、してみたい話は沢山ある。……けれども、墓穴を掘らないためにも自分からは何も言わないのが得策である。
もしも、茜ちゃんが高校にいてくれて、琴音ちゃん達とも仲違いしなければ、無事に卒業まで辿り着けただろうか?
ヒロ君と出会った時から少しずつ思い出している。高校時代のことを思い出しても、あれ以来は過呼吸にはならない。
茜ちゃんのいないあの場所で私は一人で戦えなかった。"学校に行きたくない"──一度そう思ったら、引き返すのは難しくて逃げ出した。
その後は漫画家になったのだけれども、漫画家になれなかったとしたらどんな人生を歩んでいたのだろうか?
「今日は何も買い物をして来れなかったんだ。材料はありそうかな?雨も上がったし、なければ買ってくるよ、ジャージだけどね」
と言って、ヒロ君は笑った。
締切後から買い物も行ってない。冷蔵庫は空っぽに近い……
ヒロ君はいつも買い物をしてから来てくれることがほとんどで、どうしても欲しい物はメッセージで送信している。今日は欲しい物メッセージもせず、空っぽだとも伝えてなかった。
冷蔵庫の中身を見たヒロ君は何もなさすぎて、黙り。しばし考えた後に「カナミちゃん、良かったらなんだけど、一緒に買い物行く? 必要な物の買い出しもあるでしょ? 荷物持ちするから」と言われた。
突然のお誘いに心の準備が出来ずに戸惑う。唖然としてしまい、言葉が出なかった。
こないだ通信制高校からの手紙を見られて以来、会ってない。どんな顔をして会ったら良いのか、万が一聞かれたらどんなリアクションを取れば良いのか、正直分からない。
嫌われる覚悟で事実を伝えた方が良いのかな?
昼間は気にしすぎて仕事に集中できなかった。
ヒロ君に対して社長令嬢だと嘘をついていること、本業は少年誌の漫画家だと言う事を包み隠さずに伝えたとして嫌われる確率は……きっと高いだろう。
それから漫画家だと知れたら、私の頭の中身を覗かれてるみたいで、とてつもなく恥ずかしい。
私の思考の全てをさらけ出し、本能の赴くままに描いている漫画。プロとして、自分のマンガに誇りを持ちたいのだが、私がこんな性格故に自信を持って、『この作品を描いているのは私です』とも言い出せない。
少年誌の漫画が恥ずかしいと言って否定しているわけでは決してなくて、私は女性なのに異世界の少年漫画を描いているのが恥ずかしくて言い出せないのだ。変なプライドが邪魔をしている。
私が漫画家だと言うことは、編集部の方々と両親しか知らない。高校が別々になった小中学の同級生とは疎遠になったために誰も知らない。
……もうすぐヒロ君が来てしまう!
漫画の作業場には入らないようにお願いしてあるので、片付けなくても良いのだが、問題はリビングだ。先日のように手紙等が置いてないかチェックをする。
気持ちが落ち着かずにリビング周りをウロウロしているとヒロ君からメッセージが届いた。
ヒロ君とは電話番号を交換したが、最近ではメッセージアプリのIDも交換した。それからの連絡はいつもメッセージアプリからだ。……と言っても、急な予定変更などにしかメッセージを送らないから、やり取りはたまにしかしないのだけれど。電話だと緊張しすぎて上手く話ができないので、簡単に短文で送信できるアプリで丁度良いのかもしれない。
ヒロ君は今日、遅れてくるらしい。
早く会いたい気持ちもあるが対処法を考えてはいないので、ホッとしたような気持ちもある。
対馬さんは履歴書を見たので素性を知っているが、私は履歴書を見せてもらえなかったので何も知らない。
ヒロ君が高校二年生ということしか知らない。
私から聞いてみても良いのかな?
雇い主が履歴書を見てないのが知れたら、おかしいと思うかな? 信用出来ないと思うかな?
私はとにかく、ヒロ君のことが気になって仕方がない。
完全に恋をしている。
***
ヒロ君は三十分程、遅れて来た。
ヒロ君が来る少し前から夕立のような雨が降り出し、傘を差しても身体が濡れていた。
「良かったら、シャワー使います? 濡れたままだと風邪をひいちゃうので……」
私はタオルを渡し、ヒロ君にシャワーを浴びるように言ったが、着替えがないからと断られた。それもそうだよなぁ……
洋服はレディースサイズしか持ってはいない。ヒロ君が着れる洋服は何かないかな?
乾燥機で服が乾くまでの間着れるものと言えば……ヒロ君が風邪を引かないようにと必死で考える。
あ、アレだ。恥ずかしいけれど、アレしかない。アレならば男女兼用だから大丈夫だよね?
「こ、高校のジャージで申しわけないんですけど……男女兼用だから乾くまでの間、着てて下さい!」
ヒロ君をリビングで待たせたまま、クローゼットから取り出したのは高校時代のジャージだった。ジャージとはゆえ、チャック付きのトレーニングウェアに近いので、原稿に集中している引きこもり中は着ていたりする。着てるけれど、キチンと洗ってあるから大丈夫……だとは思う。
高校時代は様々な出来事があったけれど、ジャージに罪はないので捨てられなかった。投稿漫画もジャージを着て描いたりしていたので、愛着もある。
高校のジャージなんかを取り出してきて恥ずかしいけれど、ヒロ君が風邪を引くよりはマシだ。
「あっ……」
ジャージを差し出した時に驚きでヒロ君の瞳が真ん丸になったけれど、それは私がジャージを用意したことに驚いたわけではなかった。
そういえば、何も考えずに貸してしまったジャージには本名の広沢という文字が左腕の部分にローマ字で刺繍がしてあるが、ヒロ君は見ていないようだった。もしも、見ていたとしてもお互いのプライベートには踏み込まないという約束があるため、何も言ってはこないだろう……
「ありがとう、カナミちゃん。ありがたく使わせていただきます!」
「すみません、こんなものしかなくて」
ヒロ君は笑顔でジャージを受け取ってくれた。
私は高校時代、ぽっちゃりしていたので男女兼用のLサイズを着ていた。ヒロ君は細身だけれど、身長があるからLサイズで丁度良いかもしれない。
「実は俺もこのジャージを着てる」
ヒロ君がこのジャージを着ている?
……と言う事は同じ高校出身みたいだ。偶然ってあるもんだ。私は、ヒロ君に続く言葉が見つけられずにいる。
同じ高校出身と言う事はとても嬉しくて喜ばしいことなのだが、途中で逃げ出した私は素直に喜べなかった。
休学中ということならば、高校の話題で盛り上がったかもしれない。私は卒業まで辿りつけなかったため、墓穴を掘ってしまう可能性があるので話題を拡げられなかった。
通信制の高校からの手紙でヒロ君は薄々は気付いているかもしれないが、素性がバレてしまうまで時間の問題だ。
高校のことには触れずに、ヒロ君に再びシャワーを浴びる事を勧める。シャワーを浴びたヒロ君の洋服をお急ぎモードで洗濯し、乾燥機にかけた。
対馬さんや福島さんも泊まり込みで手伝ってくれる時に浴室を使うため、自分なりに綺麗に掃除しておいたつもりだから貸すことには躊躇いはなかった。
「カナミちゃん、お言葉に甘えてシャワーを借りちゃってごめんね」
私のお気に入りのシャンプーとボディーソープに包まれたヒロ君からは、とても良い香りがしている。
高校のジャージを着ているヒロ君はとても新鮮。時計の針がヒロ君の高校時代に戻ったみたいで嬉しかった。同じ出身校とは言い切れないのが寂しいけれど、高校時代を一緒に過ごしている様な感覚に陥っている。
ジャージ姿のヒロ君もカッコイイ。ヒロ君はきっと、男女共にモテモテで誰からも好かれているのだと想像する。それに比べて私は……嫌われていたから素性は晒せない。
ヒロ君のジャージ姿を見て浮かれていても、余計なことは何も言えないのだ。先生の話とか、してみたい話は沢山ある。……けれども、墓穴を掘らないためにも自分からは何も言わないのが得策である。
もしも、茜ちゃんが高校にいてくれて、琴音ちゃん達とも仲違いしなければ、無事に卒業まで辿り着けただろうか?
ヒロ君と出会った時から少しずつ思い出している。高校時代のことを思い出しても、あれ以来は過呼吸にはならない。
茜ちゃんのいないあの場所で私は一人で戦えなかった。"学校に行きたくない"──一度そう思ったら、引き返すのは難しくて逃げ出した。
その後は漫画家になったのだけれども、漫画家になれなかったとしたらどんな人生を歩んでいたのだろうか?
「今日は何も買い物をして来れなかったんだ。材料はありそうかな?雨も上がったし、なければ買ってくるよ、ジャージだけどね」
と言って、ヒロ君は笑った。
締切後から買い物も行ってない。冷蔵庫は空っぽに近い……
ヒロ君はいつも買い物をしてから来てくれることがほとんどで、どうしても欲しい物はメッセージで送信している。今日は欲しい物メッセージもせず、空っぽだとも伝えてなかった。
冷蔵庫の中身を見たヒロ君は何もなさすぎて、黙り。しばし考えた後に「カナミちゃん、良かったらなんだけど、一緒に買い物行く? 必要な物の買い出しもあるでしょ? 荷物持ちするから」と言われた。
突然のお誘いに心の準備が出来ずに戸惑う。唖然としてしまい、言葉が出なかった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
Cutie Skip ★
月琴そう🌱*
青春
少年期の友情が破綻してしまった小学生も最後の年。瑞月と恵風はそれぞれに原因を察しながら、自分たちの元を離れた結日を呼び戻すことをしなかった。それまでの男、男、女の三人から男女一対一となり、思春期の繊細な障害を乗り越えて、ふたりは腹心の友という間柄になる。それは一方的に離れて行った結日を、再び振り向かせるほどだった。
自分が置き去りにした後悔を掘り起こし、結日は瑞月とよりを戻そうと企むが、想いが強いあまりそれは少し怪しげな方向へ。
高校生になり、瑞月は恵風に友情とは別の想いを打ち明けるが、それに対して慎重な恵風。学校生活での様々な出会いや出来事が、煮え切らない恵風の気付きとなり瑞月の想いが実る。
学校では瑞月と恵風の微笑ましい関係に嫉妬を膨らます、瑞月のクラスメイトの虹生と旺汰。虹生と旺汰は結日の想いを知り、”自分たちのやり方”で協力を図る。
どんな荒波が自分にぶち当たろうとも、瑞月はへこたれやしない。恵風のそばを離れない。離れてはいけないのだ。なぜなら恵風は人間以外をも恋に落とす強力なフェロモンの持ち主であると、自身が身を持って気付いてしまったからである。恵風の幸せ、そして自分のためにもその引力には誰も巻き込んではいけない。
一方、恵風の片割れである結日にも、得体の知れないものが備わっているようだ。瑞月との友情を二度と手放そうとしないその執念は、周りが翻弄するほどだ。一度は手放したがそれは幼い頃から育てもの。自分たちの友情を将来の義兄弟関係と位置付け遠慮を知らない。
こどもの頃の風景を練り込んだ、幼なじみの男女、同性の友情と恋愛の風景。
表紙:むにさん

おれは農家の跡取りだ! 〜一度は捨てた夢だけど、新しい仲間とつかんでみせる〜
藍条森也
青春
藤岡耕一はしがない稲作農家の息子。代々伝えられてきた田んぼを継ぐつもりの耕一だったが、日本農業全体の衰退を理由に親に反対される。農業を継ぐことを諦めた耕一は『勝ち組人生』を送るべく、県下きっての進学校、若竹学園に入学。しかし、そこで校内ナンバー1珍獣の異名をもつSEED部部長・森崎陽芽と出会ったことで人生は一変する。
森崎陽芽は『世界中の貧しい人々に冨と希望を与える』ため、SEEDシステム――食料・エネルギー・イベント同時作を考案していた。農地に太陽電池を設置することで食料とエネルギーを同時に生産し、収入を増加させる。太陽電池のコストの高さを解消するために定期的にイベントを開催、入場料で設置代を賄うことで安価に提供できるようにするというシステムだった。その実証試験のために稲作農家である耕一の協力を求めたのだ。
必要な設備を購入するだけの資金がないことを理由に最初は断った耕一だが、SEEDシステムの発案者である雪森弥生の説得を受け、親に相談。親の答えはまさかの『やってみろ』。
その言葉に実家の危機――このまま何もせずにいれば破産するしかない――を知った耕一は起死回生のゴールを決めるべく、SEEDシステムの実証に邁進することになる。目指すはSEEDシステムを活用した夏祭り。実際に稼いでみせることでSEEDシステムの有用性を実証するのだ!
真性オタク男の金子雄二をイベント担当として新部員に迎えたところ、『男は邪魔だ!』との理由で耕一はメイドさんとして接客係を担当する羽目に。実家の危機を救うべく決死の覚悟で挑む耕一だが、そうたやすく男の娘になれるはずもなく悪戦苦闘。劇団の娘鈴沢鈴果を講師役として迎えることでどうにか様になっていく。
人手不足から夏祭りの準備は難航し、開催も危ぶまれる。そのとき、耕一たちの必死の姿に心を動かされた地元の仲間や同級生たちが駆けつける。みんなの協力の下、夏祭りは無事、開催される。祭りは大盛況のうちに終り、耕一は晴れて田んぼの跡継ぎとして認められる。
――SEEDシステムがおれの人生を救ってくれた。
そのことを実感する耕一。だったら、
――おれと同じように希望を失っている世界中の人たちだって救えるはずだ!
その思いを胸に耕一は『世界を救う』夢を見るのだった。
※『ノベリズム』から移転(旧題·SEED部が世界を救う!(by 森崎陽芽) 馬鹿なことをと思っていたけどやれる気になってきた(by 藤岡耕一))。
毎日更新。7月中に完結。
私の隣は、心が見えない男の子
舟渡あさひ
青春
人の心を五感で感じ取れる少女、人見一透。
隣の席の男子は九十九くん。一透は彼の心が上手く読み取れない。
二人はこの春から、同じクラスの高校生。
一透は九十九くんの心の様子が気になって、彼の観察を始めることにしました。
きっと彼が、私の求める答えを持っている。そう信じて。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
脅され彼女~可愛い女子の弱みを握ったので脅して彼女にしてみたが、健気すぎて幸せにしたいと思った~
みずがめ
青春
陰キャ男子が後輩の女子の弱みを握ってしまった。彼女いない歴=年齢の彼は後輩少女に彼女になってくれとお願いする。脅迫から生まれた恋人関係ではあったが、彼女はとても健気な女の子だった。
ゲス男子×健気女子のコンプレックスにまみれた、もしかしたら純愛になるかもしれないお話。
※この作品は別サイトにも掲載しています。
※表紙イラストは、あっきコタロウさんに描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる