44 / 49
43犯人は意外な人物2
しおりを挟む
え? この人が犯人? 扉を閉めたって事?
「あなたが扉を閉めたのですか?」
おじいちゃんの言葉にクレタスさんは、平然と頷いた。
「私達もこの世界の外だったのは、ご存知ですよね?」
「勿論。いや驚かせてすまなかった。もし万が一、アメリアさんが地球の者を引き連れて乗り込んで来たら困ると思って独断で閉めさせてもらった。まさか、そういう意味に取られるとは思わずに申し訳ない」
そう説明をしてクレタスさんは、軽く頭を下げた。
これには、その場の全員があんぐりとして驚いた。申し訳ないじゃない! おじいちゃん達も締め出されたんだけど!
「もしかしてと思うが、私が扉を開けられると思っていたとか?」
おじいちゃんの言葉にクレタスさんは不思議颯な顔をする。
「クレタスよ。訪問者とて次元側からは扉を開ける事は出来ないのだぞ」
「……え!」
知らなかったみたいだね。開けられないのを……。
「マジか……」
「知らないとは恐ろしい事ですのね」
「何それ、僕達何しにここに来たの……」
三人もはぁーとため息をついて、肩の力が抜けたようだった。
「も、申し訳ありません! 知らずとは言え大変な事を!」
クレタスさんは、深々と頭を下げ謝った。やっと事の重大さがわかったみたい。
「次からは勝手な行動はしないように! 直ぐにロサーノの探索を!」
「はい! 申し訳ございませんでした」
『アメリア、ベニート。あなた達も探索に加わって下さい』
そう言いつつ精霊王は、ヌガーちゃんの拘束を解いた。
『ありがとうございます』
ヌガーちゃんは、嬉しそうにアメリアさんの方に飛んでいく。
そしてクレタスさんとベニートさん、アメリアさんは飛び立ち消えて行った。
おじいちゃん達は探索に加わらないのかな?
「おじい様達は、探しに行かなくて宜しいのですか?」
「僕達の事は気にしないで探しに行っていいよ」
「問題ない。この世界にいるのなら三人で十分だろう」
そうおじいちゃんは、私達に返して来た。
『ではこれからの事を取り決めていきましょう』
「ありがとうございます」
おじいちゃんは精霊王に頭を下げた。
「君達を地球に帰る事を許そう」
そういう事だとティメオさんは、私達に言った。
「本当ですか? ありがとうございます!」
「さすがひいおじいちゃんだぜ!」
「いやこの場合は、精霊王が物分かりがいいんだよ。ありがとうございます!」
「……ありがとうございます」
あの……一応、相手は偉い方なのでもう少し考えて発言を――と言いたい!
ティメオさんは確かにひいおじいちゃんかもしれないけど、フレンドリー過ぎるって! ハル君も本人を目の前にして物分かりがいいだなんて! もう、気が変わったらどうするのさ!
「お前達はそこら辺を見学しているがいい。あまり遠くには行くなよ」
おじいちゃんは溜息をつきつつそう言った。
「え? いいの?」
「やったぁ!」
「まあ! ありがとうざいます!」
「………」
喜んでいるけど、これ厄介払いでしょ。話がこじれない様に私達を遠くに行かせるだけじゃん。まあいいか。利害の一致って事で……。
しかしよかったぁ。一時はどうなるかと思ったよ。
安堵して私達は歩き出した。
「あなたが扉を閉めたのですか?」
おじいちゃんの言葉にクレタスさんは、平然と頷いた。
「私達もこの世界の外だったのは、ご存知ですよね?」
「勿論。いや驚かせてすまなかった。もし万が一、アメリアさんが地球の者を引き連れて乗り込んで来たら困ると思って独断で閉めさせてもらった。まさか、そういう意味に取られるとは思わずに申し訳ない」
そう説明をしてクレタスさんは、軽く頭を下げた。
これには、その場の全員があんぐりとして驚いた。申し訳ないじゃない! おじいちゃん達も締め出されたんだけど!
「もしかしてと思うが、私が扉を開けられると思っていたとか?」
おじいちゃんの言葉にクレタスさんは不思議颯な顔をする。
「クレタスよ。訪問者とて次元側からは扉を開ける事は出来ないのだぞ」
「……え!」
知らなかったみたいだね。開けられないのを……。
「マジか……」
「知らないとは恐ろしい事ですのね」
「何それ、僕達何しにここに来たの……」
三人もはぁーとため息をついて、肩の力が抜けたようだった。
「も、申し訳ありません! 知らずとは言え大変な事を!」
クレタスさんは、深々と頭を下げ謝った。やっと事の重大さがわかったみたい。
「次からは勝手な行動はしないように! 直ぐにロサーノの探索を!」
「はい! 申し訳ございませんでした」
『アメリア、ベニート。あなた達も探索に加わって下さい』
そう言いつつ精霊王は、ヌガーちゃんの拘束を解いた。
『ありがとうございます』
ヌガーちゃんは、嬉しそうにアメリアさんの方に飛んでいく。
そしてクレタスさんとベニートさん、アメリアさんは飛び立ち消えて行った。
おじいちゃん達は探索に加わらないのかな?
「おじい様達は、探しに行かなくて宜しいのですか?」
「僕達の事は気にしないで探しに行っていいよ」
「問題ない。この世界にいるのなら三人で十分だろう」
そうおじいちゃんは、私達に返して来た。
『ではこれからの事を取り決めていきましょう』
「ありがとうございます」
おじいちゃんは精霊王に頭を下げた。
「君達を地球に帰る事を許そう」
そういう事だとティメオさんは、私達に言った。
「本当ですか? ありがとうございます!」
「さすがひいおじいちゃんだぜ!」
「いやこの場合は、精霊王が物分かりがいいんだよ。ありがとうございます!」
「……ありがとうございます」
あの……一応、相手は偉い方なのでもう少し考えて発言を――と言いたい!
ティメオさんは確かにひいおじいちゃんかもしれないけど、フレンドリー過ぎるって! ハル君も本人を目の前にして物分かりがいいだなんて! もう、気が変わったらどうするのさ!
「お前達はそこら辺を見学しているがいい。あまり遠くには行くなよ」
おじいちゃんは溜息をつきつつそう言った。
「え? いいの?」
「やったぁ!」
「まあ! ありがとうざいます!」
「………」
喜んでいるけど、これ厄介払いでしょ。話がこじれない様に私達を遠くに行かせるだけじゃん。まあいいか。利害の一致って事で……。
しかしよかったぁ。一時はどうなるかと思ったよ。
安堵して私達は歩き出した。
0
お気に入りに追加
40
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
【完結】初めて嫁ぎ先に行ってみたら、私と同名の妻と嫡男がいました。さて、どうしましょうか?
との
恋愛
「なんかさぁ、おかしな噂聞いたんだけど」
結婚式の時から一度もあった事のない私の夫には、最近子供が産まれたらしい。
夫のストマック辺境伯から領地には来るなと言われていたアナベルだが、流石に放っておくわけにもいかず訪ねてみると、
えっ? アナベルって奥様がここに住んでる。
どう言う事? しかも私が毎月支援していたお金はどこに?
ーーーーーー
完結、予約投稿済みです。
R15は、今回も念の為
家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ★9/3『完全別居〜』発売
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
病弱な幼馴染と婚約者の目の前で私は攫われました。
鍋
恋愛
フィオナ・ローレラは、ローレラ伯爵家の長女。
キリアン・ライアット侯爵令息と婚約中。
けれど、夜会ではいつもキリアンは美しく儚げな女性をエスコートし、仲睦まじくダンスを踊っている。キリアンがエスコートしている女性の名はセレニティー・トマンティノ伯爵令嬢。
セレニティーとキリアンとフィオナは幼馴染。
キリアンはセレニティーが好きだったが、セレニティーは病弱で婚約出来ず、キリアンの両親は健康なフィオナを婚約者に選んだ。
『ごめん。セレニティーの身体が心配だから……。』
キリアンはそう言って、夜会ではいつもセレニティーをエスコートしていた。
そんなある日、フィオナはキリアンとセレニティーが濃厚な口づけを交わしているのを目撃してしまう。
※ゆるふわ設定
※ご都合主義
※一話の長さがバラバラになりがち。
※お人好しヒロインと俺様ヒーローです。
※感想欄ネタバレ配慮ないのでお気をつけくださいませ。
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる