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第7章 開けてはいけない扉
第53話
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その一週間後。ダミアンがオルソと王都の外に出掛けた。フランクはチャンスだと思った!
召喚が出来るのを目の当たりにして、諦めきれるわけがなかった。
それにもし万が一があったとしても、向こうの世界に戻せる事もわかっている。スクランがやった事をこちら側でやればいいだけだ。フランクはそう思っていた。
「いでよ! 召喚の扉! 我が名はイザック! ここに契約を願う!」
手の上に魔法陣が出現し、扉が現れた! その扉が光り輝き真ん中からかぱっと開くと、エメラルドグリーンの光が二つ見える。
成功した! フランクは、興奮して叫びそうになる。。
現れたのは、紫色の髪で魔術師の様な魔獣だった。
「よく呼んでくれた同士よ。私はエミール」
「私はフランク。宜しく」
「フランク? イザックではないのか?」
「あ、そっか。うーん。そうだな。ちょっと説明するよ」
フランクは、この国の事を話してしまった。
自分が呼び出した魔獣なら信頼出来ると思ったのだ。アージェが呼び出した魔獣スクランは、魔獣はマスターの味方だと言って戻って行った。
「なるほど。ではあなたの事はフランクと呼ぼう。で、あなたは何を望む」
「召喚師と魔獣の共存です! その為には、魔獣の事を知らなくてはいけないんです。協力をお願い出来ませんか?」
「協力ねぇ。で、何をすれと?」
「あなたの事を色々調べさせてほしいのです」
「調べる? 私に実験体になれと?」
ギロッとエミールがフランクを睨む。
フランクは、ハッとする。呼び出されて、実験体になれなんて言われれば怒りもする。
「そういう事ではなく、召喚師自体、今はいない事になっていて、私は召喚師と魔獣の事をもっと知りたいのです。あなたがどんな事が出来るのか。そして、私達、召喚師も何が出来るのかを……」
「わかった。いいだろう」
「ありがとう」
フランクがそう言うと、エミールはにっこりほほ笑む。
「だがその前に、少しこの国を見てきたい。半日時間をもらおう」
「わかった」
フランクは頷いた。だが、国を見て回って戻って来たエミールは、意外な事を言い出した。
「私も召喚に興味が湧いた。上手くいけば私でも召喚を出来そうなのだ。協力してくれるよな、フランク。召喚の事がわかるぞ」
「え……。何を言っているんだ。君は、魔獣だろう?」
「だからこそだ! 試してみたい。君だって同じだろう? 隠れてまで私を召喚したのだから」
アージェが呼び出した魔獣とは、全然違うとフランクは思った。このままだと制御が出来なくなる!
フランクは決意する。
「悪いけど私とは、意見が合わない様だ。帰ってもらうよ」
「帰る? 何故? 君が望んだ事だろう?」
「私が望んでいるのはそういうのではない! 召喚は価値ある物で、魔獣は安全なパートナー。それを実証して、召喚師の復活を望んでいるんだ! 君がそんな事をしたら魔獣は、安全ではなくなる!」
「安全? 何を持って安全だと? 意思を持っていなければ、安全と言う事か? なら未来永劫、安全は訪れない! わかり切っている事を探求してどうする? 私は、あなたの探求心に惹かれて来たと言うのにがっかりだ!」
「だったら戻ってくれ! いでよ! 召喚の扉! エミールを元の世界へ導け!」
手を掲げフランクが叫ぶ。だが、魔法陣は出現するも扉は出現しない!
てっきりこれが、戻す方法だと思っていたフランクは、愕然とする。戻せない!
「嘘だろう?」
「あなたは勘違いをしている。私はあなたの呼びかけに答えて、自分の意思で来たのだ。帰る時も自分の意思で帰るのみ」
その言葉を聞いて、フランクは何も言葉が出なかった。
自分が大変な過ちを起こした事に気が付くが既に遅しだ。エミールは、不敵な笑みを浮かべていた。
召喚が出来るのを目の当たりにして、諦めきれるわけがなかった。
それにもし万が一があったとしても、向こうの世界に戻せる事もわかっている。スクランがやった事をこちら側でやればいいだけだ。フランクはそう思っていた。
「いでよ! 召喚の扉! 我が名はイザック! ここに契約を願う!」
手の上に魔法陣が出現し、扉が現れた! その扉が光り輝き真ん中からかぱっと開くと、エメラルドグリーンの光が二つ見える。
成功した! フランクは、興奮して叫びそうになる。。
現れたのは、紫色の髪で魔術師の様な魔獣だった。
「よく呼んでくれた同士よ。私はエミール」
「私はフランク。宜しく」
「フランク? イザックではないのか?」
「あ、そっか。うーん。そうだな。ちょっと説明するよ」
フランクは、この国の事を話してしまった。
自分が呼び出した魔獣なら信頼出来ると思ったのだ。アージェが呼び出した魔獣スクランは、魔獣はマスターの味方だと言って戻って行った。
「なるほど。ではあなたの事はフランクと呼ぼう。で、あなたは何を望む」
「召喚師と魔獣の共存です! その為には、魔獣の事を知らなくてはいけないんです。協力をお願い出来ませんか?」
「協力ねぇ。で、何をすれと?」
「あなたの事を色々調べさせてほしいのです」
「調べる? 私に実験体になれと?」
ギロッとエミールがフランクを睨む。
フランクは、ハッとする。呼び出されて、実験体になれなんて言われれば怒りもする。
「そういう事ではなく、召喚師自体、今はいない事になっていて、私は召喚師と魔獣の事をもっと知りたいのです。あなたがどんな事が出来るのか。そして、私達、召喚師も何が出来るのかを……」
「わかった。いいだろう」
「ありがとう」
フランクがそう言うと、エミールはにっこりほほ笑む。
「だがその前に、少しこの国を見てきたい。半日時間をもらおう」
「わかった」
フランクは頷いた。だが、国を見て回って戻って来たエミールは、意外な事を言い出した。
「私も召喚に興味が湧いた。上手くいけば私でも召喚を出来そうなのだ。協力してくれるよな、フランク。召喚の事がわかるぞ」
「え……。何を言っているんだ。君は、魔獣だろう?」
「だからこそだ! 試してみたい。君だって同じだろう? 隠れてまで私を召喚したのだから」
アージェが呼び出した魔獣とは、全然違うとフランクは思った。このままだと制御が出来なくなる!
フランクは決意する。
「悪いけど私とは、意見が合わない様だ。帰ってもらうよ」
「帰る? 何故? 君が望んだ事だろう?」
「私が望んでいるのはそういうのではない! 召喚は価値ある物で、魔獣は安全なパートナー。それを実証して、召喚師の復活を望んでいるんだ! 君がそんな事をしたら魔獣は、安全ではなくなる!」
「安全? 何を持って安全だと? 意思を持っていなければ、安全と言う事か? なら未来永劫、安全は訪れない! わかり切っている事を探求してどうする? 私は、あなたの探求心に惹かれて来たと言うのにがっかりだ!」
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「嘘だろう?」
「あなたは勘違いをしている。私はあなたの呼びかけに答えて、自分の意思で来たのだ。帰る時も自分の意思で帰るのみ」
その言葉を聞いて、フランクは何も言葉が出なかった。
自分が大変な過ちを起こした事に気が付くが既に遅しだ。エミールは、不敵な笑みを浮かべていた。
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