15 / 89
第15話》幻のプレイヤー?
しおりを挟む
「やったぁ! レベル4になった!」
え? はや!
ママルさんと回って2週目。もうレベルアップしたらしい。彼女は、自分で出したモンスターは自分よりレベルが低いので、俺のモンスターの経験値でレベルアップした事になる。
俺は、レベル3になるのにまだ110ほど必要なのになぁ……。
「おめでとう」
「ありがとう。って、エットも3レベルにはなったでしょう?」
「う……」
SランクとCランクの経験値の差がこんなにあるなんて。同じランクなら俺はレベル3になってないとおかしいもんね。ばればれだ。
「ごめん! 俺、本当はSランクなんだ! 騙すつもりはなかったんだけど、言い出せなくって」
俺は、頭を下げた。
「いやだぁ! 何言ってんの?」
と、バシッと背中を叩かれた。信じてないんだけど!
「えーと。本当は、初期値HP10だったんだ。レベル2になって、30に……。レベル見てみたらわかるよ。まだレベル2のまんまだから」
「え? 本当? ステータス!」
半信半疑でママルさんは、俺のステータスを見て固まった。
「う、うそ~~!!」
声でか!
「ごめん。ぴったしって、ランクCにもぴったし当てはまってるって意味で言ったんだけど勘違いしちゃったみたいで、言い出せなくて」
「そんなのいいよ! 凄いよ! 幻のプレイヤーが目の前にいるなんて! 私、なんてラッキーなの!」
は? 見れてラッキーって……。怒るどころか喜んでるよ。
「ま、幻なの? Sランクって」
「そう言われているらしいよ。Sランクってレベル上がる時は凄く上がるけど、経験値が凄くいっぱいいるから最初は低くて大変らしい。でも長い目で見ると凄く強くなる! そしてもう一つの幻のランクはEランク! レベルで上がる数値は少ないけれど、レベルアップが早くてどんどん強くなっていく!」
そうママルさんは、熱弁を始めた。大興奮してます。本人より興奮って……。
「なんでもそのランクになるのには条件があるらしくて、残念ながらダイスに出て来なかったんだよね。本当に経験値がいっぱい必要なんだ~。さっきHPが10から30になったって言ったけど本当?」
「え? うん。本当」
「じゃ、レベルアップしたら初期値の2倍増えるのね。凄いね! あと経験値どれくらい?」
「えーと110ぐらい?」
「え~~! 私も110でまたレベル上がるよ?」
「え! そんなに差があるんだ……」
思ったよりSランクは、経験値が必要なんだな。ママルさんが言ったように、本来は、最初は苦労するランクだったんだ。たぶん俺は、素早さもあるから何とかなってるんだろうなぁ。
「凄いね。それでも素早さは全然追いつきそうもないけどね」
「あー……そうだね」
それはどう頑張っても無理だろうなぁ。本来は倍あるから。
ママルさんは、機嫌が悪くなるどころか、上機嫌になって村に戻った。
「あ! 君~! ステータス!」
うん? なんだ?
「よかった。まだ100以下だ。百のダンジョンに一緒に行かないか? 連れて行ってやるからさ!」
「百のダンジョン?」
振り向くと、詰め寄って来たのは、一緒に行くのを断ったプレイヤーだ。一体なんだ?
『百のダンジョンは、ステータスで運以外のパラメータで100以下の数値がある者がいないと入れないダンジョンです』
なるほど。それで俺と一緒にって事か。っていうか、俺がいないと入れないのに連れて行ってやるって……随分と上から目線だな。
「悪いけど、俺、もう行く人決まってるから他の人当たってくれる?」
「え? そうなのか? わかった」
チラッと、ママルさんを見て残念そうに立ち去った。
「百のダンジョンって? 地下百階まであるダンジョン? それ、もしかして私と行くって事?」
断る口実だったけど、覗いてみたいかも。100以下の人がいないと入れないみたいだし。
「うん。一緒に行ってみない? ステータスの数値が100以下の人が一緒じゃないと入れないダンジョンだって」
「へえ。私を連れて行ってくれるの? ありがとう!」
「よし、行ってみよう!」
「で、どこ?」
「え? あ……」
さて、どこかな? ナビに聞くかな。俺はこっそりナビに聞いたのだった――。
え? はや!
ママルさんと回って2週目。もうレベルアップしたらしい。彼女は、自分で出したモンスターは自分よりレベルが低いので、俺のモンスターの経験値でレベルアップした事になる。
俺は、レベル3になるのにまだ110ほど必要なのになぁ……。
「おめでとう」
「ありがとう。って、エットも3レベルにはなったでしょう?」
「う……」
SランクとCランクの経験値の差がこんなにあるなんて。同じランクなら俺はレベル3になってないとおかしいもんね。ばればれだ。
「ごめん! 俺、本当はSランクなんだ! 騙すつもりはなかったんだけど、言い出せなくって」
俺は、頭を下げた。
「いやだぁ! 何言ってんの?」
と、バシッと背中を叩かれた。信じてないんだけど!
「えーと。本当は、初期値HP10だったんだ。レベル2になって、30に……。レベル見てみたらわかるよ。まだレベル2のまんまだから」
「え? 本当? ステータス!」
半信半疑でママルさんは、俺のステータスを見て固まった。
「う、うそ~~!!」
声でか!
「ごめん。ぴったしって、ランクCにもぴったし当てはまってるって意味で言ったんだけど勘違いしちゃったみたいで、言い出せなくて」
「そんなのいいよ! 凄いよ! 幻のプレイヤーが目の前にいるなんて! 私、なんてラッキーなの!」
は? 見れてラッキーって……。怒るどころか喜んでるよ。
「ま、幻なの? Sランクって」
「そう言われているらしいよ。Sランクってレベル上がる時は凄く上がるけど、経験値が凄くいっぱいいるから最初は低くて大変らしい。でも長い目で見ると凄く強くなる! そしてもう一つの幻のランクはEランク! レベルで上がる数値は少ないけれど、レベルアップが早くてどんどん強くなっていく!」
そうママルさんは、熱弁を始めた。大興奮してます。本人より興奮って……。
「なんでもそのランクになるのには条件があるらしくて、残念ながらダイスに出て来なかったんだよね。本当に経験値がいっぱい必要なんだ~。さっきHPが10から30になったって言ったけど本当?」
「え? うん。本当」
「じゃ、レベルアップしたら初期値の2倍増えるのね。凄いね! あと経験値どれくらい?」
「えーと110ぐらい?」
「え~~! 私も110でまたレベル上がるよ?」
「え! そんなに差があるんだ……」
思ったよりSランクは、経験値が必要なんだな。ママルさんが言ったように、本来は、最初は苦労するランクだったんだ。たぶん俺は、素早さもあるから何とかなってるんだろうなぁ。
「凄いね。それでも素早さは全然追いつきそうもないけどね」
「あー……そうだね」
それはどう頑張っても無理だろうなぁ。本来は倍あるから。
ママルさんは、機嫌が悪くなるどころか、上機嫌になって村に戻った。
「あ! 君~! ステータス!」
うん? なんだ?
「よかった。まだ100以下だ。百のダンジョンに一緒に行かないか? 連れて行ってやるからさ!」
「百のダンジョン?」
振り向くと、詰め寄って来たのは、一緒に行くのを断ったプレイヤーだ。一体なんだ?
『百のダンジョンは、ステータスで運以外のパラメータで100以下の数値がある者がいないと入れないダンジョンです』
なるほど。それで俺と一緒にって事か。っていうか、俺がいないと入れないのに連れて行ってやるって……随分と上から目線だな。
「悪いけど、俺、もう行く人決まってるから他の人当たってくれる?」
「え? そうなのか? わかった」
チラッと、ママルさんを見て残念そうに立ち去った。
「百のダンジョンって? 地下百階まであるダンジョン? それ、もしかして私と行くって事?」
断る口実だったけど、覗いてみたいかも。100以下の人がいないと入れないみたいだし。
「うん。一緒に行ってみない? ステータスの数値が100以下の人が一緒じゃないと入れないダンジョンだって」
「へえ。私を連れて行ってくれるの? ありがとう!」
「よし、行ってみよう!」
「で、どこ?」
「え? あ……」
さて、どこかな? ナビに聞くかな。俺はこっそりナビに聞いたのだった――。
0
お気に入りに追加
396
あなたにおすすめの小説
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
女子力の高い僕は異世界でお菓子屋さんになりました
初昔 茶ノ介
ファンタジー
昔から低身長、童顔、お料理上手、家がお菓子屋さん、etc.と女子力満載の高校2年の冬樹 幸(ふゆき ゆき)は男子なのに周りからのヒロインのような扱いに日々悩んでいた。
ある日、学校の帰りに道に悩んでいるおばあさんを助けると、そのおばあさんはただのおばあさんではなく女神様だった。
冗談半分で言ったことを叶えると言い出し、目が覚めた先は見覚えのない森の中で…。
のんびり書いていきたいと思います。
よければ感想等お願いします。
生活魔法しか使えない少年、浄化(クリーン)を極めて無双します(仮)(習作3)
田中寿郎
ファンタジー
壁しか見えない街(城郭都市)の中は嫌いだ。孤児院でイジメに遭い、無実の罪を着せられた幼い少年は、街を抜け出し、一人森の中で生きる事を選んだ。武器は生活魔法の浄化(クリーン)と乾燥(ドライ)。浄化と乾燥だけでも極めれば結構役に立ちますよ?
コメントはたまに気まぐれに返す事がありますが、全レスは致しません。悪しからずご了承願います。
(あと、敬語が使えない呪いに掛かっているので言葉遣いに粗いところがあってもご容赦をw)
台本風(セリフの前に名前が入る)です、これに関しては助言は無用です、そういうスタイルだと思ってあきらめてください。
読みにくい、面白くないという方は、フォローを外してそっ閉じをお願いします。
(カクヨムにも投稿しております)
【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
【書籍化進行中】魔法のトランクと異世界暮らし
猫野美羽
ファンタジー
※書籍化進行中です。
曾祖母の遺産を相続した海堂凛々(かいどうりり)は原因不明の虚弱体質に苦しめられていることもあり、しばらくは遺産として譲り受けた別荘で療養することに。
おとぎ話に出てくる魔女の家のような可愛らしい洋館で、凛々は曾祖母からの秘密の遺産を受け取った。
それは異世界への扉の鍵と魔法のトランク。
異世界の住人だった曾祖母の血を濃く引いた彼女だけが、魔法の道具の相続人だった。
異世界、たまに日本暮らしの楽しい二拠点生活が始まる──
◆◆◆
ほのぼのスローライフなお話です。
のんびりと生活拠点を整えたり、美味しいご飯を食べたり、お金を稼いでみたり、異世界旅を楽しむ物語。
※カクヨムでも掲載予定です。
異世界をスキルブックと共に生きていく
大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる