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第107話~この世界にもクリスタルが存在してました

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 「さすが噂通り」

 一体どんな噂ですか!?
 私達は、チックのエサを準備してから緑コケを持って行きました。
 そして、担当の人に渡したのです。一応、詰められるだけ詰めたんだけど……。
 袋の大きさは、家庭用のポリ袋ぐらい。
 中を覗き込んで言われた言葉です。

 「まさか、この短期間でこれだけ集めてしまうとは!」

 何故かほめたたえられました。
 実は、探す物って人によって違うらしくて、コケが一番採取しづらいみたいです。量的にね。
 だから、いっぺんにじゃなくてもと思っていたところに、大量に採取して帰って来て驚いたそうです。
 ちなみに、この量だと余るそうです!
 全然使わない物だったのね!

 「君達なら探し出せるかもしれない……。クリスタルを探して欲しい」

 「クリスタルですか? え、でもこの大陸にはない物って伺ってますが」

 え? ないの?
 それを持ってこいって事は、作れって事?

 「いや。こちら側にはあるかもしれない。実は、クリスタルは、ガラスの材料なのだ。今までは、取り寄せていた。探してみてはくれないか? もちろん、探し出せなくても問題ない」

 ないかもしれないものを探せと……。

 「うーん。どうしようか、ソレイユさん」

 「え? えっと……どうしようか?」

 聞かれても困る。
 私が想像するクリスタルって、透き通った硬い鉱物。
 あるのかな? それがこっち側に……。

 「期限とかありますか? あと僕達、ちょっと訳あって無料奉仕なんです。だからずっとそれに縛られるわけにもいかなくて……」

 言いづらそうにユージさんは、言った。
 そうだった!
 緑コケは仕方ないとして、ずっとクリスタル探して言うのもね。

 「いえ、こちらの分はお支払いします。場所を発見して下さるだけでいいのです!」

 まあ、発見だけならいいかな。
 私達は頷き合った。

 「わかりました。お引き受けします」

 「ありがとう。期限は、一年間です。勿論、片手間で探しても結構です」

 「やってみます」

 一年って。この街出来上がるのにそれ以上かかるのね。
 引き受けたはいいけど、どうやって探したらいいんだろう?

 「どうして、クリスタルがこの島にないって言われているか知ってる?」

 突然、ユージさんが質問をしてきました。知らないので、もちろん首を横に振ります。

 「地熱で鉱石がクリスタルになるんだって。今までは、こっち側って行けなかったからこの島にはそういう場所が無いと言う事で、クリスタルは存在しないって言われていたんだ」

 あぁ、なるほど。あれ? でも……。

 「気が付いた? もしかしたらありえるよね。温泉!」

 「うん!」

 そっか。ユージさんは、この事を知っていたから引き受けたんだね!
 でも問題は、湯気で真っ白で見えないって事なんだよね。
 ダウジングで確認するだけでもいいんだろうか?

 「とりあえず。イベントで行った洞窟に行ってみようか」

 「そうだね!」

 って、移動していたら雨が降ってきました!
 今回って移動で時間を食った感じです。
 そして、雨が上がる頃に洞窟に到着しました。
 イベント用の洞窟かと思っていたのですが、どうやら本当の迷宮だったようです。

 「ねえ、ここにもしクリスタルがあったらどちらかの名前の迷宮になるのかな?」

 「そうだね。名前を付けれたんだ。さて、取りあえずは、クリスタルがあるか確認をしに行こうか」

 「うん」

 私達は、マスクをして一応板の地図とダウジングを用意。
 バレンタインのイベントの時は、入ってすぐまでしか行っていません。中がどうなっているかは知らないのです。
 ドキドキします。

 でも入ってすぐやっぱりこれじゃ無理と引き返してきました。
 まず真っ白で周りが見えない事もそうなのですが、用意した地図すら見れない。ダウジングは、方向を教えてくれるだけなので、道がない方を指し示す感じだったのです!

 「どうする? あるのはわかったからここの迷宮だって知らせるだけにする?」

 「そうだね。私達では無理っぽいし」

 そういうわけで私達は、戻りました。
 着いたらもうすでに夜。闇の刻です。
 って! いないんですけど!

 「夜は、寝てる設定みたいだね……」

 「そう言っておいてほしかった!」

 私は愚痴ってしまう。
 闇の刻は六時間もあるので、テントを張って、そのままログアウトする事になりました。
 次のINは、リアルで次の日なのでゲーム内の日付では、88日になります。
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