お二人様のモフみみ錬金術師

すみ 小桜(sumitan)

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第105話~川の流れを変えてみよう!

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 魔石はいっぱいあるので、なくなる事はないと思いますが、膨らむと言っても1.5倍になるだけなので、それなりの高さと幅が必要です。
 ちらっとユージさんを見ると、粘土の上に魔石を敷き詰めています。大きいので寝かせた状態で作っているのかも。
 私達は、しばし黙々と作業をします。

 「出来た! じゃ僕は、う回路を掘っているね」

 「うん」

 30分程経って、ユージさんが作っていた石は完成したみたい。
 う回路は、私達が来た道に出てまた元の川に戻る様に作ります。なので壁の下も掘らないといけません。結構大変だと思います。
 ユージさんはまず、壁が無い道のところを掘っています。壁に面した所を掘っています。ちらっと見たら結構深く掘っているみたい。

 「ふう。出来た!」

 下書きも含め、二時間以上かかっちゃいました。
 今回は、石専用の窯なので出来上がるのに、30分掛かるみたいです。

 「ご苦労様。今回は、僕が置くね」

 「うん……」

 凄い面白い形をした石です。エルの形です。これなら倒れないかもね。
 ユージさんは、その石になる粘土を魔法陣の上に置きました。後は、30分経てば、石の出来上がりです!

 石を作っている間、私はオーブを作る為の窯の魔法陣作りです。オーブは、ユージさんが石と一緒に作っておいてくれました!
 暗いけど描き慣れているので、思ったより時間を掛けずに描けました。
 描いた魔法陣にオーブの粘土を置きます。

 「ユージさん。私が変わるわ」

 「うん。じゃ壁の下お願いできるかな。あ、まだ川とは繋げないでね」

 「うん。あれ? 橋になってる!?」

 「うん。あった方がいいかなって。だからそこだけちょっと深い」

 ちゃんと歩ける場所を確保したみたい。さすが、ユージさん。
 私は、ユージさんから軍手を受け取り、壁の下をそれこそトンネルの様に堀進めます。
 石が出来上がった頃、だいたい掘り終わりました。

 「さすが、ソレイユさん。掘るスピードが違う。僕より小さいのになぁ」

 「うん。スキルって凄いね!」

 二人で、妙な関心をしながら出来上がった石の前に立った。
 白いL字型の石。って、全然石に見えません!
 きっと凄く軽いと思う。ちょっと持ってみようかな。

 「ちょ! いいよ。僕が持つから」

 「あ、いや。どんなかなって思って。私でも持てたわ!」

 「うん。流石の軽さだね。それが重くなるなんて……」

 ユージさんも私と同じ感想のようです。
 粘土で作る物は、ほとんどが元より軽くなるんですよね……。

 「水を含むと膨らんで重くなるから気を付けてね」

 「うん」

 私は川に入り、通路を繋げます。
 そうすると、う回路にも水が流れ水かさが減りました!
 ユージさんが、う回路の所の本川に石を下ろしました。石は、水の中にスポッと入りましたが、どんどん大きくなって通路を塞ぎました! 大成功です!

 川の縁に置いてあったオーブをユージさんは手に取り、水がなくなった川の通路で魔法陣の中央を探します。

 「魔法陣の中心を探して!」

 「あ! ダウジング!」

 「やっぱり! こういう事も出来るみたいだね!」

 大きく円を描いてここだと教えてくれました!

 「ねえ、ユージさん。それ出来るならう回路必要なかったんじゃない?」

 ふと思って言ったらユージさんは、ハッとしたような顔をしました。言われて気が付いたようです。

 「ご、ごめん……」

 「ううん。楽しかったら大丈夫」

 「ありがとう」

 杖を立ててオーブを乗せます。オーブは小さくなっていき消滅しました。そして、魔法陣が復活です。
 どんな効力がある魔法陣かはわかりませんが……。

 私が川から上がるとユージさんは、石を少しずらそうとしますが動かない様です。

 「これ重いね!」

 結局、10分待ってみる事にしました。
 石は、砂みたいになって流れていきました!

 「あぁなるんだね」

 「うん。凄いね。解けたみたいだった」

 私が頷いて言うと、ユージさんもそうだねと頷きます。
 う回路があるので、全部の水が元の本川を流れてはいませんが大丈夫でしょう。

 「さて、他の場所にもあるか見てみようか」

 「あ、そうだね」

 川にそういう場所があるのなら全部しないと意味がありません。
 私達は、板の地図を覗き込みます。
 見た所、洞窟の中には魔法陣はもうなさそうです。

 「一旦、部屋に戻ろうか」

 「うん」

 もう、闇の刻です。部屋に戻った私達は、そのまま寝る事にしました。
 コケは、期限を言われてないので大丈夫でしょう。
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