上 下
69 / 89

第69話》敵がわんさかコース

しおりを挟む
 砂浜から木の階段を10段ほど登ると、セーフティエリアがあった。ここからが、コースの様だ。

 「じゃ行くわよ」

 シールドを張り終わり、リラさんの言葉で俺達は、森の中へと入った。

 ――ダイス3で、3個のダイスを振ります。

 うん? サイコロの数!?

 ――ダイス4で、敵4体が出現しました。
 ――ダイス5で、敵5体が出現しました。
 ――ダイス3で、敵3体が出現しました。

 ちょっと待ってよ! サイコロの数を決めるサイコロは4面体サイコロだった。それが3で、本当に3個の6面体サイコロが振られ、合計12体の敵が出現!

 「え~~~。うそ。凄い数になっちゃたよう」

 これは、ママルさんだ。数えるのもうんざりの数だ。敵は、イノシシみたいな感じで、牙が凄い。

 「オールファイヤー!」

 4体が倒れた。どうやらサイコロごとらしい。

 「オールファイヤー」

 5体もいけた!

 「オールファイヤー!」

 俺のは終了。

 「オールファイヤー! オールファイヤー!」

 6体は一回で消滅しなかったけど、レベルが上がって40レベルでも5体まで一発だ。

 「エット、ありがとう」

 「うん。オールファイヤー、オールファイヤー、オールファイヤー」

 ママルさんの敵を倒しミチさんを見ると、あのクリスタルの様な敵もいる!
 とりあえず、あの敵以外は、魔法で倒そう。

 「私もあの敵叩くね!」

 ママルさんが、ミチさんが出したクリスタルの敵を叩く。

 「オールファイヤー! オールファイヤー」

 よし、取りあえず、イノシシ系の敵は倒した。
 リラさんは?
 見ると、ちょうど倒し終わった所だ。さすがリラさん。

 「加勢するわ」

 「俺も」

 弓を出し、クリスタルの敵を攻撃する。そして、それも消滅して、全ての敵を倒した。

 「もう何よこれ! ナビちゃんと説明して!」

 リラさんがナビに怒っている。俺も聞こう。そう言えば経験値が入らなかったな。

 「ナビ。ここの敵も経験値なし? もしかしてイベントって基本、経験値ないの?」

 『はい。今回はこの島の敵からは経験値を得られません。得られるのは、イベントポイントです』

 「そうなんだ。貯まったら自動で賞品貰えるの?」

 『いえ。ギルドに所属しているプレイヤーは、ギルド部屋に戻った時に変換できます』

 敵を倒して1ポイントだったっけ?

 「敵を倒した時以外にもポイントって貰えるの?」

 『はい。取得ポイントが貰えます』

 よくわかんないけど、アイテムを取得すると貰えるってことかな?
 まあそれはいいや。敵の事を詳しく聞こう。

 「他のコースもここと同じ感じの仕組み?」

 『仕組みとは?』

 「敵の出現の仕方」

 『いえ、違います。山の中を行く洞窟ダンジョンは、4面体ダイスの目×プレーヤーレベルの敵が1体。山の上コースは、4~7の4面体ダイスを3個振り、掛けた目の数のレベルの敵が出現ます。また、スピード半減の制限が掛かります』

 そうだった。洞窟ダンジョンの敵のは聞いていた。しかし、山の上コースのスピード半減はえぐいな。攻撃が当たらない可能性がある。

 「どこいってもたどり着ける気がしないわ」

 ナビから話を聞いただろうリラさんが漏らす。

 「ナビはなんて言ってるの?」

 「とりあえず敵からは経験値は貰えないって。それで、ここはこういう感じ。一番難しいコースは、絶対無理。ここを行くしかないよ」

 「ちょっとエット。ちゃんと聞いた? ここもえぐいって!」

 「え……」

 「その顔は聞いてないわね。ダイスの数を決めるのは、今は4面体だけど、奥に進む程増えるらしい。最終的に10面体」

 「10!?」

 ママルさんが大きな声で驚く。って、俺達は絶句だ。

 「ちょ、ちょっと待って。それって最大10回ダイスを振って、60体の敵が出る可能性もあるって事?」

 ミチさんが聞くと、そうだとリラさんは頷く。

 「それって、俺達初心者じゃ行けないレベルじゃないか……」

 「100レベル以上のプレイヤーがいる場合は、敵のレベルは80になるそうよ。150になると120。200になると180。ここの敵でレベルは上がらないからいいけど、クリアさせる気はなさそうね」

 でもそう考えると、クリスタルダイスって凄いアイテムって事だよな。

 「なあナビ。もしアトリエにたどり着けたとして、俺達でクリアできる?」

 『はい。クリスタルを所持していれば、可能かと思われます』

 クリスタル? だから必需品なのか! かならず必要になるからクリスタルを作るアイテムがあったんだ。敵からクリスタルの欠片をゲットして作れる様に……。
 あれ? でも今回の敵からはドロップしてないな。

 「ねえ、ミチさん。さっきの敵からクリスタルの欠片ドロップした?」

 「えぇ。あのクリスタルみたいな敵からだけだけど」

 「やっぱり。その敵からしかクリスタルの欠片はドロップしないんだ!」

 「そうみたいね」

 リラさんも頷いた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

ちょっと神様!私もうステータス調整されてるんですが!!

べちてん
ファンタジー
アニメ、マンガ、ラノベに小説好きの典型的な陰キャ高校生の西園千成はある日河川敷に花見に来ていた。人混みに酔い、体調が悪くなったので少し離れた路地で休憩していたらいつの間にか神域に迷い込んでしまっていた!!もう元居た世界には戻れないとのことなので魔法の世界へ転移することに。申し訳ないとか何とかでステータスを古龍の半分にしてもらったのだが、別の神様がそれを知らずに私のステータスをそこからさらに2倍にしてしまった!ちょっと神様!もうステータス調整されてるんですが!!

知らない異世界を生き抜く方法

明日葉
ファンタジー
異世界転生、とか、異世界召喚、とか。そんなジャンルの小説や漫画は好きで読んでいたけれど。よく元ネタになるようなゲームはやったことがない。 なんの情報もない異世界で、当然自分の立ち位置もわからなければ立ち回りもわからない。 そんな状況で生き抜く方法は?

王太子様に婚約破棄されましたので、辺境の地でモフモフな動物達と幸せなスローライフをいたします。

なつめ猫
ファンタジー
公爵令嬢のエリーゼは、婚約者であるレオン王太子に婚約破棄を言い渡されてしまう。 二人は、一年後に、国を挙げての結婚を控えていたが、それが全て無駄に終わってしまう。 失意の内にエリーゼは、公爵家が管理している辺境の地へ引き篭もるようにして王都を去ってしまうのであった。 ――そう、引き篭もるようにして……。 表向きは失意の内に辺境の地へ篭ったエリーゼは、多くの貴族から同情されていたが……。 じつは公爵令嬢のエリーゼは、本当は、貴族には向かない性格だった。 ギスギスしている貴族の社交の場が苦手だったエリーゼは、辺境の地で、モフモフな動物とスローライフを楽しむことにしたのだった。 ただ一つ、エリーゼには稀有な才能があり、それは王国で随一の回復魔法の使い手であり、唯一精霊に愛される存在であった。

お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金
ファンタジー
次世代ファンタジーカップ【ユニークキャラクター賞】受賞作 《あらすじ》 この世界では12歳になると、自分に合ったジョブが決まる。これは神からのギフトとされこの時に人生が決まる。 皆、華やかなジョブを希望するが何に成るかは神次第なのだ。 そんな中俺はジョブを決める12歳の洗礼式で【魔物使い】テイマーになった。 花形のジョブではないが動物は好きだし俺は魔物使いと言うジョブを気にいっていた。 ジョブが決まれば12歳から修行にでる。15歳になるとこのジョブでお金を稼ぐ事もできるし。冒険者登録をして世界を旅しながらお金を稼ぐ事もできる。 この時俺はまだ見ぬ未来に期待していた。 だが俺は……一年たっても二年たっても一匹もテイム出来なかった。 犬や猫、底辺魔物のスライムやゴブリンでさえテイム出来ない。 俺のジョブは本当に魔物使いなのか疑うほどに。 こんな俺でも同郷のデュークが冒険者パーティー【深緑の牙】に仲間に入れてくれた。 俺はメンバーの為に必死に頑張った。 なのに……あんな形で俺を追放なんて‼︎ そんな無能な俺が後に…… SSSランクのフェンリルをテイム(使役)し無双する 主人公ティーゴの活躍とは裏腹に 深緑の牙はどんどん転落して行く…… 基本ほのぼのです。可愛いもふもふフェンリルを愛でます。 たまに人の為にもふもふ無双します。 ざまぁ後は可愛いもふもふ達とのんびり旅をして行きます。 もふもふ仲間はどんどん増えて行きます。可愛いもふもふ仲間達をティーゴはドンドン無自覚にタラシこんでいきます。

異世界でネットショッピングをして商いをしました。

ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。 それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。 これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ) よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m hotランキング23位(18日11時時点) 本当にありがとうございます 誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。

いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太
ファンタジー
 ひょんな事から異世界に召喚された木村哲郎は、救世主として期待されたが、手に入れたスキルはまさかの「買取」。  ハズレと看做され、城を追い出された哲郎だったが、スキル「買取」は他人のスキルを買い取れるという優れ物であった。

破滅不可避の悪役獣使いに転生したが肉塊になりたくないので聖獣娘、魔獣娘に媚びを売る〜嫌われないようにしていたらなぜか長たちになつかれている〜

マグローK
ファンタジー
【シックザール・モンスター】というゲームの悪役、ルカラ・デグリアスに転生した俺。  ルカラは作中、主人公の才能に嫉妬し、最強の聖獣や魔獣の長を強制的に使役できるほどの強力な力を悪用し、主人公一行の邪魔をする。  だが、最終的には聖獣、魔獣からの抵抗、主人公とその相棒の絆の力を前に敗北し、使役が解除される。  結果、再度使役するほどの体力のないルカラは聖獣、魔獣と立場が逆転し、これまで自分がやっていたようにこき使われることになる。  そして、最終的には肉塊として見つかる運命をたどる。  こうなったら、俺のヘイトが溜まる前に聖獣、魔獣たちに出会ったらむしろ、媚びを売ろう。  そうしてこき使うのはやめてせめて殺されないようにしよう。  主人公と出会ったとしても極力関わらないようにしよう。  そう思い、善良に生きることを決意したのだが、聖獣の子を手当てしただけなのになぜか聖獣の長が俺の前に!?  気づけば女主人公までも現れて!? え、俺の弟子になりたい!?  俺は殺されない平穏な生活がしたいだけなのに……。  わざわざ危険そうなフラグを持ち込まないでくれ!! この小説は他サイトでも投稿しています。

処理中です...