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忍び寄る悪意
第24話~騙された四人
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ジェスは、外を見ながら御者側の壁をトントントントントンと五回叩いた。これは別行動の合図だ!
これと同時に、猛スピードで走る馬車の左右の扉から四人は飛び出した!
ジェス達が逃げ出したのに気が付いたのか、賊は二手に分かれ、一方は馬車を追いかけ、一方は宙に浮く四人に向かって走って来る!
「あきらめが悪いわね。私達浮いてるのに」
ため息交じりにレネが言った。
賊の狙いは金銭だろう。つまり魔術師が持っている旅費だ!
だが奪うにしても空を浮ける者相手では、どうにもならない。普通、賊は浮けないからだ。
「あいつら何がしたいんだ?」
「わからないけど、構わず行こう! 僕達は別に道なりに進まなくてもいいんだから」
ジェスは、ディルクにそう答えた。
一直線に目的地であるイッロ宅に向かえばいい。一山あるが、ジェス達には関係ない。
「ちょっと!」
レネは驚いて、体をひねった。賊が矢を放ったのだ!
「もしかして命を狙ってるの?」
「え? まさか?!」
リズが言った言葉に、ジェスは驚いて返す。
一般人に手出しをしない事になっているとは言え、そんな事をすれば、その賊は探し出され壊滅させられる!
「よく、わかんないけど、あいつら正気じゃない!」
ディルクはそう叫ぶと、リズを庇いながら都市テーバの方角に、移動を始める。
ジェスは、ポーチからムチを出し、万が一の時は矢を払い落とす為に準備して、一番後ろを飛んでいく。
――まさかと思うけど、僕達だってわかっていて襲ってないよね?
何となくそんな気がするジェスだった。
☆―☆ ☆―☆ ☆―☆
矢の事もあり少し高めの高度を飛び四人は移動した。
本当は、次の朝に着くはずが、一時間程で到着し、イッロ宅の近くに降り立った。
「結構寒いのね」
リズは両手にはぁっと息を吹きかけ呟いた。
「大丈夫?」
ディルクは、寒がるリズの両手を握ると温めようと擦る。はたから見ると恋人同士のようだ。
見慣れているジェスとレネは、特段何も感じないが、通りを行く人たちはチラッと手を握り合う二人を見ていた。
「どうしようか。前日になっちゃったけど……」
「そうねぇ。伺ってみましょうか?」
ジェスの問いにレネが答え、そのまま訪ねる事にした。
最初から承諾は得ていない。ただ向こうはそれでも、明日来るだろうと身構えてはいるはずだ。
「しかし、金持ちってどうしてこう大きな家に住むんだ?」
ディルクは目の前のイッロ宅を見て感想を述べた。
イッロ宅は、本宅と別宅に分かれていた。別宅は主に、魔術師が寝泊りしている建物だ。客人もそちらに泊まる。
そして奥には、マジックアイテムが保管してある倉庫もある。
「何か御用ですか?」
後ろから声を掛けられ驚いて四人は振り向いた!
紫を薄めた色の藤紫色の髪と瞳の魔術師が立っていた。
凄くわかりやすく、腰に杖をさしている。雇われ魔術師は、魔術師だとわかるように暗黙のルールで、杖を持ち歩く事になっていた。
「僕達は明日伺う事になっていた、魔術師隊の者です。イッロさんはいらっしゃいますか?」
「それはご苦労様です。私はランベールと申します。イッロ様は、外出中ですが……。そうご連絡を入れてあったはずです。戻りは明後日になります」
ジェスがそう言うと、イッロが雇ったと思われるランベールがそう答えた。
さて、どうしたものかと、四人は顔を見合わせる。
「うんじゃ、帰るか?」
「え? ここまで来て?」
ディルクがリズの仕事始めだとしても気乗りではない為、帰るを選択をするもレネが難色を示す。
「あの、本来は中級である僕達が、見届け人をするのですが、ランベールさんにその役割をして頂き、彼女達の仕事始めをさせて頂けないでしょうか?」
「私がちゃんと管理しているのですが……」
ジェスの提案にため息交じりで、ランベールは返す。
彼が、マジックアイテムの管理をしている魔術師のようだ。
「お願いします」
リズがガバッと頭を下げた。それに続き、レネも下げる。
「………」
「お願いします」
ジェスも下げる。突っ立ったままのディルクの頭をジェスが抑えて、強制的にディルクも下げさせられた。
「痛いって!」
「……わかりました」
「え……」
一応全員が頭を下げると、ランベールが承諾し、こんなにあっさりと認められると思っていなかったジェスが驚く。
「やったぁ」
リズが本気で喜んでいた。
「いいのかよ。主人がいないのに……」
納得がいかないディルクがそう質問をする。
それに慌てたのは、ジェスだ!
「バカ! 見せてくれるって言ってるんだから……」
ボソッとジェスは、ディルクに言うが、フンとディルクはそっぽを見る。
「何度も来られても困りますので。但し、初級の方だけです。女性だとお聞きしてますが。そのお二人ですか?」
ランベールは、レネとリズを見て言った。
ジェスが言った条件での確認なら承諾らしい。
「ありがとうございます。では僕達はここでお待ちしています」
「いえ。別宅でお休みください。こちらです」
そういうとランベールは、敷地内に入って行く。
敷地内は人の気配がなく静かだった。
「誰もいないのですか?」
「イッロ様について行っています。私が留守を預かったのです。ここです。お部屋にご案内しますので、お二人はそこでお待ちください」
別邸に着くと、リズとレネを残し、ジェスとディルクは、ランベールについて行く。
二人は、三階の一番奥の部屋へ通された。
「こちらでお待ち下さい。一時間程で戻ると思いますので、部屋からは出ない様にお願いします」
ランベールが軽く頭を下げ言うと、ジェスは頷いた。
二人が部屋に入ると、ランベールが扉を閉めた。ランベールが遠ざかって行く気配がする。
部屋は、窓もありここに閉じ込める気かと思っていたジェスは、拍子抜けする。
「もしかして、ジェスは気づいてないのか? ここ結界が張られている」
「え? 張った気配あった?」
突然のディルクの言葉にジェスは驚く。
「これ、最初から張ってあったんだと思う。言うなればトラップ的な結界」
「嘘だろう?」
驚いてジェスは、窓を開ける。窓は開くが手を伸ばせば、バチッと弾かれた!
ディルクの言う通り、結界が張られていた。
「どういう事?」
今日来た事は想定外のはず。しかも主はいない。普通は通さないだろう。
最初から用意していたという事は、来たらここに閉じ込める手はずになっていたって事だ。前日から準備をして待っていた!
――何の為に? って、僕達だけ?
「ねえ、ディルク。何故僕達だけ閉じ込めたの?」
「……確かに! だー!! 出るぞ! 今すぐここから出る! いいよな!」
ランベールは、レネ達に何かするつもりかもしれない!
そしてこれは、もしかしたらランベールの独断かもしれない。レネ達に何かをすれば、イッロはこの国には居られなくなる!
拒む事があっても手は出さない!
「この結界壊せそう?」
ジェスがディルクに聞くと、彼は頷いた。
「けど壊さないで、ここから出る! 壊してバレてリズに何かあったら大変だ!」
リズが一番のディルクらしい選択だ。
ディルクは性格は攻撃的だが、術で得意なのは守りだった。
「取りあえず、俺の結界をねじ込んで、そこから出る!」
「うん。お願いするよ」
ジェスは頼もしいと思う反面、ため息が出る。ディルクは、ジェスより年下だと言うのに、自分に出来ない事を臆する事無く実行しようとしている。
ディルクは、ジェスが開けた窓に手をかざす。
「よし、準備OKだ! 行くぞ!」
ディルクは窓の部分だけ自分の結界をねじ込み、その結界に穴を開けた。そこから飛んで、外へ出た! ジェスもそれに続く。
「どこに行った?」
「倉庫には連れて行かないよね? 強い魔力も感じないからまだ何もされてないと思うけど……」
ジェスはそう言って辺りを空から見渡した。
レネも飛べない事になっているので、三人は歩いて移動しているはずだ。
本来は倉庫に案内されるはずだが、ジェスがいる場所から倉庫は見えるが人の気配はない!
「やっぱり帰ればよかった!」
怒鳴るようにディルクが叫んだ!
これと同時に、猛スピードで走る馬車の左右の扉から四人は飛び出した!
ジェス達が逃げ出したのに気が付いたのか、賊は二手に分かれ、一方は馬車を追いかけ、一方は宙に浮く四人に向かって走って来る!
「あきらめが悪いわね。私達浮いてるのに」
ため息交じりにレネが言った。
賊の狙いは金銭だろう。つまり魔術師が持っている旅費だ!
だが奪うにしても空を浮ける者相手では、どうにもならない。普通、賊は浮けないからだ。
「あいつら何がしたいんだ?」
「わからないけど、構わず行こう! 僕達は別に道なりに進まなくてもいいんだから」
ジェスは、ディルクにそう答えた。
一直線に目的地であるイッロ宅に向かえばいい。一山あるが、ジェス達には関係ない。
「ちょっと!」
レネは驚いて、体をひねった。賊が矢を放ったのだ!
「もしかして命を狙ってるの?」
「え? まさか?!」
リズが言った言葉に、ジェスは驚いて返す。
一般人に手出しをしない事になっているとは言え、そんな事をすれば、その賊は探し出され壊滅させられる!
「よく、わかんないけど、あいつら正気じゃない!」
ディルクはそう叫ぶと、リズを庇いながら都市テーバの方角に、移動を始める。
ジェスは、ポーチからムチを出し、万が一の時は矢を払い落とす為に準備して、一番後ろを飛んでいく。
――まさかと思うけど、僕達だってわかっていて襲ってないよね?
何となくそんな気がするジェスだった。
☆―☆ ☆―☆ ☆―☆
矢の事もあり少し高めの高度を飛び四人は移動した。
本当は、次の朝に着くはずが、一時間程で到着し、イッロ宅の近くに降り立った。
「結構寒いのね」
リズは両手にはぁっと息を吹きかけ呟いた。
「大丈夫?」
ディルクは、寒がるリズの両手を握ると温めようと擦る。はたから見ると恋人同士のようだ。
見慣れているジェスとレネは、特段何も感じないが、通りを行く人たちはチラッと手を握り合う二人を見ていた。
「どうしようか。前日になっちゃったけど……」
「そうねぇ。伺ってみましょうか?」
ジェスの問いにレネが答え、そのまま訪ねる事にした。
最初から承諾は得ていない。ただ向こうはそれでも、明日来るだろうと身構えてはいるはずだ。
「しかし、金持ちってどうしてこう大きな家に住むんだ?」
ディルクは目の前のイッロ宅を見て感想を述べた。
イッロ宅は、本宅と別宅に分かれていた。別宅は主に、魔術師が寝泊りしている建物だ。客人もそちらに泊まる。
そして奥には、マジックアイテムが保管してある倉庫もある。
「何か御用ですか?」
後ろから声を掛けられ驚いて四人は振り向いた!
紫を薄めた色の藤紫色の髪と瞳の魔術師が立っていた。
凄くわかりやすく、腰に杖をさしている。雇われ魔術師は、魔術師だとわかるように暗黙のルールで、杖を持ち歩く事になっていた。
「僕達は明日伺う事になっていた、魔術師隊の者です。イッロさんはいらっしゃいますか?」
「それはご苦労様です。私はランベールと申します。イッロ様は、外出中ですが……。そうご連絡を入れてあったはずです。戻りは明後日になります」
ジェスがそう言うと、イッロが雇ったと思われるランベールがそう答えた。
さて、どうしたものかと、四人は顔を見合わせる。
「うんじゃ、帰るか?」
「え? ここまで来て?」
ディルクがリズの仕事始めだとしても気乗りではない為、帰るを選択をするもレネが難色を示す。
「あの、本来は中級である僕達が、見届け人をするのですが、ランベールさんにその役割をして頂き、彼女達の仕事始めをさせて頂けないでしょうか?」
「私がちゃんと管理しているのですが……」
ジェスの提案にため息交じりで、ランベールは返す。
彼が、マジックアイテムの管理をしている魔術師のようだ。
「お願いします」
リズがガバッと頭を下げた。それに続き、レネも下げる。
「………」
「お願いします」
ジェスも下げる。突っ立ったままのディルクの頭をジェスが抑えて、強制的にディルクも下げさせられた。
「痛いって!」
「……わかりました」
「え……」
一応全員が頭を下げると、ランベールが承諾し、こんなにあっさりと認められると思っていなかったジェスが驚く。
「やったぁ」
リズが本気で喜んでいた。
「いいのかよ。主人がいないのに……」
納得がいかないディルクがそう質問をする。
それに慌てたのは、ジェスだ!
「バカ! 見せてくれるって言ってるんだから……」
ボソッとジェスは、ディルクに言うが、フンとディルクはそっぽを見る。
「何度も来られても困りますので。但し、初級の方だけです。女性だとお聞きしてますが。そのお二人ですか?」
ランベールは、レネとリズを見て言った。
ジェスが言った条件での確認なら承諾らしい。
「ありがとうございます。では僕達はここでお待ちしています」
「いえ。別宅でお休みください。こちらです」
そういうとランベールは、敷地内に入って行く。
敷地内は人の気配がなく静かだった。
「誰もいないのですか?」
「イッロ様について行っています。私が留守を預かったのです。ここです。お部屋にご案内しますので、お二人はそこでお待ちください」
別邸に着くと、リズとレネを残し、ジェスとディルクは、ランベールについて行く。
二人は、三階の一番奥の部屋へ通された。
「こちらでお待ち下さい。一時間程で戻ると思いますので、部屋からは出ない様にお願いします」
ランベールが軽く頭を下げ言うと、ジェスは頷いた。
二人が部屋に入ると、ランベールが扉を閉めた。ランベールが遠ざかって行く気配がする。
部屋は、窓もありここに閉じ込める気かと思っていたジェスは、拍子抜けする。
「もしかして、ジェスは気づいてないのか? ここ結界が張られている」
「え? 張った気配あった?」
突然のディルクの言葉にジェスは驚く。
「これ、最初から張ってあったんだと思う。言うなればトラップ的な結界」
「嘘だろう?」
驚いてジェスは、窓を開ける。窓は開くが手を伸ばせば、バチッと弾かれた!
ディルクの言う通り、結界が張られていた。
「どういう事?」
今日来た事は想定外のはず。しかも主はいない。普通は通さないだろう。
最初から用意していたという事は、来たらここに閉じ込める手はずになっていたって事だ。前日から準備をして待っていた!
――何の為に? って、僕達だけ?
「ねえ、ディルク。何故僕達だけ閉じ込めたの?」
「……確かに! だー!! 出るぞ! 今すぐここから出る! いいよな!」
ランベールは、レネ達に何かするつもりかもしれない!
そしてこれは、もしかしたらランベールの独断かもしれない。レネ達に何かをすれば、イッロはこの国には居られなくなる!
拒む事があっても手は出さない!
「この結界壊せそう?」
ジェスがディルクに聞くと、彼は頷いた。
「けど壊さないで、ここから出る! 壊してバレてリズに何かあったら大変だ!」
リズが一番のディルクらしい選択だ。
ディルクは性格は攻撃的だが、術で得意なのは守りだった。
「取りあえず、俺の結界をねじ込んで、そこから出る!」
「うん。お願いするよ」
ジェスは頼もしいと思う反面、ため息が出る。ディルクは、ジェスより年下だと言うのに、自分に出来ない事を臆する事無く実行しようとしている。
ディルクは、ジェスが開けた窓に手をかざす。
「よし、準備OKだ! 行くぞ!」
ディルクは窓の部分だけ自分の結界をねじ込み、その結界に穴を開けた。そこから飛んで、外へ出た! ジェスもそれに続く。
「どこに行った?」
「倉庫には連れて行かないよね? 強い魔力も感じないからまだ何もされてないと思うけど……」
ジェスはそう言って辺りを空から見渡した。
レネも飛べない事になっているので、三人は歩いて移動しているはずだ。
本来は倉庫に案内されるはずだが、ジェスがいる場所から倉庫は見えるが人の気配はない!
「やっぱり帰ればよかった!」
怒鳴るようにディルクが叫んだ!
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