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第17話》ラッキーナンバーは命綱

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 「ごめん! 何か敵早くて追いつけなかった……。ここ何レベルなんだろう?」

 「え? そっか。レベル設定もあるのか……」

 『敵のレベルは、2レベル×かけるプレイヤーの人数です』

 「と、いう事は4レベルか……」

 確かに経験値が3だったからそうかも。

 「4レベルかぁ。最大レベルのプレイヤーのレベルになるのかな?」

 「いや、2レベル×プレイヤーの数みたい」

 「その情報、どこから?」

 驚いた顔をしたママルさんが聞いた。

 「あぁ……。えっと、ナビがいて……」

 「ナビ?」

 「初期値の数値が10の人は、ナビゲーションという魔法が使えるらしい」

 「え? そうなんだ。じゃ、私は覚えないのか。残念!」

 まあ、凄く役に立っている。ナビがいなきゃ、無限の鞄だってゲットできていなかっただろうし。
 それよりも、シールド張っておかなくちゃ。

 「オールシールド、オールマジックシールド」

 立ち上がり、忘れないうちにシールドを張っておく。

 「ずっとエットが誰かに話しかけている様な気がしていたんだよね。謎が解決してすっきりだわ」

 「あはは。やっぱりそう見えてるんだ」

 「うん。たまに振り向いて話しているからさ」

 ……無意識にナビの方を向いているらしい。気を付けよう。

 「ねね、今回、モンスターってダイスの数出なかった?」

 「うん。出たね。しかもドロップゼロなんだけど」

 「私、一個ドロップした。ラッキーナンバーじゃないと、ここではドロップしないみたいだね。えっと、復活の石だって。詳細は、死亡時にこれを所持していると、スタートのセーフティエリアで復活出来ます。だって……」

 なるほど。そのアイテムがあれば、復活出来るんだ。

 「その場じゃなくて、セーフティエリアにって事は、バラバラになっちゃうね。ここって、リタイアってあるのかな?」

 『はい、あります。アイテムを所持せずにパーティー内のプレイヤーが死亡した場合、リタイア扱いとなりダンジョンから帰還します』

 「続行不可能になった時のみか。シールド張ったからまず死ぬことはないとは思うけど、数が数だからなぁ。って、何故俺が狙われたんだ?」

 『このダンジョンでは、一番HPが少ないプレイヤーが狙われます。お気を付け下さい』

 うーむ。聞かないとそういう事を教えてくれないのがなぁ……。

 「なんて言ってるの?」

 「え? あぁ、HPが少ないプレイヤーが狙われるんだって」

 「なるほど。それでエットが狙われたのか」

 「いっぱい出るのがわかったから、オールで対処するよ」

 「MP大丈夫?」

 「大丈夫だと思う。MP回復の実もいっぱいあるし」

 「そっか! 宜しくね。私が強くなったら恩返しするからさぁ」

 「うん。ありがとう。さてと行きますか」

 「うん。まず右だったよね?」

 そうだと俺は頷いた。
 俺達は、進み始める。

 ――ダイス1で、敵1体が出現しました。

 「1体ならファイヤー!」

 ――敵を倒して、経験値3を取得しました。ストックされました。
 ――ダイス2で、復活の石を取得しました。

 やったぁ。復活の石だ。

 「えぇ! また6?」

 うん? 連続6だなんて、なんて引きがいいんだ……。

 「オールファイヤー」

 でもオールがあるから大丈夫。
 そう言えば、6体とも3,000ダメージを与えているんだろうか?

 「ねえ、ナビ。複数の時のダメージってどうなってるの?」

 『魔力の1.5倍を敵の数で割った分がダメージになります。先ほどの6体なら3,000×1.5÷6で750ずつダメージを与えています』

 じゃ、敵が強くなると、オール1回で倒せなくなるかもな。でも6体で1体750もダメージを与えているのかぁ。最大値って凄いよなぁ。

 「エット、ありがとう。でも凄いね。私も早く魔法攻撃してみた~い!」

 「早く杖が手に入るといいね」

 「うん? いやエットの方が必要じゃないの?」

 そうだった。俺、魔法攻撃してるんだからあった方がいいのかな? でも使わなくても攻撃出来るからなぁ。

 「俺はなくても使えるから……」

 「うらやましい限りだわ~」

 どうせなら剣を装備して物理で攻撃とかしてみたいかも。
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