上 下
57 / 116

第56話~トレジャーハンター

しおりを挟む
 二人のケモミミは本当に偽物だった。って島の外でファッションとして、ケモミミが装備品として売っているなんて思わなかったわ!

 「経緯はわかったよ。でもケモミミがないと、宝玉は手に入らない。ケモミミを渡さないと、ここでHPゼロになって死亡になるけど……」

 ユージさんが、語ってくれたタイチさんに言う。

 「でもこれないと、船に乗れない! ケモミミ族じゃないとバレる!」

 「僕にそう言われても……。ていうか、死亡したくないって事はこの島で、他に手に入れた物があるって事?」

 ユージさんの質問にタイチさんは、首を横に振った。

 「俺達、もう200回は死亡しているんだ。だからペナルティーがハンパない……」

 200回!? そんなに……。そっか次がもし201回目なら2010ずつステータスの数値が減るのね! 確かにそれは避けたいかも。

 「だったら素直にケモミミを出してよ。この島にはケモミミの装備品なんて売ってないからさ」

 ユージさんにそう言われ、タイチさんは項垂れる。

 それにしても島の外って死亡率高いんだね。私達は崖から落ちてだから不注意で死亡したのしかないけど……。

 「島の外って、そんな簡単に死亡しちゃうんだね」

 「俺達トレジャーハンターの装備品って、あまり防御力ないから、逃げ遅れれば即死亡なんだ。死亡すれば、ステータスにポイント振りをしないといけないし。だからこの島は、トレジャーハンターの憧れの島なんだ」

 そう言ったタイチさんは溜息をついた。

 「それなのにこれってない……。モンスターいないんじゃなかったのか!?」

 そんな事私達に言われても。多分、フクロウとかモグラさんはモンスターではないと思うけどね。

 「彼らはモンスターじゃないよ。兎に角時間がない。耳の事は何か作戦を考えるからそれくれないか?」

 「はい……」

 ユージさんが言うと、観念したようにケモミミを頭から外しました。それはカチューシャでした! でもさっきまでケモミミしか見えなかったのに……。

 「それ魔力を注いで頭に付けると、ちゃんと頭にフィットしてケモミミだけ見えるようになるから。あぁ、高かったのに……」

 そういうカラクリだったのね。

 「ごめん。取りあえずまだやる事あるから、君の耳の事はその後で」

 ユージさんが受け取ったカチューシャを握りしめそう言った。

 「戻ろう。これ光らせないといけないし」

 ユージさんは、私に振り向いて言った。
 そうでした! これから光らせないといけないんだった! でもそれを光らせる物ってあるのかな?

 私達はまた、ガシッと鷲掴みされて運ばれました――。


 直ぐに本で光らせる物を検索すると、光る塗料というのを見つけました!

 なんと! ビンと筆もセットなんです!
 というか、まずビンを作らなくてはなりません! これってどうやって作るの?

 まあいいや。取りあえず、粘土作りをしましょう!

 私が魔法陣を描き始めると、何も言わなくてもユージさんは、土をかき集め始めました。描き終わるとその中に、魔石を混ぜた土を置いてくれて粘土の完成です!

 「で、今回は何を作るの?」

 「発明品で光る塗料を作るんだけど、一番厄介なのはビン……。私に作れるかな?」

 「大丈夫だよ。カップを作ったように下の部分から作って行けば」

 「あぁ。なるほど!」

 私は、中をくり抜かないといけないと思っていました……。そうよね! そうやって作るわよね、普通は。

 「僕、他にする事あるかな?」

 「あ、そうだ! 今回筆も作れるから、筆の先になる細い草みたいのを集めて欲しいの!」

 「了解!」

 こうして私はビンをユージさんは細い草集めをする事になりました。

 思ったより簡単にビンは出来上がりました。いやもう液体が入ればと思って作りました……。だからちょっと太めのビンになりました……。

 窯の魔法陣を描き、ビンを置きます。後は出来上がるのを待つだけです!
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

傭兵アルバの放浪記

有馬円
ファンタジー
変わり者の傭兵アルバ、誰も詳しくはこの人間のことを知りません。 アルバはずーっと傭兵で生きてきました。 あんまり考えたこともありません。 でも何をしても何をされても生き残ることが人生の目標です。 ただそれだけですがアルバはそれなりに必死に生きています。 そんな人生の一幕

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武
ファンタジー
今よりも科学が発達した世界、そんな世界にVRMMOが登場した。 Every Holiday Online 休みを謳歌できるこのゲームを、俺たち家族全員が始めることになった。 最初のチュートリアルの時、俺は一つの願いを言った――そしたらステータスは最弱、スキルの大半はエラー状態!? ゲーム開始地点は誰もいない無人の星、あるのは求めて手に入れた生産特化のスキル――:DIY:。 はたして、俺はこのゲームで大車輪ができるのか!? (大切) 1話約1000文字です 01章――バトル無し・下準備回 02章――冒険の始まり・死に続ける 03章――『超越者』・騎士の国へ 04章――森の守護獣・イベント参加 05章――ダンジョン・未知との遭遇 06章──仙人の街・帝国の進撃 07章──強さを求めて・錬金の王 08章──魔族の侵略・魔王との邂逅 09章──匠天の証明・眠る機械龍 10章──東の果てへ・物ノ怪の巫女 11章──アンヤク・封じられし人形 12章──獣人の都・蔓延る闘争 13章──当千の試練・機械仕掛けの不死者 14章──天の集い・北の果て 15章──刀の王様・眠れる妖精 16章──腕輪祭り・悪鬼騒動 17章──幽源の世界・侵略者の侵蝕 18章──タコヤキ作り・幽魔と霊王 19章──剋服の試練・ギルド問題 20章──五州騒動・迷宮イベント 21章──VS戦乙女・就職活動 22章──休日開放・家族冒険 23章──千■万■・■■の主(予定) タイトル通りになるのは二章以降となります、予めご了承を。

ボッチの少女は、精霊の加護をもらいました

星名 七緒
ファンタジー
身寄りのない少女が、異世界に飛ばされてしまいます。異世界でいろいろな人と出会い、料理を通して交流していくお話です。異世界で幸せを探して、がんばって生きていきます。

幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない… そんな中、夢の中の本を読むと、、、

World of Fantasia

神代 コウ
ファンタジー
ゲームでファンタジーをするのではなく、人がファンタジーできる世界、それがWorld of Fantasia(ワールド オブ ファンタジア)通称WoF。 世界のアクティブユーザー数が3000万人を超える人気VR MMO RPG。 圧倒的な自由度と多彩なクラス、そして成長し続けるNPC達のAI技術。 そこにはまるでファンタジーの世界で、新たな人生を送っているかのような感覚にすらなる魅力がある。 現実の世界で迷い・躓き・無駄な時間を過ごしてきた慎(しん)はゲーム中、あるバグに遭遇し気絶してしまう。彼はゲームの世界と現実の世界を行き来できるようになっていた。 2つの世界を行き来できる人物を狙う者。現実の世界に現れるゲームのモンスター。 世界的人気作WoFに起きている問題を探る、ユーザー達のファンタジア、ここに開演。

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

ReBirth 上位世界から下位世界へ

小林誉
ファンタジー
ある日帰宅途中にマンホールに落ちた男。気がつくと見知らぬ部屋に居て、世界間のシステムを名乗る声に死を告げられる。そして『あなたが落ちたのは下位世界に繋がる穴です』と説明された。この世に現れる天才奇才の一部は、今のあなたと同様に上位世界から落ちてきた者達だと。下位世界に転生できる機会を得た男に、どのような世界や環境を希望するのか質問される。男が出した答えとは―― ※この小説の主人公は聖人君子ではありません。正義の味方のつもりもありません。勝つためならどんな手でも使い、売られた喧嘩は買う人物です。他人より仲間を最優先し、面倒な事が嫌いです。これはそんな、少しずるい男の物語。 1~4巻発売中です。

処理中です...