36 / 89
第36話》装備錬金は奥深い
しおりを挟む
そういえば俺、一番最初に錬金術を目指した時、エンチャントで色んな能力を付けるつもりでいたんだっけ? 今思い出した。
「あの、エンチャントの時に、色んな能力をつける事って出来ますよね? それって教えて貰えますか?」
「伝承の事かしら? 魔晶石を作れる様になれば可能だけど、普通のエンチャントでも確率は50%だけど引き継がれるわ。それでも覚える?」
そうなのか。確率は半分か。でも絶対ほしいのは、確実に移したいよな。
「はい!」
「ではまず、魔法の石+を2つ作ってごらんなさい」
俺は頷いて、魔法の石を握り、魔法の石+を2つ作った。
「こうやって両手に一つずつ持って合わせる。成功すれば取得できるわ」
魔法の石は、エメラルドグリーン色をしているが、魔晶石は濃い緑色だ。いとも簡単に作ってみせたけど……。
俺の足元で、サイコロが振られた。
――ダイス7とダイス3で、失敗しました。
――魔法の石+は、粉々に砕け散った。
――魔法の石+は、粉々に砕け散った。
「え!」
合わせた手の隙間から、砕けた魔法の石が散っていく。
これって、失敗すると壊れるの? 回復薬の時は、元に戻るだけだったからそうなるのかと思っていた。
「失敗の代償は大きわ。まあ根気よく頑張って」
「………」
いやこれは……気軽に出来る錬金術じゃないよ。50%に掛けるしかないかなぁ。
「そうそう。装備錬金だけど、道具が必要なのよ」
「道具? まず、それを作るって事ですか?」
「いいえ。それは私が作るわ。だから魔法の石1,000個頑張って集めてね」
「え! その道具に1,000個必要って事?」
レレドラベルは、ニッコリ頷いた。魔晶石を作る前にこっちを先にやった方がよさそうだ。
うん? 装備錬金って、武器、防具を作るって事だよね? 装備品ってそんなに作るもん? 魔法の石を集めるより、手に入れた装備品をエンチャントした方がよくないだろうか?
「あの、質問なんですけど、装備錬金って装備品を作る錬金術なんですよね?」
「そうよ」
「覚えるほどの価値というか、必要性ってありますか? 装備品はそれぞれ、一つあれば十分の様な気がするんですけど。エンチャントもあるし……」
「そうね。考え方は人それぞれよ。Sランクなら特にそうね。レベルが上がりづらいからバディを装備する人は少ないわ。バディにはパッシブがある。でも普通の装備にはないわ。そこで、自分で作る装備品に最初から色んな効果を付けて作成するのよ。エンチャントだと継承率50%だけど、装備錬金なら100%よ」
「え? そういう方法もあったんですか?」
「ええ。そしてエンチャントでは、その装備の特性しか上がらないわ。例えばそのローブ。普通にエンチャントすると魔防しか上がらないのよ。バディは、パッシブも上がっていくわ。そこで、用途で使い分け出来る様に、効果が違う装備を複数作るのよ」
「なるほど」
「勿論、色んな街に居る私の弟子たちに装備作成依頼を出来るけど、効果付けはしてくれないのよ。だから作ってもらった装備品に、自分でエンチャントの時に効果をつけるしかない。どちらを取るかは、本人しだいよ」
確かにそれなら自分で作れる方がいいかもしれない。
「それに壊れてしまった装備品を修復できるのも装備錬金だけ。エットは、錬金箱を持ち運べるから、魔法の石さえあればダンジョンでも修復可能よ」
なるほどね。その場で修復可能って事か。
「でもまあ、誓約書があるのですから1,000個調達頑張ってね」
「え!」
結局強制じゃないか……。
仕方がない、作ってもらえるんだから頑張って集めよう。
「あ、そうそう。設計図さえあれば装備品でなくても作れるわよ。興味があるモノがあったら手に入れておく事ね」
設計図! そう言えば、引換券なるものを手に入れている。どこかで引き換えられるって事だよな。何があるか見てみたいな。
よし当面は、魔法の石集めと、設計図集めにしょう!
「ありがとうございました。集まったらまた来ます」
「えぇ。楽しみにしているわ」
俺は、街へワープした。
「あの、エンチャントの時に、色んな能力をつける事って出来ますよね? それって教えて貰えますか?」
「伝承の事かしら? 魔晶石を作れる様になれば可能だけど、普通のエンチャントでも確率は50%だけど引き継がれるわ。それでも覚える?」
そうなのか。確率は半分か。でも絶対ほしいのは、確実に移したいよな。
「はい!」
「ではまず、魔法の石+を2つ作ってごらんなさい」
俺は頷いて、魔法の石を握り、魔法の石+を2つ作った。
「こうやって両手に一つずつ持って合わせる。成功すれば取得できるわ」
魔法の石は、エメラルドグリーン色をしているが、魔晶石は濃い緑色だ。いとも簡単に作ってみせたけど……。
俺の足元で、サイコロが振られた。
――ダイス7とダイス3で、失敗しました。
――魔法の石+は、粉々に砕け散った。
――魔法の石+は、粉々に砕け散った。
「え!」
合わせた手の隙間から、砕けた魔法の石が散っていく。
これって、失敗すると壊れるの? 回復薬の時は、元に戻るだけだったからそうなるのかと思っていた。
「失敗の代償は大きわ。まあ根気よく頑張って」
「………」
いやこれは……気軽に出来る錬金術じゃないよ。50%に掛けるしかないかなぁ。
「そうそう。装備錬金だけど、道具が必要なのよ」
「道具? まず、それを作るって事ですか?」
「いいえ。それは私が作るわ。だから魔法の石1,000個頑張って集めてね」
「え! その道具に1,000個必要って事?」
レレドラベルは、ニッコリ頷いた。魔晶石を作る前にこっちを先にやった方がよさそうだ。
うん? 装備錬金って、武器、防具を作るって事だよね? 装備品ってそんなに作るもん? 魔法の石を集めるより、手に入れた装備品をエンチャントした方がよくないだろうか?
「あの、質問なんですけど、装備錬金って装備品を作る錬金術なんですよね?」
「そうよ」
「覚えるほどの価値というか、必要性ってありますか? 装備品はそれぞれ、一つあれば十分の様な気がするんですけど。エンチャントもあるし……」
「そうね。考え方は人それぞれよ。Sランクなら特にそうね。レベルが上がりづらいからバディを装備する人は少ないわ。バディにはパッシブがある。でも普通の装備にはないわ。そこで、自分で作る装備品に最初から色んな効果を付けて作成するのよ。エンチャントだと継承率50%だけど、装備錬金なら100%よ」
「え? そういう方法もあったんですか?」
「ええ。そしてエンチャントでは、その装備の特性しか上がらないわ。例えばそのローブ。普通にエンチャントすると魔防しか上がらないのよ。バディは、パッシブも上がっていくわ。そこで、用途で使い分け出来る様に、効果が違う装備を複数作るのよ」
「なるほど」
「勿論、色んな街に居る私の弟子たちに装備作成依頼を出来るけど、効果付けはしてくれないのよ。だから作ってもらった装備品に、自分でエンチャントの時に効果をつけるしかない。どちらを取るかは、本人しだいよ」
確かにそれなら自分で作れる方がいいかもしれない。
「それに壊れてしまった装備品を修復できるのも装備錬金だけ。エットは、錬金箱を持ち運べるから、魔法の石さえあればダンジョンでも修復可能よ」
なるほどね。その場で修復可能って事か。
「でもまあ、誓約書があるのですから1,000個調達頑張ってね」
「え!」
結局強制じゃないか……。
仕方がない、作ってもらえるんだから頑張って集めよう。
「あ、そうそう。設計図さえあれば装備品でなくても作れるわよ。興味があるモノがあったら手に入れておく事ね」
設計図! そう言えば、引換券なるものを手に入れている。どこかで引き換えられるって事だよな。何があるか見てみたいな。
よし当面は、魔法の石集めと、設計図集めにしょう!
「ありがとうございました。集まったらまた来ます」
「えぇ。楽しみにしているわ」
俺は、街へワープした。
0
お気に入りに追加
396
あなたにおすすめの小説
転生 上杉謙信の弟 兄に殺されたくないので全力を尽くします!
克全
ファンタジー
上杉謙信の弟に転生したウェブ仮想戦記作家は、四兄の上杉謙信や長兄の長尾晴景に殺されないように動く。特に黒滝城主の黒田秀忠の叛乱によって次兄や三兄と一緒に殺されないように知恵を絞る。一切の自重をせすに前世の知識を使って農業改革に産業改革、軍事改革を行って日本を統一にまい進する。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
異世界に来ちゃったよ!?
いがむり
ファンタジー
235番……それが彼女の名前。記憶喪失の17歳で沢山の子どもたちと共にファクトリーと呼ばれるところで楽しく暮らしていた。
しかし、現在森の中。
「とにきゃく、こころこぉ?」
から始まる異世界ストーリー 。
主人公は可愛いです!
もふもふだってあります!!
語彙力は………………無いかもしれない…。
とにかく、異世界ファンタジー開幕です!
※不定期投稿です…本当に。
※誤字・脱字があればお知らせ下さい
(※印は鬱表現ありです)
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。
白雪姫症候群-スノーホワイト・シンドロームー
しらす丼
ファンタジー
20年ほど前。この世界に『白雪姫症候群-スノーホワイト・シンドロームー』という能力が出現した。
その能力は様々だったが、能力を宿すことができるのは、思春期の少年少女のみ。
そしてのちにその力は、当たり前のように世界に存在することとなる。
—―しかし当たり前になったその力は、世界の至る場所で事件や事故を引き起こしていった。
ある時には、大切な家族を傷つけ、またある時には、大事なものを失う…。
事件の度に、傷つく人間が数多く存在していたことが報告された。
そんな人々を救うために、能力者を管理する施設が誕生することとなった。
これは、この施設を中心に送る、一人の男性教師・三谷暁と能力に人生を狂わされた子供たちとの成長と絆を描いた青春物語である。
異世界召喚されて捨てられた僕が邪神であることを誰も知らない……たぶん。
レオナール D
ファンタジー
異世界召喚。
おなじみのそれに巻き込まれてしまった主人公・花散ウータと四人の友人。
友人達が『勇者』や『聖女』といった職業に選ばれる中で、ウータだけが『無職』という何の力もないジョブだった。
ウータは金を渡されて城を出ることになるのだが……召喚主である国王に嵌められて、兵士に斬殺されてしまう。
だが、彼らは気がついていなかった。ウータは学生で無職ではあったが、とんでもない秘密を抱えていることに。
花散ウータ。彼は人間ではなく邪神だったのである。
貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。
譚音アルン
ファンタジー
ブラック企業に勤めてたのがいつの間にか死んでたっぽい。気がつくと異世界の伯爵令嬢(第五子で三女)に転生していた。前世働き過ぎだったから今世はニートになろう、そう決めた私ことマリアージュ・キャンディの奮闘記。
※この小説はフィクションです。実在の国や人物、団体などとは関係ありません。
※2020-01-16より執筆開始。
異世界でチート能力貰えるそうなので、のんびり牧場生活(+α)でも楽しみます
ユーリ
ファンタジー
仕事帰り。毎日のように続く多忙ぶりにフラフラしていたら突然訪れる衝撃。
何が起こったのか分からないうちに意識を失くし、聞き覚えのない声に起こされた。
生命を司るという女神に、自分が死んだことを聞かされ、別の世界での過ごし方を聞かれ、それに答える
そして気がつけば、広大な牧場を経営していた
※不定期更新。1話ずつ完成したら更新して行きます。
7/5誤字脱字確認中。気づいた箇所あればお知らせください。
5/11 お気に入り登録100人!ありがとうございます!
8/1 お気に入り登録200人!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる