29 / 36
忍び寄る悪意
第28話~かわいい後輩は双子
しおりを挟む
はぁ……。
ため息をしつつジェスはまた、仕事始めの見届け人の任務から帰って来た次の日の午前中に、魔術師の館の三階を足早で歩いていた。
リズの仕事始めの見届け人兼イッロを探る任務の件は、中級魔術師総隊長のアルドヘルムではなく、小隊長に報告するつもりでいた。
だがまた、直々にアルドヘルムから呼び出しが来たのだ。
「ゼノさんが上手く言ってくれたと思ったんだけどなぁ……」
ゼノは、事情を知っている。前の様に上手く処理してくれるものだと思っていた。
今回は、イッロではなく、イッロに雇われていた魔術師のランベールが黒幕だったが、自分達はまんまと騙された。
賊は捕まえる事は出来たが、ランベールには逃げられたのだ。
しかも一応見届ける対象のレネが怪我をした。
「はぁ……。覚悟するか」
扉の前に来て、ジェスはそう呟いた。
トントントン。
扉をノックする。
「ジェスです」
「入れ」
「失礼します」
入ってすぐにお辞儀をするジェスに、ソファーに座るようにアルドヘルムは促す。ジェスはそれに従い、ソファーに腰を下ろす。
「昨日はご苦労だったな。魔術師が関わっていたと報告を受けた。それとこれ、君のだろう?」
テーブルに置かれたのは、探していたムチだった!
「あの、これ……どこで?」
ゼノからは、発見出来なかったと連絡を受けていた。
「私の所に届いてな。たまにあるのだ。私はそういう係りではないのだが。確か白いムチを愛用していたと聞いたが違ったか?」
「いえ。僕のです。ありがとうございます。お手数お掛けしました」
届けたのは一体誰だと聞きたいが、相手がアルドヘルムだった為聞きづらい。
ジェスは、ポーチにムチをしまう。
「今日呼んだのは昨日の件とは別件なんだが……」
「え?」
イッロの件で呼ばれたと思っていたジェスは驚く。
「実は、お願いがあってな」
またアルドヘルムからお願いという単語が出て来て、ドキッとした。彼のお願いは良い話ではない。
「まあ、そう身構えるな。嫌なら断っていい件だ。私の個人的なお願いだ。知人から少々頼まれごとをしてな。君にやってもらいたい事があるのだ」
ジェスは、アルドヘルムの言葉に目を丸くする。
個人的な知人のお願いに自分を選んだからだ。昨日任務に失敗した相手を選ぶだろうか? もっと優秀な者はいっぱいいる。年齢だろうか? とジェスは困惑する。
「そんな困った顔をするな。別に困らせようとしてる訳じゃない。相手が君を指定したからだ」
「え? 僕を?」
顔に出ていたのだろう。アルドヘルムはそう説明した。
ジェスもアルドヘルムが自分に頼むのに納得はしたものの、その者が何故自分を選んだのか不思議だった。
「実は知人のアーバテに頼まれてな」
頷きアルドヘルムは、お願いの内容を話し始めた。
――アーバテには、イルとミルという双子の姉妹がいる。二人共十歳だ。
アーバテの知り合いに、彼女達が懐いている探索家がいて、その者がある洞窟にマジックアイテムを落とした話をしたらしい。
それを取りに行きたいと二人は言い出した。
探索家と言うのは、いろんな場所を探索してお宝を探す者を指す。大抵は魔術師を雇い一緒に旅をするのだが、お金がない者は危なさそうな所に行く時だけ雇う。
探索家が入った洞窟は、穴があり落ちた偶然見つけた場所だった。一通り探索して落ちた穴から這い出た後に、魔術師隊に連絡し、危険だからとその穴は埋められた。その後に、マジックアイテムをその洞窟に落としてきた事に気が付いた。
洞窟には、もう一つ出入り口があったが、それは海に面した崖。
イルとミルは、魔術師の試験を受け初級魔術師ではあるが、勿論空を飛べない。
そこで空を飛べる魔術師をお願いしたいとアーバテから頼まれた。しかも出来ればジェスをと。
イルとミルには、憧れの人物だった。十代にして中級魔術師。そして優しいと評判なのだ。
なので二人は、出来るなら是非ジェスに会いたいと話が来たのだった。
「そういう訳で、出来れば引き受けてくれるとありがたい」
断ってもいいとは言われたもののやっぱり断りづらい。それに内容的には、危険ではない。
「それはいつ……」
「昨日の今日とは言わない。引き受けてくれるなら明後日ぐらいで構わん。連絡をしておくので、ゆっくりと明日まで休んで……」
バン!!
アルドヘルムが話している途中に突然扉が開き、二人は驚いて扉を見た。そこには同じ顔の子供が二人立っていた!
初級魔術師が着る一般的な魔術師の服を着た、ツインテールで淡い桃色の髪。瞳は濃い桃色で、キラキラと輝かせていた。
「きゃー!! 本物!」
「こんな近くで見たの初めて!!」
少女達は悲鳴に近い高い声で、興奮したように叫ぶ。
「これお前達! すまないアルドヘルム殿。ジェスさんが来ていると聞いて行くと聞かなくてな」
行商人風の中年の男性が二人の後に現れ、軽く頭を下げた。
どうやら彼女達が今話していたイルとミルらしい。
アルドヘルムとジェスも立ち上がり、会釈する。
「ねえ、おじ様! 引き受けてくれるの?」
「これイル! ここではおじ様ではなく……」
「あぁ。よい。どうぞ中へ」
注意をするアーバテにアルドヘルムは、部屋に入るように促す。
アーバテは中に入ると、パタンと扉を閉めた。
「ちょうど今、お話をしていたところだ」
アルドヘルムがそう言うと、少女達はジッとジェスを見つめた。
こうなるとますます、ノーとは言えない。
危険はないし、ここでアルドヘルムに恩を売っておく方がいいだろうと、ジェスは静かに頷いた。
「やったぁ!! じゃ、行きましょう!」
ジェスが頷いた途端、イルがジェスの手を引っ張る。
「え? もしかして今から?」
ジェスが驚いて聞くと、嬉しそうにイルが頷いた。
明後日からで良いと言われたのにと、ちらっとジェスがアルドヘルムを見ると彼も困り顔だった。
明後日で良いと言ったが、彼女達にそう言いづらそうだ。
ミルを見ると、ジッとジェスを見返して来る。
「はぁ……。わかりました。今日行きましょう。でも僕は何も用意していないので、用意をしてからでいいかい?」
仕方なくジェスは二人にそう言った。
「やったぁ!! じゃ早く!」
イルにジェスは、ソファーの前から引っ張り出される。すると反対側の手をミルも引っ張った。
「あ、いや、だから、用意を……」
「別に洞窟に行って戻って来るだけだ。その装備で十分だろう」
そうアルドヘルムが言った。
ジェスは、ポーチは付けて来ていた。その中には、200mlの水とマジカルチョコ、緊急連絡用のマジックアイテムが入っていた。
これに先ほど戻って来たムチも入っている。
全て万が一の為の物だ。マジカルチョコは、遭難時これを少しずつ食べれば三日持つ。魔力も少し回復する食べ物で、年に数度無料で支給される。一度も使った事がないので、五つほど入れてある。封を切らなければ、半永久的に日持ちするらしい。
緊急用のマジックアイテムは、中級魔術師になった時に渡された物。危険な任務にも就く事があるので、助けが必要な時に使うアイテムだ。
アルドヘルムが言う様に、これだけあれば大丈夫だろう。
ジェスは、わかったと頷いた。
「やったぁ!」
「行って来ます!」
イルが言うとミルが言って、二人は扉にジェスを引っ張っていく。
「気を付けてな!」
「頼んだぞ、ジェス」
「あ、はい」
何でこうなるんだと思いつつ、ジェスはアルドヘルムとアーバテに行って来ますと頭を下げた。
こうして、半ば強制的にジェスは、向かう羽目になった――。
ため息をしつつジェスはまた、仕事始めの見届け人の任務から帰って来た次の日の午前中に、魔術師の館の三階を足早で歩いていた。
リズの仕事始めの見届け人兼イッロを探る任務の件は、中級魔術師総隊長のアルドヘルムではなく、小隊長に報告するつもりでいた。
だがまた、直々にアルドヘルムから呼び出しが来たのだ。
「ゼノさんが上手く言ってくれたと思ったんだけどなぁ……」
ゼノは、事情を知っている。前の様に上手く処理してくれるものだと思っていた。
今回は、イッロではなく、イッロに雇われていた魔術師のランベールが黒幕だったが、自分達はまんまと騙された。
賊は捕まえる事は出来たが、ランベールには逃げられたのだ。
しかも一応見届ける対象のレネが怪我をした。
「はぁ……。覚悟するか」
扉の前に来て、ジェスはそう呟いた。
トントントン。
扉をノックする。
「ジェスです」
「入れ」
「失礼します」
入ってすぐにお辞儀をするジェスに、ソファーに座るようにアルドヘルムは促す。ジェスはそれに従い、ソファーに腰を下ろす。
「昨日はご苦労だったな。魔術師が関わっていたと報告を受けた。それとこれ、君のだろう?」
テーブルに置かれたのは、探していたムチだった!
「あの、これ……どこで?」
ゼノからは、発見出来なかったと連絡を受けていた。
「私の所に届いてな。たまにあるのだ。私はそういう係りではないのだが。確か白いムチを愛用していたと聞いたが違ったか?」
「いえ。僕のです。ありがとうございます。お手数お掛けしました」
届けたのは一体誰だと聞きたいが、相手がアルドヘルムだった為聞きづらい。
ジェスは、ポーチにムチをしまう。
「今日呼んだのは昨日の件とは別件なんだが……」
「え?」
イッロの件で呼ばれたと思っていたジェスは驚く。
「実は、お願いがあってな」
またアルドヘルムからお願いという単語が出て来て、ドキッとした。彼のお願いは良い話ではない。
「まあ、そう身構えるな。嫌なら断っていい件だ。私の個人的なお願いだ。知人から少々頼まれごとをしてな。君にやってもらいたい事があるのだ」
ジェスは、アルドヘルムの言葉に目を丸くする。
個人的な知人のお願いに自分を選んだからだ。昨日任務に失敗した相手を選ぶだろうか? もっと優秀な者はいっぱいいる。年齢だろうか? とジェスは困惑する。
「そんな困った顔をするな。別に困らせようとしてる訳じゃない。相手が君を指定したからだ」
「え? 僕を?」
顔に出ていたのだろう。アルドヘルムはそう説明した。
ジェスもアルドヘルムが自分に頼むのに納得はしたものの、その者が何故自分を選んだのか不思議だった。
「実は知人のアーバテに頼まれてな」
頷きアルドヘルムは、お願いの内容を話し始めた。
――アーバテには、イルとミルという双子の姉妹がいる。二人共十歳だ。
アーバテの知り合いに、彼女達が懐いている探索家がいて、その者がある洞窟にマジックアイテムを落とした話をしたらしい。
それを取りに行きたいと二人は言い出した。
探索家と言うのは、いろんな場所を探索してお宝を探す者を指す。大抵は魔術師を雇い一緒に旅をするのだが、お金がない者は危なさそうな所に行く時だけ雇う。
探索家が入った洞窟は、穴があり落ちた偶然見つけた場所だった。一通り探索して落ちた穴から這い出た後に、魔術師隊に連絡し、危険だからとその穴は埋められた。その後に、マジックアイテムをその洞窟に落としてきた事に気が付いた。
洞窟には、もう一つ出入り口があったが、それは海に面した崖。
イルとミルは、魔術師の試験を受け初級魔術師ではあるが、勿論空を飛べない。
そこで空を飛べる魔術師をお願いしたいとアーバテから頼まれた。しかも出来ればジェスをと。
イルとミルには、憧れの人物だった。十代にして中級魔術師。そして優しいと評判なのだ。
なので二人は、出来るなら是非ジェスに会いたいと話が来たのだった。
「そういう訳で、出来れば引き受けてくれるとありがたい」
断ってもいいとは言われたもののやっぱり断りづらい。それに内容的には、危険ではない。
「それはいつ……」
「昨日の今日とは言わない。引き受けてくれるなら明後日ぐらいで構わん。連絡をしておくので、ゆっくりと明日まで休んで……」
バン!!
アルドヘルムが話している途中に突然扉が開き、二人は驚いて扉を見た。そこには同じ顔の子供が二人立っていた!
初級魔術師が着る一般的な魔術師の服を着た、ツインテールで淡い桃色の髪。瞳は濃い桃色で、キラキラと輝かせていた。
「きゃー!! 本物!」
「こんな近くで見たの初めて!!」
少女達は悲鳴に近い高い声で、興奮したように叫ぶ。
「これお前達! すまないアルドヘルム殿。ジェスさんが来ていると聞いて行くと聞かなくてな」
行商人風の中年の男性が二人の後に現れ、軽く頭を下げた。
どうやら彼女達が今話していたイルとミルらしい。
アルドヘルムとジェスも立ち上がり、会釈する。
「ねえ、おじ様! 引き受けてくれるの?」
「これイル! ここではおじ様ではなく……」
「あぁ。よい。どうぞ中へ」
注意をするアーバテにアルドヘルムは、部屋に入るように促す。
アーバテは中に入ると、パタンと扉を閉めた。
「ちょうど今、お話をしていたところだ」
アルドヘルムがそう言うと、少女達はジッとジェスを見つめた。
こうなるとますます、ノーとは言えない。
危険はないし、ここでアルドヘルムに恩を売っておく方がいいだろうと、ジェスは静かに頷いた。
「やったぁ!! じゃ、行きましょう!」
ジェスが頷いた途端、イルがジェスの手を引っ張る。
「え? もしかして今から?」
ジェスが驚いて聞くと、嬉しそうにイルが頷いた。
明後日からで良いと言われたのにと、ちらっとジェスがアルドヘルムを見ると彼も困り顔だった。
明後日で良いと言ったが、彼女達にそう言いづらそうだ。
ミルを見ると、ジッとジェスを見返して来る。
「はぁ……。わかりました。今日行きましょう。でも僕は何も用意していないので、用意をしてからでいいかい?」
仕方なくジェスは二人にそう言った。
「やったぁ!! じゃ早く!」
イルにジェスは、ソファーの前から引っ張り出される。すると反対側の手をミルも引っ張った。
「あ、いや、だから、用意を……」
「別に洞窟に行って戻って来るだけだ。その装備で十分だろう」
そうアルドヘルムが言った。
ジェスは、ポーチは付けて来ていた。その中には、200mlの水とマジカルチョコ、緊急連絡用のマジックアイテムが入っていた。
これに先ほど戻って来たムチも入っている。
全て万が一の為の物だ。マジカルチョコは、遭難時これを少しずつ食べれば三日持つ。魔力も少し回復する食べ物で、年に数度無料で支給される。一度も使った事がないので、五つほど入れてある。封を切らなければ、半永久的に日持ちするらしい。
緊急用のマジックアイテムは、中級魔術師になった時に渡された物。危険な任務にも就く事があるので、助けが必要な時に使うアイテムだ。
アルドヘルムが言う様に、これだけあれば大丈夫だろう。
ジェスは、わかったと頷いた。
「やったぁ!」
「行って来ます!」
イルが言うとミルが言って、二人は扉にジェスを引っ張っていく。
「気を付けてな!」
「頼んだぞ、ジェス」
「あ、はい」
何でこうなるんだと思いつつ、ジェスはアルドヘルムとアーバテに行って来ますと頭を下げた。
こうして、半ば強制的にジェスは、向かう羽目になった――。
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
【完結】引きこもり令嬢は迷い込んできた猫達を愛でることにしました
かな
恋愛
乙女ゲームのモブですらない公爵令嬢に転生してしまった主人公は訳あって絶賛引きこもり中!
そんな主人公の生活はとある2匹の猫を保護したことによって一変してしまい……?
可愛い猫達を可愛がっていたら、とんでもないことに巻き込まれてしまった主人公の無自覚無双の幕開けです!
そしていつのまにか溺愛ルートにまで突入していて……!?
イケメンからの溺愛なんて、元引きこもりの私には刺激が強すぎます!!
毎日17時と19時に更新します。
全12話完結+番外編
「小説家になろう」でも掲載しています。
死亡フラグだらけの悪役令嬢〜魔王の胃袋を掴めば回避できるって本当ですか?
きゃる
ファンタジー
侯爵令嬢ヴィオネッタは、幼い日に自分が乙女ゲームの悪役令嬢であることに気がついた。死亡フラグを避けようと悪役令嬢に似つかわしくなくぽっちゃりしたものの、17歳のある日ゲームの通り断罪されてしまう。
「僕は醜い盗人を妃にするつもりはない。この婚約を破棄し、お前を魔の森に追放とする!」
盗人ってなんですか?
全く覚えがないのに、なぜ?
無実だと訴える彼女を、心優しいヒロインが救う……と、思ったら⁉︎
「ふふ、せっかく醜く太ったのに、無駄になったわね。豚は豚らしく這いつくばっていればいいのよ。ゲームの世界に転生したのは、貴女だけではないわ」
かくしてぽっちゃり令嬢はヒロインの罠にはまり、家族からも見捨てられた。さらには魔界に迷い込み、魔王の前へ。「最期に言い残すことは?」「私、お役に立てます!」
魔界の食事は最悪で、控えめに言ってかなりマズい。お城の中もほこりっぽくて、気づけば激ヤセ。あとは料理と掃除を頑張って、生き残るだけ。
多くの魔族を味方につけたヴィオネッタは、魔王の心(胃袋?)もつかめるか? バッドエンドを回避して、満腹エンドにたどり着ける?
くせのある魔族や魔界の食材に大奮闘。
腹黒ヒロインと冷酷王子に大慌て。
元悪役令嬢の逆転なるか⁉︎
※レシピ付き
隠された第四皇女
山田ランチ
ファンタジー
ギルベアト帝国。
帝国では忌み嫌われる魔女達が集う娼館で働くウィノラは、魔女の中でも稀有な癒やしの力を持っていた。ある時、皇宮から内密に呼び出しがかかり、赴いた先に居たのは三度目の出産で今にも命尽きそうな第二側妃のリナだった。しかし癒やしの力を使って助けたリナからは何故か拒絶されてしまう。逃げるように皇宮を出る途中、ライナーという貴族男性に助けてもらう。それから3年後、とある命令を受けてウィノラは再び皇宮に赴く事になる。
皇帝の命令で魔女を捕らえる動きが活発になっていく中、エミル王国との戦争が勃発。そしてウィノラが娼館に隠された秘密が明らかとなっていく。
ヒュー娼館の人々
ウィノラ(娼館で育った第四皇女)
アデリータ(女将、ウィノラの育ての親)
マイノ(アデリータの弟で護衛長)
ディアンヌ、ロラ(娼婦)
デルマ、イリーゼ(高級娼婦)
皇宮の人々
ライナー・フックス(公爵家嫡男)
バラード・クラウゼ(伯爵、ライナーの友人、デルマの恋人)
ルシャード・ツーファール(ギルベアト皇帝)
ガリオン・ツーファール(第一皇子、アイテル軍団の第一師団団長)
リーヴィス・ツーファール(第三皇子、騎士団所属)
オーティス・ツーファール(第四皇子、幻の皇女の弟)
エデル・ツーファール(第五皇子、幻の皇女の弟)
セリア・エミル(第二皇女、現エミル王国王妃)
ローデリカ・ツーファール(第三皇女、ガリオンの妹、死亡)
幻の皇女(第四皇女、死産?)
アナイス・ツーファール(第五皇女、ライナーの婚約者候補)
ロタリオ(ライナーの従者)
ウィリアム(伯爵家三男、アイテル軍団の第一師団副団長)
レナード・ハーン(子爵令息)
リナ(第二側妃、幻の皇女の母。魔女)
ローザ(リナの侍女、魔女)
※フェッチ
力ある魔女の力が具現化したもの。その形は様々で魔女の性格や能力によって変化する。生き物のように視えていても力が形を成したもの。魔女が死亡、もしくは能力を失った時点で消滅する。
ある程度の力がある者達にしかフェッチは視えず、それ以外では気配や感覚でのみ感じる者もいる。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!
IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。
無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。
一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。
甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。
しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--
これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話
複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる