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第7章 開けてはいけない扉
第50話
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魔獣の魔術師は、余裕な態度だ。
目の前には、ヘリムとまだアージェが召喚したスクランがいる。それに魔獣対応の剣も魔術師は持ってない。シリルがいたとしても、勝ち目はないように見えるが、この余裕を見ると皆不安になった!
「護衛を倒して来たか。まさか城まで入って来るとはな」
ゴーチェが睨み呟く。
「おや? 私が魔獣だという事は、もう知っておられるのでは?」
「なるほど。城の結界は、対魔獣用ではないと。そういう事か?」
返された言葉に、ゴーチェは頷くも、皆は驚いた。
よく考えれば、人間が施した結界だ。魔獣に効くはずもない。
「まさか魔獣を使って魔法陣を狙って来るとは思わなかったのでな。しかしここに現れたという事は、狙いは魔法陣で間違いないみたいだな」
「この子を手に入れた時は、これで上手くいくと思ったのだがな」
魔術師はチラッとシリルを見て言った。
だが何か違和感があった。
まるで、この魔術師の魔獣の目的の様に聞こえたからだ。
「本当にあの者は、魔獣なのか?」
ゴーチェが聞くも頷くのは、ヘリムだけだった。
魔術師が自分の意思で動いている様に見えるが、ヘリムも命令されているとはいえ、自分の意思で動いているのだからおかしくはない。
「今更だが、自己紹介がまだだったな。私は、エミール」
なぜ今更名乗るのだと、全員探るようにエミールを見た。
「シリルをどうする気だ?」
まさかリーフと交換とか言い出すのではないかと、オルソが聞いた。
だがエミールは、不敵にほほ笑む。
「その話をする前に、我がマスターを紹介しよう。そんなところにいないで、こっちへ来たらどうだ。我がマスターよ!」
エミールが扉に振り返り叫んだ。
今まで姿を見せなかった謎のマスターも乗り出して来たと、扉に注目する!
ゆっくりと扉から入って来て、階段を下りて来る人物に息をのんだ。
緑のマントを羽織り、剣を下げている。――皆がよく知る人物だった!
「フ、フランク……」
愕然としてダミアンが呟く。
皆信じられなかった!
彼は、エミールに瀕死の状態にされたのだ! 下手すればフランクは死んでいた!
本当にフランクがマスターなら、エミールは下手すればマスターを失っていた事になる!
「あり得ないな! 私が助けなければフランクは死んでいた! 彼にも術を掛け操っているのだろう!」
「その節は、ありがとうございました。マスターを失わすにすんだ」
その返答に、ロイは目を見開く。
「まさか! 私が見ているのに気が付いて、フランクを狙ったのか! しかし一歩間違えば死んでいた!」
「えぇ。ウリッセと言ったか、あの者と一緒に来ていたのに気づいていましたよ。ダメですよ。あんなに視線を飛ばしては、気づいて下さいと言っているようなものです」
そうにっこりと、エミールはロイに返した。ロイは悔しそうに、エミールを睨み付ける。
まんまと作戦に引っかかったと言っているのだ。
目の前には、ヘリムとまだアージェが召喚したスクランがいる。それに魔獣対応の剣も魔術師は持ってない。シリルがいたとしても、勝ち目はないように見えるが、この余裕を見ると皆不安になった!
「護衛を倒して来たか。まさか城まで入って来るとはな」
ゴーチェが睨み呟く。
「おや? 私が魔獣だという事は、もう知っておられるのでは?」
「なるほど。城の結界は、対魔獣用ではないと。そういう事か?」
返された言葉に、ゴーチェは頷くも、皆は驚いた。
よく考えれば、人間が施した結界だ。魔獣に効くはずもない。
「まさか魔獣を使って魔法陣を狙って来るとは思わなかったのでな。しかしここに現れたという事は、狙いは魔法陣で間違いないみたいだな」
「この子を手に入れた時は、これで上手くいくと思ったのだがな」
魔術師はチラッとシリルを見て言った。
だが何か違和感があった。
まるで、この魔術師の魔獣の目的の様に聞こえたからだ。
「本当にあの者は、魔獣なのか?」
ゴーチェが聞くも頷くのは、ヘリムだけだった。
魔術師が自分の意思で動いている様に見えるが、ヘリムも命令されているとはいえ、自分の意思で動いているのだからおかしくはない。
「今更だが、自己紹介がまだだったな。私は、エミール」
なぜ今更名乗るのだと、全員探るようにエミールを見た。
「シリルをどうする気だ?」
まさかリーフと交換とか言い出すのではないかと、オルソが聞いた。
だがエミールは、不敵にほほ笑む。
「その話をする前に、我がマスターを紹介しよう。そんなところにいないで、こっちへ来たらどうだ。我がマスターよ!」
エミールが扉に振り返り叫んだ。
今まで姿を見せなかった謎のマスターも乗り出して来たと、扉に注目する!
ゆっくりと扉から入って来て、階段を下りて来る人物に息をのんだ。
緑のマントを羽織り、剣を下げている。――皆がよく知る人物だった!
「フ、フランク……」
愕然としてダミアンが呟く。
皆信じられなかった!
彼は、エミールに瀕死の状態にされたのだ! 下手すればフランクは死んでいた!
本当にフランクがマスターなら、エミールは下手すればマスターを失っていた事になる!
「あり得ないな! 私が助けなければフランクは死んでいた! 彼にも術を掛け操っているのだろう!」
「その節は、ありがとうございました。マスターを失わすにすんだ」
その返答に、ロイは目を見開く。
「まさか! 私が見ているのに気が付いて、フランクを狙ったのか! しかし一歩間違えば死んでいた!」
「えぇ。ウリッセと言ったか、あの者と一緒に来ていたのに気づいていましたよ。ダメですよ。あんなに視線を飛ばしては、気づいて下さいと言っているようなものです」
そうにっこりと、エミールはロイに返した。ロイは悔しそうに、エミールを睨み付ける。
まんまと作戦に引っかかったと言っているのだ。
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