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第8章 最終決戦~いでよ!召喚の扉!
第60話
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「もう、やめてくれ! 悪いのは私だ! あなたは何がしたいんだ!」
フランクは、叫ぶ!
どうやって情報を仕入れたかなど、別に教えてやる必要もない事なのに、エミールは素直に話した。それは、ダミアンをおとしめるためだ!
「あの魔法陣で召喚する!」
「召喚?」
フランクは、エミールが指差す方向を見て、大きな魔法陣に気が付いた。
エミールが召喚をしたいと言っていたが、これでなのかとフランクは視線をエミールに戻す。
「どうだ? 興味が湧いただろう? この者達はこれを消そうとしている」
「え? これを消す? どうやって?」
フランクは、あの場にいなかった。エミールがやろうとしている事も、ヘリムがやろうとしている事も知らない。
「あの魔獣には、あの魔法陣の魔力が溜まっているはずだ。それを使う気だろう。だが逆にそれがあれば、あの魔獣のマスターに扉を出現させる事が出来る。そう思ってこの子を手に入れたのに……。あっちの子がマスターになってしまった」
エミールは、ヘリムを発見した時に、リボンのからくりに気が付いていた。そこで、逆に利用しようと思いついた。
召喚師は魔獣と契約している時点で、他の魔獣と契約が出来ないので呼び出せない。だが呼び出す側が魔獣ならどうだろうか? そうエミールは思った。試したい! と
しかし、リボンに掛かった術の解除の仕方までは、わからなかった。だからシリルを手元に置いていたのだ。シリルが、儀式を行った事までは、知らないでいた。
「なるほどな。何か変だとは思っていたが、魔獣が試そうとしているのなら召喚師が行うわけではないから、二重召喚にならないって事か」
やっとしっくりきたと、ゴーチェは言った。
ずっとエミールのマスターである召喚師が、目の前にある魔法陣で扉を出現させようとしていると、ヘリム達は思っていた。だから何となく、しっくりこなかったのだ。
「そんな事が可能なのでしょうか?」
「だからこそ試すのだ! 私達が出す扉は、自分が元の世界に帰る為の物。呼び出す魔法陣は作れない。だが、呼び出す魔法陣がそこにある。そもそも扉自体は出す事が出来るのだから、召喚出来る可能性があるだろう。ただその魔法陣は、少々デカすぎる。フランクが生きている間に、自分で扉を出現させる事が出来ない。だから他の者に、手助けしてもらおうと思ってな」
ウリッセの問いに、エミールが自論で答えた。
「それを試してみたくて、シリルやリーフを狙ったのですか!」
「あなただって同じはずだ。試してみたい。自分なら出来るそう思って、召喚を試みたのだろう? 誰もが出来ないと思っていた中、やり遂げた! 私もその達成感を味わってみたいものだ」
「あなたと一緒に、しないでほしいですね……」
アージェは、エミールを睨みつつ剣を抜いた。
「何が違うと言うのか。勝手に試そうとしたことか? なら、お願いしたら試させてくれたとでもいうのか? フランクにさえさせなかったのに!」
「もうその口を閉じなさい!」
アージェは、エミールに斬りかかって行く!
剣を振り下ろす直前に、エミールの盾になる様にシリルが出て来た! ハッとしてアージェが動きを止めると、エミールはすかさず、風の刃を放った!
アージェは、咄嗟に反応できず、交わす事も剣で弾き返す事もできない!
「アージェ!」
危ないと、フランクが叫ぶ。
フランクは、叫ぶ!
どうやって情報を仕入れたかなど、別に教えてやる必要もない事なのに、エミールは素直に話した。それは、ダミアンをおとしめるためだ!
「あの魔法陣で召喚する!」
「召喚?」
フランクは、エミールが指差す方向を見て、大きな魔法陣に気が付いた。
エミールが召喚をしたいと言っていたが、これでなのかとフランクは視線をエミールに戻す。
「どうだ? 興味が湧いただろう? この者達はこれを消そうとしている」
「え? これを消す? どうやって?」
フランクは、あの場にいなかった。エミールがやろうとしている事も、ヘリムがやろうとしている事も知らない。
「あの魔獣には、あの魔法陣の魔力が溜まっているはずだ。それを使う気だろう。だが逆にそれがあれば、あの魔獣のマスターに扉を出現させる事が出来る。そう思ってこの子を手に入れたのに……。あっちの子がマスターになってしまった」
エミールは、ヘリムを発見した時に、リボンのからくりに気が付いていた。そこで、逆に利用しようと思いついた。
召喚師は魔獣と契約している時点で、他の魔獣と契約が出来ないので呼び出せない。だが呼び出す側が魔獣ならどうだろうか? そうエミールは思った。試したい! と
しかし、リボンに掛かった術の解除の仕方までは、わからなかった。だからシリルを手元に置いていたのだ。シリルが、儀式を行った事までは、知らないでいた。
「なるほどな。何か変だとは思っていたが、魔獣が試そうとしているのなら召喚師が行うわけではないから、二重召喚にならないって事か」
やっとしっくりきたと、ゴーチェは言った。
ずっとエミールのマスターである召喚師が、目の前にある魔法陣で扉を出現させようとしていると、ヘリム達は思っていた。だから何となく、しっくりこなかったのだ。
「そんな事が可能なのでしょうか?」
「だからこそ試すのだ! 私達が出す扉は、自分が元の世界に帰る為の物。呼び出す魔法陣は作れない。だが、呼び出す魔法陣がそこにある。そもそも扉自体は出す事が出来るのだから、召喚出来る可能性があるだろう。ただその魔法陣は、少々デカすぎる。フランクが生きている間に、自分で扉を出現させる事が出来ない。だから他の者に、手助けしてもらおうと思ってな」
ウリッセの問いに、エミールが自論で答えた。
「それを試してみたくて、シリルやリーフを狙ったのですか!」
「あなただって同じはずだ。試してみたい。自分なら出来るそう思って、召喚を試みたのだろう? 誰もが出来ないと思っていた中、やり遂げた! 私もその達成感を味わってみたいものだ」
「あなたと一緒に、しないでほしいですね……」
アージェは、エミールを睨みつつ剣を抜いた。
「何が違うと言うのか。勝手に試そうとしたことか? なら、お願いしたら試させてくれたとでもいうのか? フランクにさえさせなかったのに!」
「もうその口を閉じなさい!」
アージェは、エミールに斬りかかって行く!
剣を振り下ろす直前に、エミールの盾になる様にシリルが出て来た! ハッとしてアージェが動きを止めると、エミールはすかさず、風の刃を放った!
アージェは、咄嗟に反応できず、交わす事も剣で弾き返す事もできない!
「アージェ!」
危ないと、フランクが叫ぶ。
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