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第四章 立場逆転!?眷属に弟子入り!

第二七話

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 ルミさんは、何故か斧だ! 斧ってドワーフしか装備出来ないと思っていた! モモさんは、刀だな。俺が持っているより短いから長刀ではないな。それを両手に装備している。そう言えば、俺はまだ試していなかったな。二本買ったのに……。

 「居たよ!」

 ルミさんが叫んだ。エンカウントしたようだ。二人は同時に走り出した。俺は出遅れた! 慌てて走り出す。

 ルミさんは、一体一体確実に斧で仕留めて行く。
 あれは、ガイさんが装備していた斧より性能が上のだな。だって二撃だ! 恐ろしすぎる! 魔王補正ありの俺と同じぐらいの強さなんだけど!

 モモさんは回転している。あの回転のスキルを使っているんだろうけど、ずっと回転している! 目は回らないのだろうか?
 両手に武器を装備しているから、一回転で二回攻撃になる。けどたぶんダメは俺達より低いと思うんだよな。今俺は、武器を入れて九五だ。それで二撃で倒れる。たぶんギリギリ倒している。ヒカルと来た時は、三撃必要だったから。

 単純に計算して、俺達とモモさんの攻撃力は武器込みで三〇は違うと思う。二回攻撃でも俺達の一回分の攻撃には届いてないはずだ!
 でも範囲攻撃で、周りのオオカミンを攻撃しまくっている! こっちも恐ろしい!

 うん。二人には回復必要ないな。

 で、俺はというと……。かぶりつかれまくりだ! 一体に攻撃している間に、違う奴から攻撃を食らっている。ルミさんは上手く交わしつつ攻撃し、モモさんは回転していて、攻撃をさせる隙を与えていない。

 でも俺もチートだ! ダメージは受けてないみたいだ。相手の攻撃より防御力が上だと相手の攻撃はミス扱いになる。下手さを魔王補正でカバーしている!
 これでわかった! スキルや魔法があったって使いこなせなきゃ意味がない。俺には魔王補正が必要だ!

 戦闘が終わってモモさんのリクエスト通り、ワープでタード街に戻り報酬の三〇〇Tを受け取った。俺はレベルは上がらなかったが、二人は上がって俺と同じ九レベルになった。そして解散した。

 今回思った。俺は攻撃より防御がチートだった! 普通のスキルチートで補正が入ったとしてもほとんどは攻撃だ。防御装備も揃えづらい。武器を優先すれば尚更。
 そして、戦闘が上手なら武器を買った方がいい! 俺は下手だけど……。

 そういえば、斧ってどの種族でも装備可能だったっけ?

 『なあ、斧って鬼人も装備できるのか?』

 『普通はできません。彼女は、グッドラックランダムで補正を手に入れたのでしょう。補正は、ステータスには表示されないものもありますので』

 なるほど。自分が補正を持っていたから、俺のHPの%も補正と思ったのか。まあ、魔王補正だから間違いではないけどな。

 『そうだ。答えてもらえる質問かわからないけど、スキルの目覚めってどんなのだ?』

 『それは、スキルを使用する事によって消費するMPをゼロにするモノです。つまりスキルは使い放題です』

 『なるほど。なあ、回転っていうスキルにはMP消費は必要なのか?』

 『はい。一回五消費します』

 やっぱりそうなのか。気にせず使い放題だからあんなに回転を……。防御にもなるし範囲攻撃だし、いい組み合わせだなあれ。

 回転ほしいな。俺が使えばかなり強力だ!

 『なあ、あの回転って俺でも覚えられるか?』

 『はい。イベントさえクリア出来れば。ただし、今お使いの長刀では、少々リーチが長いと思われます。あまり長いと、味方も攻撃してしまう恐れがあります』

 『あぁ、なるほど。ところで、あれって目は回らないのか?』

 『スキル使用者は、回転してるように感じない様になっておりますので大丈夫です』

 そういう仕組みなのか。確かに具合悪くなる人は一回転でもなりそうだもんな。
 さて、攻撃も受けないし、暫くはオオカミンのクエストを受けよう!

 『オオカミンのクエストを受けようと思うんだけど、クエスト中に火の玉を使って消せなくても大丈夫だよな? フィールド違うって前言っていたよな?』

 『はい。ただ一〇分経っても戦闘終了まで消えません。それにしても、ダメージを受けてませんでしたね。思ったよりオオカミンの攻撃力が低かったようです。申し訳ありません』

 『え? ひ、低いって……。いや、そんなに気にしなくていいから』

 『ありがとうございます』

 低いんじゃなくて、俺の防御がチートなだけだろう! 格好いいスキルはないけど、俺にぴったりなチートだな!
 俺はさっきと同じオオカミンのクエストを今度は一人で受け、双子の丘に歩きで向かった。ワープで行くことも出来るが、別に急いでいる訳じゃないので風景を眺めつつ向かった――。
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