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第43話》Sランクの実力

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 ――3、2、1、スタート!

 「シールド、マジックシールド!」

 「疾風弾!」

 俺は、スタートの合図と共に叫んだ。相手もそうだけど……速そうなスキル名なのに、かなり遅い。素早さが最小値?

 「マジックシールド!」

 「ファイヤー!」

 相手もマジックシールドを張った。って、当たったけど倒れない!

 どういう事? この人、剣士系なのに魔力も人並み外れているの? 俺の攻撃15,000あるんだけど!

 「なあナビ。マジックシールドってどれくらいで覚えるの?」

 『800です』

 「800? あれ、800ってシールドじゃないの?」

 『いえ、シールドは400です』

 ママルさんの情報が間違っていたみたいだ。いやそんな事より、聞いても目安にならなかった。

 「疾風弾」
 
 「え! 速くなってる!?」

 なんとか交わすもこれ、次はないかも。
 魔力は15,000越え、だとすれば攻撃力はその上だろう。しかも素早さが上がってきている。
 やっぱりパッシブ持ちだ。

 『もしかしたら……。時間がありません。シールドを解除して、オールシールドを展開して下さい』

 よくわかんないけどやるしかない!

 「解除! シールド。オールシールド!」

 「疾風弾」

 え! 避けられない速さだ! やっぱり素早さが速くなっている!

 『もし耐えたのなら、スピードチェンジを唱えジャンプして弓攻撃を!』

 耐えられたのならって……!? 取りあえず弓を出して……。

 「スピードチェンジ! ジャンプ!」

 俺は、ジャンプして弓を構えた。

 「な! 嘘でしょう!」

 「それはこっちの台詞!」

 攻撃を受けて驚いた。シールドの残り15%程だった! どうして攻撃力の方が下なのかはわからないけど!
 たぶん倒したと思ったから隙が出来ていた。

 「オ、オールシールド!」

 避けられたはずの攻撃は、彼女を貫いた! ダブルボウは、連続攻撃の様で、シールドを破壊し、リラさんは消滅した。

 「はぁ……危なかった」

 ――優勝者、エット! おめでとうございます!

 俺は、準備室に移動した。

 「疲れたぁ……。攻撃力も魔力もって。凄すぎ」

 『変換のパッシブを持っていたようです』

 「変換?」

 『スキルを使用すると、最大値のX%を最小値に変換するパッシブです。エンチャントをする事によって、値が増えて行きます』

 「じゃ、最小値はやっぱり素早さって事?」

 『はい。あのダメージからいって、最大値は攻撃力だと思われます』

 という事は、一打目のあの時、避けてなかったら俺が負けていたな。

 「あ、そうだ。なんで、オールシールドなんだ?」

 『はい。オールシールドは、魔力の1.5倍です。一人で使用する時は、そのまま1.5倍のシールドを展開出来ます』

 なるほど。じゃ耐久力は、22,000越え……って、相手の攻撃力は減ってもそれぐらいの攻撃力があったって事か。凄いな。よく勝てたな。ナビ、様様だ。

 ――優勝賞品は、魔法の石22個になります。忘れずにお持ち帰り下さい。本日は、お疲れ様でした。

 うん? たったの22個? 勝利して手に入れた数と大して変わらないんだけど。まあ参加者10名じゃ仕方ないか。
 俺は、アイテムボックスを開けた。
 うん? ギルド設立カード?

 ――ギルドポイント10獲得しました。

 「え? ギルドポイント?」

 『優勝すると獲得できるポイントです。ギルドに入れば、個人ポイントとして使用出来ます』

 「このカードを使ってギルドを作れる?」

 『はい。そのギルド設立カードは、対戦ギルド向けになります』

 よく見れば(対戦)と書いてあった。

 「何が違うの?」

 『対戦に有利なスキルが、ギルドポイントで獲得出来ます。ダンジョンギルドは、ダンジョンに役立つスキルが獲得出来ます。両方に共通しているのは、パラメータを上げられる事です』

 なるほど。どちらを目指すかによって、考えてギルドに入った方がいいって事か。対戦用のギルドカードを手に入れたけど、俺はダンジョンの方がいいなぁ。

 ――あと1分で、準備室から離脱します。アイテムボックスからの回収をお忘れないようにお願いします。回収しなかったアイテムは、消滅します。

 回収は終了しているから離脱を待つだけだ。
 結構、面白かったな。アイテム集めに対戦はしようかな。
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