上 下
46 / 89

第46話》ダンジョン商会に登録です

しおりを挟む
 俺達は、ダンジョン商会を訪ねた。前にここで、ポイントを貯めてギルドを設立すると聞いたからだ。

 「なあ、ナビ。設立する予定がないプレイヤーもダンジョンに入るなら登録した方がいいのか?」

 『はい。ポイントが入りアイテムなどと交換できます』

 なら、一緒に登録した方がよさそうだ。

 「あのさ、ダンジョンに入るならここに登録すると、ポイントが貰えてアイテムとかと交換出来るんだって。みんなも登録したら」

 「おぉ。それならする!」

 「そうね。でも登録料とかかからないのかしら?」

 「……そこまで聞かなかった」

 「掛かるわよ。ダンジョンアイテム袋っていうのが支給されて、クエストで集めるアイテムは自動にそれに入るようになっているわ。因みに重量は1」

 ナビに聞く前に、リラさんが答えた。彼女は、登録済みらしい。

 「ありがとう。取りあえず俺は設立しなくちゃいけないから登録するね」

 「私もする!」

 「そうね。私もしておくわ」

 二人もする事になり三人揃って登録だ。

 で、登録する前にダンジョン商会の規約というカードを渡された。


 ――ダンジョン商会の規約。

 ◎登録する事により、クエストを受ける事が出来るようになります。
 ◎クエストをクリアすると、報酬としてダンジョンポイントを取得できます。
 ◎ダンジョンポイントは、ダンジョンを脱出した時に取得します。
 ◎ダンジョンポイントは、アイテムなどと交換ができます。

 ◎ダンジョンの脱出方法
  ○スタート地点のセーフティエリアに戻ると脱出できます。ダンジョンの前に戻ります。
  ○脱出魔法陣を使っての脱出。
   脱出魔法陣は、ダンジョンポイントと交換できます。一度使用すると消滅する魔法ですので、つど購入して下さい。脱出場所は、ダンジョン商会内になります。
   また、ギルドポイントによる脱出魔法陣もございます。こちらを取得している場合は、何度でも使用できます。脱出場所は、ギルド部屋内になります。

 ◎パーティーによるクエスト攻略時の注意点。
  ○パーティーで攻略する場合は、パーティーを組んでからリーダーがクエストを受けて下さい。クエストを受けた後にメンバーを増やす事は可能です。
  ○ダンジョンポイントは、パーティーに均等に振り分けられます。端数が出た場合は、リーダーに付与されます。
  ○宝箱開封権利のデフォルトは、リーダーになっています。宝箱開封権利とは、ダンジョン内の宝箱を開け取り出す事が出来る権利です。いつでも切り替えができます。

 ◎クエスト内容について。
  ○アイテム回収――モンスターを倒す事により手に入れる事が出来るアイテムになります。パーティーを組んでいる場合は、全体の合計になります。自動的に、渡した袋に入ります。
  ○ボス討伐――ダンジョン内にいるボスを討伐するとクリアになります。
  ○レアアイテム回収――こちらのアイテムは、宝箱に入っています。
  ○その他に、イベントなどで色々な条件があります。

 読み終えてカードを返しお金を渡すと、袋を貰った。それを鞄にしまう。

 「じゃ、クエストを見てみようか」

 奥の方に衝立があってそこに、薄いボードが張り付けてある。それにクエストが書かれていた。

 衝立には、クエストの受け方が書いてある。

 ――クエストの受け方。
 ボードに触れると、確認のコマンドが出ますのでクエストを受ける時はYESを受けない時はNOを選択してください。
 クエストは、一度に複数受ける事は出来ません。パーティー内にクエストを完了せずにいるメンバーがいた場合も、受ける事が出来ません。
 クリアせずにダンジョンから帰還した場合は、クリアするまで何度でも挑戦できますが、無理だという場合はカウンターに申し出て下さい。手数料を頂きますが、キャンセルする事が可能です。

 なるほど、一個ずつしか受けられないって事か。

 「エット。まずは、ポイントを貯める為に、一人でチャレンジしたら? 複数で行ったら時間がかかるでしょう?」

 「え……」

 「アイテム回収なら余裕だと思うのよね。30ポイントのを4回。どう?」

 リラさんの提案だけど、指差すボードを見ると確かに報酬30ポイントだ。

 「三人は、その間どうするの?」

 「三人で適当にダンジョンを回るわ。いいわよね?」

 「「………」」

 二人は、唖然としている。言っている事は理にかなっているかもしれないけど、一方的なんだよなぁ。三人にするのは怖い。

 「あのさ。俺の目的は、ギルド作成じゃなくて、みんなでダンジョンだから。俺は一人では行かないよ。みんなで行こうよ。急がなくてもいいだろう?」

 「うん。私もエットと一緒にダンジョンがいいなぁ」

 「あら? 私だってシールド張れるし、全体攻撃も出来るわよ?」

 「そういう事じゃなくて、みんなで楽しくやる為にギルドを作るんだから、それを犠牲にしてギルドを作らなくてもいいって事。四人で行こう」

 俺がそう言うと、リラさんは納得して頷いてくれた。大丈夫だろうか。ちょっと不安だ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢は始祖竜の母となる

葉柚
ファンタジー
にゃんこ大好きな私はいつの間にか乙女ゲームの世界に転生していたようです。 しかも、なんと悪役令嬢として転生してしまったようです。 どうせ転生するのであればモブがよかったです。 この乙女ゲームでは精霊の卵を育てる必要があるんですが・・・。 精霊の卵が孵ったら悪役令嬢役の私は死んでしまうではないですか。 だって、悪役令嬢が育てた卵からは邪竜が孵るんですよ・・・? あれ? そう言えば邪竜が孵ったら、世界の人口が1/3まで減るんでした。 邪竜が生まれてこないようにするにはどうしたらいいんでしょう!?

異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜

mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
【週三日(月・水・金)投稿 基本12:00〜14:00】 異世界にクラスメートと共に召喚された瑛二。 『ハズレモノ』という聞いたこともない称号を得るが、その低スペックなステータスを見て、皆からハズレ称号とバカにされ、それどころか邪魔者扱いされ殺されそうに⋯⋯。 しかし、実は『超チートな称号』であることがわかった瑛二は、そこから自分をバカにした者や殺そうとした者に対して、圧倒的な力を隠しつつ、ざまぁを展開していく。 そして、そのざまぁは図らずも人類の命運を握るまでのものへと発展していくことに⋯⋯。

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

【完結】過保護な竜王による未来の魔王の育て方

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
魔族の幼子ルンは、突然両親と引き離されてしまった。掴まった先で暴行され、殺されかけたところを救われる。圧倒的な強さを持つが、見た目の恐ろしい竜王は保護した子の両親を探す。その先にある不幸な現実を受け入れ、幼子は竜王の養子となった。が、子育て経験のない竜王は混乱しまくり。日常が騒動続きで、配下を含めて大騒ぎが始まる。幼子は魔族としか分からなかったが、実は将来の魔王で?! 異種族同士の親子が紡ぐ絆の物語――ハッピーエンド確定。 #日常系、ほのぼの、ハッピーエンド 【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/08/13……完結 2024/07/02……エブリスタ、ファンタジー1位 2024/07/02……アルファポリス、女性向けHOT 63位 2024/07/01……連載開始

異世界をスキルブックと共に生きていく

大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。

貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。

譚音アルン
ファンタジー
ブラック企業に勤めてたのがいつの間にか死んでたっぽい。気がつくと異世界の伯爵令嬢(第五子で三女)に転生していた。前世働き過ぎだったから今世はニートになろう、そう決めた私ことマリアージュ・キャンディの奮闘記。 ※この小説はフィクションです。実在の国や人物、団体などとは関係ありません。 ※2020-01-16より執筆開始。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

異世界に来ちゃったよ!?

いがむり
ファンタジー
235番……それが彼女の名前。記憶喪失の17歳で沢山の子どもたちと共にファクトリーと呼ばれるところで楽しく暮らしていた。 しかし、現在森の中。 「とにきゃく、こころこぉ?」 から始まる異世界ストーリー 。 主人公は可愛いです! もふもふだってあります!! 語彙力は………………無いかもしれない…。 とにかく、異世界ファンタジー開幕です! ※不定期投稿です…本当に。 ※誤字・脱字があればお知らせ下さい (※印は鬱表現ありです)

処理中です...