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第6章 選択の真実
第44話
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あまりの内容に、ガッドが話さなければ誰も信じなかっただろう。
「なるほど。そう言う事でしたか。彼はあのシリル……」
ダミアンはそこまで言って、チラッとオルソを見て、リーフを見た。
オルソはダミアンと目が合うと、小さく頷いた。
ダミアンは、リーフが性別を偽っていると気づいたのだ。だが察して、そこには触れないでおいた。
「リーフさん。何故シリルと知り合いだった事を黙っていたのだ?」
「申し訳ありません。俺……私が、黙っているように言ったのです。リーフも狙られている可能性があったものですから……申し訳ありません」
ゴーチェがリーフに問うと、オルソが立ち上がり頭を下げた。
慌ててリーフも立ち上がり、頭を下げる。
「ごめんなさい! 魔獣の事も何も知らなかったので、色々怖くて言い出せませんでした!」
ガッド達は、仕方がないという顔つきで二人を見ていた。
「今はその事は置いておこう。それよりもあの魔術師のフリをしていた魔獣のマスターが誰かという事だ」
ガッドがそう言うと、オルソとリーフは椅子に座る。
「というと、フランクの疑惑は晴れたのでしょうか?」
ダミアンがガッドに聞いた。
「フランクは、私がその場にいなければ、もたなかっただろう。その事を考えると、フランクを殺そうとしたという事になる。フランクがマスターならまずないだろう」
「ですが、私ではなくなぜ、フランクさん達だったのでしょうか」
「私がいたから逃げようがないと判断したのだろう。アージェだと避けられる。まあそれで、アージェが魔獣を召喚する事になり、逆に向こうが窮地に立たされる事になったが」
アージェの問いに、悔しそうにダミアンが答えた。
あの魔術師は、アージェに攻撃するよりフランク達に攻撃した方が効果的だと思ったのだろう。
まさかアージェが、魔獣を召喚するとは思ってもいなかった。
「あの……私の疑いも晴れたのでしょうか?」
ボソッとウリッセが言った。
ウリッセでは、あの魔術師を召喚出来ない。だが疑われていた。
「私は元から疑っていなかった。ただ、あの魔術師が魔獣だと言う確証が無く、自分の目で確認するまでは、全員疑うしかなかった」
ロイがそう答えた。
「一つ宜しいでしょうか? 私を疑わなかったのでしょうか? 私もオルソの事を知る一人ですが……」
「まあ一応疑ってはいた。だからあなたも試させてもらった。ヘリムに付けたブレスレッドが偽物だったのではないかとな。疑われているフランクに、疑いがむくようにする事も出来るがしなかった。それどころかフランクよりシリルが怪しいと指摘した。だが一応それでも監視はさせてもらった。シリルと一緒にいるように命令して、私自ら監視していた」
ゴーチェの質問にガッドが驚く回答を返す。
この状況で他の者に見張りを頼めないと思ったガッドは、魔術でシリルと同じ部屋で休むゴーチェを監視していたのだ。
なので二人は、魔術師が攻めて来た事を知らなかった。
「では一体誰が、あの魔術師のマスターなのでしょうか? 私は始め、リーフが現れた事により事が起き始めたので、彼がそうなのではないかと思っておりました。勿論、マスターではなく、魔術師側の人間として見ていたという事ですが」
リーフは、ダミアンの言葉に驚いた。
そして、ハッとする。窓に穴を開けようとした時に声を掛けられたのは、偶然ではなかった。ダミアンがリーフを監視していたからだ。
「でもまあ、召喚師が内通者とは限らないな。リーフの様に王都の外に召喚師がいる可能性もある。そうならば、こちら側の情報を流す者がいるのだろう。私達は、召喚師ではないかと、騎士に目を向けていたが、魔術師という線もある」
ロイがそう言った。
しかしここにいる者ではないのは、確実だった。
「なるほど。そう言う事でしたか。彼はあのシリル……」
ダミアンはそこまで言って、チラッとオルソを見て、リーフを見た。
オルソはダミアンと目が合うと、小さく頷いた。
ダミアンは、リーフが性別を偽っていると気づいたのだ。だが察して、そこには触れないでおいた。
「リーフさん。何故シリルと知り合いだった事を黙っていたのだ?」
「申し訳ありません。俺……私が、黙っているように言ったのです。リーフも狙られている可能性があったものですから……申し訳ありません」
ゴーチェがリーフに問うと、オルソが立ち上がり頭を下げた。
慌ててリーフも立ち上がり、頭を下げる。
「ごめんなさい! 魔獣の事も何も知らなかったので、色々怖くて言い出せませんでした!」
ガッド達は、仕方がないという顔つきで二人を見ていた。
「今はその事は置いておこう。それよりもあの魔術師のフリをしていた魔獣のマスターが誰かという事だ」
ガッドがそう言うと、オルソとリーフは椅子に座る。
「というと、フランクの疑惑は晴れたのでしょうか?」
ダミアンがガッドに聞いた。
「フランクは、私がその場にいなければ、もたなかっただろう。その事を考えると、フランクを殺そうとしたという事になる。フランクがマスターならまずないだろう」
「ですが、私ではなくなぜ、フランクさん達だったのでしょうか」
「私がいたから逃げようがないと判断したのだろう。アージェだと避けられる。まあそれで、アージェが魔獣を召喚する事になり、逆に向こうが窮地に立たされる事になったが」
アージェの問いに、悔しそうにダミアンが答えた。
あの魔術師は、アージェに攻撃するよりフランク達に攻撃した方が効果的だと思ったのだろう。
まさかアージェが、魔獣を召喚するとは思ってもいなかった。
「あの……私の疑いも晴れたのでしょうか?」
ボソッとウリッセが言った。
ウリッセでは、あの魔術師を召喚出来ない。だが疑われていた。
「私は元から疑っていなかった。ただ、あの魔術師が魔獣だと言う確証が無く、自分の目で確認するまでは、全員疑うしかなかった」
ロイがそう答えた。
「一つ宜しいでしょうか? 私を疑わなかったのでしょうか? 私もオルソの事を知る一人ですが……」
「まあ一応疑ってはいた。だからあなたも試させてもらった。ヘリムに付けたブレスレッドが偽物だったのではないかとな。疑われているフランクに、疑いがむくようにする事も出来るがしなかった。それどころかフランクよりシリルが怪しいと指摘した。だが一応それでも監視はさせてもらった。シリルと一緒にいるように命令して、私自ら監視していた」
ゴーチェの質問にガッドが驚く回答を返す。
この状況で他の者に見張りを頼めないと思ったガッドは、魔術でシリルと同じ部屋で休むゴーチェを監視していたのだ。
なので二人は、魔術師が攻めて来た事を知らなかった。
「では一体誰が、あの魔術師のマスターなのでしょうか? 私は始め、リーフが現れた事により事が起き始めたので、彼がそうなのではないかと思っておりました。勿論、マスターではなく、魔術師側の人間として見ていたという事ですが」
リーフは、ダミアンの言葉に驚いた。
そして、ハッとする。窓に穴を開けようとした時に声を掛けられたのは、偶然ではなかった。ダミアンがリーフを監視していたからだ。
「でもまあ、召喚師が内通者とは限らないな。リーフの様に王都の外に召喚師がいる可能性もある。そうならば、こちら側の情報を流す者がいるのだろう。私達は、召喚師ではないかと、騎士に目を向けていたが、魔術師という線もある」
ロイがそう言った。
しかしここにいる者ではないのは、確実だった。
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