28 / 116
第28話~重すぎです!
しおりを挟む
私とユージさんは、洞窟の入り口の壁によしかかって座っていた。私は本とにらめっこ。
森に戻った所で自分の居場所が把握できなければ、どうしようもないという事で、どうにかしてコンパスを活用できないかと本から探す事にした。
暫くして、とうとう見つけました!
コンパスと地図が連動した物を! でも私達は残念ながら地図を作る為に渡された紙しか持ち合わせていません。そこで紙に変わる板を作る事にしました。
粘土を平たく伸ばすだけなんですけどね……。
問題は魔石を粉にしなくてはいけなくて……。そこで、握力に経験値を全部振ろうかと思います。後はあの布を使ってみるのです。
「ねえ、ユージさん。地図とコンパスが一緒になったアイテムを発見したんだけど……」
「え?! すご!」
「……でも問題があってね。魔石を粉にしなくちゃいけなくて。経験値全部握力に振ってもいいよね?」
「う~ん。構いはしないけど……因みに今いくつ?」
「えっと、さっき減っちゃったから40かな……」
ユージさんは眉を顰める。
「ねえ、あの布を使うんだよね? それ僕でも使えるのかな?」
そっか! 砕くのは自分でしなくてもいいのね!
「お父さんのおさがりだから誰でも使えると思うわ!」
私はリュックから布を取り出した。そして、魔石を包んでユージさんに渡す。それを受け取ったユージさんは、ギュッと握った。
「硬いね……。砕けないや。握力は君の十倍はあるんだけど……」
「十倍!」
私の十倍あって砕けないんだったら、私が握力を増やしてやっても砕けなかったよね。ユージさんに試してもらってよかった……。
さて、魔石を粉にする方法を考えなくては……。
「困ったね。粉にさえ出来ればいいんだよね?」
私は頷く。
「本に方法がないか見てみるね!」
◇ ◇ ◇
「あった!」
もう一度見直してみると、なんと魔石専用の『ひき臼』を見つけた!
「よかったぁ!」
「兎に角作ってみるわ!」
私は川の近くに落ちていた石を使って下書きの魔法陣を描く。まず粘土を作る魔法陣を描いた。
ユージさんは、軍手をはめて土を集めて、魔石入りの水と混ぜて粘土の下地作り。
魔法陣が出来上がるとユージさんが、土を魔法陣の中に入れてくれた。そして粘土の出来上がり!
今度はひき臼を作るための窯の魔法陣を描く。パーツごとなので三つ必要なのです。面倒というか大変です。
ユージさんにはうす作りをしてもらう。本が見れないユージさんにもわかりやすくお願いする。
「コースターぐらいの大きさで一つは3センチ、もう一つは10センチぐらい厚みがある円を作って欲しい。細かい所は私が作るので。あとストローみたいな棒もお願いします」
「小さいね!」
臼と聞いていたので、作る大きさが小さく驚いている様子です。
「それにしてもこの粘土って凄いね。地面に置いて作成しているのに、砂とかが全くくっつかないよ」
「本当だ!」
言われるまで気づかなかったけど、私がやった時もそうだったかも。って、これ自体魔具みたいなものですよね!
それから一時間半ぐらいかけて魔法陣が完成する。大きな円の中に三つの窯の魔法陣。勿論外側の円も魔法陣なので、模様が描かれている。
腕がだるくならない仕様でよかった。でも精神的に疲れてます。
「すごいね。よく描いたよ。お疲れ様。後は乗せるだけだね。乗せるのは僕がやるから君は休んでいなよ」
ユージさんが作ってくれた粘土の円に、窪みなどの細かい直しを入れた粘土を三つの魔法陣の中に置いた。これも五分で出来上がるはず。
そして五分後、小さなカワイイひき臼が出来上がった! 不思議な事にちゃんと組み立てられて臼としてそこにあった。
「わー。すごーい。……あれ?」
出来上がった臼を持とうとするが持ち上がらない。なんで?
「どうしたの?」
ユージさんも私の行動を不思議に思ったようです。
「持てない……」
「持てない?」
どれとユージさんが臼を持ち上げた!
「もしかしてこれ、小さいけど凄く重いんじゃない? プレイヤーが持てる重さって、スタミナの半分って聞いた事ある。グラム換算。だから2,000で1キロ持てる計算」
そうだったの! 持てる重さに制限があったんだ。知らなかった!
慌てて私は本を見た。そこには重量に注意と書いてあった。重さは100キロと書いてあった。
重すぎでしょ! 私の今のVITって7000ぐらいだよ? これを半分だと4キロも持てません。最初のスタミナがわからないけど、どう考えても私が持てるの5キロが限度。
「100キロだって……」
「100キロ! これ持って歩く物じゃないよ。これ持って歩いたらすぐにスタミナ切れだよきっと……」
そういうものなのですね! 確かにリアルでもそんな重たい物を持って歩いたらすぐにへばっちゃうけど……。
「もったいないけど、ここで魔石を出来るだけ粉にして持っていくしかないね」
こればかりは仕方ないよね。
私はユージさんの意見に頷いた。
森に戻った所で自分の居場所が把握できなければ、どうしようもないという事で、どうにかしてコンパスを活用できないかと本から探す事にした。
暫くして、とうとう見つけました!
コンパスと地図が連動した物を! でも私達は残念ながら地図を作る為に渡された紙しか持ち合わせていません。そこで紙に変わる板を作る事にしました。
粘土を平たく伸ばすだけなんですけどね……。
問題は魔石を粉にしなくてはいけなくて……。そこで、握力に経験値を全部振ろうかと思います。後はあの布を使ってみるのです。
「ねえ、ユージさん。地図とコンパスが一緒になったアイテムを発見したんだけど……」
「え?! すご!」
「……でも問題があってね。魔石を粉にしなくちゃいけなくて。経験値全部握力に振ってもいいよね?」
「う~ん。構いはしないけど……因みに今いくつ?」
「えっと、さっき減っちゃったから40かな……」
ユージさんは眉を顰める。
「ねえ、あの布を使うんだよね? それ僕でも使えるのかな?」
そっか! 砕くのは自分でしなくてもいいのね!
「お父さんのおさがりだから誰でも使えると思うわ!」
私はリュックから布を取り出した。そして、魔石を包んでユージさんに渡す。それを受け取ったユージさんは、ギュッと握った。
「硬いね……。砕けないや。握力は君の十倍はあるんだけど……」
「十倍!」
私の十倍あって砕けないんだったら、私が握力を増やしてやっても砕けなかったよね。ユージさんに試してもらってよかった……。
さて、魔石を粉にする方法を考えなくては……。
「困ったね。粉にさえ出来ればいいんだよね?」
私は頷く。
「本に方法がないか見てみるね!」
◇ ◇ ◇
「あった!」
もう一度見直してみると、なんと魔石専用の『ひき臼』を見つけた!
「よかったぁ!」
「兎に角作ってみるわ!」
私は川の近くに落ちていた石を使って下書きの魔法陣を描く。まず粘土を作る魔法陣を描いた。
ユージさんは、軍手をはめて土を集めて、魔石入りの水と混ぜて粘土の下地作り。
魔法陣が出来上がるとユージさんが、土を魔法陣の中に入れてくれた。そして粘土の出来上がり!
今度はひき臼を作るための窯の魔法陣を描く。パーツごとなので三つ必要なのです。面倒というか大変です。
ユージさんにはうす作りをしてもらう。本が見れないユージさんにもわかりやすくお願いする。
「コースターぐらいの大きさで一つは3センチ、もう一つは10センチぐらい厚みがある円を作って欲しい。細かい所は私が作るので。あとストローみたいな棒もお願いします」
「小さいね!」
臼と聞いていたので、作る大きさが小さく驚いている様子です。
「それにしてもこの粘土って凄いね。地面に置いて作成しているのに、砂とかが全くくっつかないよ」
「本当だ!」
言われるまで気づかなかったけど、私がやった時もそうだったかも。って、これ自体魔具みたいなものですよね!
それから一時間半ぐらいかけて魔法陣が完成する。大きな円の中に三つの窯の魔法陣。勿論外側の円も魔法陣なので、模様が描かれている。
腕がだるくならない仕様でよかった。でも精神的に疲れてます。
「すごいね。よく描いたよ。お疲れ様。後は乗せるだけだね。乗せるのは僕がやるから君は休んでいなよ」
ユージさんが作ってくれた粘土の円に、窪みなどの細かい直しを入れた粘土を三つの魔法陣の中に置いた。これも五分で出来上がるはず。
そして五分後、小さなカワイイひき臼が出来上がった! 不思議な事にちゃんと組み立てられて臼としてそこにあった。
「わー。すごーい。……あれ?」
出来上がった臼を持とうとするが持ち上がらない。なんで?
「どうしたの?」
ユージさんも私の行動を不思議に思ったようです。
「持てない……」
「持てない?」
どれとユージさんが臼を持ち上げた!
「もしかしてこれ、小さいけど凄く重いんじゃない? プレイヤーが持てる重さって、スタミナの半分って聞いた事ある。グラム換算。だから2,000で1キロ持てる計算」
そうだったの! 持てる重さに制限があったんだ。知らなかった!
慌てて私は本を見た。そこには重量に注意と書いてあった。重さは100キロと書いてあった。
重すぎでしょ! 私の今のVITって7000ぐらいだよ? これを半分だと4キロも持てません。最初のスタミナがわからないけど、どう考えても私が持てるの5キロが限度。
「100キロだって……」
「100キロ! これ持って歩く物じゃないよ。これ持って歩いたらすぐにスタミナ切れだよきっと……」
そういうものなのですね! 確かにリアルでもそんな重たい物を持って歩いたらすぐにへばっちゃうけど……。
「もったいないけど、ここで魔石を出来るだけ粉にして持っていくしかないね」
こればかりは仕方ないよね。
私はユージさんの意見に頷いた。
0
お気に入りに追加
245
あなたにおすすめの小説
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

転生しても山あり谷あり!
tukisirokou
ファンタジー
「転生前も山あり谷ありの人生だったのに転生しても山あり谷ありの人生なんて!!」
兎にも角にも今世は
“おばあちゃんになったら縁側で日向ぼっこしながら猫とたわむる!”
を最終目標に主人公が行く先々の困難を負けずに頑張る物語・・・?

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

器用貧乏の底辺冒険者~俺だけ使える『ステータスボード』で最強になる!~
夢・風魔
ファンタジー
*タイトル少し変更しました。
全ての能力が平均的で、これと言って突出したところもない主人公。
適正職も見つからず、未だに見習いから職業を決められずにいる。
パーティーでは荷物持ち兼、交代要員。
全ての見習い職業の「初期スキル」を使えるがそれだけ。
ある日、新しく発見されたダンジョンにパーティーメンバーと潜るとモンスターハウスに遭遇してパーティー決壊の危機に。
パーティーリーダーの裏切りによって囮にされたロイドは、仲間たちにも見捨てられひとりダンジョン内を必死に逃げ惑う。
突然地面が陥没し、そこでロイドは『ステータスボード』を手に入れた。
ロイドのステータスはオール25。
彼にはユニークスキルが備わっていた。
ステータスが強制的に平均化される、ユニークスキルが……。
ステータスボードを手に入れてからロイドの人生は一変する。
LVUPで付与されるポイントを使ってステータスUP、スキル獲得。
不器用大富豪と蔑まれてきたロイドは、ひとりで前衛後衛支援の全てをこなす
最強の冒険者として称えられるようになる・・・かも?
【過度なざまぁはありませんが、結果的にはそうなる・・みたいな?】

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。

目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる