15 / 25
【海大/BLACK TURN】
*あの日
しおりを挟む
受験シーズンが終わり、結果を待つだけになった。茜ちゃんはいつしか来なくなった。それは俺の受験シーズンが近付いてきたからだと信じていた。
受験発表日、めでたく合格していた。
「ヒロが進学校行くなんてな。将来はエリートかぁ……本当におめでとう!」
「ヤバーイ! ヒロがエリートになるの? 結婚してー」
「……っるさい、誰が結婚するか!」
友達も志望校に合格していて、今日は久しぶりに遊んだ帰り道。大人数でカラオケをして、受験ストレスを吹き飛ばして来た。
進学先がバラバラになるが、スマホもあるし、友達とはいつでも連絡はとれる。皆の笑顔が眩しかった。
楽しい気分のまま、自宅の玄関を開けたら……リビングから母さんの泣き声が聞こえた。何事かと思い、急いで駆け寄る。
「……潤兄、母さん、一体……どうしたの?」
「海大、おかえり」
潤兄は笑ってる。顔中血だらけで、アザも出来てるのに……
まさかとは思うけれど、ケンカ?
「誰かにやられたの?」
「ヒロ、潤ったらね、ケンカして帰って来たの。母さん、こんなの初めてだから、どうして良いのか分からない……」
泣きじゃくる母を宥めて、潤兄を病院に連れて行くと左腕にヒビが入っていた。
潤兄は今まで、ケンカなんかしたことがなかった。病院の待ち時間にどうしたの?と尋ねても、だんまりとしていて教えてくれない。茜ちゃんなら知っているのかも?と思ったが、連絡先は知らなかった。
潤兄が何も話そうとしないので、病院から自宅に帰るまで、必要以外は誰も話すことをしなかった。
手を怪我して、一人では風呂に入れないから、補助の役割で一緒に風呂に入る。潤兄の頭を洗っている時にボソッと話し出した。
「茜ちゃんがおめでとうって言ってた。海大に伝えてって言われた」
「俺さぁ、茜ちゃんに直接ありがとうって言いたいんだけど……」
「これからは学校で会えるだろ。茜ちゃんは俺の彼女だから、ちょっかい出すなよ」
「あー、ヤキモチ妬いてる!」
潤兄が珍しくヤキモチを妬いてると思っていた。……がしかし、それはヤキモチではなく、怒りだった。俺に向けられたわけではなく、ケンカした相手にだった。潤兄はそれ以上は茜ちゃんの話をしなかった。
潤兄の身に起こったことなど深くは気にせずに、俺は茜ちゃんに会える日を純粋に楽しみにしていたんだ。高校では茜ちゃんに会える日など来なかったのに──
翌日、潤兄は昨日の怪我の為に学校を休んだ。潤兄が休むなんて、出席停止のインフルエンザ以来だったか? 基本的に俺達、兄弟は身体が頑丈であり、なかなか体調も崩さない。
潤兄は左手が使えないためか、いつもみたいに勉強はしてなかった。いつもは見ないテレビをつまらなそうに朝から眺めている。
俺は受験も卒業式も終わったので、ただ単にだらけている。ゲーム以外のやる気が起きない。
夕方、リビングのソファーで寝転がって携帯ゲーム機を操作していた時に玄関のチャイムが鳴った。その日は珍しく、両親揃って早めの帰宅をしていた。
両親が玄関先で対応した後、複数の大人と高校生位の男子が二人上がり込んで来た。俺は「二階に上がってなさい」と言われ、追い出される。
只事ではないと思い、二階に上がるのを躊躇したのだが、強制的に二階の自分の部屋に入れられた。
恐らく、潤兄に関係することなのだろう。潤兄はリビングに残り、話し合いに混ざっていた。
チラッと見た限りでは、高校生らしき男子も怪我をしていた。潤兄みたいにヒビが入ってるようには見えなかったが、顔が腫れていて足を引きづっていたように見えた。
潤兄、どれだけ暴れたのだろうか?
俺に対しても、いつも優しいから怒っている潤兄は滅多に見ない。何が原因なんだ?潤兄が怒るのはよっぽどのことがあったのだと思う。
しばらくして、潤兄が俺の部屋をノックして「御飯食べよう。待たせてごめんな」と言ってきた。
気付けば、時刻は二十一時少し前だった。長い時間、話し合いをしていたらしい。
下に降りていくと、テーブルに弁当が四つ並んでいた。
「ヒロ、遅くなっちゃったからコンビニ弁当でごめんね。同じのがなくて、好きなの選んでね」
そう言った母は泣き腫らしたのか、目の周りが赤くなっていた。
「父さんは鮭弁当にしたいなぁ……」
「あら、私も鮭弁当が良かったのに! じゃあ、分けっこしましょ」
「母さん、今は分けっこじゃなくて、シェアって言うんだよ」
「知ってるわ、そんなこと。シェアなんかよりも、分けっこの方が可愛いわ」
両親の会話は常にこんな感じだが、母が今にも泣き出しそうな顔をしていて、空元気だとすぐに分かる。潤兄にも俺にも気を使わせないように、わざと明るく振舞っているかのようだった。
結局、父が鮭弁当、母がハンバーグ弁当、潤兄はパスタ、俺は生姜焼き弁当になった。本当にてんでバラバラの弁当だ。
潤兄はパスタを選んだのは良いが、食が進んでいなかった。潤兄だけではなく、両親も進んではいない。オマケに会話もない。
黙々と生姜焼き弁当を食べていたら、母が沈黙を破った。
「ヒロの合格祝いをしなきゃね。今度の土曜日か日曜日に御飯食べに行かない?」
「そうだな、そうしよう! ヒロは何が食べたいんだ?」
「焼肉!」
「……だろうな。よし、焼肉を食べに行くぞ」
中高生男子が食べたいものと言えば、やっぱり焼肉でしょう。両親との会話も笑って聞いていた潤兄。少しづつ笑顔が戻って来たかな?
思い返せば、合格祝いに焼肉を食べに行ったのが家族全員での最後の外食になった気がする。
潤兄は一週間の自宅謹慎を命じられた。左腕のヒビもあったため、新学期まで休むことになった。少し早めの春休みを二人で過ごす。
潤兄は勉強をしなかった。元々、ゲームはしなかったが……新学期までずっと、テレビを眺めていただけ。大好きなミステリー小説も読まない。スマホも放り投げたまま、ただ一緒にリビングで過ごしていた。
母がパートを休みの日に馴染みのおじちゃんの洋食屋に行った。おじちゃんは潤兄を見て、「男は喧嘩の一度や二度はするもんだ」と言って笑っていた。母も笑っていたが、内心は何を考えていたのかは不明。潤兄は苦笑いをし、静かにパスタを食べていた。
受験発表日、めでたく合格していた。
「ヒロが進学校行くなんてな。将来はエリートかぁ……本当におめでとう!」
「ヤバーイ! ヒロがエリートになるの? 結婚してー」
「……っるさい、誰が結婚するか!」
友達も志望校に合格していて、今日は久しぶりに遊んだ帰り道。大人数でカラオケをして、受験ストレスを吹き飛ばして来た。
進学先がバラバラになるが、スマホもあるし、友達とはいつでも連絡はとれる。皆の笑顔が眩しかった。
楽しい気分のまま、自宅の玄関を開けたら……リビングから母さんの泣き声が聞こえた。何事かと思い、急いで駆け寄る。
「……潤兄、母さん、一体……どうしたの?」
「海大、おかえり」
潤兄は笑ってる。顔中血だらけで、アザも出来てるのに……
まさかとは思うけれど、ケンカ?
「誰かにやられたの?」
「ヒロ、潤ったらね、ケンカして帰って来たの。母さん、こんなの初めてだから、どうして良いのか分からない……」
泣きじゃくる母を宥めて、潤兄を病院に連れて行くと左腕にヒビが入っていた。
潤兄は今まで、ケンカなんかしたことがなかった。病院の待ち時間にどうしたの?と尋ねても、だんまりとしていて教えてくれない。茜ちゃんなら知っているのかも?と思ったが、連絡先は知らなかった。
潤兄が何も話そうとしないので、病院から自宅に帰るまで、必要以外は誰も話すことをしなかった。
手を怪我して、一人では風呂に入れないから、補助の役割で一緒に風呂に入る。潤兄の頭を洗っている時にボソッと話し出した。
「茜ちゃんがおめでとうって言ってた。海大に伝えてって言われた」
「俺さぁ、茜ちゃんに直接ありがとうって言いたいんだけど……」
「これからは学校で会えるだろ。茜ちゃんは俺の彼女だから、ちょっかい出すなよ」
「あー、ヤキモチ妬いてる!」
潤兄が珍しくヤキモチを妬いてると思っていた。……がしかし、それはヤキモチではなく、怒りだった。俺に向けられたわけではなく、ケンカした相手にだった。潤兄はそれ以上は茜ちゃんの話をしなかった。
潤兄の身に起こったことなど深くは気にせずに、俺は茜ちゃんに会える日を純粋に楽しみにしていたんだ。高校では茜ちゃんに会える日など来なかったのに──
翌日、潤兄は昨日の怪我の為に学校を休んだ。潤兄が休むなんて、出席停止のインフルエンザ以来だったか? 基本的に俺達、兄弟は身体が頑丈であり、なかなか体調も崩さない。
潤兄は左手が使えないためか、いつもみたいに勉強はしてなかった。いつもは見ないテレビをつまらなそうに朝から眺めている。
俺は受験も卒業式も終わったので、ただ単にだらけている。ゲーム以外のやる気が起きない。
夕方、リビングのソファーで寝転がって携帯ゲーム機を操作していた時に玄関のチャイムが鳴った。その日は珍しく、両親揃って早めの帰宅をしていた。
両親が玄関先で対応した後、複数の大人と高校生位の男子が二人上がり込んで来た。俺は「二階に上がってなさい」と言われ、追い出される。
只事ではないと思い、二階に上がるのを躊躇したのだが、強制的に二階の自分の部屋に入れられた。
恐らく、潤兄に関係することなのだろう。潤兄はリビングに残り、話し合いに混ざっていた。
チラッと見た限りでは、高校生らしき男子も怪我をしていた。潤兄みたいにヒビが入ってるようには見えなかったが、顔が腫れていて足を引きづっていたように見えた。
潤兄、どれだけ暴れたのだろうか?
俺に対しても、いつも優しいから怒っている潤兄は滅多に見ない。何が原因なんだ?潤兄が怒るのはよっぽどのことがあったのだと思う。
しばらくして、潤兄が俺の部屋をノックして「御飯食べよう。待たせてごめんな」と言ってきた。
気付けば、時刻は二十一時少し前だった。長い時間、話し合いをしていたらしい。
下に降りていくと、テーブルに弁当が四つ並んでいた。
「ヒロ、遅くなっちゃったからコンビニ弁当でごめんね。同じのがなくて、好きなの選んでね」
そう言った母は泣き腫らしたのか、目の周りが赤くなっていた。
「父さんは鮭弁当にしたいなぁ……」
「あら、私も鮭弁当が良かったのに! じゃあ、分けっこしましょ」
「母さん、今は分けっこじゃなくて、シェアって言うんだよ」
「知ってるわ、そんなこと。シェアなんかよりも、分けっこの方が可愛いわ」
両親の会話は常にこんな感じだが、母が今にも泣き出しそうな顔をしていて、空元気だとすぐに分かる。潤兄にも俺にも気を使わせないように、わざと明るく振舞っているかのようだった。
結局、父が鮭弁当、母がハンバーグ弁当、潤兄はパスタ、俺は生姜焼き弁当になった。本当にてんでバラバラの弁当だ。
潤兄はパスタを選んだのは良いが、食が進んでいなかった。潤兄だけではなく、両親も進んではいない。オマケに会話もない。
黙々と生姜焼き弁当を食べていたら、母が沈黙を破った。
「ヒロの合格祝いをしなきゃね。今度の土曜日か日曜日に御飯食べに行かない?」
「そうだな、そうしよう! ヒロは何が食べたいんだ?」
「焼肉!」
「……だろうな。よし、焼肉を食べに行くぞ」
中高生男子が食べたいものと言えば、やっぱり焼肉でしょう。両親との会話も笑って聞いていた潤兄。少しづつ笑顔が戻って来たかな?
思い返せば、合格祝いに焼肉を食べに行ったのが家族全員での最後の外食になった気がする。
潤兄は一週間の自宅謹慎を命じられた。左腕のヒビもあったため、新学期まで休むことになった。少し早めの春休みを二人で過ごす。
潤兄は勉強をしなかった。元々、ゲームはしなかったが……新学期までずっと、テレビを眺めていただけ。大好きなミステリー小説も読まない。スマホも放り投げたまま、ただ一緒にリビングで過ごしていた。
母がパートを休みの日に馴染みのおじちゃんの洋食屋に行った。おじちゃんは潤兄を見て、「男は喧嘩の一度や二度はするもんだ」と言って笑っていた。母も笑っていたが、内心は何を考えていたのかは不明。潤兄は苦笑いをし、静かにパスタを食べていた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
【完結】カワイイ子猫のつくり方
龍野ゆうき
青春
子猫を助けようとして樹から落下。それだけでも災難なのに、あれ?気が付いたら私…猫になってる!?そんな自分(猫)に手を差し伸べてくれたのは天敵のアイツだった。
無愛想毒舌眼鏡男と獣化主人公の間に生まれる恋?ちょっぴりファンタジーなラブコメ。
私の隣は、心が見えない男の子
舟渡あさひ
青春
人の心を五感で感じ取れる少女、人見一透。
隣の席の男子は九十九くん。一透は彼の心が上手く読み取れない。
二人はこの春から、同じクラスの高校生。
一透は九十九くんの心の様子が気になって、彼の観察を始めることにしました。
きっと彼が、私の求める答えを持っている。そう信じて。

おれは農家の跡取りだ! 〜一度は捨てた夢だけど、新しい仲間とつかんでみせる〜
藍条森也
青春
藤岡耕一はしがない稲作農家の息子。代々伝えられてきた田んぼを継ぐつもりの耕一だったが、日本農業全体の衰退を理由に親に反対される。農業を継ぐことを諦めた耕一は『勝ち組人生』を送るべく、県下きっての進学校、若竹学園に入学。しかし、そこで校内ナンバー1珍獣の異名をもつSEED部部長・森崎陽芽と出会ったことで人生は一変する。
森崎陽芽は『世界中の貧しい人々に冨と希望を与える』ため、SEEDシステム――食料・エネルギー・イベント同時作を考案していた。農地に太陽電池を設置することで食料とエネルギーを同時に生産し、収入を増加させる。太陽電池のコストの高さを解消するために定期的にイベントを開催、入場料で設置代を賄うことで安価に提供できるようにするというシステムだった。その実証試験のために稲作農家である耕一の協力を求めたのだ。
必要な設備を購入するだけの資金がないことを理由に最初は断った耕一だが、SEEDシステムの発案者である雪森弥生の説得を受け、親に相談。親の答えはまさかの『やってみろ』。
その言葉に実家の危機――このまま何もせずにいれば破産するしかない――を知った耕一は起死回生のゴールを決めるべく、SEEDシステムの実証に邁進することになる。目指すはSEEDシステムを活用した夏祭り。実際に稼いでみせることでSEEDシステムの有用性を実証するのだ!
真性オタク男の金子雄二をイベント担当として新部員に迎えたところ、『男は邪魔だ!』との理由で耕一はメイドさんとして接客係を担当する羽目に。実家の危機を救うべく決死の覚悟で挑む耕一だが、そうたやすく男の娘になれるはずもなく悪戦苦闘。劇団の娘鈴沢鈴果を講師役として迎えることでどうにか様になっていく。
人手不足から夏祭りの準備は難航し、開催も危ぶまれる。そのとき、耕一たちの必死の姿に心を動かされた地元の仲間や同級生たちが駆けつける。みんなの協力の下、夏祭りは無事、開催される。祭りは大盛況のうちに終り、耕一は晴れて田んぼの跡継ぎとして認められる。
――SEEDシステムがおれの人生を救ってくれた。
そのことを実感する耕一。だったら、
――おれと同じように希望を失っている世界中の人たちだって救えるはずだ!
その思いを胸に耕一は『世界を救う』夢を見るのだった。
※『ノベリズム』から移転(旧題·SEED部が世界を救う!(by 森崎陽芽) 馬鹿なことをと思っていたけどやれる気になってきた(by 藤岡耕一))。
毎日更新。7月中に完結。
シン・おてんばプロレスの女神たち ~衝撃のO1クライマックス開幕~
ちひろ
青春
おてんばプロレスにゆかりのOGらが大集結。謎の覆面レスラーも加わって、宇宙で一番強い女を決めるべく、天下分け目の一戦が始まった。青春派プロレスノベル『おてんばプロレスの女神たち』の決定版。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる