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第26話~動物顔の島

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 それなりに決めた後、タブレットを見てみようという事になり……何故か私はユージさんの膝の上です。椅子に座っても背丈が足りなし、タブレットは一つ。で、こうなりました。
 なんか、恋人同士ラブラブ~っていうよりは、兄妹的な感じがします。二人っきりなのになぁ……。

 それはさておき、画面の右側には、目次みたいのがありタップすると画面が切り替わります。
 まず『ギルドについて』を確認する事にしました。

 ギルドは毎年★一つ分は国に貢献しなくてはならず、依頼を受ける事によって獲得できる。依頼などの手続きはこのタブレットで出来るようです。
 様々な依頼がありますが、受けるにあたり条件があるようです。迷宮なら探求者カード保持者。アイテム作成ならそれに応じたカード保持者。例えば武器なら武器職人や匠など。
 職業カードが探求者しかないギルメンだと、迷宮関係しか出来ない。
 そしてこの★を使って、ギルメンのスタミナUPや回復スピードUPなどの補正があり、内容によって必要な★の数が違う。一度振ると取り消しは出来ないようなので考えて振らなくてはいけないかも。ワープは、累計★が15個になったら自動的に使用可能らしいです。

 次は『探索隊について』も見てみることにしました。
 探索隊はお仕事のような感じで、これをこなしてもギルドの★は基本貰えません。但し、お給料が支給されるようです! これは、ギルメンの人数で仕事量が決まっています。
 迷宮の見回りや内勤。これはさっきのお兄さんのようなお仕事ですね!
 リストがあったのでタップしてみると、巡る迷宮や内勤の時刻などが載っています。内勤は、予約制の様で何日の○刻って感じです。
 一人分累計時間30刻が必要時間。ユージさんの話だと1刻分は目覚め、虹、暮れで、闇が3刻分、光は6刻分。時計で言うと1から2の間が1刻分になる。光だけ前半後半に分けて時刻を選べるみたい。
 私達は内勤をするつもりはないけどね。

 見回りはギルドの依頼と一緒に出来るみたいです!
 基本、二人以上で行う事になっているので、私達は毎回一緒に行動です。
 見回りには、フィールドもあるみたい。
 地図も見れるようなのでタップしてみると、島全体が表示された。迷宮の位置とタウンの場所も表示される。

 驚いた。この島ってまん丸顔の動物の形をしていた。丸に猫耳のような二か所の出っ張りがある島。そして今私達がいるキャットタウンは南の真ん中辺でというか、そこら辺しか文字がない。つまり顔で言うと顎の辺りしか探索されていないらしい。どれだけ広いのでしょうかこの島は……。

 「随分大きな島だったんだね……」

 私が呟くとユージさんは頷いた。

 「僕も南にこの島の王都があって、そこからしか島の出入り出来ないと聞いてはいたけど……広すぎるね。でも僕が探求者になった時より迷宮の数が増えているみたいだから探索は進んでいるみたいだね」

 「そうなんだ……」

 これはやりがいがありそうですね!

 地図には新しいタウンもあった。前はなかったとユージさんが言っています。
 色々確認をしてみたところ、ギルドは空きがあれば拠点を違うタウンに移せるみたい。タウンにあるお店も内勤のお仕事にあたる。要は店番です。
 フィールド探索は、タウンを作れそうな場所探しもその一つみたい。そして、探索隊の人は、タウンをワープで行き来出来る事が判明! お金もかからない。カード提示で使用できるそうです! 使わない手はないですよね。
 それも含め、どの依頼を受けるか後で検討する事になった。

 そしてギルド当座なるものがあるのを発見。開設すると優先的にそこから維持費が引き落とされる仕組みらしい。それと給料もここに振り込んでもらえるように出来る。手続きは全てこのタブレットで出き、カードをかざせば個人の当座からギルドの当座に振り込める事もわかりました。
 ギルド創設に掛かった半分の金額25万ディールを振り込む事にしました。そして聞く前に報奨金が判明。2,500万ディール入っていました!
 すご~い! よね? 価値がよくわからないんだよね。お買い物もした事ないし……。そういう訳で素直にユージさんに聞く事にしました。

 「お金の価値が今一わからないんだけど。目安とかないかな?」

 「目安……。そうだね。最低単価は100ディール。ポーション小が100ディールでHP200回復する。これは冒険者達がよく使うけど、僕達はほとんど使用しないね。後は装備品だけど、見た目は一緒でも能力によって値段が違うんだよね。因みに僕ので言うと上着とズボンそれぞれ百万ディール。靴は三百万ディール。しかも装備品は、初期と魔具以外は劣化するんだよね。一年目安で買い替えるか、修理するかなんだ」

 それを聞き私は、振り返りマジマジとユージさんを見た。
 一年でダメになるんだ……。って、私のは魔具だからその必要はないのかな?

 「僕のはズボンと上着それぞれ、VITプラス一万補正がつくんだよね。靴はAGIが一万。探求者の装備はパラメータに冒険者達が着る装備は、直接攻撃や防御に補正が付く」

 この補正数値で値段がだいぶ変わるらしい。なので好きなデザインの服を着る事が出来るのがこのゲームの特徴なんですって。見た目では、性能がわからないって事だよね。
 装備は、誰でも可以外は、職業によって違うらしい。装備出来ない事もないらしいけど、職業が合わないのを装備するとスタミナの減りが半端ないらしいです。なので探求者が武器を振り回すと、スタミナが凄く減るので魔物退治は難しいみたい。逆もまたしかり。

 「で、ソレイユさんの装備の性能ってどうなの?」

 ずっと気になっていたのか、ジッと見つめ聞いてくる。

 「ズボンとベストと帽子がVITにプラス1,000で、靴がAGIにプラス1,000です。でもこれ迷宮にいる時にはついてなかったと思うんだよね。後、HPが100/100(+400)になってるんだけど、これなんだろう?」

 「い、今なんと? HPに補正!? 冒険者なら喉から手が出る程ほしい装備だよ!」

 このカッコって補正って意味だったのね! でも、私達探求者は、HPが減る様な事ってあまりないものね。でも、HPに振る分の経験値を他に回せるわ!
 でも気がかりな事が一つ。

 「でも変なのよね。これもさっきついてなかったし……」

 「ついてなかった?」

 私は頷いた。

 「うん。迷宮に居た時はついてなかった。多分VITとかの補正もついてなかったと思うのよね。いつついたんだろう?」

 「………」

 何も言わないのでふと顔を見ると、口をパクパクとユージさんはしていた。どうしたのでしょうか?

 「……それって……伝説の魔具なんじゃ!」

 「伝説?」

 ユージさんは真顔で頷く。

 「スキルを取得する度に成長する装備! その装備は職業指定じゃなくて個人指定だったはず。他の人が装備しても補正なし。まあ、子供サイズだから君以外は誰も装備出来ないけどね。って、おじいちゃんって凄腕の持ち主の設定なんだね……。羨ましいの一言に尽きるよ。はぁ……」

 と、何故かユージさんはうなだれてしまった。

 ピンと来ないけど、かなり凄い装備なんですね。そう言えばこれ、修理不要の一生もんだわ! うん? ちょっと待って! 成長したら着れないじゃない! ――それまでに自分で作れって事かしら?
 よし! 最終目標は、成長する装備に決定だわ!

 「決めたわ! 私、錬金術師になって成長する装備を作るわ! ユージさんのも作ってあげるからね!」

 「ありがとう。期待してるから宜しくね」

 ユージさんは、私の頭をなでなでしながらニッコリ微笑んで言った。やっぱり兄妹ですよね、この構図――。 
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