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第四章 立場逆転!?眷属に弟子入り!

第二五話

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 『それはちょっと……』

 『そうですね。キソナ様が私を召喚して下さった森はいかがでしょう? まだ誰もこないと思われます。姿を解くところを見られなければ、本来の姿を見られたとしてもキソナ様だとは気付かないと思います。いかがいたしますか?』

 そっか。変身する所を見られなければ、俺とイコールにはならないか。性別も見た目も変わるしな。ステータスを見られなければ名前もバレない。

 よし! どんな感じかちょっと検証してみるか!

 『ちょっとやってみる! リリンの森に行こう!』

 『承知しました』

 俺はリリタの森へ向かった。


 ×× × ××


 敵にもプレイヤーにも会わずにリリタの森に着いた。
 辺りを見渡す。

 よし! 誰もいないな!

 「変身解除!」

 こう言えば、元の姿に戻るとピピに教えられた。もっと早く教えて欲しかった。まあ、試したかはわからないけど。

 鏡がないから直接姿の確認はできないが、銀の長い髪になっている。服装も魔王の衣装だ。ちゃんとマントも装備している。

 うん。簡単にできた!
 じゃ、ステータスを確認してみよう。裏の方がいいよな。


 名前:キソナ
 種族:魔族:魔王
 性別:男性(女性)
 年齢:不明
 職業:―
 レベル:―
 HP:一,八〇〇
 MP:九〇〇
 攻撃:三三〇
 防御:二九〇 魔法防御一三〇
 補正:防具補正:魔法反射
 所得スキル:―
 所得魔法:―
 貢献:―
 二つ名:伝説の魔王
 経験値:―
 その他:無限アイテムボックス (隠れステータス保持者)


 思ったほどじゃないけど、今の所無敵だよな、これ。
 性別は、魔王補正じゃないから隠れたままなのか。見たら女性だとわかると思うんだけどな……。
 って、色々表示消えてるな……。人間は仮の姿だったという設定だからなのか?

 『これさぁ、俺のレベルでステータスって上がっていくのか?』

 『はい。上がります』

 上がっていくのか。人間の姿で経験した事も反映されるって設定か。まあじゃ普通に強くなって行けば、無敵のままだな。

 『消えちゃってるけど、魔法って覚えたのしか使えないのか?』

 『何も表示されておりませんが、ほとんどの魔法が使えます。目安として今は、二段階目の威力の三倍の攻撃力があります。消費MPは、二段階目のになります。またマントで相手の魔法を跳ね返す事ができます』

 うん。チートだ。相手の魔法を跳ね返し、三倍の攻撃魔法って。魔王って魔法の方が得意そうだな。
 魔法は何でも使えるみたいだが、俺が魔法を知らないからこのままだと使えないな。どうにか知る方法ないかな。
 あぁ、テスターの時にちゃんとやっていなかったのが悔やまれるな。まあ、魔王になっちゃうなんて思わないもんな。

 『キソナ様は、魔王の衣装を纏っておりますので、宙に浮く事も可能です。時折練習なさってはいかがでしょうか?』

 『浮けるのかよ!』

 ピピは頷く。
 すげぇな。それは是非練習して自由に飛べるようになりたいな。

 『しかし、運営も粋な事するよな。魔王もプレイヤーにしてしまうなんてさ。あ、これもリアリティーの為なのか?』

 『運営……創造主ですね。創造主は、この世界をこの世界の者達で動かそうとしているようです』

 創造主……。まあ、ある意味間違ってないか。って、そういう設定なのか? なるほどな、神として見届けるってか。

 『でもさぁ。俺は偶然女性だと見破られるとダメだから大人しくしているけど、そうじゃなかったらハチャメチャしてるかもよ? それでもOKだったのか?』

 『それは……。もしかしたらそういう運命さだめの元に生まれるようになっていたのかもしれません。ですが、それがあろうとなかろうと、ハチャメチャな方はそうなさると思います』

 まあ、凍結されるキャラだったら二つに一つだよな。隠し通すか、どうせだから派手にって。俺はどうやら前者だったみたいだな。

 どちらにしてもこのキャラでやろうと決めたんだ。楽しまなくちゃな! 別にこの格好の時に見られても、俺だと知られなければ大丈夫みたいだし、人前で変身が解けちゃう事に気を付ければよさそうだな。

 『あ、一つ忘れておりました。魔王の姿で敵やプレイヤーを倒しても経験値は入りません』

 『……そうなんだ。わかった』

 まあ、プレイヤーは倒す事はまずないだろうな。でも敵を倒しても経験値が入らないんじゃ……チートの意味ないだろう!!
 まあ、変身している時のステータスもチートだけどさ。はぁ……。

 結局、敵を倒しても意味がないので、姿を元に戻しタード街へ戻ったのだった。
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