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『レベル6―雪の結晶を求めて―』

―エピローグ―

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 「えっと。今更だけどミーラさんは地球の人じゃなくて……」

 僕が二人にそう言うと、二人は嬉しそうに頷いた。
 うん。普通に受け入れるんだね。

 「いやぁ。納得だ。すげぇなぁ。雪まで降らせるなんて!」

 「降らせたのは、あの雪女だよ?」

 大場の言葉に、ミーラさんがそう返す。

 「でもあの杖で、出来たよ事よ!」

 二色さんも凄いと興奮して言う。

 「私は杖を造っただけ。宙に浮けるのもこの服のお蔭だし。私魔法使いじゃないから」

 「え? そうなの?」

 二色さんは、ミーラさんの言葉に驚く。

 「うん。魔法使いはこの前来た、ミントさんとかだよ」

 「そうなんだ!」

 今度は、大場が驚いて声を上げる。
 もう一度会いたいという顔を二人がしている。目を合わせない様にしないと……。

 「七生くんもこの世界の魔法使い。杖に選ばれるぐらい凄い魔法使いだよ!」

 「ちょ……。何言ってるんだよ!」

 慌てて言うも、大場と二色さんは僕が持つ杖をジッと凝視する。

 「その杖って本当に七生くん専用だったのね」

 二色さんがそう呟いた。
 前に杖を使いたいと二色さんが言った時に、咄嗟に僕は彼女にそう言っていた。

 「うん。まあ、そうみたい。でも一応行っておくけど、僕、魔法使いじゃないから!」

 「お前が魔法使いじゃないなら、誰が魔法使いなんだよ!」

 僕に大場が大真面目な顔で、そう返して来た。
 地球にはいないだろうって返したいけど、怒りそうだ……。

 だからもう一度だけ言っておく!

 「僕は魔法使いじゃないから!」

 不服そうな三人は、声揃えて返す。

 「魔法使いだ!」

 「魔法使いでしょう!」

 「魔法使いだよ!」

 抗議する相手が三人に増えました!

 はぁ。
 ついたため息は、白かった――。
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