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第22話~私の装備一式
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「もう。そんなに睨まないでよ。もうしないから」
ミケさんは、立ち上がるとラキガさんに助けを求める様に駆け寄った。
「大丈夫だった?」
心配そうにユージさんは、優しく私に話しかける。
「大丈夫。ちょっと撫でまわされただけだから……」
「向こうこそ、エロオヤジなんじゃないか?」
それはないと思うけどなぁ。
私はミケさんを見ると、何やらこそこそ話している様子。
何話しているんだろう?
「――全身魔具装備だったわよ。あの子!」
え?! それって私の事? もしかしてさっき私を撫でまわしたのってその為? と言うか、何故突然、内緒話が聞こえる様になったのかしら?
二人はある程度私から距離が離れていて、顔を近づけて話し合っている。耳がいいからと言って聞こえる様に思えない。って、私、聴力短所じゃなかったけ?
これはもう、彼女が言うように魔具の力なのかもしれない!
「ほぉ。そりゃすげぇなぁ。で、能力は?」
「それが、わからないの。読めない様にされているわ」
「と、言う事はあの装備一式は、あの子の為に作られたって事か……」
「そうなるわね……」
二人は頷きあうとこっちを見た。ばっちり目が合うと、ミケさんは小さく手を振った。私も引きつりながら手を振り返す。
やばいです! よくわからないけど撫でるだけで魔具かどうか見分ける方法があったみたい! おじいちゃん! せめて一つにしてほしかったぁ!!
「ユージさん。大変。私の装備一式が魔具らしいの。さっきミケさんが撫でまわしたのってそれを調べる為だったみたい!」
私は小声でユージさんに言うと、目を見開いた。
「ま……ぐ……って、マジ?! しかもそれバレたの? まずいよそれ……。って、もしかして二人の会話聞こえたの?」
私は頷いた。
だよね……。まずいよね。
「そういうスキルってあるんだね。知っていれば警戒したんだけど……」
「魔具だって言われてたの?」
「いや、何となく靴はそうかなって……」
ユージさんは、私の靴に目を落とした。それにつられ私も靴を見る。何の変哲もないブーツ。でもこれ、一歩歩くごとに経験値が入る魔具のブーツだと思われる。
「効果が知りたいなぁ」
「そうねぇ。どうやって手に入れたかも知りたわね」
ふとまた二人の声が聞こえてきた。
ど、どうしよう……。やっぱり入手経路気になりますよね……。
「ユージさん。魔具だとわかるスキルっていっぱいあるの?」
「僕が知っているのは鑑定ってスキルかな。僕達がこの前取得した目利きの上のランクかな。目利きは、鉱石のランクなどを知ることが出来て、鑑定になるとそれプラス鉱石の種類とか、後は装備品などが魔具なのか発明品なのかわかるはず」
うん? 発明品?
「発明品って?」
「あぁ。発明家って言う職業もあるんだ。魔具と似ているんだけど、ようは魔力を使って効果を出せるような物が発明品なんだ。僕達が腰に下げている鉱石も発明品。発明家はプレイヤーもいて、魔具と同じような効果を付ける事が出来るんだ。でも魔具は永久だけど、発明品は魔力を使ってその効果を発揮させるんだ。勿論、回数や時間制限がある」
そうだったんだ! 魔具に変わるものですね!
私的には、発明品で十分な気もしますが……。でも錬金術師目指しますよ!
「多分、知らないふりして君に近づいてくると思うから気を付けてね。きっと暫くは付きまとわれると思うけど……」
マジですか?!
厄介な人と出会ってしまったようです……。
「兎に角、他の人がいる時は軍手は封印で。アイスピックと金づちで頑張って!」
「え?!」
もしかして魔石を掘った時の様に、普通はあれを使ってやるの? ……凄く大変そうです。
そうこう考えている内に蛇の丸焼きが出来上がったようです。
ユージさんは、それをサバイバルナイフで切り分け、小さな串に刺したモノを私に手渡してくれた。
私は暫くそれとにらめっこ。
食べないとスタミナは回復しない。今の見た目は蛇に見えない。でも、元を知っているので食べづらい……。
「あーん。してあげましょうか?」
ミケさんがニッコリして言ってきた。
「いえ……」
私は意を決して、ぱくついた!
思ったよりさっぱりしていた。美味しい。本物はどうか知らないけど、これなら食べられます。まあ、不味かったらスタミナ回復すると言っても食べないよね……。
「ところでよ。お前らどういう関係?」
突然、ラキガさんが聞いて来たので、せき込んでしまった。いや、普通に親同士が知り合いって言えばいいんだけどね。
「僕達は……許嫁なんです!」
「げっほ。げっほ……。ちょと、ユージさん!」
ユージさんの台詞に私はむせ返っちゃったよ! それ、親が勝手に決めた事では?!
「え、こいつ、女の子なのか!」
「あらまぁ。それじゃ色仕掛けは通じないのね」
やっぱり気づいていなかったのね! って、ミケさん、その手で近づいてくるつもりだったんですね……。お、男の人ならころっといっちゃいそうですもんね。
「なので、ちょっかい出さないでくださいね!」
「おい、マジなのか!」
あぁ、なるほど! そう言っておけばラキガさんは近づけないように出来ますね。彼だけですが……。
「はい。本当です」
私は顔を赤らめながら頷いた。
「そういうのがあるなんて初めて聞いたわ。まあ、子供のプレイヤーも見たの初めてだけど。それなら、私が大人のイロハを教えてあげましょうか?」
どっちにしても色仕掛けなんですね……。
「そういうのは結構です! 僕好みにするつもりですので!」
「え……?」
今、何とおっしゃいました~!
言った本人が真っ赤になっていますが、私もきっと、いや絶対真っ赤です。
ユージさん、子供には刺激が強すぎます。中身は大人ですがね――。
ミケさんは、立ち上がるとラキガさんに助けを求める様に駆け寄った。
「大丈夫だった?」
心配そうにユージさんは、優しく私に話しかける。
「大丈夫。ちょっと撫でまわされただけだから……」
「向こうこそ、エロオヤジなんじゃないか?」
それはないと思うけどなぁ。
私はミケさんを見ると、何やらこそこそ話している様子。
何話しているんだろう?
「――全身魔具装備だったわよ。あの子!」
え?! それって私の事? もしかしてさっき私を撫でまわしたのってその為? と言うか、何故突然、内緒話が聞こえる様になったのかしら?
二人はある程度私から距離が離れていて、顔を近づけて話し合っている。耳がいいからと言って聞こえる様に思えない。って、私、聴力短所じゃなかったけ?
これはもう、彼女が言うように魔具の力なのかもしれない!
「ほぉ。そりゃすげぇなぁ。で、能力は?」
「それが、わからないの。読めない様にされているわ」
「と、言う事はあの装備一式は、あの子の為に作られたって事か……」
「そうなるわね……」
二人は頷きあうとこっちを見た。ばっちり目が合うと、ミケさんは小さく手を振った。私も引きつりながら手を振り返す。
やばいです! よくわからないけど撫でるだけで魔具かどうか見分ける方法があったみたい! おじいちゃん! せめて一つにしてほしかったぁ!!
「ユージさん。大変。私の装備一式が魔具らしいの。さっきミケさんが撫でまわしたのってそれを調べる為だったみたい!」
私は小声でユージさんに言うと、目を見開いた。
「ま……ぐ……って、マジ?! しかもそれバレたの? まずいよそれ……。って、もしかして二人の会話聞こえたの?」
私は頷いた。
だよね……。まずいよね。
「そういうスキルってあるんだね。知っていれば警戒したんだけど……」
「魔具だって言われてたの?」
「いや、何となく靴はそうかなって……」
ユージさんは、私の靴に目を落とした。それにつられ私も靴を見る。何の変哲もないブーツ。でもこれ、一歩歩くごとに経験値が入る魔具のブーツだと思われる。
「効果が知りたいなぁ」
「そうねぇ。どうやって手に入れたかも知りたわね」
ふとまた二人の声が聞こえてきた。
ど、どうしよう……。やっぱり入手経路気になりますよね……。
「ユージさん。魔具だとわかるスキルっていっぱいあるの?」
「僕が知っているのは鑑定ってスキルかな。僕達がこの前取得した目利きの上のランクかな。目利きは、鉱石のランクなどを知ることが出来て、鑑定になるとそれプラス鉱石の種類とか、後は装備品などが魔具なのか発明品なのかわかるはず」
うん? 発明品?
「発明品って?」
「あぁ。発明家って言う職業もあるんだ。魔具と似ているんだけど、ようは魔力を使って効果を出せるような物が発明品なんだ。僕達が腰に下げている鉱石も発明品。発明家はプレイヤーもいて、魔具と同じような効果を付ける事が出来るんだ。でも魔具は永久だけど、発明品は魔力を使ってその効果を発揮させるんだ。勿論、回数や時間制限がある」
そうだったんだ! 魔具に変わるものですね!
私的には、発明品で十分な気もしますが……。でも錬金術師目指しますよ!
「多分、知らないふりして君に近づいてくると思うから気を付けてね。きっと暫くは付きまとわれると思うけど……」
マジですか?!
厄介な人と出会ってしまったようです……。
「兎に角、他の人がいる時は軍手は封印で。アイスピックと金づちで頑張って!」
「え?!」
もしかして魔石を掘った時の様に、普通はあれを使ってやるの? ……凄く大変そうです。
そうこう考えている内に蛇の丸焼きが出来上がったようです。
ユージさんは、それをサバイバルナイフで切り分け、小さな串に刺したモノを私に手渡してくれた。
私は暫くそれとにらめっこ。
食べないとスタミナは回復しない。今の見た目は蛇に見えない。でも、元を知っているので食べづらい……。
「あーん。してあげましょうか?」
ミケさんがニッコリして言ってきた。
「いえ……」
私は意を決して、ぱくついた!
思ったよりさっぱりしていた。美味しい。本物はどうか知らないけど、これなら食べられます。まあ、不味かったらスタミナ回復すると言っても食べないよね……。
「ところでよ。お前らどういう関係?」
突然、ラキガさんが聞いて来たので、せき込んでしまった。いや、普通に親同士が知り合いって言えばいいんだけどね。
「僕達は……許嫁なんです!」
「げっほ。げっほ……。ちょと、ユージさん!」
ユージさんの台詞に私はむせ返っちゃったよ! それ、親が勝手に決めた事では?!
「え、こいつ、女の子なのか!」
「あらまぁ。それじゃ色仕掛けは通じないのね」
やっぱり気づいていなかったのね! って、ミケさん、その手で近づいてくるつもりだったんですね……。お、男の人ならころっといっちゃいそうですもんね。
「なので、ちょっかい出さないでくださいね!」
「おい、マジなのか!」
あぁ、なるほど! そう言っておけばラキガさんは近づけないように出来ますね。彼だけですが……。
「はい。本当です」
私は顔を赤らめながら頷いた。
「そういうのがあるなんて初めて聞いたわ。まあ、子供のプレイヤーも見たの初めてだけど。それなら、私が大人のイロハを教えてあげましょうか?」
どっちにしても色仕掛けなんですね……。
「そういうのは結構です! 僕好みにするつもりですので!」
「え……?」
今、何とおっしゃいました~!
言った本人が真っ赤になっていますが、私もきっと、いや絶対真っ赤です。
ユージさん、子供には刺激が強すぎます。中身は大人ですがね――。
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