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第104話~色の違いを発見

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 雨が止んで暮れの刻。後闇の刻まで2時間。
 取りあえず、原因の場所の特定をしようと川に沿って上流へ進む。けど、行き止まりです! 正確には川の横に歩く場所がなくなったのです。
 川に沿って進むのには、この切り立った崖を登るか、来た道を戻り崖の上からまたここまで来るしかありません。

 「ねえ、さっきさ。崖に小さな横穴があったよね?」

 「うん」

 「ちょっとそこを覗いてみよう」

 「え? いいけど……」

 ユージさんがそう言うので、五分程歩いて戻ると、崖に空いた小さな穴がある。そこは、地面と接触した場所にあるので、中を覗くには寝そべらなくては見えません。
 そして、穴が小さいので掘らなくては、腕しか入らないのです。

 軍手をはめて、穴を大きくしました。人が入れるくらいです。
 穴の向こう側は、どうやら奥へと続く洞窟のようです。
 ユージさんが、板の地図を手にその洞窟にはいりました。

 「見て。ここ」

 ユージさんが指差した地図の場所は、水色です。
 地図は、洞窟内に入ると洞窟内の地図に変わっています。それに水色部分があるという事は、水があるという事です!

 「もしかしたらヤドさんのところに繋がっているかもしれない」

 「うん!」

 ユージさんの言う通り、場所的にもそんな気がします!
 私達は、鉱石に魔力を注ぎ明かりをつけました。
 洞窟内は、自然に出来た様で道の大きさが一定じゃなくて、凄く低くなったり狭くなったり。
 それでとうとう、通れない幅に……。

 「うーん。もうこうなったら直線的に掘っていっちゃう? たぶん、今まで来たみたい結構進むの大変な道だと思うんだよね」

 「うん。私も掘るならその方がいいような気がする」

 道も枝分かれしていて、地図を見ながら進んでいます。
 これ自分がいる場所がわかる地図だからいいけど、そうじゃないと訳わからなくなると思う。

 私は軍手をはめて、ユージさんが言う場所を掘って行きます。
 四つん這いになって掘り進めると、洞窟に繋がる。
 掘った穴から出て、壁をまた掘る。
 そして、また洞窟に。って、何か水の音が聞こえる。

 「お疲れ様。後は右側に行けば見えて来るはずだよ」

 「うん」

 直線だと思ったより早かった!
 進んで行くと、水の音が大きくなっていく。
 光が届く位置に来ると、光に反射してキラキラしています。

 「あったね!」

 「うん」

 ちょうどここは平らになっているらしく、ゆっくりと流れている。
 って、水草が生えています。

 「これって……」

 「枯れてるの?」

 「そういう風に見えるね」

 ユージさんが頷いた。
 川幅は、ユージさんが横になれるぐらい広い。深さは、暗すぎてわかりません。

 「もしかしてここって……」

 「え? 何……」

 ユージさんは、板の地図を腰の鉱石の光に近づけて何やらジッと見ています。

 「何か見えるの?」

 「うん。ちょっとその光も近づけてもらっていいかな?」

 「うん」

 地図がさっきよりもくっきり見える。

 「やっぱり。ここだけ水色じゃなくて青色だよ。色が重なっているから気づかなかった」

 「え? あ、本当だ」

 拡大してよく見てみると、ちょうどここの川が青くなっています。つまり、魔法陣があるっていう事です!

 「でも困ったね。地図に載るって事は一応魔法陣は有効なんだよね? 中心に魔力を注ぎ込めばいいんだけど、場所がわからない」

 「そっか。見えないんだ! 水がなくなれば見えるのかな?」

 「それだ! ちょっと待ってて! 深さを確かめて来る」

 「え? 大丈夫?」

 「大丈夫。流れは緩やかだし、縁に座って確かめるから」

 そう言ってユージさんは、川の縁に腰を下ろして、水に足を入れ立ち上がった。

 「僕の膝ぐらいだね。思っていたより深いなぁ……」

 「えっと。どうする気なの?」

 「迂回を作ろうかと思って。水の流れる通路を作って、それが出来たらそこをせき止める。問題は、せき止め方なんだよね。これだけ深いと、土をちょっと盛っただけじゃ無理だろうから」

 「じゃ、そういうのが無いか見てみる!」

 「うん。お願い」

 ありました!
 濡れると膨らむ石! 凄いよね。発想が!
 この石の材料は魔石。オーブの様に作るみたい。

 「ユージさん。濡れると膨らんで重くなる石を発見したよ。でも効果は10分なんだよね。上手くいくかな?」

 「10分か……。暗いけど10分もあれば、中心は探せると思う。やってみよう」

 「うん!」

 まず、う回路にする部分の土を使って、粘土を作ります。いつも通り、ユージさんが土に魔石の粉をまぜ、私が魔法陣を描く。
 粘土が出来上がると、石作りです。ユージさんが、せっせと魔石を粘土で包みます。
 私は、石にする魔法陣を描きます。暗いので大変ですが、頑張ります!
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