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第97話~盲点がありました
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雨が上がり暮れの刻。まだ濡れている地面に魔法陣の下書きを描きます。
そして、魔石でなぞり円を閉じる前に、二人で魔法陣の上に立つ。
「じゃ、ここ、宜しくね」
「はい!」
テントをたたみリュックにしまい、私達はヒムネさんがいる森へ向かった。
森は、まだ枯れたまま。そう簡単には元に戻らないよね?
ここは、森の端なので中心にいるヒムネさんの元へ向かう。
闇の刻までにヒムネさんに会いたいので、ユージさんに抱っこしてもらい走って向かいます。
ヒムネさんは、静かに木にたたずんでいました。
「あの、一応完了しました」
「本当か! さすが錬金術師! ありがとう」
「あ、でも、すぐには良くならないと思います。とりあえず明日も見に来ます」
「すまないな」
こうして私達は、部屋に戻ってきました。
☆ ☆ ☆
「やば。ワープ出来ない?!」
「どうしよう……」
私達は今、ヒムネさんの所に行こうと、紙の黒板に魔法陣を描き中央に魔石を置いて、ユージさんと私は魔法陣の上に乗り円を閉じたのですが、発動しません!
部屋に戻って来た私達は、もう闇の刻だからと休憩し、69日の光の刻にIN。ゲームの世界の時間にすると8時間程経過した事になります。
どうやらその間に、ヒムネさんがいる森が安定した様で、向こうに設置した出口の魔法陣が消費する魔力が足りない様です。
「まあ、魔力が安定したようだからいいけど、行くと言ってしまったから行った方がいいよね。ロウさんにでも頼もうか?」
「うん。……でもこれどうしようか?」
魔法陣のキャンセル方法は、本に書かれていたので知ってはいます。
魔石を入れて発動させる事。
でもこの魔法陣では、それが出来ません!
「うーん。何か魔法陣に置いておこうか? 向こうに飛ばされても大丈夫な物。キャンセルできないなら発動させるしか、今の僕達には出来ないからね」
「そっか。そうだね。何がいいかな?」
発動するまで黒板は広げっぱなしになるけど、仕方ないよね。
ヒムネさんの森に飛ばされてもいい物ってあるかな?
もしかしたら取りに行けないかもしれないから無くなってもかまわないもの……。
一番最初に作ったカップしか思いつかない……。
「これなんかどう?」
ユージさんが、手のひらに乗せて見せてくれたのは、あのピンクのポーションです!
「いっぱいあるし、一個ぐらい無くなっても問題ないから」
「うん! ありがとう。ユージさん」
ユージさんは、そっとピンクのポーションを魔法陣の上に置いた。
「じゃ、ロウさんに会いにモーグの森に行こう!」
「うん!」
私達は、ヒムネさんの森に送ってもらう為に、モーグの森に向かいます。
モーグさんにお願いし、ロウさんの元へ連れて行ってもらいました。
「二人ともこっちに戻って来たのか」
「はい。どうやら魔力は安定したようで、向こうに行けなくなってしまって。一応今日も伺う事になっていたので、運んで頂けないかと……」
「うん? それは、上手くいったという事か?」
ユージさんが説明すると、ロウさんが聞きます。それに、ユージさんは頷きました。
「しかし、彼からは何も連絡が来ていないが?」
「気づいていないのかな?」
「もしかしたら魔力は見えてないのかもね。森が枯れたからわかったとか?」
私が言うと、ユージさんがそう言います。
確かにそうなのかもしれません。
「一応、昨日魔力……呪いを押えましたと伝えたのですが」
「そうか。では、向こうにまた行って確認をしてくれるのだな? よし、足を手配しよう」
ロウさんはそう言うと、私達を運んでいや、ヒムネさんの元へ連れて行ってくれる鳥を手配してくれました。
またあの海原の上を渡り、無事ヒムネさんがいる森へとたどり着く。
「やっぱり長時間は、高所恐怖症でなくても遠慮したいね」
「うん」
ユージさんの言葉に、私は頷いた。
「二人共待っていた。元に戻したと言っていたが、どうも直ってない様だ」
「え!?」
ヒムネさんが、私達が来て早々言った言葉に私は驚いて声を上げた。
だって、ここにワープ出来なかったのに? じゃワープ出来なかった理由って、他にあるって事?
「一応、確認してみようか。板の地図出してくれる?」
「うん」
そうか。その手があったね!
時間が進めば、まだ直ってないって事です。
私は、リュックから板の地図を取り出すと、起動していなかった。
「粉を入れてみよう」
「うん」
粉にした魔石をユージさんは、板の地図に入れた。地図が浮かび上がる。
表示された時間は、カウントダウンを始める。
少なくても、アイテムに影響を与える程の魔力はない様です。
成功しているように思えるのですが?
「あの、魔力……呪いは抑えられているようです。木が元に戻るかはわかりませんが……」
ユージさんが、辺りを見渡して言いました。
「しかし、この魔法陣が均等にならないのだ! 元に戻ればそれも戻るのではないのか?」
ヒムネさんの言葉に私達は、ハッとする。
魔力を抑える事ができたけど、ヒムネさんの下にある魔法陣に供給される魔力はかわらない。つまり魔法陣の生命は、安定しないって事です!
「その事があったね!」
ユージさんも今、それに気付いた様です。
「どうしようか?」
ユージさんが、私に尋ねます。
何か本に載っていればいいのですが……。
そして、魔石でなぞり円を閉じる前に、二人で魔法陣の上に立つ。
「じゃ、ここ、宜しくね」
「はい!」
テントをたたみリュックにしまい、私達はヒムネさんがいる森へ向かった。
森は、まだ枯れたまま。そう簡単には元に戻らないよね?
ここは、森の端なので中心にいるヒムネさんの元へ向かう。
闇の刻までにヒムネさんに会いたいので、ユージさんに抱っこしてもらい走って向かいます。
ヒムネさんは、静かに木にたたずんでいました。
「あの、一応完了しました」
「本当か! さすが錬金術師! ありがとう」
「あ、でも、すぐには良くならないと思います。とりあえず明日も見に来ます」
「すまないな」
こうして私達は、部屋に戻ってきました。
☆ ☆ ☆
「やば。ワープ出来ない?!」
「どうしよう……」
私達は今、ヒムネさんの所に行こうと、紙の黒板に魔法陣を描き中央に魔石を置いて、ユージさんと私は魔法陣の上に乗り円を閉じたのですが、発動しません!
部屋に戻って来た私達は、もう闇の刻だからと休憩し、69日の光の刻にIN。ゲームの世界の時間にすると8時間程経過した事になります。
どうやらその間に、ヒムネさんがいる森が安定した様で、向こうに設置した出口の魔法陣が消費する魔力が足りない様です。
「まあ、魔力が安定したようだからいいけど、行くと言ってしまったから行った方がいいよね。ロウさんにでも頼もうか?」
「うん。……でもこれどうしようか?」
魔法陣のキャンセル方法は、本に書かれていたので知ってはいます。
魔石を入れて発動させる事。
でもこの魔法陣では、それが出来ません!
「うーん。何か魔法陣に置いておこうか? 向こうに飛ばされても大丈夫な物。キャンセルできないなら発動させるしか、今の僕達には出来ないからね」
「そっか。そうだね。何がいいかな?」
発動するまで黒板は広げっぱなしになるけど、仕方ないよね。
ヒムネさんの森に飛ばされてもいい物ってあるかな?
もしかしたら取りに行けないかもしれないから無くなってもかまわないもの……。
一番最初に作ったカップしか思いつかない……。
「これなんかどう?」
ユージさんが、手のひらに乗せて見せてくれたのは、あのピンクのポーションです!
「いっぱいあるし、一個ぐらい無くなっても問題ないから」
「うん! ありがとう。ユージさん」
ユージさんは、そっとピンクのポーションを魔法陣の上に置いた。
「じゃ、ロウさんに会いにモーグの森に行こう!」
「うん!」
私達は、ヒムネさんの森に送ってもらう為に、モーグの森に向かいます。
モーグさんにお願いし、ロウさんの元へ連れて行ってもらいました。
「二人ともこっちに戻って来たのか」
「はい。どうやら魔力は安定したようで、向こうに行けなくなってしまって。一応今日も伺う事になっていたので、運んで頂けないかと……」
「うん? それは、上手くいったという事か?」
ユージさんが説明すると、ロウさんが聞きます。それに、ユージさんは頷きました。
「しかし、彼からは何も連絡が来ていないが?」
「気づいていないのかな?」
「もしかしたら魔力は見えてないのかもね。森が枯れたからわかったとか?」
私が言うと、ユージさんがそう言います。
確かにそうなのかもしれません。
「一応、昨日魔力……呪いを押えましたと伝えたのですが」
「そうか。では、向こうにまた行って確認をしてくれるのだな? よし、足を手配しよう」
ロウさんはそう言うと、私達を運んでいや、ヒムネさんの元へ連れて行ってくれる鳥を手配してくれました。
またあの海原の上を渡り、無事ヒムネさんがいる森へとたどり着く。
「やっぱり長時間は、高所恐怖症でなくても遠慮したいね」
「うん」
ユージさんの言葉に、私は頷いた。
「二人共待っていた。元に戻したと言っていたが、どうも直ってない様だ」
「え!?」
ヒムネさんが、私達が来て早々言った言葉に私は驚いて声を上げた。
だって、ここにワープ出来なかったのに? じゃワープ出来なかった理由って、他にあるって事?
「一応、確認してみようか。板の地図出してくれる?」
「うん」
そうか。その手があったね!
時間が進めば、まだ直ってないって事です。
私は、リュックから板の地図を取り出すと、起動していなかった。
「粉を入れてみよう」
「うん」
粉にした魔石をユージさんは、板の地図に入れた。地図が浮かび上がる。
表示された時間は、カウントダウンを始める。
少なくても、アイテムに影響を与える程の魔力はない様です。
成功しているように思えるのですが?
「あの、魔力……呪いは抑えられているようです。木が元に戻るかはわかりませんが……」
ユージさんが、辺りを見渡して言いました。
「しかし、この魔法陣が均等にならないのだ! 元に戻ればそれも戻るのではないのか?」
ヒムネさんの言葉に私達は、ハッとする。
魔力を抑える事ができたけど、ヒムネさんの下にある魔法陣に供給される魔力はかわらない。つまり魔法陣の生命は、安定しないって事です!
「その事があったね!」
ユージさんも今、それに気付いた様です。
「どうしようか?」
ユージさんが、私に尋ねます。
何か本に載っていればいいのですが……。
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