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第四章 立場逆転!?眷属に弟子入り!

第二八話

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 双子の丘に着くと、右手に刀を装備し進む。暫くしてオオカミンにエンカウントした。
 よし、魔法攻撃の練習開始だ!

 俺は向かって来るオオカミンに魔法を唱える。

 「火の玉!」

 あっさりと交わされた!
 じゃ、連続で!

 「火の玉! 火の玉! 火の玉!」

 全て外れた!
 何でどけるんだよ! いや、そりゃどけるだろうけどさ!

 『キソナ様。一〇体いると魔法の練習には逆に不向きだと思われます。一先ず一体を残し倒す事を提案致します』

 ピピがそう言うのもうなずける。
 俺は突っ立ったまま魔法攻撃をしていた。狙ったオオカミン以外もいるので、もうそいつらは目の前だ!

 そうだ! どうせなら二刀流の攻撃を練習をしよう!
 俺はそう思い立ち、刀を左手にも装備した。

 右手と左手を振り上げ下ろす。両方が一体にヒットしそのまま倒れた!
 よし! 倒れた!

 だが、オオカミンは頭が良かった! 俺の前方には来ず、横から攻撃してくる。勿論、後ろにも回っている。
 一度に二撃与えられない。しかも一撃与えると一旦逃げるので、どれに当てたかわからなくなって来る。

 まあ、当てればいずれ倒れるだろうけど……。
 これ効率悪いよな……。どうやったら戦闘が上手になるんだ!

 元々俺は、格闘技系は苦手だ。だからほとんどやった事がなかった。MMOだって普通、攻撃は何も考えなくてもある程度当たる。スキルだってボタン一つで発動だ! リアルになると大変だな……。コントローラーとは違う。
 テスターの時にもっと練習しておけばよかった。モンスターとモフモフしているんじゃなかった!

 それでも何とか一体だけになった。向こうも間を置いて唸っている。
 俺は左の刀をしまった。
 さて、魔法の練習をしよう!

 「火の玉!」

 サッとどけられる。

 すばしっこいから難しいな。これ、コボルトなら当たるんだろうけどな。それじゃ練習にならないよな……。

 「火の玉! 火の玉!」

 ってやっぱり、連続でも当たらない!

 オオカミンは、こっちのターンとばかりに、攻撃を仕掛けて来た。そして、踵を返し間合いを取る。
 刀だったら今ので攻撃は入れらたが、ワザと攻撃はしなかった。この一体は、魔法の練習の為に生かしておいたからだ!

 「火の玉!」

 今度は予測をして攻撃してみる。オオカミンが通過するだろうと予測した場所へ放ってみた! だがその予想は外れ、オオカミンはまた、攻撃を与えまた間合いを取った。

 うーん。これ無理だな。よく考えれば野球も下手だった。しかも野球なら的は動かない。って言い訳しても仕方がないか。

 『なあ、ピピ。これさ、どっちかに絞った方がいいよな。自分で言うのもなんだけど、どっちもダメすぎる』

 どっちかというのは、魔法と武器の攻撃という意味だ。

 『はい。魔王様だというのに、情けなさ過ぎます! 剣術も魔法も全く出来ないとは! 恥ずかしくて世界にお披露目出来ません!』

 いやそこまでハッキリと言わなくとも……。って言うか、お披露目って……俺、魔王として今は君臨する気ないけど。

 『せめて、どちらかを極めて頂きたいものです』

 ピピは、真面目な顔で言っている。本当に極めてほしいらしい。いや無理だろう? 人には向き不向きというものがある。魔王になったって、元はタダの人間。剣道だってやった事ないし、野球だってお遊び程度だ。
 そんな人間が極められるはずもない。レベルが上がったら、剣術も上達するなら別だが……。

 『そんなに期待されてもなぁ。周りと同じぐらいは、上達するかもしれないけどさ。それにほら、魔王補正があって防御がチート過ぎるから危機感がないというか。死んでもレベルが下がるワケでもないしさ』

 『なるほど。では最後の手段としてレベルを極めましょう。防御があって死亡してもレベルが下がらないのならドンドンクエストをこなし上げましょう。今の内にガッツリと上げるのです。そして程よい武器を携えて、魔王として降臨するのです! 一〇〇にまで上げておけばキソナ様に敵う者はいないでしょう!』

 『一〇〇! ……それはその』

 確かに死んでもレベルが下がらなければ、ガンガンこなせば行くだろうけど。一体突然どうしたんというのだろうか?

 よく見れば、ピピは怒っているようだ。可愛い顔が、吊目になっている。……あ、あれだ。魔王補正のせいで上達しないみたいな事を言ったからか? まあ、確かに頼っておきながら、強くならないのはそのせいだと言えば怒りもするか。

 そう言えば魔法茶のイベントの時は、死んでもペナルティーはなかったけど、死なない様に頑張った。必死になったから、投げナイフをかわせるようにもなった。
 今、足りないのはそう言う気持ちか……。
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