8 / 36
古の魔女の願い
第8話~対立
しおりを挟む
「ここで行き止まりみたいだな」
ディルクはボソッと言った。
しばらくして着いた場所は、だだっ広い空間になっており、今まで歩いて来た通路とは違い天井もかなり高かった。
「オレ、ちと壁見て来る」
「え? ちょっと……」
ディルクは、ジェスが何か言う前に、今までしてきたように壁に手を当て走り出した。
「はあ、仕方がない。僕達は地面を調べよう」
「そうね……」
リズは頷いて、ジェスの意見に賛成する。
「うん……」
リズも頷いた。
三人は、地面を見ながら歩き始める。
そして、ある程度調べ終わった四人は、中央に集まっていた。
「壁は、三段階くらいにわけて調べたけど、隠れ通路はないみたいだ」
「僕達の方も地面調べたけど、魔法陣らしきものは発見できなかった。とすると、天井だね」
その言葉に全員、顔を上げ天井を見上げる。
天井までは光が届かず真っ暗だ。
「なあ、オレ腹減ったんだけど。飯にしない?」
唐突にディルクが言う。
「そうだね。腹ごしらえもしておいた方がいいかも」
その意見にジェスが賛成する。
「じゃ、お昼にしましょう! お母さんが作ったパンあるから」
そう言ってリズは、ディルクのリュックの中からてきぱきと、持たされたパンを皆の前に並べた。
「あ、そういえば明かりどうする?」
ディルクが聞いた。
「パンだし片手で……」
「私が灯してるから、先に食べて」
ジェスの答えを遮るように、レネが名乗りあげる。
「そ、そう? ありがとう。じゃ、お願いしようかな……」
レネの申し出を素直に受け入れ、ジェスはお願いする。
彼女は頷くと、もう片方の手にも明かりを灯した。
「おぉ、ちゃんとおしぼりが入ってる」
そういうとディルクは、それをジェスに渡す。
三人は、汚れた手を綺麗に拭く。おしぼりは真っ黒になった。
「いただきます」
三人共パクッとパンにかぶりつく。
食べながらリズは心配そうにレネを見ていた。
勿論、ジェスも気になっていた。リズが狙われていると聞いてから元気がなくなり、今も両手に明かりを灯したままだらっと伸ばし、立てた膝に顔をうずめている。
っと、突然辺りが真っ暗になった。
ジェスとディルクは、慌てて手に明かりを灯す。
レネを見ると、両手で膝を抱えている。
「びっくりした……」
ディルクは呟く。
「レネ、大丈夫? 具合が悪いの?」
リズの問いに、レネは膝に顔をうずめたまま、首を小さく横に振った。
「別に消すのはいいけどさ、ひとこと言ってくれよ。びっくりするだろう」
「ディルク……」
ディルクがいつもより控え目に文句を言うと、ジェスが首を振って止める。
「ごめん。少し時間を頂戴……」
「え? 時間?」
「は? って、おい」
二人が驚いて声を掛けるもレネからは返事は帰ってこなかった。
「レネ……」
リズは心配そうに呟くと、レネの隣に膝を抱えて座り込んだ。
「どうする?」
「どうするって言われてもなぁ……。とりあえず、三人はここに居て。僕は、天井を見て来るから」
「あ、じゃオレも行く!」
「いや、君がそこ離れたら明かりがなくなるだろう? 大人しくそこにいて」
ジェスはいつもより強めに言って、返事も聞かず天井に飛んでいく。
それをディルクは無言で見上げた。
「はぁ……」
ため息をつくと、今度はディルクまで膝を立て顔をうずめた。
「え? ディルク大丈夫?」
「あ、うん。大丈夫。歩き疲れただけだから……」
ディルクも元気がなくなっていた。
ディルクだけじゃなく、皆が体力的にも気力的にも限界がきていたのである。
「あった!」
天井からジェスの声が聞こえ、二人は見上げた。
彼はちょうど真ん中に浮いていた。そして、スッと三人の所に降りて来る。
「真ん中に直径二メートルほどの魔法陣があったよ。一つ目の魔法陣と同じみたいだから、ワープする魔法陣だと思う」
ジェスはそう説明すると、どうしたものかとレネを見た。
「レネ、動けそう?」
そっとジェスは声を掛けるも彼女は反応を示さない。
「寝てんのか?」
「寝てはいないと思うけど……。まいったなぁ。出来るだけ急ぎたいんだけど……」
「十分ぐらい待ちましょう。というか、皆で休みましょう。それぐらいいいわよね?」
リズの提案を受け入れ、もう少し休憩をする事にする。
食べた物を片付け、三人はただジッと座っていた。
☆―☆ ☆―☆ ☆―☆
「そろそろ時間だね。レネ、僕の声聞こえてる?」
「………」
「ダメだ。反応ないな。どうする? 置いてく?」
「そんなのダメよ!」
ディルクの提案に驚いてリズが反対した。
「……そんなに怒る事ないじゃん」
――このままじゃダメだ!
ジェスはある決断をすると、ディルクに声を掛ける。
「ちょっとこっち来て。ごめん、リズ。少し暗くなるけどそこに居て」
頷くリズを確認すると、むくれるディルクをグイッとジェスは少し離れた場所まで引っ張って行く。
残されたリズ達の辺りは薄暗くなった。
「なんだよ……」
「お願いがあるんだけど……」
「お願い?」
「レネと一緒に残ってくれないか。彼女一人残しておくわけにもいかないし。かといってこのままここに居る訳にもいかないから。僕とリズで先に行くからレネが動けるようになったら追いかけて来て欲しいんだ」
「はあ? 行くならオレとリズで行く!」
「だからそれじゃダメだからお願いしているんだろう。今朝言ったけど親族証言ではダメなんだ。わかって欲しい」
「それは、わかってる。けど、二人では行かせられない!」
「わかってないだろう! そんなに僕が信用できないか!」
突然ジェスは、ディルクの胸倉を掴み、今まで聞いた事ないような怒鳴り声を上げた!
驚いたディルクは、何も言い返せずただジッとジェスを見つめる。
「え? 何? どうしたの?」
勿論リズも驚いていた。普段声を荒げないジェスが、ディルクに怒鳴ったからである。だがそれでもレネは、一切反応を示さず膝を抱えたままだった。
パッとジェスは、ディルクから手を離す。
「ごめん。なんでもないから。リズはレネについていてあげて」
そういうと、ジェスはディルクに向き直る。
その顔は真剣そのものだ。
「な、なんだよ……」
「お願いだからいう事を聞いてくれ。もう、リズだけの問題じゃないんだ。この作戦が失敗したら……僕達の未来はない! 勿論、君の両親だって。城の者を騙し作戦が失敗したら、もし怪我なく戻ったところでどうなるかわからない。僕達を信用してくれた、ゼノさんだって責任を取らされるかもしれない……。だから……」
「そんな! 私、そんな事考えもつかなかった……」
「え! リズ、君いつの間に!」
大人しく待っていると思ったリズだが、近くに来て話を聞いていたのである。
「ごめん。それでも無理だ。それに覚悟はとうの昔についてる……」
「何を言っているの! あなただけの話じゃないでしょう!」
ディルクの返事にリズは驚きの声を上げる。
「じゃ、何? 彼女一人残して先に行く? それとも元気を取り戻すのを待つっていうのか?」
「それは……」
「ごめんなさい。心配かけて。もう大丈夫よ……」
その声に三人は驚いて振り向いた。リズの後ろにレネが青い顔をして立っていた。
「大丈夫って……。一体どうしたんだよ」
つい強い口調のまま、ジェスはレネを問い詰める。
「………」
「そんな事、もうどうだっていいだろう? 動けるようになったんだ。先に進もう。急ぎたいんだろう? リズ、手!」
ディルクはそう言うと、リズの手を取り天井に飛んでいく。
「ちょっと待てって! 全員で行かないとダメだ!」
慌ててジェスはレネの手を取り、二人を追いかける。
「頼むから勝手な行動はしないでくれ」
「はあ? いつからジェスがリーダーになったんだよ!」
「やめなさい! ディルク。ごめんね、ジェス」
「……あ、いや。僕も怒鳴って悪かった」
ジェスは、落ち着こうと大きく息を吸って深呼吸する。
「全員で手を繋ごう」
そう言うと、ジェスは明かりを消し、ディルクに手を差し出す。
「レネとリズも繋いで。輪になろう」
「いや、真っ暗になるだろう?」
「問題ない。僕の合図で両手を上げればいい。離れ離れになる事だけは避けたい」
「別に輪にならなくたって……」
文句を言いながらも明かりを消し、ディルクはジェスの手を取った。
輪になって四人はジェスの合図で両手を上げる。
天井に触れた感触を感じた。
ディルクはボソッと言った。
しばらくして着いた場所は、だだっ広い空間になっており、今まで歩いて来た通路とは違い天井もかなり高かった。
「オレ、ちと壁見て来る」
「え? ちょっと……」
ディルクは、ジェスが何か言う前に、今までしてきたように壁に手を当て走り出した。
「はあ、仕方がない。僕達は地面を調べよう」
「そうね……」
リズは頷いて、ジェスの意見に賛成する。
「うん……」
リズも頷いた。
三人は、地面を見ながら歩き始める。
そして、ある程度調べ終わった四人は、中央に集まっていた。
「壁は、三段階くらいにわけて調べたけど、隠れ通路はないみたいだ」
「僕達の方も地面調べたけど、魔法陣らしきものは発見できなかった。とすると、天井だね」
その言葉に全員、顔を上げ天井を見上げる。
天井までは光が届かず真っ暗だ。
「なあ、オレ腹減ったんだけど。飯にしない?」
唐突にディルクが言う。
「そうだね。腹ごしらえもしておいた方がいいかも」
その意見にジェスが賛成する。
「じゃ、お昼にしましょう! お母さんが作ったパンあるから」
そう言ってリズは、ディルクのリュックの中からてきぱきと、持たされたパンを皆の前に並べた。
「あ、そういえば明かりどうする?」
ディルクが聞いた。
「パンだし片手で……」
「私が灯してるから、先に食べて」
ジェスの答えを遮るように、レネが名乗りあげる。
「そ、そう? ありがとう。じゃ、お願いしようかな……」
レネの申し出を素直に受け入れ、ジェスはお願いする。
彼女は頷くと、もう片方の手にも明かりを灯した。
「おぉ、ちゃんとおしぼりが入ってる」
そういうとディルクは、それをジェスに渡す。
三人は、汚れた手を綺麗に拭く。おしぼりは真っ黒になった。
「いただきます」
三人共パクッとパンにかぶりつく。
食べながらリズは心配そうにレネを見ていた。
勿論、ジェスも気になっていた。リズが狙われていると聞いてから元気がなくなり、今も両手に明かりを灯したままだらっと伸ばし、立てた膝に顔をうずめている。
っと、突然辺りが真っ暗になった。
ジェスとディルクは、慌てて手に明かりを灯す。
レネを見ると、両手で膝を抱えている。
「びっくりした……」
ディルクは呟く。
「レネ、大丈夫? 具合が悪いの?」
リズの問いに、レネは膝に顔をうずめたまま、首を小さく横に振った。
「別に消すのはいいけどさ、ひとこと言ってくれよ。びっくりするだろう」
「ディルク……」
ディルクがいつもより控え目に文句を言うと、ジェスが首を振って止める。
「ごめん。少し時間を頂戴……」
「え? 時間?」
「は? って、おい」
二人が驚いて声を掛けるもレネからは返事は帰ってこなかった。
「レネ……」
リズは心配そうに呟くと、レネの隣に膝を抱えて座り込んだ。
「どうする?」
「どうするって言われてもなぁ……。とりあえず、三人はここに居て。僕は、天井を見て来るから」
「あ、じゃオレも行く!」
「いや、君がそこ離れたら明かりがなくなるだろう? 大人しくそこにいて」
ジェスはいつもより強めに言って、返事も聞かず天井に飛んでいく。
それをディルクは無言で見上げた。
「はぁ……」
ため息をつくと、今度はディルクまで膝を立て顔をうずめた。
「え? ディルク大丈夫?」
「あ、うん。大丈夫。歩き疲れただけだから……」
ディルクも元気がなくなっていた。
ディルクだけじゃなく、皆が体力的にも気力的にも限界がきていたのである。
「あった!」
天井からジェスの声が聞こえ、二人は見上げた。
彼はちょうど真ん中に浮いていた。そして、スッと三人の所に降りて来る。
「真ん中に直径二メートルほどの魔法陣があったよ。一つ目の魔法陣と同じみたいだから、ワープする魔法陣だと思う」
ジェスはそう説明すると、どうしたものかとレネを見た。
「レネ、動けそう?」
そっとジェスは声を掛けるも彼女は反応を示さない。
「寝てんのか?」
「寝てはいないと思うけど……。まいったなぁ。出来るだけ急ぎたいんだけど……」
「十分ぐらい待ちましょう。というか、皆で休みましょう。それぐらいいいわよね?」
リズの提案を受け入れ、もう少し休憩をする事にする。
食べた物を片付け、三人はただジッと座っていた。
☆―☆ ☆―☆ ☆―☆
「そろそろ時間だね。レネ、僕の声聞こえてる?」
「………」
「ダメだ。反応ないな。どうする? 置いてく?」
「そんなのダメよ!」
ディルクの提案に驚いてリズが反対した。
「……そんなに怒る事ないじゃん」
――このままじゃダメだ!
ジェスはある決断をすると、ディルクに声を掛ける。
「ちょっとこっち来て。ごめん、リズ。少し暗くなるけどそこに居て」
頷くリズを確認すると、むくれるディルクをグイッとジェスは少し離れた場所まで引っ張って行く。
残されたリズ達の辺りは薄暗くなった。
「なんだよ……」
「お願いがあるんだけど……」
「お願い?」
「レネと一緒に残ってくれないか。彼女一人残しておくわけにもいかないし。かといってこのままここに居る訳にもいかないから。僕とリズで先に行くからレネが動けるようになったら追いかけて来て欲しいんだ」
「はあ? 行くならオレとリズで行く!」
「だからそれじゃダメだからお願いしているんだろう。今朝言ったけど親族証言ではダメなんだ。わかって欲しい」
「それは、わかってる。けど、二人では行かせられない!」
「わかってないだろう! そんなに僕が信用できないか!」
突然ジェスは、ディルクの胸倉を掴み、今まで聞いた事ないような怒鳴り声を上げた!
驚いたディルクは、何も言い返せずただジッとジェスを見つめる。
「え? 何? どうしたの?」
勿論リズも驚いていた。普段声を荒げないジェスが、ディルクに怒鳴ったからである。だがそれでもレネは、一切反応を示さず膝を抱えたままだった。
パッとジェスは、ディルクから手を離す。
「ごめん。なんでもないから。リズはレネについていてあげて」
そういうと、ジェスはディルクに向き直る。
その顔は真剣そのものだ。
「な、なんだよ……」
「お願いだからいう事を聞いてくれ。もう、リズだけの問題じゃないんだ。この作戦が失敗したら……僕達の未来はない! 勿論、君の両親だって。城の者を騙し作戦が失敗したら、もし怪我なく戻ったところでどうなるかわからない。僕達を信用してくれた、ゼノさんだって責任を取らされるかもしれない……。だから……」
「そんな! 私、そんな事考えもつかなかった……」
「え! リズ、君いつの間に!」
大人しく待っていると思ったリズだが、近くに来て話を聞いていたのである。
「ごめん。それでも無理だ。それに覚悟はとうの昔についてる……」
「何を言っているの! あなただけの話じゃないでしょう!」
ディルクの返事にリズは驚きの声を上げる。
「じゃ、何? 彼女一人残して先に行く? それとも元気を取り戻すのを待つっていうのか?」
「それは……」
「ごめんなさい。心配かけて。もう大丈夫よ……」
その声に三人は驚いて振り向いた。リズの後ろにレネが青い顔をして立っていた。
「大丈夫って……。一体どうしたんだよ」
つい強い口調のまま、ジェスはレネを問い詰める。
「………」
「そんな事、もうどうだっていいだろう? 動けるようになったんだ。先に進もう。急ぎたいんだろう? リズ、手!」
ディルクはそう言うと、リズの手を取り天井に飛んでいく。
「ちょっと待てって! 全員で行かないとダメだ!」
慌ててジェスはレネの手を取り、二人を追いかける。
「頼むから勝手な行動はしないでくれ」
「はあ? いつからジェスがリーダーになったんだよ!」
「やめなさい! ディルク。ごめんね、ジェス」
「……あ、いや。僕も怒鳴って悪かった」
ジェスは、落ち着こうと大きく息を吸って深呼吸する。
「全員で手を繋ごう」
そう言うと、ジェスは明かりを消し、ディルクに手を差し出す。
「レネとリズも繋いで。輪になろう」
「いや、真っ暗になるだろう?」
「問題ない。僕の合図で両手を上げればいい。離れ離れになる事だけは避けたい」
「別に輪にならなくたって……」
文句を言いながらも明かりを消し、ディルクはジェスの手を取った。
輪になって四人はジェスの合図で両手を上げる。
天井に触れた感触を感じた。
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
【完結】引きこもり令嬢は迷い込んできた猫達を愛でることにしました
かな
恋愛
乙女ゲームのモブですらない公爵令嬢に転生してしまった主人公は訳あって絶賛引きこもり中!
そんな主人公の生活はとある2匹の猫を保護したことによって一変してしまい……?
可愛い猫達を可愛がっていたら、とんでもないことに巻き込まれてしまった主人公の無自覚無双の幕開けです!
そしていつのまにか溺愛ルートにまで突入していて……!?
イケメンからの溺愛なんて、元引きこもりの私には刺激が強すぎます!!
毎日17時と19時に更新します。
全12話完結+番外編
「小説家になろう」でも掲載しています。
隠された第四皇女
山田ランチ
ファンタジー
ギルベアト帝国。
帝国では忌み嫌われる魔女達が集う娼館で働くウィノラは、魔女の中でも稀有な癒やしの力を持っていた。ある時、皇宮から内密に呼び出しがかかり、赴いた先に居たのは三度目の出産で今にも命尽きそうな第二側妃のリナだった。しかし癒やしの力を使って助けたリナからは何故か拒絶されてしまう。逃げるように皇宮を出る途中、ライナーという貴族男性に助けてもらう。それから3年後、とある命令を受けてウィノラは再び皇宮に赴く事になる。
皇帝の命令で魔女を捕らえる動きが活発になっていく中、エミル王国との戦争が勃発。そしてウィノラが娼館に隠された秘密が明らかとなっていく。
ヒュー娼館の人々
ウィノラ(娼館で育った第四皇女)
アデリータ(女将、ウィノラの育ての親)
マイノ(アデリータの弟で護衛長)
ディアンヌ、ロラ(娼婦)
デルマ、イリーゼ(高級娼婦)
皇宮の人々
ライナー・フックス(公爵家嫡男)
バラード・クラウゼ(伯爵、ライナーの友人、デルマの恋人)
ルシャード・ツーファール(ギルベアト皇帝)
ガリオン・ツーファール(第一皇子、アイテル軍団の第一師団団長)
リーヴィス・ツーファール(第三皇子、騎士団所属)
オーティス・ツーファール(第四皇子、幻の皇女の弟)
エデル・ツーファール(第五皇子、幻の皇女の弟)
セリア・エミル(第二皇女、現エミル王国王妃)
ローデリカ・ツーファール(第三皇女、ガリオンの妹、死亡)
幻の皇女(第四皇女、死産?)
アナイス・ツーファール(第五皇女、ライナーの婚約者候補)
ロタリオ(ライナーの従者)
ウィリアム(伯爵家三男、アイテル軍団の第一師団副団長)
レナード・ハーン(子爵令息)
リナ(第二側妃、幻の皇女の母。魔女)
ローザ(リナの侍女、魔女)
※フェッチ
力ある魔女の力が具現化したもの。その形は様々で魔女の性格や能力によって変化する。生き物のように視えていても力が形を成したもの。魔女が死亡、もしくは能力を失った時点で消滅する。
ある程度の力がある者達にしかフェッチは視えず、それ以外では気配や感覚でのみ感じる者もいる。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
叶えられた前世の願い
レクフル
ファンタジー
「私が貴女を愛することはない」初めて会った日にリュシアンにそう告げられたシオン。生まれる前からの婚約者であるリュシアンは、前世で支え合うようにして共に生きた人だった。しかしシオンは悪女と名高く、しかもリュシアンが憎む相手の娘として生まれ変わってしまったのだ。想う人を守る為に強くなったリュシアン。想う人を守る為に自らが代わりとなる事を望んだシオン。前世の願いは叶ったのに、思うようにいかない二人の想いはーーー
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる