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ハードな戦闘訓練 2
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「ちょ……もう、無理……ぜぇはぁぜぇはぁ」
僕は、両手両膝を地面についてギブアップ。
「はあ? まだ10分も経ってないだろう? それに攻撃仕掛けて来いよ」
「出来ればやってるよ! こっちには石が入ったリュック背負って短い枝でやってるんだから攻撃出来る訳ないだろう?」
「ふうん。そう、だったら……」
止めると言うかと思ったらリュックを降ろした。
「そのリュック貸して」
「え?」
僕が背負っていたリュックを奪うと、デモンガリーは背負った。そして、枝も交換する。
「来いよ」
休みたいけど休ませてくれないのね。
仕方がないので立ち上がり、ターっと声を上げてデモンガリーに枝を振り上げるも避けられた。
そして、デモンガリーの反撃が来る。さっきと変わらない速さで繰り出される攻撃は、長い枝でも同じで受け止めきれず、体のあちこちを叩かれた。
「はぁはぁ……なんで、攻撃が一度だけ? これのせいなんだよな?」
どうやら違うみたいだ。リュックの重さ云々の前に、あきらかに能力の違いだ。
「ごめん。リュックは関係なかったみたい」
どさ。
デモンガリーは、背負っていたリュックを僕の目の前に投げてよこした。
「だったらそれ背負って、訓練だ。いいな」
「……わかったけど、少し休ませて」
「あぁ。少し休憩にするか」
デモンガリーも石が入ったリュックを背負って動いて疲れたみたいだ。自分のリュックから水筒を出し、僕に手渡してくれた。
「今日から三日、ここに泊まるからな」
「え?」
僕の横に座ったデモンガリーは、驚く事を言う。ここで野宿ってそんな無茶な。
「僕のリュックの中身知ってるよね? 食料ないけど?」
「俺のを分けてやる」
かなりハードな訓練なんですけど! 三日でステータスを上げるのならこれくらいしないとダメって事か。
しかし思ったより大変だった。
モンスターはいないけど、自然の動物に襲われるかもしれないので、交互に見張りする事になった。もし万が一火事になったら困るからと、火はおこさずにいた為、辺りは真っ暗闇だ。
食事もちょっと、ただただ枝で戦闘訓練をし続けた。
そして、二日目の夜。
「まあこれぐらいまで上がればいいか」
僕のステータスは、凄く上がっていた。
HP:9/65
MP:5/5
体力:158
魔力:10
腕力:15
素早さ:31
スキル増殖
「凄い、ありがとう」
「……明日、どこで待ち合わせだ?」
「え? あ、たぶん僕の家に迎えに来ると思う」
「は? お前、王子に送り迎えしてもらってるのかよ!」
「ち、違うって。一緒に普通の馬車に乗って移動するの」
「お前が行くのではなく、向こうが来るのかよ」
少し呆れ気味に言われるも、あっちが勝手にそうしてるんだから仕方がない。
「えっと、一緒に来る?」
「へえ。紹介でもしてくれるってか?」
僕は頷いた。
僕一人では、腕力を上げられなかったからね。
「……そう、ではお言葉に甘えて、紹介してもらおうかな。お前の家に行こうか」
僕はまた頷いた。
凄く疲れていて、もう話すのも億劫だったんだ。
リュックの石を捨て水筒を入れて背負い直す。
何とか最終の馬車に乗り込んだ僕達は、家へと向かった。
僕は、両手両膝を地面についてギブアップ。
「はあ? まだ10分も経ってないだろう? それに攻撃仕掛けて来いよ」
「出来ればやってるよ! こっちには石が入ったリュック背負って短い枝でやってるんだから攻撃出来る訳ないだろう?」
「ふうん。そう、だったら……」
止めると言うかと思ったらリュックを降ろした。
「そのリュック貸して」
「え?」
僕が背負っていたリュックを奪うと、デモンガリーは背負った。そして、枝も交換する。
「来いよ」
休みたいけど休ませてくれないのね。
仕方がないので立ち上がり、ターっと声を上げてデモンガリーに枝を振り上げるも避けられた。
そして、デモンガリーの反撃が来る。さっきと変わらない速さで繰り出される攻撃は、長い枝でも同じで受け止めきれず、体のあちこちを叩かれた。
「はぁはぁ……なんで、攻撃が一度だけ? これのせいなんだよな?」
どうやら違うみたいだ。リュックの重さ云々の前に、あきらかに能力の違いだ。
「ごめん。リュックは関係なかったみたい」
どさ。
デモンガリーは、背負っていたリュックを僕の目の前に投げてよこした。
「だったらそれ背負って、訓練だ。いいな」
「……わかったけど、少し休ませて」
「あぁ。少し休憩にするか」
デモンガリーも石が入ったリュックを背負って動いて疲れたみたいだ。自分のリュックから水筒を出し、僕に手渡してくれた。
「今日から三日、ここに泊まるからな」
「え?」
僕の横に座ったデモンガリーは、驚く事を言う。ここで野宿ってそんな無茶な。
「僕のリュックの中身知ってるよね? 食料ないけど?」
「俺のを分けてやる」
かなりハードな訓練なんですけど! 三日でステータスを上げるのならこれくらいしないとダメって事か。
しかし思ったより大変だった。
モンスターはいないけど、自然の動物に襲われるかもしれないので、交互に見張りする事になった。もし万が一火事になったら困るからと、火はおこさずにいた為、辺りは真っ暗闇だ。
食事もちょっと、ただただ枝で戦闘訓練をし続けた。
そして、二日目の夜。
「まあこれぐらいまで上がればいいか」
僕のステータスは、凄く上がっていた。
HP:9/65
MP:5/5
体力:158
魔力:10
腕力:15
素早さ:31
スキル増殖
「凄い、ありがとう」
「……明日、どこで待ち合わせだ?」
「え? あ、たぶん僕の家に迎えに来ると思う」
「は? お前、王子に送り迎えしてもらってるのかよ!」
「ち、違うって。一緒に普通の馬車に乗って移動するの」
「お前が行くのではなく、向こうが来るのかよ」
少し呆れ気味に言われるも、あっちが勝手にそうしてるんだから仕方がない。
「えっと、一緒に来る?」
「へえ。紹介でもしてくれるってか?」
僕は頷いた。
僕一人では、腕力を上げられなかったからね。
「……そう、ではお言葉に甘えて、紹介してもらおうかな。お前の家に行こうか」
僕はまた頷いた。
凄く疲れていて、もう話すのも億劫だったんだ。
リュックの石を捨て水筒を入れて背負い直す。
何とか最終の馬車に乗り込んだ僕達は、家へと向かった。
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