25 / 116
第25話~ナルではありません!
しおりを挟む
私達は手続きを済ませ、ギルドの部屋に向かっている。
職業カードは、基本装備している服やズボンのポケットに入れておくように言われた。買い物など何かある度に提示する物だし、リュックなどの持ち物に入れて置いて万が一盗まれたりそれごと紛失するを防ぐ為でもあるそうです。
カードはポケットから落ちない仕様になっているそうなので、ベストの胸ポケットに入れてあります。
それよりも今私は、ゲームならではの体験をしています。
私達は、玄関を入って右の『51~99』と書かれたドアの奥に入った。そこは両側の壁にドアが並んでいる通路だったのです!
よく考えてほしい。右手の壁の向こう側は外のはず。それなのにドアが並んでいるのです! しかもこのドアには取っ手らしきものがありません。まるでドアが嵌めこまれているみたいな感じです。
ドアの上には『51』と番号が書いてあり、向かい側のドアの上には『52』。つまり右側は奇数で左側のドアには偶数の数字が振ってある。
突き当たると左に折れ直ぐにまた左に折れていた。ドアは右の壁側一つ多く『59』まであり、その正面、折れた奥の壁に『60』。そしてまた、左右交互に番号が振られている。驚く事に壁の厚さは10センチ程。……薄いです。
ミケさんが、去り際に言った数字はギルド番号だったのです。私達は『99』です。
「ここだね」
ユージさんが立ち止まりドアに書かれた数字を見上げ言った。そのドアは、突き当りにあった。左右の壁ではなく行き止まりの壁に……。
「確か、カードをかざすんだったね」
ユージさんが、カードを壁にかざすとドアが七色に歪む。開くではなくゲートの様な感じのようです。ユージさんが、様子を伺う様に中に入ると直ぐに普通のドアに戻った!
私も慌ててカードをドアにかざし、中に入った――。
◇ ◇ ◇
やっぱり不思議な感覚。いや、普通に部屋なんだけど、あの壁の向こう側は外のハズなわけで……。画面から見てる分には、『変なの』と思う程度だけどリアル感あると違うものです。
部屋の中は、入って直ぐにテーブルと椅子が二つ。壁に大人の腰辺り程の棚があり、その上の壁はすりガラスの丸い窓。私的には違和感が半端ないです! ――異空間に窓! って感じです。
右手側は直ぐに壁で、二つドアがある。
「あ、ここ寝室だね」
手前側のドアをユージさんが開けた。私も覗くとベットが二つ頭を向こう側にして並んでいた。
「同じ部屋なんだね……」
別に構わないけど、男女別とかではないんだなと思った感想です。
「別にも出来るけど、追加料金掛かるし。いいよね?」
私は頷いた。どちらにしても今更です。
ユージさんは、隣の部屋も覗いた。
「こっちは、湯を浴びる場所みたいだね」
そんな場所もあるんだと、私も覗く。ここはお家とは全く違う。リアルの現代のシャワールームの様です。
私はパタンとドアを閉め振り向いて、あ! となった。向こう側の壁に姿見があったのです! 鏡です! やっと出会えました!
村には鏡が存在せず、水面に顔を映してみるもよくわからなかったのです! これでやっと自分の顔を見る事が出来ます!
私はダッシュで、鏡の元へ。と言っても狭いので五秒もかからない。そこは、鏡の端にカーテンがあり、円を描いて反対側にレールが引いてあった。多分、ここは着替える場所なのかもしれない。
私は、ジッと鏡を見つめた。なんと言う事でしょう! そこには、女の子に見える美少年が立っていました!
そうです。男の子です! 女の子と間違えられそうな可愛い顔の男の子! 服装がスカートなら絶対に女の子に見える男の子の顔立ちなんです!
皆が男の子に間違えるのも納得します! って、何故女の子に見える男の子の顔なんでしょう! 普通は男の子に見える女の子でしょう!
しかし、ミケさんが言っていた好みの顔にも納得です。私も好みの顔です。うっとりしちゃいます……って、自分にうっとりしてどうする! こ、これではナルではないですか! 断じて違います!
「大人になるのが楽しみな顔立ちだよね」
後ろに立ったユージさんがほほ笑んで言った。私もそう思います――。
「さて、そこに座ってこれからの事話そうか」
テーブルに振り向きユージさんは言った。私達は向かい合って座った。
驚く事にA4サイズ程のタブレットがテーブルの上に一つあったのです!
それには――
ギルド名『夢を信じて』 キャットタウン『99』
累計★―10 保留★―10
来年度維持費予定額 100,000ディール
ギルドマスター ユージ
ギルドメンバー 2名
ユージ
ソレイユ
と、あった。
なんでしょうか……この部屋だけ現代風ですね。
「取りあえず先に、INする時間を決めておこうよ。ログアウトはバラバラでもINは同じにしないと一緒に探索できないからね。時間はリアルの時間で合わせよう」
私は頷いた。
ユージさんの言う通り、その方がいいと思う。前回は気にしなかったけど、リアル一日でIN出来る時間は、ゲーム内の時間にして二日分もない6時間程。多くても8時間。ユージさんが仕事をしているかわからないけど、仕事をしている私にはそれが精一杯。
時間を決めた後、ログアウトの仕方もユージさんからレクチャーを受けた。スタミナの回復は、ログアウトの仕方で変わるそうで、横になってログアウトすれば、ログアウト中は、横になっている事になりスタミナの回復が早いそうです。
また、ログアウト中のキャラクターはこの世界から消えるそうで、装備も一緒に消える。リュックなども装備していれば一緒に消えるが、背負っていなかった場合はリュックだけ取り残されるので、外でログアウトする際には注意が必要。
経験値も暫くはVITに全部振ってもいいかもって話になりました。但し、万が一死亡した事の時を考えて、全てに10ずつ振る事だそうです。
経験値を見ればもう22,000ちょいあるので、取りあえず全てに10ずつ振って後はVITに振った。そうしてこうなりました――。
STR:11 握力:50
VIT:4,309+3,000 視力:100
AGI:11+1,000 聴力:15
DEX:11 読解力:30
INT:11 創造力:1012
MND:11
LUK:212
VITとAGIの+は、装備の分だとは思うんだけど、迷宮にいた時はなかった気がするんだよね。まあ、気のせいかな?
後は左がユージさんで右が私と使用するベットも決めた――。
職業カードは、基本装備している服やズボンのポケットに入れておくように言われた。買い物など何かある度に提示する物だし、リュックなどの持ち物に入れて置いて万が一盗まれたりそれごと紛失するを防ぐ為でもあるそうです。
カードはポケットから落ちない仕様になっているそうなので、ベストの胸ポケットに入れてあります。
それよりも今私は、ゲームならではの体験をしています。
私達は、玄関を入って右の『51~99』と書かれたドアの奥に入った。そこは両側の壁にドアが並んでいる通路だったのです!
よく考えてほしい。右手の壁の向こう側は外のはず。それなのにドアが並んでいるのです! しかもこのドアには取っ手らしきものがありません。まるでドアが嵌めこまれているみたいな感じです。
ドアの上には『51』と番号が書いてあり、向かい側のドアの上には『52』。つまり右側は奇数で左側のドアには偶数の数字が振ってある。
突き当たると左に折れ直ぐにまた左に折れていた。ドアは右の壁側一つ多く『59』まであり、その正面、折れた奥の壁に『60』。そしてまた、左右交互に番号が振られている。驚く事に壁の厚さは10センチ程。……薄いです。
ミケさんが、去り際に言った数字はギルド番号だったのです。私達は『99』です。
「ここだね」
ユージさんが立ち止まりドアに書かれた数字を見上げ言った。そのドアは、突き当りにあった。左右の壁ではなく行き止まりの壁に……。
「確か、カードをかざすんだったね」
ユージさんが、カードを壁にかざすとドアが七色に歪む。開くではなくゲートの様な感じのようです。ユージさんが、様子を伺う様に中に入ると直ぐに普通のドアに戻った!
私も慌ててカードをドアにかざし、中に入った――。
◇ ◇ ◇
やっぱり不思議な感覚。いや、普通に部屋なんだけど、あの壁の向こう側は外のハズなわけで……。画面から見てる分には、『変なの』と思う程度だけどリアル感あると違うものです。
部屋の中は、入って直ぐにテーブルと椅子が二つ。壁に大人の腰辺り程の棚があり、その上の壁はすりガラスの丸い窓。私的には違和感が半端ないです! ――異空間に窓! って感じです。
右手側は直ぐに壁で、二つドアがある。
「あ、ここ寝室だね」
手前側のドアをユージさんが開けた。私も覗くとベットが二つ頭を向こう側にして並んでいた。
「同じ部屋なんだね……」
別に構わないけど、男女別とかではないんだなと思った感想です。
「別にも出来るけど、追加料金掛かるし。いいよね?」
私は頷いた。どちらにしても今更です。
ユージさんは、隣の部屋も覗いた。
「こっちは、湯を浴びる場所みたいだね」
そんな場所もあるんだと、私も覗く。ここはお家とは全く違う。リアルの現代のシャワールームの様です。
私はパタンとドアを閉め振り向いて、あ! となった。向こう側の壁に姿見があったのです! 鏡です! やっと出会えました!
村には鏡が存在せず、水面に顔を映してみるもよくわからなかったのです! これでやっと自分の顔を見る事が出来ます!
私はダッシュで、鏡の元へ。と言っても狭いので五秒もかからない。そこは、鏡の端にカーテンがあり、円を描いて反対側にレールが引いてあった。多分、ここは着替える場所なのかもしれない。
私は、ジッと鏡を見つめた。なんと言う事でしょう! そこには、女の子に見える美少年が立っていました!
そうです。男の子です! 女の子と間違えられそうな可愛い顔の男の子! 服装がスカートなら絶対に女の子に見える男の子の顔立ちなんです!
皆が男の子に間違えるのも納得します! って、何故女の子に見える男の子の顔なんでしょう! 普通は男の子に見える女の子でしょう!
しかし、ミケさんが言っていた好みの顔にも納得です。私も好みの顔です。うっとりしちゃいます……って、自分にうっとりしてどうする! こ、これではナルではないですか! 断じて違います!
「大人になるのが楽しみな顔立ちだよね」
後ろに立ったユージさんがほほ笑んで言った。私もそう思います――。
「さて、そこに座ってこれからの事話そうか」
テーブルに振り向きユージさんは言った。私達は向かい合って座った。
驚く事にA4サイズ程のタブレットがテーブルの上に一つあったのです!
それには――
ギルド名『夢を信じて』 キャットタウン『99』
累計★―10 保留★―10
来年度維持費予定額 100,000ディール
ギルドマスター ユージ
ギルドメンバー 2名
ユージ
ソレイユ
と、あった。
なんでしょうか……この部屋だけ現代風ですね。
「取りあえず先に、INする時間を決めておこうよ。ログアウトはバラバラでもINは同じにしないと一緒に探索できないからね。時間はリアルの時間で合わせよう」
私は頷いた。
ユージさんの言う通り、その方がいいと思う。前回は気にしなかったけど、リアル一日でIN出来る時間は、ゲーム内の時間にして二日分もない6時間程。多くても8時間。ユージさんが仕事をしているかわからないけど、仕事をしている私にはそれが精一杯。
時間を決めた後、ログアウトの仕方もユージさんからレクチャーを受けた。スタミナの回復は、ログアウトの仕方で変わるそうで、横になってログアウトすれば、ログアウト中は、横になっている事になりスタミナの回復が早いそうです。
また、ログアウト中のキャラクターはこの世界から消えるそうで、装備も一緒に消える。リュックなども装備していれば一緒に消えるが、背負っていなかった場合はリュックだけ取り残されるので、外でログアウトする際には注意が必要。
経験値も暫くはVITに全部振ってもいいかもって話になりました。但し、万が一死亡した事の時を考えて、全てに10ずつ振る事だそうです。
経験値を見ればもう22,000ちょいあるので、取りあえず全てに10ずつ振って後はVITに振った。そうしてこうなりました――。
STR:11 握力:50
VIT:4,309+3,000 視力:100
AGI:11+1,000 聴力:15
DEX:11 読解力:30
INT:11 創造力:1012
MND:11
LUK:212
VITとAGIの+は、装備の分だとは思うんだけど、迷宮にいた時はなかった気がするんだよね。まあ、気のせいかな?
後は左がユージさんで右が私と使用するベットも決めた――。
0
お気に入りに追加
245
あなたにおすすめの小説
購買の喪女~30歳喪女で毒女の私が、男子校の購買部で働いている件について~
ダビマン
キャラ文芸
自由に生きる!がモットーだった。
ちょっとお馬鹿で、ギャンブル好きな、佐倉公子(さくらきみこ)さんが。
バイトをクビになったのをキッカケに、男子校の購買部で働く事に……。
そして、いろんな事に毒を吐きながら、独断と偏見で渋々と問題事を解決?するお話し。
きみこさんは人と関わりたくは無いのですが……。男子高校生や周りの人達は面白い物がお好きな様子。
最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした
水の入ったペットボトル
SF
これまであらゆるMMOを最前線攻略してきたが、もう俺(大川優磨)はこの遊び方に満足してしまった。いや、もう楽しいとすら思えない。
ゲームは楽しむためにするものだと思い出した俺は、新作VRMMOを最弱職業『テイマー』で始めることに。
βテストでは最弱職業だと言われていたテイマーだが、主人公の活躍によって評価が上がっていく?
そんな周りの評価など関係なしに、今日も主人公は楽しむことに全力を出す。
この作品は「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
【本編完結】異世界再建に召喚されたはずなのにいつのまにか溺愛ルートに入りそうです⁉︎
sutera
恋愛
仕事に疲れたボロボロアラサーOLの悠里。
遠くへ行きたい…ふと、現実逃避を口にしてみたら
自分の世界を建て直す人間を探していたという女神に
スカウトされて異世界召喚に応じる。
その結果、なぜか10歳の少女姿にされた上に
第二王子や護衛騎士、魔導士団長など周囲の人達に
かまい倒されながら癒し子任務をする話。
時々ほんのり色っぽい要素が入るのを目指してます。
初投稿、ゆるふわファンタジー設定で気のむくまま更新。
2023年8月、本編完結しました!以降はゆるゆると番外編を更新していきますのでよろしくお願いします。
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる