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第8章 最終決戦~いでよ!召喚の扉!
第59話
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「エミールは多分、何パターンか作戦を考えていて、その一つの作戦に彼が必要だから連れて来た。それは勿論、この魔法陣に関係あるだろう。すなわち、魔法陣が消えれば、シリルもお役目ゴメンって事だろう」
そんなに事細かく説明しなくてもわかるとアージェは思うも頷く。
「え! そうなの! ヘリムどうにかならない!?」
リーフ一人、今の説明でシリルが危ないとわかったようだった。
「それもそうだが、あのエミールはどうやって情報を手にしていたのだ? フランクは話していないのだろう? 他に協力者でもいるのか? しかし、村を襲うタイミングが、何か作戦があってではないかぎり、二人の会話を聞いたとしか思えない!」
ゴーチェが、何かしっくりこないと言った。
フランクの話からよると、孫が村にいると知っていたのは、オルソとダミアンだ。そして、襲われる当日に、ガッドとフランクが知った。
フランクが嘘を言っていないのであれば、どこかで聞き耳を立てていたという事になるが、そもそもそういう事があると思っていなければしない事だ。
はっきり言って、孫がいたのは予想だに出来ない事だった。だとしたら何の為にその行為をしていたのか?
それともただの偶然聞いてしまったのか?
そこにゴーチェは、引っかかっていた。
「まあ私特有のものだからな。私はマスターの声が聞こえる。どこに居ようとも呟きさえもな」
それには、フランクも驚いていた!
相手の声が聞こえなくともフランクが話す言葉で、ある程度把握出来た。エミールには、筒抜けだった事になる。
「なるほど。全ては聞く事が出来なくとも、情報は手に入っていたということか……」
ゴーチェがそう言うと、リーフはチラッとヘリムを見た。
彼にはどういう能力があるのか気になったからだ!
声が筒抜けなのは、エミールの能力だと本人が言っているし、ヘリムが持っているのならば、気づいただろう。
「うん? もしかして俺の能力は何だろうとか思っているのか?」
リーフがジッと、ヘリムを見ていたので彼は聞いた。
「あ、えーと……」
「君は一度体験しているというに。人の記憶覗ける」
「え!?」
そう言えばと、リーフは思い出した。
ヘリムが一緒に見たのではなく、逆だったのだ! 記憶を見せてくれたのではなく、ヘリムが覗いた記憶を共有した。そう言う事だったのだ!
「魔獣と言うのは、嫌な能力を持っているのですね……」
ウリッセがぼそりと言う。
「どうしたダミアン? 顔色が悪いな」
自分が話したせいで、村は襲われた! エミールに情報を与えたのは自分だった!
ダミアンはそう思うと、オルソを直視出来ない。
「すまない。オルソ……」
「ダ、ダミアンのせいではない。本を正せば俺のせいだ」
「随分と言葉巧みな魔獣だ。こんな者に初めて会った」
スクランは、感心するように言った。
「何を感心して! あの魔獣のせいで士気が落ちてます!」
アージェが、ムッとしてスクランに言った。彼の言う通り、闘争心が削がれていた。
そんなに事細かく説明しなくてもわかるとアージェは思うも頷く。
「え! そうなの! ヘリムどうにかならない!?」
リーフ一人、今の説明でシリルが危ないとわかったようだった。
「それもそうだが、あのエミールはどうやって情報を手にしていたのだ? フランクは話していないのだろう? 他に協力者でもいるのか? しかし、村を襲うタイミングが、何か作戦があってではないかぎり、二人の会話を聞いたとしか思えない!」
ゴーチェが、何かしっくりこないと言った。
フランクの話からよると、孫が村にいると知っていたのは、オルソとダミアンだ。そして、襲われる当日に、ガッドとフランクが知った。
フランクが嘘を言っていないのであれば、どこかで聞き耳を立てていたという事になるが、そもそもそういう事があると思っていなければしない事だ。
はっきり言って、孫がいたのは予想だに出来ない事だった。だとしたら何の為にその行為をしていたのか?
それともただの偶然聞いてしまったのか?
そこにゴーチェは、引っかかっていた。
「まあ私特有のものだからな。私はマスターの声が聞こえる。どこに居ようとも呟きさえもな」
それには、フランクも驚いていた!
相手の声が聞こえなくともフランクが話す言葉で、ある程度把握出来た。エミールには、筒抜けだった事になる。
「なるほど。全ては聞く事が出来なくとも、情報は手に入っていたということか……」
ゴーチェがそう言うと、リーフはチラッとヘリムを見た。
彼にはどういう能力があるのか気になったからだ!
声が筒抜けなのは、エミールの能力だと本人が言っているし、ヘリムが持っているのならば、気づいただろう。
「うん? もしかして俺の能力は何だろうとか思っているのか?」
リーフがジッと、ヘリムを見ていたので彼は聞いた。
「あ、えーと……」
「君は一度体験しているというに。人の記憶覗ける」
「え!?」
そう言えばと、リーフは思い出した。
ヘリムが一緒に見たのではなく、逆だったのだ! 記憶を見せてくれたのではなく、ヘリムが覗いた記憶を共有した。そう言う事だったのだ!
「魔獣と言うのは、嫌な能力を持っているのですね……」
ウリッセがぼそりと言う。
「どうしたダミアン? 顔色が悪いな」
自分が話したせいで、村は襲われた! エミールに情報を与えたのは自分だった!
ダミアンはそう思うと、オルソを直視出来ない。
「すまない。オルソ……」
「ダ、ダミアンのせいではない。本を正せば俺のせいだ」
「随分と言葉巧みな魔獣だ。こんな者に初めて会った」
スクランは、感心するように言った。
「何を感心して! あの魔獣のせいで士気が落ちてます!」
アージェが、ムッとしてスクランに言った。彼の言う通り、闘争心が削がれていた。
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