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第75話~ポイントをゲットしよう!
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ユージさんが、せっせと敷き詰めたカカヲ鉱石の粉は、全体の十分の一程度にしかならなかった。
「思ったより狭いね」
「うーん。でも10個ぐらいはいっぺんに植えつけ出来ると思うよ。僕、ちょっとクワを借りて来るから待ってて」
「うん」
駆け足でライマルさんに借りに行く。
10分ぐらいでユージさんはクワを手に戻って来た。クワ以外にも何か借りたみたいで、柵の外側に置く。それは、棒みたい。
ユージさんは、クワを手に農作業を始める。
敷き詰めたカカヲ鉱石の粉を土ごとおこす。
ユージさんが、生き生きとしているように見えます。
私はそれを体育座りして立てた膝に肘をのせ、手のひらに顔を乗せて頬杖をつきながら見入っていた。
やっぱりカッコいい。
農作業しているはずなのに……。しかも、ライオンなのに……。
ユージさんがいつも嬉しそうに見学しているのを少しはわかった気がします。見ていて飽きないです!
「ふう。終わった~」
「お疲れ様」
30分程で作業が終わった。私は立ち上がり労う。
「後は種植えだね。でも大抵の作物は、実がなるのに三日かかるんだよね。品種改良して、また三日。確か早熟肥料がポイントで交換出来たよね。それを使えば1日で実がなるんだよね」
そうユージさんは言った。
多分肥料を使いたいって事何だろうけど。
その為には、カカヲ鉱石を発掘しなくてはいけない。重さでポイントが決まるらしいけど、粉にした分と同じだけ持って行くとポイントがいくらもらえるのかな?
「発掘して肥料と交換してみる?」
「いい? わがまま言ってごめんね」
「我が儘だなんて! 畑仕事出来ないし、それで肥料と交換できるならやりましょう!」
私達は頷き合い、迷宮に向かった。
そうそうこの迷宮の場所は、イベントが終わるまで地図には載せない。って、イベントが終わったら消えちゃうかもしれないけどね。
迷宮はここから近い。近いと言っても一時間かかる。
カカヲ鉱石の発掘は、前と同じく八時間ぶっ通しで行った。軍手を使って掘っているので、ごろごろと見つかる。だから結構楽しい。
この世界では、どんなに作業してもスタミナが枯渇しないかぎり、疲労感は感じない仕様なので疲労困憊もない。
思ったけど私、こういう単純作業あっているのかも。
発掘が終わったのが、暮れの時刻だった。
私はずっと迷宮内いたから気が付かなかったけど、雨の中、ユージさんは鉱石チェックをしてくれていた。
今回も袋100個分。これがどれくらいのポイントになるのか。
「あと30分程で、闇の刻だから交換したら、今日は部屋でログアウトしようか」
「うん。そうだね!」
私達はワープして部屋に戻り、リュックを置いて、頑張ってカウンターまで持って行った! 一回じゃ運びきれなかった!
考えてなかったのです! 普段はリュックで運んでいたから。でもまさか、リュックに入りきらない物をリュックから出す訳にはいかない。
次からは何か考えないと……。
カウンターの人に言って、置き場所を確保して私は列に並び、ユージさんが何度も部屋を往復して持って来てくれました。
「君達は、何をやらせても規格外だね!」
カウンターのお兄さんの言葉です。たぶん、褒め言葉。
「で、ポイントいくらになりそう? 僕達早熟肥料がほしんだよね」
「え?! 畑ないとそれ、意味ないけど大丈夫?」
ユージさんの言葉にお兄さんは驚いて返して来た。
鉱石を交換したのは、今回が初めて。だから畑をポイント交換していないのは、明らかです。驚くのも無理ないかな。
「うん。まぁ……」
ユージさんも言わなかった方がよかったかなという顔つきです。
結構、根掘り葉掘り聞く人だから身構えてしまいます。
「って、二人で三日でこの量って凄いね? どこの迷宮?」
そっちを聞きますか!
教えてしまって人が来たら軍手が使えません!
なのでノーコメントです!
「それは、秘密。ほら後ろの人が睨んでるから、交換宜しく!」
ユージさんが、そう言って何とか誤魔化す。
まあ、教えた所で、あそこまではきっと来れる人は、そうそういないと思うけどね。
「はい。処理終わったよ。タブレットで確認して。申し込みもタブレットで宜しく」
そうお兄さんは言って、ポイントは教えてくれなかった。
まあ戻って確認すれば、わかる事だけどね。
「よう。お二人さん、久しぶりだな」
部屋に戻ろうと通路を歩いていると、後ろから声が駆けられ振り向くと、ラキガさんとミケさんです。
「あ、お久しぶりです」
ユージさんは、一応そう挨拶を返した。
「おたくら相変わらず、凄いのな。なあ、よしみでどこの迷宮で掘った教えてくれないか? 今度お礼はするからよ」
「モーグの森のずっと奥」
え?!
ユージさんは素直に教えた。
「本当か?」
余りにも素直に教えてくれたから嘘かもと思い、私に確認をしてくる。
私も素直に頷いた。
正確には違うけど、モーグの森を抜けてさらにずっとさき。
「君達が、モーグの森を抜けられるのなら探すといいよ」
そう付け加えて、ユージさんは部屋へ向かっていく。私の手を引いて!!
ユージさんがあんな事言ったから怒っているのではないかと、チラッと様子を伺えば二人には怒ってる様子はなかった。
どちらかというと、諦めたっぽい顔つきです。
「思ったより狭いね」
「うーん。でも10個ぐらいはいっぺんに植えつけ出来ると思うよ。僕、ちょっとクワを借りて来るから待ってて」
「うん」
駆け足でライマルさんに借りに行く。
10分ぐらいでユージさんはクワを手に戻って来た。クワ以外にも何か借りたみたいで、柵の外側に置く。それは、棒みたい。
ユージさんは、クワを手に農作業を始める。
敷き詰めたカカヲ鉱石の粉を土ごとおこす。
ユージさんが、生き生きとしているように見えます。
私はそれを体育座りして立てた膝に肘をのせ、手のひらに顔を乗せて頬杖をつきながら見入っていた。
やっぱりカッコいい。
農作業しているはずなのに……。しかも、ライオンなのに……。
ユージさんがいつも嬉しそうに見学しているのを少しはわかった気がします。見ていて飽きないです!
「ふう。終わった~」
「お疲れ様」
30分程で作業が終わった。私は立ち上がり労う。
「後は種植えだね。でも大抵の作物は、実がなるのに三日かかるんだよね。品種改良して、また三日。確か早熟肥料がポイントで交換出来たよね。それを使えば1日で実がなるんだよね」
そうユージさんは言った。
多分肥料を使いたいって事何だろうけど。
その為には、カカヲ鉱石を発掘しなくてはいけない。重さでポイントが決まるらしいけど、粉にした分と同じだけ持って行くとポイントがいくらもらえるのかな?
「発掘して肥料と交換してみる?」
「いい? わがまま言ってごめんね」
「我が儘だなんて! 畑仕事出来ないし、それで肥料と交換できるならやりましょう!」
私達は頷き合い、迷宮に向かった。
そうそうこの迷宮の場所は、イベントが終わるまで地図には載せない。って、イベントが終わったら消えちゃうかもしれないけどね。
迷宮はここから近い。近いと言っても一時間かかる。
カカヲ鉱石の発掘は、前と同じく八時間ぶっ通しで行った。軍手を使って掘っているので、ごろごろと見つかる。だから結構楽しい。
この世界では、どんなに作業してもスタミナが枯渇しないかぎり、疲労感は感じない仕様なので疲労困憊もない。
思ったけど私、こういう単純作業あっているのかも。
発掘が終わったのが、暮れの時刻だった。
私はずっと迷宮内いたから気が付かなかったけど、雨の中、ユージさんは鉱石チェックをしてくれていた。
今回も袋100個分。これがどれくらいのポイントになるのか。
「あと30分程で、闇の刻だから交換したら、今日は部屋でログアウトしようか」
「うん。そうだね!」
私達はワープして部屋に戻り、リュックを置いて、頑張ってカウンターまで持って行った! 一回じゃ運びきれなかった!
考えてなかったのです! 普段はリュックで運んでいたから。でもまさか、リュックに入りきらない物をリュックから出す訳にはいかない。
次からは何か考えないと……。
カウンターの人に言って、置き場所を確保して私は列に並び、ユージさんが何度も部屋を往復して持って来てくれました。
「君達は、何をやらせても規格外だね!」
カウンターのお兄さんの言葉です。たぶん、褒め言葉。
「で、ポイントいくらになりそう? 僕達早熟肥料がほしんだよね」
「え?! 畑ないとそれ、意味ないけど大丈夫?」
ユージさんの言葉にお兄さんは驚いて返して来た。
鉱石を交換したのは、今回が初めて。だから畑をポイント交換していないのは、明らかです。驚くのも無理ないかな。
「うん。まぁ……」
ユージさんも言わなかった方がよかったかなという顔つきです。
結構、根掘り葉掘り聞く人だから身構えてしまいます。
「って、二人で三日でこの量って凄いね? どこの迷宮?」
そっちを聞きますか!
教えてしまって人が来たら軍手が使えません!
なのでノーコメントです!
「それは、秘密。ほら後ろの人が睨んでるから、交換宜しく!」
ユージさんが、そう言って何とか誤魔化す。
まあ、教えた所で、あそこまではきっと来れる人は、そうそういないと思うけどね。
「はい。処理終わったよ。タブレットで確認して。申し込みもタブレットで宜しく」
そうお兄さんは言って、ポイントは教えてくれなかった。
まあ戻って確認すれば、わかる事だけどね。
「よう。お二人さん、久しぶりだな」
部屋に戻ろうと通路を歩いていると、後ろから声が駆けられ振り向くと、ラキガさんとミケさんです。
「あ、お久しぶりです」
ユージさんは、一応そう挨拶を返した。
「おたくら相変わらず、凄いのな。なあ、よしみでどこの迷宮で掘った教えてくれないか? 今度お礼はするからよ」
「モーグの森のずっと奥」
え?!
ユージさんは素直に教えた。
「本当か?」
余りにも素直に教えてくれたから嘘かもと思い、私に確認をしてくる。
私も素直に頷いた。
正確には違うけど、モーグの森を抜けてさらにずっとさき。
「君達が、モーグの森を抜けられるのなら探すといいよ」
そう付け加えて、ユージさんは部屋へ向かっていく。私の手を引いて!!
ユージさんがあんな事言ったから怒っているのではないかと、チラッと様子を伺えば二人には怒ってる様子はなかった。
どちらかというと、諦めたっぽい顔つきです。
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