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第90話~ここにもありました!
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ユージさんが、走って向かった先はモーグの森でした。ロウさんの所にでも行くつもりなのかもしれません。
「ロウさんに会いたいんだけど」
「おぅ! いいぜ。そう言えば、セイレイオウの茶番につきあってやったんだってな。お疲れさん」
「うん。まあ……」
モーグくんの言葉にユージさんは、苦笑いです。
その関係で、ロウさんの所に行くからだと思います。
「キュイー」
がし!!
「今度、ゆっくり遊ぼうぜ」
小さな手をかわいく振ってモーグくんが叫ぶので、私達はうんと頷きました。
そして、あっという間にロウさんの所に連れて行ってくれました。今回下ろされたのは地面です。ロウさんの止まり木は、まだ桜が満開です!
「まだ、咲いてた!」
ユージさんが、ホッとしたように言いました。
「何かようか?」
桜の合間から顔を出し、ロウさんが聞きます。
「あの、この桜の蜜をもらってもいいですか?」
「うん? 蜜?」
「実は、その蜜が必要で、もし僕達で採取できたら持って行ってもいいでしょうか?」
「……まあ、構いはしないが」
「ありがとうございます」
ユージさんは、軽く頭を下げた。
「ねえ、もしかしてここに養蜂場作るとか?」
私が聞くと、ユージさんは首を横に振りました。
「直接蜜を採る方法がないか、本で探してもらっていい?」
「あ、なるほど! 探してみる!」
私は早速、リュックから本を出し調べてみた。
ありました! ちょっと面倒だけど頑張ります!
「ユージさんあったよ!」
「本当? よかったぁ」
ユージさんは、胸を撫で下ろします。
「で、僕は何をすればいい?」
「あ、粘土を……」
「うーん。じゃ、ちょっとあの畑の土をもらいますか」
粘土を作るのには、土が必要ですがここは地面が岩。だから土がないと思ったのですが、ユージさんがこの前作った畑を指さしました。
ありましたね!
そういう訳で、いつも通りユージさんには、粘土作りをお願いし、私は魔法陣を描きます。これもいつも通り、粘土を作る魔法陣を描きます。
なれたもので、下書きを入れて合わせて10分程で仕上げました! もう下書きいらないかな?
今回は、桜の木が生えている地面に魔法陣を描きます。直接は難しいので、魔法陣の鏡で転写です。
これは、桜の蜜を採る魔法陣。対になるもう一つの魔法陣の入れ物に蜜を移すのです!
粘土は、その入れ物を作ります。ビンと蓋です。
今回、合わせ魔法陣というのに挑戦です。と言っても発明品ではないので、失敗はしないと思います。
ビンの様に、蓋と一緒に作らないといけない時に描く魔法陣のようです。
ビンと蓋の窯の魔法陣をその魔法陣の中に描くイメージです。
この魔法陣は、ビンと蓋をそれぞれ置いた後、魔法陣の中心に魔力を流し込めば、発動する仕組み。
ですが、ちょっとした裏技? みたいのも書いてありました。最初から中心に魔石を置いておくです。
そうすると、ビンと蓋を置いた5秒後に魔法陣が発動して、いつも通り五分後に仕上がります!
私は、ペーパー黒板に蜜を採取する魔法陣を描きます。この黒板は、不思議な事に紙なのに、広げると下がぼこぼこでもまるで板の様にまっすぐのままなのです! そこに本当に黒板があるようです。
そういう訳で、黒板に描いているとユージさんの声が聞こえます。
ビンが出来上がったようです。
そして、魔法陣が描き終わりました。すでにユージさんが、魔法陣の鏡で桜の木を円で囲ってくれています。なので、転写するだけです。
障害物があっても移せるって便利です!
後は、蜜を移す魔法陣を描くだけ。
私が描いていると、ビンを持ったユージさんが、にこにこと見学しています。その横に、人型になったロウさんも一緒に座って見学です。
何か、凄く緊張するんですが……。
そして、ようやく魔法陣が完成しました。
魔法陣にビンを置くと、桜の木の下の魔法陣とビンを置いた魔法陣に光が駆け上がりました!
私達は、ビンに近づきます。そして、私はビンを手に取ると蓋を開け覗き込みました。なんと! ピンク色の液体が!!
「これはこれは、おみごとだ」
ロウさんも覗き込んでいました。
「うん?」
「すごーい!」
「きれい……」
さあっと風が吹いた時、桜の花びらが舞ったのです!
私達はしばし、殺風景な場所にある一本の桜の花びらが舞う姿に見惚れていました。
桜は、散る時も儚げで美しいですよね。
「うん?」
「うわぁ!」
「きゃ」
って、突然の雨!
虹の刻になったようです!
私達は、桜の花びらの上を走って、ロウさんの止まり木の下に避難しました。
って、枝しかないのであまり雨をしのげませんけどね。
私は、リュックにビンをしまい、私達はロウさんにお礼を言って、ワープで部屋に戻りました。
その後、ビンをお兄さんに届けると、驚かれました。
どうやって手に入れたのかって。
よく考えれば、まだ桜は咲いていませんでした!
ポーションも私達がセイレイオウを探し出した事で、買う人はいなくなり渡したピンクの蜜で何とかなりそうです。
よかったです!
「ロウさんに会いたいんだけど」
「おぅ! いいぜ。そう言えば、セイレイオウの茶番につきあってやったんだってな。お疲れさん」
「うん。まあ……」
モーグくんの言葉にユージさんは、苦笑いです。
その関係で、ロウさんの所に行くからだと思います。
「キュイー」
がし!!
「今度、ゆっくり遊ぼうぜ」
小さな手をかわいく振ってモーグくんが叫ぶので、私達はうんと頷きました。
そして、あっという間にロウさんの所に連れて行ってくれました。今回下ろされたのは地面です。ロウさんの止まり木は、まだ桜が満開です!
「まだ、咲いてた!」
ユージさんが、ホッとしたように言いました。
「何かようか?」
桜の合間から顔を出し、ロウさんが聞きます。
「あの、この桜の蜜をもらってもいいですか?」
「うん? 蜜?」
「実は、その蜜が必要で、もし僕達で採取できたら持って行ってもいいでしょうか?」
「……まあ、構いはしないが」
「ありがとうございます」
ユージさんは、軽く頭を下げた。
「ねえ、もしかしてここに養蜂場作るとか?」
私が聞くと、ユージさんは首を横に振りました。
「直接蜜を採る方法がないか、本で探してもらっていい?」
「あ、なるほど! 探してみる!」
私は早速、リュックから本を出し調べてみた。
ありました! ちょっと面倒だけど頑張ります!
「ユージさんあったよ!」
「本当? よかったぁ」
ユージさんは、胸を撫で下ろします。
「で、僕は何をすればいい?」
「あ、粘土を……」
「うーん。じゃ、ちょっとあの畑の土をもらいますか」
粘土を作るのには、土が必要ですがここは地面が岩。だから土がないと思ったのですが、ユージさんがこの前作った畑を指さしました。
ありましたね!
そういう訳で、いつも通りユージさんには、粘土作りをお願いし、私は魔法陣を描きます。これもいつも通り、粘土を作る魔法陣を描きます。
なれたもので、下書きを入れて合わせて10分程で仕上げました! もう下書きいらないかな?
今回は、桜の木が生えている地面に魔法陣を描きます。直接は難しいので、魔法陣の鏡で転写です。
これは、桜の蜜を採る魔法陣。対になるもう一つの魔法陣の入れ物に蜜を移すのです!
粘土は、その入れ物を作ります。ビンと蓋です。
今回、合わせ魔法陣というのに挑戦です。と言っても発明品ではないので、失敗はしないと思います。
ビンの様に、蓋と一緒に作らないといけない時に描く魔法陣のようです。
ビンと蓋の窯の魔法陣をその魔法陣の中に描くイメージです。
この魔法陣は、ビンと蓋をそれぞれ置いた後、魔法陣の中心に魔力を流し込めば、発動する仕組み。
ですが、ちょっとした裏技? みたいのも書いてありました。最初から中心に魔石を置いておくです。
そうすると、ビンと蓋を置いた5秒後に魔法陣が発動して、いつも通り五分後に仕上がります!
私は、ペーパー黒板に蜜を採取する魔法陣を描きます。この黒板は、不思議な事に紙なのに、広げると下がぼこぼこでもまるで板の様にまっすぐのままなのです! そこに本当に黒板があるようです。
そういう訳で、黒板に描いているとユージさんの声が聞こえます。
ビンが出来上がったようです。
そして、魔法陣が描き終わりました。すでにユージさんが、魔法陣の鏡で桜の木を円で囲ってくれています。なので、転写するだけです。
障害物があっても移せるって便利です!
後は、蜜を移す魔法陣を描くだけ。
私が描いていると、ビンを持ったユージさんが、にこにこと見学しています。その横に、人型になったロウさんも一緒に座って見学です。
何か、凄く緊張するんですが……。
そして、ようやく魔法陣が完成しました。
魔法陣にビンを置くと、桜の木の下の魔法陣とビンを置いた魔法陣に光が駆け上がりました!
私達は、ビンに近づきます。そして、私はビンを手に取ると蓋を開け覗き込みました。なんと! ピンク色の液体が!!
「これはこれは、おみごとだ」
ロウさんも覗き込んでいました。
「うん?」
「すごーい!」
「きれい……」
さあっと風が吹いた時、桜の花びらが舞ったのです!
私達はしばし、殺風景な場所にある一本の桜の花びらが舞う姿に見惚れていました。
桜は、散る時も儚げで美しいですよね。
「うん?」
「うわぁ!」
「きゃ」
って、突然の雨!
虹の刻になったようです!
私達は、桜の花びらの上を走って、ロウさんの止まり木の下に避難しました。
って、枝しかないのであまり雨をしのげませんけどね。
私は、リュックにビンをしまい、私達はロウさんにお礼を言って、ワープで部屋に戻りました。
その後、ビンをお兄さんに届けると、驚かれました。
どうやって手に入れたのかって。
よく考えれば、まだ桜は咲いていませんでした!
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