28 / 67
第4章 姿を現した魔術師
第28話
しおりを挟む
少女達が見つかり、和んでいる時だった!
突然、バン! っと、森の方から大きな音が聞こえ全員が振り向くと、森は勢いよく燃え上がっていた!
そしてその上空には、薄緑のローブを着て、深々とフードを被った魔術師が浮かんでいる!
「ナディア! ネリー! 馬車の中へ入るんだ!」
ウリッセは、二人に叫んだ! 言われた通りナディアとネリーは、慌てて馬車の中に避難した。
それと同時にダミアンは、森へ向かう。消火活動の為だ。
ウリッセは、馬車と森を見ている。
リーフは、ウリッセが森に行くべきか迷っていると思った。
「僕が森へ……」
「リーフと言ったか。君は結界は?」
「出来ますけど……」
「では、子供達を頼む!」
リーフが頷くと、ウリッセはオルソに言う。
「私が出ます!」
ウリッセは、消火活動をするか、ナディア達を守るか悩んでいた訳ではなかった。ナディア達の安全を確保出来れば、魔術師に向かおうと思っていたのだ。
「いや、ウリッセさんは、子供達を……」
オルソが言うもウリッセは、首を横に振った。
「彼に任せた」
「では君は、森の消火活動を! 俺が行く!」
そう言ったのは驚く事にヘリムだった!
そして、フランクの手を振りほどくと、魔術師に向かって行く!
「ちょっと待て!」
フランクは慌てるも空中に行かれては、どうしようもない。
「どうします? 見ていますか?」
「我々が言ったら彼も戦いづらいだろう。ひとまずは、ここで待機だ」
アージェの問いにオルソはそう返す。
「では私は、ダミアンさんだけでは大変でしょうし、彼の言う通り消火活動に回ります。子供達をお願いします」
オルソ達が頷くと、ウリッセはダミアンの元に向かう。
リーフは、ヘリムの行動に驚いていた。
逃がすつもりなのか? でも逃げるならもう逃げていたはず。
戻って来た目的は?
ヘリムがあの魔術師に向かっていたのは作戦?
(一体どうなっているのかわからない……)
リーフは、一人考え込んでいた。
「あの魔術師の目的は何でしょう? どうしてここに、現れたのでしょうか?」
アージェの質問にも誰も答える事が出来なかった。
宙に浮いたが二人は、睨み合っている。
っと突然、体はヘリムに向けたまま魔術師は、森へまた火を放った!
「な! いい加減にしろよ!」
そう言いながらヘリムは、その火の玉に向けて、森でやったように水の玉を放し包み込む。
魔術師は、その隙を突き、今度は地上にいるリーフ達に向け、風の刃を放った!
オルソ達三人は、慌てて剣を抜き構えた!
そしてリーフも馬車の周りに結界を張った!
「ナディア! ネリー!」
森からウリッセの声が響く!
風の刃が襲い掛かると、辺りは砂埃が舞い何も見えなくなった!
「何をす……」
ヘリムが、地上から魔術師に目線を戻すと、目の前に魔術師がいた!
そして魔術師は、ヘリムに向かっても風の刃を放つ!
流石にこの距離だとやばいと、ヘリムは咄嗟に結界を張るもその威力に吹き飛ばされた!
ウリッセは、オルソ達の元へ駆けつけ、砂埃を風で吹き飛ばす。
馬車の周りは、リーフの結界で守られて無事だったが、三人は吹き飛ばされて砂を被り倒れていた!
「アージェさん!」
驚いてリーフは、彼に駆け寄る。
「オルソさん! しっかりしてください!」
ウリッセがオルソを軽く揺さぶると、彼は目を開けた。
「よかった……」
オルソは、よろっと体を起こし片膝をつく。
「え! 危ない!」
リーフがふと空中を見ると、ヘリムを吹き飛ばした魔術師が、こっちに向かって来ていた!
リーフの叫び声が聞こえたのか、アージェも目を覚ます。
「……な、なんです?」
アージェは、顔を上げ強張る。
急接近してくる魔術師に四人が身構えるも、まだ倒れたままのフランクに狙いを定めた様で、彼に真っ直ぐと向かって行く!
(どういう事!? 狙いってフランクさん?!)
前回襲われた時もフランクがいた。
しかも彼は、怪我を負ったのだ! 次は殺されるかもしれない!
突然、バン! っと、森の方から大きな音が聞こえ全員が振り向くと、森は勢いよく燃え上がっていた!
そしてその上空には、薄緑のローブを着て、深々とフードを被った魔術師が浮かんでいる!
「ナディア! ネリー! 馬車の中へ入るんだ!」
ウリッセは、二人に叫んだ! 言われた通りナディアとネリーは、慌てて馬車の中に避難した。
それと同時にダミアンは、森へ向かう。消火活動の為だ。
ウリッセは、馬車と森を見ている。
リーフは、ウリッセが森に行くべきか迷っていると思った。
「僕が森へ……」
「リーフと言ったか。君は結界は?」
「出来ますけど……」
「では、子供達を頼む!」
リーフが頷くと、ウリッセはオルソに言う。
「私が出ます!」
ウリッセは、消火活動をするか、ナディア達を守るか悩んでいた訳ではなかった。ナディア達の安全を確保出来れば、魔術師に向かおうと思っていたのだ。
「いや、ウリッセさんは、子供達を……」
オルソが言うもウリッセは、首を横に振った。
「彼に任せた」
「では君は、森の消火活動を! 俺が行く!」
そう言ったのは驚く事にヘリムだった!
そして、フランクの手を振りほどくと、魔術師に向かって行く!
「ちょっと待て!」
フランクは慌てるも空中に行かれては、どうしようもない。
「どうします? 見ていますか?」
「我々が言ったら彼も戦いづらいだろう。ひとまずは、ここで待機だ」
アージェの問いにオルソはそう返す。
「では私は、ダミアンさんだけでは大変でしょうし、彼の言う通り消火活動に回ります。子供達をお願いします」
オルソ達が頷くと、ウリッセはダミアンの元に向かう。
リーフは、ヘリムの行動に驚いていた。
逃がすつもりなのか? でも逃げるならもう逃げていたはず。
戻って来た目的は?
ヘリムがあの魔術師に向かっていたのは作戦?
(一体どうなっているのかわからない……)
リーフは、一人考え込んでいた。
「あの魔術師の目的は何でしょう? どうしてここに、現れたのでしょうか?」
アージェの質問にも誰も答える事が出来なかった。
宙に浮いたが二人は、睨み合っている。
っと突然、体はヘリムに向けたまま魔術師は、森へまた火を放った!
「な! いい加減にしろよ!」
そう言いながらヘリムは、その火の玉に向けて、森でやったように水の玉を放し包み込む。
魔術師は、その隙を突き、今度は地上にいるリーフ達に向け、風の刃を放った!
オルソ達三人は、慌てて剣を抜き構えた!
そしてリーフも馬車の周りに結界を張った!
「ナディア! ネリー!」
森からウリッセの声が響く!
風の刃が襲い掛かると、辺りは砂埃が舞い何も見えなくなった!
「何をす……」
ヘリムが、地上から魔術師に目線を戻すと、目の前に魔術師がいた!
そして魔術師は、ヘリムに向かっても風の刃を放つ!
流石にこの距離だとやばいと、ヘリムは咄嗟に結界を張るもその威力に吹き飛ばされた!
ウリッセは、オルソ達の元へ駆けつけ、砂埃を風で吹き飛ばす。
馬車の周りは、リーフの結界で守られて無事だったが、三人は吹き飛ばされて砂を被り倒れていた!
「アージェさん!」
驚いてリーフは、彼に駆け寄る。
「オルソさん! しっかりしてください!」
ウリッセがオルソを軽く揺さぶると、彼は目を開けた。
「よかった……」
オルソは、よろっと体を起こし片膝をつく。
「え! 危ない!」
リーフがふと空中を見ると、ヘリムを吹き飛ばした魔術師が、こっちに向かって来ていた!
リーフの叫び声が聞こえたのか、アージェも目を覚ます。
「……な、なんです?」
アージェは、顔を上げ強張る。
急接近してくる魔術師に四人が身構えるも、まだ倒れたままのフランクに狙いを定めた様で、彼に真っ直ぐと向かって行く!
(どういう事!? 狙いってフランクさん?!)
前回襲われた時もフランクがいた。
しかも彼は、怪我を負ったのだ! 次は殺されるかもしれない!
0
お気に入りに追加
92
あなたにおすすめの小説

ここは貴方の国ではありませんよ
水姫
ファンタジー
傲慢な王子は自分の置かれている状況も理解出来ませんでした。
厄介ごとが多いですね。
裏を司る一族は見極めてから調整に働くようです。…まぁ、手遅れでしたけど。
※過去に投稿したモノを手直し後再度投稿しています。
魔石と神器の物語 ~アイテムショップの美人姉妹は、史上最強の助っ人です!~
エール
ファンタジー
古代遺跡群攻略都市「イフカ」を訪れた新進気鋭の若き冒険者(ハンター)、ライナス。
彼が立ち寄った「魔法堂 白銀の翼」は、一風変わったアイテムを扱う魔道具専門店だった。
経営者は若い美人姉妹。
妹は自ら作成したアイテムを冒険の実践にて試用する、才能溢れる魔道具製作者。
そして姉の正体は、特定冒険者と契約を交わし、召喚獣として戦う闇の狂戦士だった。
最高純度の「超魔石」と「充魔石」を体内に埋め込まれた不死属性の彼女は、呪われし武具を纏い、補充用の魔石を求めて戦場に向かう。いつの日か、「人間」に戻ることを夢見て――。
強制フラグは、いりません! ~今いる世界が、誰かの二次小説の中だなんて思うかよ! JKと禁断の恋愛するなら、自力でやらせてもらうからっ!~
ハル*
ファンタジー
高校教師の俺。
いつもと同じように過ごしていたはずなのに、ある日を境にちょっとずつ何かが変わっていく。
テスト準備期間のある放課後。行き慣れた部室に向かった俺の目の前に、ぐっすり眠っているマネージャーのあの娘。
そのシチュエーションの最中、頭ん中で変な音と共に、俺の日常を変えていく声が聞こえた。
『強制フラグを、立てますか?』
その言葉自体を知らないわけじゃない。
だがしかし、そのフラグって、何に対してなんだ?
聞いたことがない声。聞こえてくる場所も、ハッキリしない。
混乱する俺に、さっきの声が繰り返された。
しかも、ちょっとだけ違うセリフで。
『強制フラグを立てますよ? いいですね?』
その変化は、目の前の彼女の名前を呼んだ瞬間に訪れた。
「今日って、そんなに疲れるようなことあったか?」
今まで感じたことがない違和感に、さっさと目の前のことを終わらせようとした俺。
結論づけた瞬間、俺の体が勝手に動いた。
『強制フラグを立てました』
その声と、ほぼ同時に。
高校教師の俺が、自分の気持ちに反する行動を勝手に決めつけられながら、
女子高生と禁断の恋愛?
しかも、勝手に決めつけているのが、どこぞの誰かが書いている某アプリの二次小説の作者って……。
いやいや。俺、そんなセリフ言わないし!
甘い言葉だなんて、吐いたことないのに、勝手に言わせないでくれって!
俺のイメージが崩れる一方なんだけど!
……でも、この娘、いい子なんだよな。
っていうか、この娘を嫌うようなやつなんて、いるのか?
「ごめんなさい。……センセイは、先生なのに。好きに…なっちゃ、だめなのに」
このセリフは、彼女の本心か? それともこれも俺と彼女の恋愛フラグが立たせられているせい?
誰かの二次小説の中で振り回される高校教師と女子高生の恋愛物語が、今、はじまる。

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。
【R18】ハメられましたわ!~海賊船に逃げ込んだ男装令嬢は、生きて祖国に帰りたい~
世界のボボ誤字王
恋愛
「婚約破棄だ、この魔女め! 役立たずめ! 私は真実の愛を見つけた!」
要約するとそんなようなことを王太子に言われた公爵令嬢ジョセフィーナ。
従妹のセシリアに黒魔術の疑いをかけられ、異端審問会に密告されて、とんとん拍子に海に沈められそうになった彼女は、自分が何かの陰謀に巻き込まれたのだと気づく。
命からがら、錨泊していた国籍不明の船に逃げ込むも、どうやらそれは海賊船で、しかも船長は自分をハメた王太子に瓜二つだった!
「わたくしには王家を守る使命がございますの! 必ず生き残って、国に帰ってやりますでげすわ!」
ざまぁありです。(教会にはそれほどありません)
※今気づいたけど、ヒーロー出るまで2万字以上かかってました。
(´>∀<`)ゝゴメンね❤

初めて入ったダンジョンに閉じ込められました。死にたくないので死ぬ気で修行したら常識外れの縮地とすべてを砕く正拳突きを覚えました
陽好
ファンタジー
ダンジョンの発生から50年、今ではダンジョンの難易度は9段階に設定されていて、最も難易度の低いダンジョンは「ノーマーク」と呼ばれ、簡単な試験に合格すれば誰でも入ることが出来るようになっていた。
東京に住む19才の男子学生『熾 火天(おき あぐに)』は大学の授業はそれほどなく、友人もほとんどおらず、趣味と呼べるような物もなく、自分の意思さえほとんどなかった。そんな青年は高校時代の友人からダンジョン探索に誘われ、遺跡探索許可を取得して探索に出ることになった。
青年の探索しに行ったダンジョンは「ノーマーク」の簡単なダンジョンだったが、それでもそこで採取できる鉱物や発掘物は仲介業者にそこそこの値段で買い取ってもらえた。
彼らが順調に探索を進めていると、ほとんどの生物が駆逐されたはずのその遺跡の奥から青年の2倍はあろうかという大きさの真っ白な動物が現れた。
彼を誘った高校時代の友人達は火天をおいて一目散に逃げてしまったが、彼は一足遅れてしまった。火天が扉にたどり着くと、ちょうど火天をおいていった奴らが扉を閉めるところだった。
無情にも扉は火天の目の前で閉じられてしまった。しかしこの時初めて、常に周りに流され、何も持っていなかった男が「生きたい!死にたくない!」と強く自身の意思を持ち、必死に生き延びようと戦いはじめる。白いバケモノから必死に逃げ、隠れては見つかり隠れては見つかるということをひたすら繰り返した。
火天は粘り強く隠れ続けることでなんとか白いバケモノを蒔くことに成功した。
そして火天はダンジョンの中で生き残るため、暇を潰すため、体を鍛え、精神を鍛えた。
瞬発力を鍛え、膂力を鍛え、何事にも動じないような精神力を鍛えた。気づくと火天は一歩で何メートルも進めるようになり、拳で岩を砕けるようになっていた。
力を手にした火天はそのまま外の世界へと飛び出し、いろいろと巻き込まれながら遺跡の謎を解明していく。
うちのポチ知りませんか? 〜異世界転生した愛犬を探して〜
双華
ファンタジー
愛犬(ポチ)の散歩中にトラックにはねられた主人公。
白い空間で女神様に、愛犬は先に転生して異世界に旅立った、と聞かされる。
すぐに追いかけようとするが、そもそも生まれる場所は選べないらしく、転生してから探すしかないらしい。
転生すると、最初からポチと従魔契約が成立しており、ポチがどこかで稼いだ経験値の一部が主人公にも入り、勝手にレベルアップしていくチート仕様だった。
うちのポチはどこに行ったのか、捜索しながら異世界で成長していく物語である。
・たまに閑話で「ポチの冒険」等が入ります。
※ 2020/6/26から「閑話」を従魔の話、略して「従話」に変更しました。
・結構、思い付きで書いているので、矛盾点等、おかしなところも多々有ると思いますが、生温かい目で見てやって下さい。経験値とかも細かい計算はしていません。
沢山の方にお読み頂き、ありがとうございます。
・ホトラン最高2位
・ファンタジー24h最高2位
・ファンタジー週間最高5位
(2020/1/6時点)
評価頂けると、とても励みになります!m(_ _)m
皆様のお陰で、第13回ファンタジー小説大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます。
※ 2020/9/6〜 小説家になろう様にもコッソリ投稿開始しました。

とある元令嬢の選択
こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる