上 下
44 / 55
『レベル9―これで卒業!?検証セレモニー ―』

―4―

しおりを挟む
 次の日、粛々と卒業式が進められ、急きょプログラムに組み込まれた、僕達かそう部の催しが披露される事になった!
 あぁ、やりたくない!!
 ステージ奥には、来客があった。パスカルさんにミントさん。そして、監査官二名。
 ステージ上がった安達先輩が、僕を見て頷く。

 「じゃ、いくわね」

 仕方なしに、僕も頷いた。

 「スライム召喚!」

 今日もまた、安達先輩の手によってスライムが召喚されました。
 観客席? からは、おぉっと言うどよめきが聞こえて来る。
 大変な事になる前に、倒しますか。
 杖の威力を見る為、普通に攻撃する様に言われていたので、必殺技は使えない。

 「消滅せよ!」

 ちょっとだけ、格好よく台詞を言って杖をスライムに向けた。
 スライムは、プルンと揺れると水色から赤色に変化した!
 うん。威力は上がっている!
 また、どよめきが起こった。

 「消滅せよ!」

 もう一度杖を振るうとスライムは消滅した!
 かなり威力は上がっている!
 これで十分でしょう!
 で、この杖、発動する時に宝石が一瞬光るらしい。何となくリアリティーも上がった!

 スライムが消えた事で、拍手が起こった。
 パスカルさん達も拍手している!
 あぁ、これでお役目御免だ!

 お辞儀をして、ステージを降りた。

 「すげー。手品部だったんだ」

 そういう言葉が飛び交っている。
 いや、手品じゃないんだけどね。
 その後、無事卒業式は終了した。
 僕は、パスカルさん達が何かしてきたらどうしようかと、緊張からぐったりだ。

 無事、検証も終わったし、これでモンスター退治から解放される!
 僕は、『これで僕も卒業させて下さい』と、伝えてあった。しかも、ちゃんと朝直接、パスカルさんに伝えたんだ!
 うむっと、確かに頷いていた!
しおりを挟む

処理中です...