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第45話~また彷徨う私達
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「あったぁ! いいのあったよ!」
珍しくユージさんが大きな喜びの声を上げました。
何があったんだろうと、いつもの如くユージさんの膝の上に座っていた私はタブレットを覗きこむ。
そこには、ペーパー黒板とありました。
大型と小型があり、大型は一畳分で小型はA4サイズ。紙なので軽くて持ち運びが便利。黒板なのでチョークで書くようなのですが、そのチョークがマジカルチョーク。魔力を注ぐと半永久的に使えるそうです。
チョークは勿論発明品ですが、黒板も発明品らしい。黒板にも魔力を注がないと使えないみたい。
「わぁ、面白発想だね。黒板って固いイメージだけど。紙なんだ……」
「うん。これなら持ち運べるし。大きいのあれば、どこでも書き放題! まあ問題と言えば、★が四つ必要な事だよね」
私は頷く。
ユージさんが言う通り、あれば便利だし★が欲しいところ。地図製作を三つこなすしかないよね。
「じゃ、地図作製受けてやりましょう!」
「そうする? じゃ、いっぺんに二つ受けちゃう?」
「二つ? 三つ必要だよね?」
私がそう聞くとユージさんは頷き――
「最大メンバー人数までしか一緒に受けられないみたいなんだよね。だから二つまで」
と言った。
そうだったんだ……。
という事は、二回に分けて受けるって事だよね? じゃまずは一つがいいかな。
「私、今日の夜にはログアウトするから一つだけ受けて、INしてから二つ受けない? その方が多分、中途半端にならないと思うんだけど」
「そうだね。その方がいいかも。じゃそういう事で……これでいい?」
「うん」
私達は地図製作を請け負い、★一つゲットしてからログアウトしました。
☆ ☆ ☆
私はユージさんの背中をギュッと掴み、腰ぐらいまである草の中を歩いています。はっきり言って真っ暗です!
木の枝も伸び、上だけじゃなく横にも伸びたらしく、枝と枝が絡まり枝の屋根が出来上がっています。その為昼間なのに真っ暗。足元も凄いし……腰に付けた鉱石の光だけが頼りです。
今日はゲーム内16日。INして直ぐに二つ地図作製を請け負いました。一つ請け負ったらその奥のも表示されたので続きで受けたのです。
この区域だけ、あまり地図作製がはかどってないなとは思ったんだけど、まさかこんなところだったとは!
「ソレイユさん。大丈夫? 抱っこしようか?」
「大丈夫です!」
チラッとこっちを見ながらユージさんは聞いてきたのですが、その顔が何故かほころんでいます。
「いや、一生懸命だなぁって。微笑ましい……」
何も聞いていないのにユージさんはそう言った。
やっぱりそういう事を思っていたのね! もう慣れましたけど……。
「ところでソレイユさん。この森変かも」
板の地図を見ながらユージさんが言った。
ユージさんが板の地図で確認しながら、私が作成用の地図に書き込んでいます。
「変って何が?」
「さっきからコンパスが回転するんだよね」
「うん?」
コンパスが回転の意味がわかんない。
「つまり僕達ぐるってその場で向きが変わってるみたいなんだ。東に進んでいたはずなのに、フッと気が付くと南に進んでいて……」
「え!?」
地図は常に北が上に表示され、コンパスも北を指すので、自分達が北を向いていれば上を南を向いていれば下を指す。
「ここってあれかな……迷いの森みたいな」
「え!? 迷いの森!」
ユージさんは、頷く。
「それか先に進めないような結界的なモノがあるのか。どうしようか? 板の地図を頼りに強引に進む? でもこれ、地図作ってもコンパスがないとかなり大変だろうね。いやあっても迷子になりそう……」
確かにそうかも。私達は板の地図のお蔭で位置を把握できるけど、地図があったとしても自分の位置を見失えば、この森を抜ける事は出来ない。
「あぁ僕達、またやっちゃったかもね。ここだけ全然進んでないの変に思わないといけなかったのに……」
「……そうだけど、まさかこういう理由だなんて思いつかないし。地図持ってるから大丈夫だと思ったし……」
連続で奥も引き受けてしまったし、どうしたらいいのか……。
「理由探る?」
「理由?」
「うん。どうしてこういう状態なのか。……なんとなく面白そう」
「………」
面白そうって。まあいざとなれば、ワープっていう方法もあるからいいけど。
「それにこの地図を完成させるのにあたって、やっておいたほうがいいと思う。もしかしたら、普通の森になるかもしれないでしょう? じゃないと、板の地図の存在がバレるかも……」
「あ、なるほど。迷わず進める方法がそれぐらいしかないのね!」
ユージさんは頷いた。
板の地図の存在はバレたらいけないんだもんね。
……それに、私も段々面白そうかもって思ってきました! 誰も解けなかった謎を解く!
「やりましょう!」
「そうこなくちゃ!」
私達は頷き合いました!
珍しくユージさんが大きな喜びの声を上げました。
何があったんだろうと、いつもの如くユージさんの膝の上に座っていた私はタブレットを覗きこむ。
そこには、ペーパー黒板とありました。
大型と小型があり、大型は一畳分で小型はA4サイズ。紙なので軽くて持ち運びが便利。黒板なのでチョークで書くようなのですが、そのチョークがマジカルチョーク。魔力を注ぐと半永久的に使えるそうです。
チョークは勿論発明品ですが、黒板も発明品らしい。黒板にも魔力を注がないと使えないみたい。
「わぁ、面白発想だね。黒板って固いイメージだけど。紙なんだ……」
「うん。これなら持ち運べるし。大きいのあれば、どこでも書き放題! まあ問題と言えば、★が四つ必要な事だよね」
私は頷く。
ユージさんが言う通り、あれば便利だし★が欲しいところ。地図製作を三つこなすしかないよね。
「じゃ、地図作製受けてやりましょう!」
「そうする? じゃ、いっぺんに二つ受けちゃう?」
「二つ? 三つ必要だよね?」
私がそう聞くとユージさんは頷き――
「最大メンバー人数までしか一緒に受けられないみたいなんだよね。だから二つまで」
と言った。
そうだったんだ……。
という事は、二回に分けて受けるって事だよね? じゃまずは一つがいいかな。
「私、今日の夜にはログアウトするから一つだけ受けて、INしてから二つ受けない? その方が多分、中途半端にならないと思うんだけど」
「そうだね。その方がいいかも。じゃそういう事で……これでいい?」
「うん」
私達は地図製作を請け負い、★一つゲットしてからログアウトしました。
☆ ☆ ☆
私はユージさんの背中をギュッと掴み、腰ぐらいまである草の中を歩いています。はっきり言って真っ暗です!
木の枝も伸び、上だけじゃなく横にも伸びたらしく、枝と枝が絡まり枝の屋根が出来上がっています。その為昼間なのに真っ暗。足元も凄いし……腰に付けた鉱石の光だけが頼りです。
今日はゲーム内16日。INして直ぐに二つ地図作製を請け負いました。一つ請け負ったらその奥のも表示されたので続きで受けたのです。
この区域だけ、あまり地図作製がはかどってないなとは思ったんだけど、まさかこんなところだったとは!
「ソレイユさん。大丈夫? 抱っこしようか?」
「大丈夫です!」
チラッとこっちを見ながらユージさんは聞いてきたのですが、その顔が何故かほころんでいます。
「いや、一生懸命だなぁって。微笑ましい……」
何も聞いていないのにユージさんはそう言った。
やっぱりそういう事を思っていたのね! もう慣れましたけど……。
「ところでソレイユさん。この森変かも」
板の地図を見ながらユージさんが言った。
ユージさんが板の地図で確認しながら、私が作成用の地図に書き込んでいます。
「変って何が?」
「さっきからコンパスが回転するんだよね」
「うん?」
コンパスが回転の意味がわかんない。
「つまり僕達ぐるってその場で向きが変わってるみたいなんだ。東に進んでいたはずなのに、フッと気が付くと南に進んでいて……」
「え!?」
地図は常に北が上に表示され、コンパスも北を指すので、自分達が北を向いていれば上を南を向いていれば下を指す。
「ここってあれかな……迷いの森みたいな」
「え!? 迷いの森!」
ユージさんは、頷く。
「それか先に進めないような結界的なモノがあるのか。どうしようか? 板の地図を頼りに強引に進む? でもこれ、地図作ってもコンパスがないとかなり大変だろうね。いやあっても迷子になりそう……」
確かにそうかも。私達は板の地図のお蔭で位置を把握できるけど、地図があったとしても自分の位置を見失えば、この森を抜ける事は出来ない。
「あぁ僕達、またやっちゃったかもね。ここだけ全然進んでないの変に思わないといけなかったのに……」
「……そうだけど、まさかこういう理由だなんて思いつかないし。地図持ってるから大丈夫だと思ったし……」
連続で奥も引き受けてしまったし、どうしたらいいのか……。
「理由探る?」
「理由?」
「うん。どうしてこういう状態なのか。……なんとなく面白そう」
「………」
面白そうって。まあいざとなれば、ワープっていう方法もあるからいいけど。
「それにこの地図を完成させるのにあたって、やっておいたほうがいいと思う。もしかしたら、普通の森になるかもしれないでしょう? じゃないと、板の地図の存在がバレるかも……」
「あ、なるほど。迷わず進める方法がそれぐらいしかないのね!」
ユージさんは頷いた。
板の地図の存在はバレたらいけないんだもんね。
……それに、私も段々面白そうかもって思ってきました! 誰も解けなかった謎を解く!
「やりましょう!」
「そうこなくちゃ!」
私達は頷き合いました!
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