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【煌めきLEVEL/03】
*ご主人様と家政婦な関係
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「主人公との恋愛要素っぽいの多くありません? ルアの相手はもちろん、要しかいないのにーっ!!」
ネームを見て、編集見習いの福島さんがブツブツ言っている。
そんなに恋愛要素っぽいだろうか。
自分では気にならないのに。
「福島、カナちゃんは恋しちゃったの。んー、でもコレはボツね。やり直しーっ!!」
「えぇ!? 本当に……あぁ、もう寝たいのにぃっ」
ヒロ君がバイトに来てくれて、三日目の夜。
ネームを確認しに来た対馬さんと福島さんの二人が、あーでもない、こーでもない、と議論している。
私の頭はヒロ君でいっぱいだった。
だからかな?
ネームにもあらわれてしまったのかもしれない。
***
ヒロ君のバイト初日のことだった。
「……はっ、はい、どうぞ!!」
ヒロ君は予定よりも早く現れて、台所に立っていた。
食材は準備する約束だったのに、色々と買い込んできてくれたみたいだった。
「食材はあるから大丈夫だったのに」
「作りたいものがあったから」
「あ、あの、食材のお金は払いますから!!」
「いいの、いらないから……座ってて!!」
冷蔵庫を開けたり、お皿を出したり、ヒロ君の周りをうろちょろしてたら、邪魔だったみたいで椅子に座るように強制連行された。
何を作ってくれるのか凄く楽しみだし、 ヒロ君が本当に来てくれるなんて夢みたいだ。ヒロ君が見える位置の椅子に座っているので、何だか落ち着かない。
キッチンとテーブルの間には、カウンターがある。
カウンター越しに見えるヒロ君の後ろ姿は、華奢に見えるけれども、女の子とは違って背中は骨張っていて、肩幅もそれなりにある。
細いけれども、筋肉質なんだろうか?
髪の毛もサラサラだ。トリートメントとか念入りにしているのかなぁ?
漫画を描いてはいるけれど、想像(妄想)と対馬さんに頼んでいる男の子向けのファッション誌からお勉強してるだけで、同年代の男の子とこうして接する機会はなかった。こうしてヒロ君と出会えたことが、運命だったら良いのに。
しかし、“運命”とは必ずしも良い縁だけではない……とテレビで有名な占い師が言っていた。
それもそうだよね。
良い縁も悪い縁も重なり合って、今がある。
たくさんの出来事が重なって、運命が生まれるんじゃないだろうか……?
だから、今までの私の“過去”も運命だから逃れられなかったのだろう――
「カナミちゃん?頭抱えてどうしたの?」
「うひゃあっ!?」
「……っぷ!! カナミちゃんて時々、変な声を出すよね。ご飯出来たよーっ」
ヒロ君の後ろ姿を見ながら、ぼんやりと考え事をしていたらご飯が出来たみたいで、ヒロ君が声をかけてきた。
「一番大切なことを確認しなかったけど、食べれないものとかある? 俺、作り終えるまですっかり忘れててさ、聞いてなかった」
食べれないものはレバーにイクラに、他は何だろう?
特殊な味がする食材は無理だなぁ。
よく本場のものなら美味しいよとか言うけれど、新鮮な直送ものを頂いても食べれなかった。
「レバーにイクラかなぁ。野菜の好き嫌いはないです」
「偶然!! 俺もレバーは無理!! あの後味が何とも言えないよね」
ヒロ君も同じものを食べれないと思うとお揃いみたいで嬉しいだなんて、煩悩しすぎ?
「ロールキャベツを煮てみました。春キャベツだから、柔らかいよ。あ、俺が飯を食べたかったからピラフでごめん。何か変な組み合わせのような」
「ううん、美味しそう!!」
ヒロ君がテーブルに並べてくれた食事。
ロールキャベツのコンソメの匂いがふんわりと漂ってきて、食欲をそそられる。
ピラフも大好きなエビがゴロゴロ入っていて、見た目も美味しそう!!
「味の保障はしないけど、召し上がれ」
「いただきます」
ヒロ君も席に着くと、早速食べ始めた。
まずはロールキャベツをナイフで切り込みを入れ、口に運んだ。
コンソメで優しく味付けされた、キャベツと挽き肉の味が広がった。
「キャベツがトロトロで美味しっ」
口の中いっぱいに広がる優しい味が、頬っぺたをとろけさせる。
「ごめん。ピラフはコショウが効き過ぎたね。ちょっと辛いかも」
「私は、この位のが好きだけど?」
ピラフもブラックペッパー好きな私には、程良く味付けしてあり、とても美味しいよ。
ドキドキして、緊張して落ち着かなかったのに食事を目の前にしたら、いつの間にか吹き飛んでいた。
「ロールキャベツは、明日の朝の分もあるからね。食パンも買ってきたから、良かったら朝はそれで済ませてね」
な、何と!!
朝ご飯の準備までしてくれてるなんてっ!!
この朝のロールキャベツがかなり手が込んでいて、クリーム煮になっていた。星形の人参さんとじゃがいもが、ちりばめられていて……ヒロ君は、今すぐにでもお嫁に行けそうな腕前だった。
私なんかより、ずっと、ずっと手慣れている。
「手慣れてます、ね?」
「んー? だって、俺、家でも家事担当だし?」
モグモグと食事を頬張りながら、答えたヒロ君は返事をサラリと流したようにも感じた。
この時はまだ何も気付きはしなかったけれど、この言葉がヒロ君にとって重要なキーワードになるとは思いも寄らず……。
「カナミちゃんが淹れてくれた紅茶が美味しかったから、食後に飲みたいな」
二人分の食事が空になる頃、ヒロ君がボソリと呟いた。
「は、はいっ!! 張り切って入れますね」
「あはは、お願いします」
ヒロ君との会話は他愛のない、食事についてのありふれた会話だった。誰かとこうしてゆっくりと手作りの食事が出来るなんて、久しぶりで涙が出そう。
新婚さんや同棲してるカップルは毎日がこんなに楽しくて、嬉しいものなのだろう。
人と関われる幸せ、美味しいモノをゆっくりと味わえる幸せ、家族のような温もり。
私が過去に置き忘れた幸せが今、目の前にあるような気がした。
***
原稿中にヒロ君のことを思い出しては、顔が綻ぶ。
「……先生? 先生ってば!! 顔がニヤけてますよ?」
ヒロ君との楽しかった日々を思い出しては、思い出に浸る。
こうして仕事をしている今日も会っていたなんて信じられない。
「放っておきな、福島。カナちゃんはね、虜になっちゃってるから、何を言っても駄目なの。ちゃっかり、朝ごはんまで作らせてんだから」
ブツブツ言いながら、直したネームに再度、目を通す対馬さん。
今日はヤケにイライラしているみたい。
ヒロ君が出入りするようになってからというもの、態度が急変する事が多くなった。
以前は、そんな事はなかったのに。
「あのぉ……対馬さん? 私は何か気に触る事をしましたか?」
恐る恐る口に出して聞いてみる。
反応が怖かったけれど、ギュッと手を握り拳にして力を入れて堪える構えをする。
「いや、そんなつもりはないよ。寧ろ、何もしてない……よ?」
私の問いかけが変だったのか、唖然とした顔で答えた対馬さんはネームを持ったまま、私を見る。
真っ直ぐに降り注ぐ視線は目のやり場に困って、逸らしてしまった。
対馬さん?
「17ページの展開以外は合格!!急に恋愛が絡んで来たら、読者は困惑するぞ。やっぱり、この要素はあまりいらないと思う……はい」
さっきの視線は何だったのか分からないが、急にネームのやり取りを始めた。
「わ、わ、分かりました。削りますね」
ネームを手渡され、指摘部分をどうしようか考える。
対馬さんの態度が気になって、ネームどころじゃない。
そっぽを向いている対馬さんは、どこか悲しげな切ない表情のような気がするけれど?
「俺はさ、カナちゃんが幸せになれば良いと思ってるよ。だから、傷つかないでほしいだけ」
「……?」
「コンビニ行って、甘いもの買って来る!!」
意味深な発言を残して、部屋をそそくさと後にした対馬さん。
対馬さんは一体、何を考えているのか?
生身の人間の考えは、想像や妄想だけでは答えが導けずに困惑する。
だけれども対馬さんの残した言葉が、これから先の出来事を予告していたなんて予想もできなかった。
今はヒロ君が来てくれるだけで幸せだけれども、幸せの階段を滑り落ちるのはもう少し後のことだ。
ネームを見て、編集見習いの福島さんがブツブツ言っている。
そんなに恋愛要素っぽいだろうか。
自分では気にならないのに。
「福島、カナちゃんは恋しちゃったの。んー、でもコレはボツね。やり直しーっ!!」
「えぇ!? 本当に……あぁ、もう寝たいのにぃっ」
ヒロ君がバイトに来てくれて、三日目の夜。
ネームを確認しに来た対馬さんと福島さんの二人が、あーでもない、こーでもない、と議論している。
私の頭はヒロ君でいっぱいだった。
だからかな?
ネームにもあらわれてしまったのかもしれない。
***
ヒロ君のバイト初日のことだった。
「……はっ、はい、どうぞ!!」
ヒロ君は予定よりも早く現れて、台所に立っていた。
食材は準備する約束だったのに、色々と買い込んできてくれたみたいだった。
「食材はあるから大丈夫だったのに」
「作りたいものがあったから」
「あ、あの、食材のお金は払いますから!!」
「いいの、いらないから……座ってて!!」
冷蔵庫を開けたり、お皿を出したり、ヒロ君の周りをうろちょろしてたら、邪魔だったみたいで椅子に座るように強制連行された。
何を作ってくれるのか凄く楽しみだし、 ヒロ君が本当に来てくれるなんて夢みたいだ。ヒロ君が見える位置の椅子に座っているので、何だか落ち着かない。
キッチンとテーブルの間には、カウンターがある。
カウンター越しに見えるヒロ君の後ろ姿は、華奢に見えるけれども、女の子とは違って背中は骨張っていて、肩幅もそれなりにある。
細いけれども、筋肉質なんだろうか?
髪の毛もサラサラだ。トリートメントとか念入りにしているのかなぁ?
漫画を描いてはいるけれど、想像(妄想)と対馬さんに頼んでいる男の子向けのファッション誌からお勉強してるだけで、同年代の男の子とこうして接する機会はなかった。こうしてヒロ君と出会えたことが、運命だったら良いのに。
しかし、“運命”とは必ずしも良い縁だけではない……とテレビで有名な占い師が言っていた。
それもそうだよね。
良い縁も悪い縁も重なり合って、今がある。
たくさんの出来事が重なって、運命が生まれるんじゃないだろうか……?
だから、今までの私の“過去”も運命だから逃れられなかったのだろう――
「カナミちゃん?頭抱えてどうしたの?」
「うひゃあっ!?」
「……っぷ!! カナミちゃんて時々、変な声を出すよね。ご飯出来たよーっ」
ヒロ君の後ろ姿を見ながら、ぼんやりと考え事をしていたらご飯が出来たみたいで、ヒロ君が声をかけてきた。
「一番大切なことを確認しなかったけど、食べれないものとかある? 俺、作り終えるまですっかり忘れててさ、聞いてなかった」
食べれないものはレバーにイクラに、他は何だろう?
特殊な味がする食材は無理だなぁ。
よく本場のものなら美味しいよとか言うけれど、新鮮な直送ものを頂いても食べれなかった。
「レバーにイクラかなぁ。野菜の好き嫌いはないです」
「偶然!! 俺もレバーは無理!! あの後味が何とも言えないよね」
ヒロ君も同じものを食べれないと思うとお揃いみたいで嬉しいだなんて、煩悩しすぎ?
「ロールキャベツを煮てみました。春キャベツだから、柔らかいよ。あ、俺が飯を食べたかったからピラフでごめん。何か変な組み合わせのような」
「ううん、美味しそう!!」
ヒロ君がテーブルに並べてくれた食事。
ロールキャベツのコンソメの匂いがふんわりと漂ってきて、食欲をそそられる。
ピラフも大好きなエビがゴロゴロ入っていて、見た目も美味しそう!!
「味の保障はしないけど、召し上がれ」
「いただきます」
ヒロ君も席に着くと、早速食べ始めた。
まずはロールキャベツをナイフで切り込みを入れ、口に運んだ。
コンソメで優しく味付けされた、キャベツと挽き肉の味が広がった。
「キャベツがトロトロで美味しっ」
口の中いっぱいに広がる優しい味が、頬っぺたをとろけさせる。
「ごめん。ピラフはコショウが効き過ぎたね。ちょっと辛いかも」
「私は、この位のが好きだけど?」
ピラフもブラックペッパー好きな私には、程良く味付けしてあり、とても美味しいよ。
ドキドキして、緊張して落ち着かなかったのに食事を目の前にしたら、いつの間にか吹き飛んでいた。
「ロールキャベツは、明日の朝の分もあるからね。食パンも買ってきたから、良かったら朝はそれで済ませてね」
な、何と!!
朝ご飯の準備までしてくれてるなんてっ!!
この朝のロールキャベツがかなり手が込んでいて、クリーム煮になっていた。星形の人参さんとじゃがいもが、ちりばめられていて……ヒロ君は、今すぐにでもお嫁に行けそうな腕前だった。
私なんかより、ずっと、ずっと手慣れている。
「手慣れてます、ね?」
「んー? だって、俺、家でも家事担当だし?」
モグモグと食事を頬張りながら、答えたヒロ君は返事をサラリと流したようにも感じた。
この時はまだ何も気付きはしなかったけれど、この言葉がヒロ君にとって重要なキーワードになるとは思いも寄らず……。
「カナミちゃんが淹れてくれた紅茶が美味しかったから、食後に飲みたいな」
二人分の食事が空になる頃、ヒロ君がボソリと呟いた。
「は、はいっ!! 張り切って入れますね」
「あはは、お願いします」
ヒロ君との会話は他愛のない、食事についてのありふれた会話だった。誰かとこうしてゆっくりと手作りの食事が出来るなんて、久しぶりで涙が出そう。
新婚さんや同棲してるカップルは毎日がこんなに楽しくて、嬉しいものなのだろう。
人と関われる幸せ、美味しいモノをゆっくりと味わえる幸せ、家族のような温もり。
私が過去に置き忘れた幸せが今、目の前にあるような気がした。
***
原稿中にヒロ君のことを思い出しては、顔が綻ぶ。
「……先生? 先生ってば!! 顔がニヤけてますよ?」
ヒロ君との楽しかった日々を思い出しては、思い出に浸る。
こうして仕事をしている今日も会っていたなんて信じられない。
「放っておきな、福島。カナちゃんはね、虜になっちゃってるから、何を言っても駄目なの。ちゃっかり、朝ごはんまで作らせてんだから」
ブツブツ言いながら、直したネームに再度、目を通す対馬さん。
今日はヤケにイライラしているみたい。
ヒロ君が出入りするようになってからというもの、態度が急変する事が多くなった。
以前は、そんな事はなかったのに。
「あのぉ……対馬さん? 私は何か気に触る事をしましたか?」
恐る恐る口に出して聞いてみる。
反応が怖かったけれど、ギュッと手を握り拳にして力を入れて堪える構えをする。
「いや、そんなつもりはないよ。寧ろ、何もしてない……よ?」
私の問いかけが変だったのか、唖然とした顔で答えた対馬さんはネームを持ったまま、私を見る。
真っ直ぐに降り注ぐ視線は目のやり場に困って、逸らしてしまった。
対馬さん?
「17ページの展開以外は合格!!急に恋愛が絡んで来たら、読者は困惑するぞ。やっぱり、この要素はあまりいらないと思う……はい」
さっきの視線は何だったのか分からないが、急にネームのやり取りを始めた。
「わ、わ、分かりました。削りますね」
ネームを手渡され、指摘部分をどうしようか考える。
対馬さんの態度が気になって、ネームどころじゃない。
そっぽを向いている対馬さんは、どこか悲しげな切ない表情のような気がするけれど?
「俺はさ、カナちゃんが幸せになれば良いと思ってるよ。だから、傷つかないでほしいだけ」
「……?」
「コンビニ行って、甘いもの買って来る!!」
意味深な発言を残して、部屋をそそくさと後にした対馬さん。
対馬さんは一体、何を考えているのか?
生身の人間の考えは、想像や妄想だけでは答えが導けずに困惑する。
だけれども対馬さんの残した言葉が、これから先の出来事を予告していたなんて予想もできなかった。
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