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第7話

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 鬱蒼とした草木には枯れた葉しか見当たらず、トゲトゲした蔦があちこちに木に絡みつき、森を駆け抜ける事を妨げていた。そして、カラカラに乾いた大地。

 『典型的な邪気の森だな』
 「なんか凄く気味が悪いね」
 『これがずっと時間が経つと、木は細り光合成が出来る葉が育たなくなり死の大地となる。砂漠化だ。邪気の森は、雨水では潤わない。このままだとここも危ないな』
 「街に近いのに何もしてないのかな?」
 『前聖女が残したマジックアイテムでは、追いつかないのだろう。森は結界を張るのではなく、邪気を除去しているようだからな』
 「それって私にも出来るって事?」

 リバークは、歩みを止めた。

 『一人でして回るのは骨が折れるだろう。だがシオミが力を与えてやる事によりそれを代わりにしてもらう事も可能だ』
 「え? そうなの? でも私を聖女だと思ってないから話を聞いてくれないんじゃない?」
 『人に頼むのではない。ほら目の前にある樹木を見ろ。他に比べまだ元気そうだろう』
 「うーん。そう? ちょっと他より大きいのはわかるけど」
 『まずは、こいつに頼もう』
 「え? 頼む?」
 『あぁ。それに触れまず邪気を除去し、力の源、聖女の魔力を与えると、上手く行けば聖樹になる。そうなれば、この辺りの邪気を払ってくれるだろう』
 「そうなんだ! 凄い! やってみる」

 シオミは、右手で樹木に触れた。ひんやりしていてがさついている。目をつぶり『邪気よ消えよ』と願った。そして、自分の魔力を樹木に与える。
 辺りが明るくなった気がして目を開けると、シオミが触れている樹木がふんわりと光を帯びていた。

 「わあ。光ってる」
 『成功したようだな。できれば、聖女が清めし水を与えるといいのだが』
 「それってどうやるの? 雨でも降らせるとか?」
 『いや近くの川を浄化してやればいいだろう』
 「わかったわ! 川を探しましょう。それにしてもここにいる動物に出会わないね」

 二人は、川を探し歩き始める。

 『私が居れば、祈りの宝玉以上の力があるので、狂暴化した動物は寄ってこない。安心せい』
 「なるほど。リバークのお陰だったのね」

 しばらく歩くと水の音が聞こえてきた。

 「こっちね」

 二人は、川を見つけ絶句した。
 濁っているというレベルではなかった。異臭を放ち毒々しい色のどろどろした液体が流れていたのだった。
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