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『レベル9―これで卒業!?検証セレモニー ―』

―エピローグ―

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 「話が違う!!」

 僕の大きな声が、部室中に響き渡った!
 隣の職員室から先生が飛んでこようが関係ない!
 僕は、今、絶望に叩き落とされたのだ!

 「僕をモンスター退治から卒業させてくれるんじゃなかったの! うんって言ったよね?」
 「おめでとう! 見習い卒業だ! 伝説の杖になった使い手として、胸を張って魔法使いとして活躍してほしい!」
 「おめでとう! 七生くん!」

 おめでとうじゃない!
 ミーラさんが、おめでとうと拍手すると、大場達も僕に拍手を贈った! ――拍手なんかいらないから!

 「僕は、魔法使いじゃないから! この杖の形が変わるまでって約束だったよね!? 変わったよね!」
 「そうだ! これからなのだ! 本当にこの杖は素晴らしい杖だと評価された! いいか? これは、もっともっと変化する! 至高の杖なのだ!」
 「君、見習いの魔法使いだったの? 卒業試験合格おめでとう!」
 「だぁ!! 何が卒業試験だ! ……って、なんでいるの?」

 よく見れば、稲葉先輩だよ!
 この人まで巻き込んじゃだめだろう!!

 「ひどいなぁ。打ち上げ行くって言うから一緒にってなっただろう?」

 いや、知らないけど、そんな話!
 また僕が知らない所で、勝手に決めている!

 「では、また。楽しみにしている」
 「あ、待って!!」

 パスカルさんは、フッと消えてしまった!
 もう、冗談じゃない!

 「消えた……。君より魔法使いっぽいね」
 「だから、僕は魔法使いじゃないから!!」

 って、稲葉先輩って順応力高いな。普通に接している……。
 はぁ。
 僕のモンスター退治は、もう少し続くようです――。
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